江戸時代から明治時代にかけて、江戸(東京)に足跡を残したドイツ人(正確には、オーストリア人、オランダ人を含む)の、日本との関わりを記した書である。ドイツ語の原題は、「東京におけるドイツ散歩」であり、著者は、ドイツ語圏で有名なヤパノロギスト(日本学者)である、クライナー・ボン大学教授。
明治政府が憲法を当時のドイツに範をとり、医学はドイツから輸入したことなどはよく知られているし、かの有名なシーボルトはドイツ人だったなあ、ドイツ人が深く関わっているのは当たり前ではないか、と言われそうだが、本書に登場する14人の中には、そうした人はいない(但し、シーボルトの息子はいる。)。江戸時代に有田焼を輸出したオランダ人とか、帝国ホテルの外人への売り込みに成功したドイツ人の支配人とか、全国津々浦々を見回り警察を確立したドイツ人警部等々あまり知られていない人たちを紹介している。
読んで印象深かったことは、第1に、ドイツ人の日本への関心が深かったこと(自分たちが一番優秀だと思っているゲルマン人にしては、という感じ)、第2に、破産し、借金をしてまでもドイツの学術への援助の約束を実行した星一(星薬科大学の創始者)のように、すでにこの時代において、ドイツに対し援助をするという「対等な立場」の国際人が日本にもいたということだ。
学術文庫に入っている地味な感じの本だが、日本とヨーロッパの交流の一断面として、一読に値する。
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江戸・東京の中のドイツ (講談社学術文庫 1629) 文庫 – 2003/12/1
江戸期から近代にかけて、江戸・東京を舞台に活躍したドイツ人は数多い。「八重洲」にその名を残すヤン・ヨーステン、帝都改造計画に参画したエンデとベックマン、帝国ホテル繁栄の礎を築いた支配人フライク兄弟……。日・独交流に貢献し、わが国の発展にきわめて大きな役割をはたした彼らが、江戸・東京に残した軌跡を探索し、その事績を検証する。
- 本の長さ236ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2003/12/1
- ISBN-104061596292
- ISBN-13978-4061596290
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2003/12/1)
- 発売日 : 2003/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 236ページ
- ISBN-10 : 4061596292
- ISBN-13 : 978-4061596290
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,064,893位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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