「墨攻」という別書籍(小説かな?)で墨子の思想に興味を持ち購入。時代は中国の戦国時代あたりだそうです。良書です。
愛と平和の尊さを説きつつ、戦争は断固反対。そのくせ、いざ戦争になるとめっぽう強い。
そんな墨家思想の根底にはどんな考えがあったのか?という部分が気になりました。
一方でその思想は中国で生まれながら、キリスト教とも類似した点が多く、思想というより宗教に近いとも言われてたりします。さらに気になるじゃないですか。
そんなこんなで墨子を読み進めたのですが、基本は思想を元にした「アレはやっちゃダメ」「コレをやった方がいい」という生活習慣の指導が多いです。
ただ説明は論理的で「善悪の判断がつかない子供にも分かるレベル」だと感じました。
非攻論についてや、埋葬方法を手厚くする事への無意味さを説く文章に加え、穴がない合理的で論理的な説明なんかされた日には、当時の皇帝を怒らせたりしないか心配になります。
合理的&他人を思いやる気持ちの行きつく先がこの思想に至るのだと感じました。
文章としては、説明下手の方が読むと良さそうです。自分で書いといて耳が痛い。
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墨子 (講談社学術文庫) 文庫 – 1998/3/10
浅野 裕一
(著)
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春秋時代末期に墨子が創始し、戦国末まで儒家と思想界を二分する巨大勢力を誇った墨家の学団。自己と他者を等しく愛せと説く「兼愛」の教えや、侵略戦争を否定する「非攻」の思想を唱え独自の武装集団も保有したが、秦漢帝国成立期の激動の中で突如、その姿を消す。以後2千年を経て、近代中国の幕開けとともに脚光を浴びることになった墨家の思想の全容と消長の軌跡を、斯界の第一人者が懇切に説く。
- 本の長さ302ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1998/3/10
- 寸法10.8 x 1.2 x 14.8 cm
- ISBN-104061593196
- ISBN-13978-4061593190
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商品の説明
著者について
1946年仙台市生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。島根大学を経て、現在、東北大学大学院国際文化研究科教授。中国哲学専攻。主著は『黄老道の成立と展開』『孫子を読む』『鑑賞 中国の古典 孟子・墨子』(共著)、『孔子神話』など。学術文庫に『孫子』がある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1998/3/10)
- 発売日 : 1998/3/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 302ページ
- ISBN-10 : 4061593196
- ISBN-13 : 978-4061593190
- 寸法 : 10.8 x 1.2 x 14.8 cm
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2017年8月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2017年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「墨子」とは墨家の始祖・墨翟の敬称であり、その著書名でもある。
本書は、その両方の「墨子」について分量のバランスよく書かれており、その点では初めての「墨子」向けと言える。
『墨子』現存53編中、十論を中心に16編(一部は抄訳)を訳出。各編は現代語訳・書き下し及び原文・語注・解説、別に解説編として墨子・墨家集団および墨家思想を包括的に叙述する。
懇切な解説が本書の特長であり、本書での未訳部分や儒家文献など他史料からの引用、また墨子研究における他説なども引き、総合的な知識の提供が指向されている模様。
博愛主義の「兼愛」と反戦思想の「非攻」こそ墨家思想の中心といった形で紹介されることが多いが、それら十論は全て目標達成のために用意された手段に過ぎないことが示される。(魯問篇)
