表題作「どろんこ先生」は、読売新聞の日曜版に掲載された1ページ漫画(全47回)でした。毎週、新聞紙面の1ページだけに掲載されるのですが、「どろんこ先生」の場合、けっこう大きなスペースが与えられており、コマ数が25〜30ぐらい有って、大体が1話完結でした。
掲載スペースの形も、縦長の長方形ではなく、やや横長の正方形でしたので、オリジナルの状態では、とてもコミック用にそのまま転載はできそうにありません。
では、手塚先生は、どうしたかと言いますと、なんと、全部のコマをいったん分解してしまい、各話を約3ページ(1ページが10コマ前後)の短編に再構築してしまいました。当然、寸法が合わなくて、描き直したコマも多かった事でしょう。
巨匠でありながらも、そんな大変な手間ひまを厭わないあたりが、まさに手塚氏が自分の作品と読者をどこまでも大事にする「マンガの神様」である証拠なのであります。おかげで、その掲載スタイルゆえに「幻の作品」になっててもオカシくなかった「どろんこ先生」をコミックで普通に読む事ができるのであります。
同時収録の「ぐうたろう千一夜」は、ネタはSFっぽいけど正式なSFものじゃない、ちょっと変わった学園ものです。以前「走れ!クロノス」(旺文社。1977年)内に収録された時は全話未収録でしたが、こちらの単行本では全エピソードを読む事ができます。
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どろんこ先生 (手塚治虫漫画全集 278) コミック – 1983/11/1
手塚 治虫
(著)
平凡でいてユニーク、熱血漢でいて理性的、型やぶりで良識派の名物教師どろんこ先生が、無気力世代の中学生を相手に活躍する痛快学園漫画!他に、落ちこぼれ生徒のほのぼのとした夢を描く「ぐうたろう千一夜」を収録。
- 本の長さ207ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1983/11/1
- ISBN-104061732781
- ISBN-13978-4061732780
商品の説明
著者について
手塚 治虫
1928年、大阪府豊中市に生まれ、兵庫県宝塚市で育つ。大阪大学付属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。1946年、「マアチャンの日記帳」で漫画家デビュー。1962年には『ある街角の物語』でアニメーション作家としてもデビューする。おもな作品に、漫画では 『ジャングル大帝』『鉄腕アトム』その他多数、アニメーションでは『展覧会の絵』『ジャンピング』その他多数あり、全400巻の『手塚治虫漫画全集』(講談社)も刊行された。宝塚市には手塚治虫記念館がある。1989年に死去。
1928年、大阪府豊中市に生まれ、兵庫県宝塚市で育つ。大阪大学付属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。1946年、「マアチャンの日記帳」で漫画家デビュー。1962年には『ある街角の物語』でアニメーション作家としてもデビューする。おもな作品に、漫画では 『ジャングル大帝』『鉄腕アトム』その他多数、アニメーションでは『展覧会の絵』『ジャンピング』その他多数あり、全400巻の『手塚治虫漫画全集』(講談社)も刊行された。宝塚市には手塚治虫記念館がある。1989年に死去。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1983/11/1)
- 発売日 : 1983/11/1
- 言語 : 日本語
- コミック : 207ページ
- ISBN-10 : 4061732781
- ISBN-13 : 978-4061732780
- Amazon 売れ筋ランキング: - 347,795位コミック
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年3月6日に日本でレビュー済み
手塚先生はあらゆるジャンルの作品を描いていますが、スポ魂ものというのはないようですし、教師を題材にした作品もこれ一つきりではないでしょうか? 内容的には当時全盛だった熱血教師ものではありません。 どうも”熱血”というのは手塚先生の唯一苦手とするものだったようですね。 そのため、この作品はユーモア・ナンセンス教師ものになっていますが、この様なほんわかした手塚作品というのもその後はあまりないようなので一種の珍作としてお薦めできます。 歌舞伎役者の息子のエピソードなど、結構笑ってしまう話がたくさんあります。 どろんこ先生は、ブラック・ジャックの数少ない友達として、あちらにも何度か出演しています。
この手塚治虫漫画全集版には、”ぐう太郎千一夜”という、これまたマイナーな中学生ものが収録されています。 手塚作品の中ではまともに評論家などに採り上げられることのない作品ですが、デルマ隊長や、異次元世界の”ぐうたろう”という名前の女の子のエピソードなど、しみじみとしたペーソスが漂う小品で、うまいなあ、と感心してしまいます。 何かの折にふっとなつかしく思い出す作品なのです。 興味のある方は是非どうぞ。
この手塚治虫漫画全集版には、”ぐう太郎千一夜”という、これまたマイナーな中学生ものが収録されています。 手塚作品の中ではまともに評論家などに採り上げられることのない作品ですが、デルマ隊長や、異次元世界の”ぐうたろう”という名前の女の子のエピソードなど、しみじみとしたペーソスが漂う小品で、うまいなあ、と感心してしまいます。 何かの折にふっとなつかしく思い出す作品なのです。 興味のある方は是非どうぞ。
2022年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昔、中学生向けの月刊誌に連載されてた「ぐうたろう千一夜」を改めて読むことができました。