明治から昭和初期の言論界をリードしたジャーナリスト、徳富蘇峰によるライフワーク。最初は「明治天皇御宇史」、つまり明治時代史を書くつもりだったという。その前提として織田信長から起稿し、55歳から90歳まで時計の針のように正確な日課で書き継ぎ、老齢のため「西南戦争の終結」をもって一応の結末をつけたという。全100巻。
この「日本史」は、その皇室中心主義のため、戦後の史家に表面は黙殺されつつ実は大いに利用されるという。蘇峰は政府や学界への人脈を利用して史料を貸し出させ、自らも蒐書に努めた甲斐あって、本書には珍しい史料がフルに活用されているからだ。さらに文語がまじった流暢な名文で人物を活写し、注釈はまったく入らず、語り物のようにスムーズに読ませる。
本書は通算で46冊目。文久年間の内政をあつかう。安政から慶応への転換点で、尊皇攘夷運動が高まる時期だ。大きな出来事では老中・安藤対馬守が襲撃される坂下門外の変と薩摩藩の内訌、寺田屋事件が起こる。大橋訥庵・長井雅楽・清河八郎・大久保一蔵(利通)が登場し、特に大久保が復帰した西郷隆盛と交渉する場面はドラマチック。
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近世日本国民史 維新への胎動 上: 文久大勢一変上篇 (講談社学術文庫 1097) 文庫 – 1993/10/1
文久元年5月、長藩長井雅楽(ながいうた)は航海遠略を公武合体の楔子(けつし)とすべき旨趣の口上書を朝廷に提出、朝幕間を周旋するも、同2年正月15日、坂下門外に於て閣老安藤対馬守が水戸浪士らに要撃される事件出来(しゅったい)で頓挫(とんざ)。天下の大勢は長井流公武合体策の実現すべからざるを見、薩藩島津久光は大兵を率いて上洛、朝主幕従公武合体を主唱、同年4月23日、尊攘派有馬新七らは薩藩士同士の乱闘、寺田屋事件起る。
- 本の長さ495ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1993/10/1
- ISBN-104061590979
- ISBN-13978-4061590977
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商品の説明
著者について
文久3年(1863)熊本県生れ。名は猪一郎(いいちろう)。熊本洋学校に学び、後、同志社に入りて新島襄の教えを受く。明治20年民友社を設立、「国民之友」「国民新聞」を発行、社長・主筆として健筆を揮う。その間貴族院議員・学士院会員となり、畢生の名著『近世日本国民史』によって学士院恩賜賞を得。昭和18年文化勲章受章。明治・大正・昭和を通じわが国の最も代表的な言論人であった。昭和32年11月2日没。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1993/10/1)
- 発売日 : 1993/10/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 495ページ
- ISBN-10 : 4061590979
- ISBN-13 : 978-4061590977
- Amazon 売れ筋ランキング: - 934,334位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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