ところが、その最終目標を著者は「封建体制の維持」などと断定したため、各編の解釈や訳語まで引き摺られている部分があり大変残念。安易に賢治主義と断ずる尚賢篇、社会思想的側面を無視した節用篇の解釈や、根拠なく「天下」を「人類」と訳したり、「天」と「天帝・上帝」の自説に合わせた混同などなど、儒者の意図的な誤読による批判に近い印象。それでも根拠を明示する姿勢は徹底されているので、一つの解釈として参考になるのは確か。本書に限らず漢籍に関しては、やはり原文の載る意義は極めて大きい。
本書では軽くスルーされる「墨子は儒者の業を学び、孔子の術を受く。…(略)…故に周道に背きて夏政を用う」(『淮南子』要略篇)の一節だが、先王之道を標榜する"当時の"儒家思想における異端とする観点で、夏王朝の始祖・禹の事跡を調べてみるだけでも興味深い気付きが得られる。孟子以前の初期儒教というべき存在にも繋ってゆくのでは。
なお余談ながら、公輸篇ラストの「子墨子帰るに宋を過ぎる」以下は、楚に弟子三百人派遣済みというのが即興の嘘であった事を明かすオチ、と読むのが妥当。故に「衆人其の功を知らず」だが、どこか孫子の「百戦百勝は善の善なるものに非ず」(謀攻篇)を連想させる。
ともかく。解説や訳文はあくまでも参考であり、丹念に読む事の大切さを改めて思い出させられた一冊。
本書は、その両方の「墨子」について分量のバランスよく書かれており、その点では初めての「墨子」向けと言える。
『墨子』現存53編中、十論を中心に16編(一部は抄訳)を訳出。各編は現代語訳・書き下し及び原文・語注・解説、別に解説編として墨子・墨家集団および墨家思想を包括的に叙述する。
懇切な解説が本書の特長であり、本書での未訳部分や儒家文献など他史料からの引用、また墨子研究における他説なども引き、総合的な知識の提供が指向されている模様。
博愛主義の「兼愛」と反戦思想の「非攻」こそ墨家思想の中心といった形で紹介されることが多いが、それら十論は全て目標達成のために用意された手段に過ぎないことが示される。(魯問篇)
ところが、その最終目標を著者は「封建体制の維持」などと断定したため、各編の解釈や訳語まで引き摺られている部分があり大変残念。安易に賢治主義と断ずる尚賢篇、社会思想的側面を無視した節用篇の解釈や、根拠なく「天下」を「人類」と訳したり、「天」と「天帝・上帝」の自説に合わせた混同などなど、儒者の意図的な誤読による批判に近い印象。それでも根拠を明示する姿勢は徹底されているので、一つの解釈として参考になるのは確か。本書に限らず漢籍に関しては、やはり原文の載る意義は極めて大きい。
本書では軽くスルーされる「墨子は儒者の業を学び、孔子の術を受く。…(略)…故に周道に背きて夏政を用う」(『淮南子』要略篇)の一節だが、先王之道を標榜する"当時の"儒家思想における異端とする観点で、夏王朝の始祖・禹の事跡を調べてみるだけでも興味深い気付きが得られる。孟子以前の初期儒教というべき存在にも繋ってゆくのでは。
なお余談ながら、公輸篇ラストの「子墨子帰るに宋を過ぎる」以下は、楚に弟子三百人派遣済みというのが即興の嘘であった事を明かすオチ、と読むのが妥当。故に「衆人其の功を知らず」だが、どこか孫子の「百戦百勝は善の善なるものに非ず」(謀攻篇)を連想させる。
ともかく。解説や訳文はあくまでも参考であり、丹念に読む事の大切さを改めて思い出させられた一冊。
2023年5月13日に日本でレビュー済み
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墨子の教えを原文に沿って簡潔丁寧に解説されています。非常に理解し
やすかったです。「自己と他者を等しく愛せ」「音楽への耽溺の戒め」
「侵略戦争の否定」「宿命の否定」等々現代でも通用する教えだと感じ
ました。キリスト教や西洋思想にも近いと思う。ただ教えがキレイすぎ、
上っ面を撫でただけのように感じられ、これがその後の弱肉強食の中国
で見捨てられた原因なのだろうと思いました
やすかったです。「自己と他者を等しく愛せ」「音楽への耽溺の戒め」
「侵略戦争の否定」「宿命の否定」等々現代でも通用する教えだと感じ
ました。キリスト教や西洋思想にも近いと思う。ただ教えがキレイすぎ、
上っ面を撫でただけのように感じられ、これがその後の弱肉強食の中国
で見捨てられた原因なのだろうと思いました
2010年7月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戦国時代には、墨家は儒家と並ぶ一大学派だったが。
始皇帝による中原統一や、それに続く劉邦による漢朝の成立の中、何故か消滅している。
その理由はわからないが、当時の社会情勢を見れば凡そ推測は可能である。
墨子の思想は理想主義と言われるが、日本の憲法九条の信望者のように理想主義者によくある
現実と理想の区分をつけない夢想的なものではなく。
彼らは兼愛と非攻を唱えながら、それを実践するための武力を整備した武装集団であった。
中原が統一されると、こうした武装集団は、支配者にとっては都合の悪い存在であったのだろう。
もう一つ、対立する学派である法家が秦の国教となり、同じく対立学派の儒家が漢の国教となった事が大きいだろう。
国をまとめるのが法律を重視する法家の思想は、儒家や墨家のような捉え方の違いはあれど、同じく人間の理性を重視する考えを古いものと切り捨ています。
特に全ての民が賢人となることの必要性を説く墨家と違い、法家は民衆が学問を学ぶ事を無駄だとしています。
秦の始皇帝が行った暴挙として知られる坑儒焚書に観られるような弾圧が、墨家にも間違いなく行われていた事が想像できる。
そして儒教が漢朝の国教となった後は、何より儀礼を重視する儒教の教えの中では、過剰な儀礼は資源の無駄と切り捨て儒家を批判する立場にたった墨子の教えは容認できないものだったはずだ
近代まで儒教が中国の思想を主導してきた事から、まったく問題とされる事はなかったが。
漢朝では、儒教が国教になった時に始皇帝の坑儒焚書を遥かに凌ぐ規模の弾圧が他学派に対して行われた事がわかっている。
これによって春秋戦国時代から戦国時代までに成立した数多くの学派が消滅したと言われ。
墨家もその弾圧の犠牲となった事も推測できます。
それが近代によって見直される事になったのは、欧米によるキリスト教的価値観や民主主義・資本主義が入った事による。
欧米に遅れている事を認めたがらない中国の人々は、欧米の価値観を受け入れるにいたり、キリスト教のように愛を重視する墨子の思想を再発掘するに至った
それが近年の墨子の再評価である。
つまり墨子の思想は近代の民主主義に通ずる思想である事を知るべきでしょう。
墨子の思想は、儒教では高尚な遊びと尊む音楽あるいは祭礼を、資源や労力の無駄と切り捨てている。
これが祖先に敬意を払わない非礼なことだ、冷たい事だと儒家からの非難をうけましたが。
しかし決してそうではなく、過剰な例祭は民衆に負担を強いるので慎むべきとの教えであることを知るべきです。
そして、人民が学問を学ぶ事を無駄と切り捨てる法家と違い、墨子は人々が皆、賢人となることが必要だと説いている
これなど教育を重視する現在の価値観に通じるでしょう
墨子の教えはいまの時代に充分生きるものです
始皇帝による中原統一や、それに続く劉邦による漢朝の成立の中、何故か消滅している。
その理由はわからないが、当時の社会情勢を見れば凡そ推測は可能である。
墨子の思想は理想主義と言われるが、日本の憲法九条の信望者のように理想主義者によくある
現実と理想の区分をつけない夢想的なものではなく。
彼らは兼愛と非攻を唱えながら、それを実践するための武力を整備した武装集団であった。
中原が統一されると、こうした武装集団は、支配者にとっては都合の悪い存在であったのだろう。
もう一つ、対立する学派である法家が秦の国教となり、同じく対立学派の儒家が漢の国教となった事が大きいだろう。
国をまとめるのが法律を重視する法家の思想は、儒家や墨家のような捉え方の違いはあれど、同じく人間の理性を重視する考えを古いものと切り捨ています。
特に全ての民が賢人となることの必要性を説く墨家と違い、法家は民衆が学問を学ぶ事を無駄だとしています。
秦の始皇帝が行った暴挙として知られる坑儒焚書に観られるような弾圧が、墨家にも間違いなく行われていた事が想像できる。
そして儒教が漢朝の国教となった後は、何より儀礼を重視する儒教の教えの中では、過剰な儀礼は資源の無駄と切り捨て儒家を批判する立場にたった墨子の教えは容認できないものだったはずだ
近代まで儒教が中国の思想を主導してきた事から、まったく問題とされる事はなかったが。
漢朝では、儒教が国教になった時に始皇帝の坑儒焚書を遥かに凌ぐ規模の弾圧が他学派に対して行われた事がわかっている。
これによって春秋戦国時代から戦国時代までに成立した数多くの学派が消滅したと言われ。
墨家もその弾圧の犠牲となった事も推測できます。
それが近代によって見直される事になったのは、欧米によるキリスト教的価値観や民主主義・資本主義が入った事による。
欧米に遅れている事を認めたがらない中国の人々は、欧米の価値観を受け入れるにいたり、キリスト教のように愛を重視する墨子の思想を再発掘するに至った
それが近年の墨子の再評価である。
つまり墨子の思想は近代の民主主義に通ずる思想である事を知るべきでしょう。
墨子の思想は、儒教では高尚な遊びと尊む音楽あるいは祭礼を、資源や労力の無駄と切り捨てている。
これが祖先に敬意を払わない非礼なことだ、冷たい事だと儒家からの非難をうけましたが。
しかし決してそうではなく、過剰な例祭は民衆に負担を強いるので慎むべきとの教えであることを知るべきです。
そして、人民が学問を学ぶ事を無駄と切り捨てる法家と違い、墨子は人々が皆、賢人となることが必要だと説いている
これなど教育を重視する現在の価値観に通じるでしょう
墨子の教えはいまの時代に充分生きるものです
2015年10月19日に日本でレビュー済み
1998年の本。著者は東北大学教授(中国哲学)。墨家は思想集団であるだけでなく、独自に武装した軍事集団でもある。戦国末においては儒家と思想界を二分するほどの勢力を有していたが、秦漢のころには突如姿を消してしまい、以来絶学状態となり、再び脚光を浴びるようになったのはアヘン戦争後になってかららしい。「※」印は著者・浅野さんの解説。
曰く・・・
混乱の原因は相互に愛し合わないことにある(兼愛説)。君主は臣下を愛さずに自分だけの利益を図ろうとする、大夫は自分の家門だけを愛して他の家門を愛そうとしない(ゆえに他国を攻撃する)、いずれも愛し合わないことが原因。
殺人は不正義だとされるが、大掛かりな不義を働いて他国を侵略することは非難されず、義戦だと美化される。世界中の君子が正義と不正義の識別について錯乱している。
国家利益を倍増させる上で、人民の数を倍増させるのは難しい。人民を早く結婚させ、税金や労役を減らすべし。そのためには、戦争を減らし、冗長経費をなくす(節用論と非攻論)。
※墨家が消極的経済政策を説く背景には、現在の富の絶対量が不足しており、富の生産量にも大きな限界があるという認識がある。このため、各国は他国から富を奪おうとする。これを墨家はもっとも怖れる。荀子は墨家の節用論を天下を貧ならしめん、と批判している。
葬式も簡素にすべき。生産性が悪くなるから。
※鬼神は常時犯罪行為を監視しており、犯罪者には罰が下ると人びとが信じればこそ、社会治安を保つことができる(明鬼論)。鬼神の威を借りて個人的犯罪を禁圧する。
音楽は害毒。音楽にうつつを抜かすと、生産性が悪くなるから(非楽論)。
※古代中国において、宇宙の規則性・法則性を見出すために注目されたのは天体の運行と音楽(音階の規則性)。天文と音律は宇宙に秩序があることを人類に保証する理法。
※墨家は、人類は自然的存在のままでは過酷な自然環境で生存できないのだから、人為的努力によって自然界に働きかけて富をつくっていく(労働)ことを人間社会存立の必須要件であるという。それゆえの、節用論や非楽論。
孔子は下劣である。
※自己の信条に固執しようとする墨家からみると、融通無碍に俗世の栄達にすり寄ろうとする儒家は偽善者。ちなみに孟子は、墨子のことを禽獣だと非難している。
※墨子は、かつては自ら耕し、自ら武器をとって天下を救済しようとしたが個人的努力に限界を感じ、思想によって天下を教化する方針に転換した、という。
みたいな話。
曰く・・・
混乱の原因は相互に愛し合わないことにある(兼愛説)。君主は臣下を愛さずに自分だけの利益を図ろうとする、大夫は自分の家門だけを愛して他の家門を愛そうとしない(ゆえに他国を攻撃する)、いずれも愛し合わないことが原因。
殺人は不正義だとされるが、大掛かりな不義を働いて他国を侵略することは非難されず、義戦だと美化される。世界中の君子が正義と不正義の識別について錯乱している。
国家利益を倍増させる上で、人民の数を倍増させるのは難しい。人民を早く結婚させ、税金や労役を減らすべし。そのためには、戦争を減らし、冗長経費をなくす(節用論と非攻論)。
※墨家が消極的経済政策を説く背景には、現在の富の絶対量が不足しており、富の生産量にも大きな限界があるという認識がある。このため、各国は他国から富を奪おうとする。これを墨家はもっとも怖れる。荀子は墨家の節用論を天下を貧ならしめん、と批判している。
葬式も簡素にすべき。生産性が悪くなるから。
※鬼神は常時犯罪行為を監視しており、犯罪者には罰が下ると人びとが信じればこそ、社会治安を保つことができる(明鬼論)。鬼神の威を借りて個人的犯罪を禁圧する。
音楽は害毒。音楽にうつつを抜かすと、生産性が悪くなるから(非楽論)。
※古代中国において、宇宙の規則性・法則性を見出すために注目されたのは天体の運行と音楽(音階の規則性)。天文と音律は宇宙に秩序があることを人類に保証する理法。
※墨家は、人類は自然的存在のままでは過酷な自然環境で生存できないのだから、人為的努力によって自然界に働きかけて富をつくっていく(労働)ことを人間社会存立の必須要件であるという。それゆえの、節用論や非楽論。
孔子は下劣である。
※自己の信条に固執しようとする墨家からみると、融通無碍に俗世の栄達にすり寄ろうとする儒家は偽善者。ちなみに孟子は、墨子のことを禽獣だと非難している。
※墨子は、かつては自ら耕し、自ら武器をとって天下を救済しようとしたが個人的努力に限界を感じ、思想によって天下を教化する方針に転換した、という。
みたいな話。
2023年5月9日に日本でレビュー済み
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墨子のことは、ほとんど知らなかったので、面白く読みました。
漢文は、ほぼ、飛ばし読みでした。
近代まで、忘れ去られていた思想とのことですが、歴史をみれば、さもありなんと、納得しました。
漢文は、ほぼ、飛ばし読みでした。
近代まで、忘れ去られていた思想とのことですが、歴史をみれば、さもありなんと、納得しました。
2015年1月13日に日本でレビュー済み
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諸子百家が好きで墨子にも興味を持ち抄訳ながら本書を購入。
これまでに儒教の四書、孝経、荀子、道家の老子、荘子、列士、兵家の孫子、呉子、法家の韓非子の本を購入しているが、諸子百家関連の本でここまで内容の酷い本は本書がはじめてである。
本書の冒頭にも述べられているが本書は浅野氏の大学の修士論文の内容をもとに執筆されている。きつい言い方かもしれないが正しく大学の卒論レベルの出来なのである。
墨子を語るうえで十論(墨家の十大主張)はもっとも重要であるのは分かるが書かれている内容がほとんどそれだけなのである。
十論部分については、原文、書き下し、現代語訳、語注は書かれているが、その後に続く解説が一番ページを使っているのにもかかわらず内容が酷い。
他の研究者が執筆した墨子に関する本の内容の批判や根拠のない墨子に対する見解を一方的に述べているのである。本書の解説には金谷治氏の解説のような客観性が全く感じられない。
自分の固めきった考えを一方通行で述べているのみである。
こんなしょうもない解説にページをたくさん取るなら、原文、書き下し、現代語訳をもっと載せてほしかった。
極めつけはこれで1000円もとるのである。ぼったくりも甚だしい。
これまでに儒教の四書、孝経、荀子、道家の老子、荘子、列士、兵家の孫子、呉子、法家の韓非子の本を購入しているが、諸子百家関連の本でここまで内容の酷い本は本書がはじめてである。
本書の冒頭にも述べられているが本書は浅野氏の大学の修士論文の内容をもとに執筆されている。きつい言い方かもしれないが正しく大学の卒論レベルの出来なのである。
墨子を語るうえで十論(墨家の十大主張)はもっとも重要であるのは分かるが書かれている内容がほとんどそれだけなのである。
十論部分については、原文、書き下し、現代語訳、語注は書かれているが、その後に続く解説が一番ページを使っているのにもかかわらず内容が酷い。
他の研究者が執筆した墨子に関する本の内容の批判や根拠のない墨子に対する見解を一方的に述べているのである。本書の解説には金谷治氏の解説のような客観性が全く感じられない。
自分の固めきった考えを一方通行で述べているのみである。
こんなしょうもない解説にページをたくさん取るなら、原文、書き下し、現代語訳をもっと載せてほしかった。
極めつけはこれで1000円もとるのである。ぼったくりも甚だしい。
2021年3月12日に日本でレビュー済み
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現代語訳、漢文に沿った訳、漢文、の三種類が記述されていて、とても良かった。