まず、古本とはいえこの金額はありがたい限りという作品。大手チェーン店ではなかなか見る事が出来ずオンラインストアでも在庫なし。
また利用させて頂きたい。

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匣の中の失楽 (講談社ノベルス) 新書 – 1991/10/30
竹本 健治
(著)
探偵小説愛好家の仲間うちで「黒魔術師」と綽名されていた曳間が殺害された。しかも友人のナイルズが現在進行形で書いている実名小説が予言した通りに……。弱冠22歳の青年が書いたこの処女作は、推理小説史に新たな頂点を画し、新本格推理の原点といわれる伝説の名著となった。現実と非現実の狭間に現出する、5つの〈さかさまの密室〉とは!? 綾辻行人氏推薦。 (講談社ノベルス)
- 本の長さ478ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1991/10/30
- ISBN-104061815873
- ISBN-13978-4061815872
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
長らくの間絶版状態で、一部のマニア以外には知られることのない"幻の名作"が、装いも新たに復活。探偵小説のマニアたちが、密室殺人にまきこまれる…。
著者について
1954年、兵庫県相生市に生まれる。78年、1200枚のデビュー作『匣の中の失楽』を幻影城より刊行。91年、14冊目の著書、1300枚の大作『ウロボロスの偽書』を講談社より刊行。
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年12月15日に日本でレビュー済み
ミステリー仲間が失踪・殺人と1人1人欠けていく.
残ったメンバーは推理合戦を繰り広げるが・・・.
失踪事件と密室殺人.
動機や密室トリック,入れ替わりや心理トリック,果てには五行や分子まで
さまざまな形での推理が繰り広げられる.
これをリアリティの欠如ととるか,古今東西の多様なミステリー作品からのサンプリングととるかで
この作品の評価は変わるのだろうが,いずれにしても少々退屈な小説である.
その一番の理由は他のレビューワーも書いている通り,
本の残りの分量から言って真相ではないとわかりきった推理を延々と読まされるのが苦痛だということに尽きる.
長々と語ってはすぐに否定される,というパターンの繰り返しなのもよくない.
いくつの推理が残って最後に真相が明かされる,とか緊張感を保てる構成になっていればもっと楽しめたと思うのだが.
それでも,この種の作品としては,それほど冗長さを感じない程度には雰囲気があるし,
きちんと真相も明かされている.
奇をてらいすぎて放り出してしまったような後追い作品よりはよい.
残ったメンバーは推理合戦を繰り広げるが・・・.
失踪事件と密室殺人.
動機や密室トリック,入れ替わりや心理トリック,果てには五行や分子まで
さまざまな形での推理が繰り広げられる.
これをリアリティの欠如ととるか,古今東西の多様なミステリー作品からのサンプリングととるかで
この作品の評価は変わるのだろうが,いずれにしても少々退屈な小説である.
その一番の理由は他のレビューワーも書いている通り,
本の残りの分量から言って真相ではないとわかりきった推理を延々と読まされるのが苦痛だということに尽きる.
長々と語ってはすぐに否定される,というパターンの繰り返しなのもよくない.
いくつの推理が残って最後に真相が明かされる,とか緊張感を保てる構成になっていればもっと楽しめたと思うのだが.
それでも,この種の作品としては,それほど冗長さを感じない程度には雰囲気があるし,
きちんと真相も明かされている.
奇をてらいすぎて放り出してしまったような後追い作品よりはよい.
2015年2月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
正確には、”いなくなりかけた”。
『ウロボロスの偽証』でガッカリした経験を踏まえてなお、読んでおくべきっぽい?と感じて手にしました。
読み進めていく内に、他の方のレビューの内容を思い出し、さんざん理屈をこねくり回したあげく、
「実は何も起きてなかった」って話なのか?とか思ったり、
章が変わるごとに、”今までのが小説(作中作)の話で”と、次々煙に巻かれる中で、
結局ウロボロスと同じなのか?と心配したりしました。
中盤では、悉く外れる推理合戦にも、そろそろ飽きたなぁ~って風になっちゃったし。
それでも”過剰な苦痛”を覚えることなく読み進められたのは、
程良く切り替わる章立てが上手かったからでしょうか。
”現実にはこんなのあり得ない!”って真相が語られますが、一応の決着はつけられますし、
(有耶無耶にされるんんじゃないかと気が気じゃなかった)
こりゃ考えすぎと思う様な符合の数々にも、プロットの練り込みが感じられます。
この辺がウロボロスと一線を画す点。
一見”連続殺人”なんだけど、それぞれ犯人が違ってて、ドミノ倒しの様に起こった事件だった
・・・という小説って無いかな~と漠然と考えていたのですが、それがこれだった(この辺がばれ)。
『ウロボロスの偽証』でガッカリした経験を踏まえてなお、読んでおくべきっぽい?と感じて手にしました。
読み進めていく内に、他の方のレビューの内容を思い出し、さんざん理屈をこねくり回したあげく、
「実は何も起きてなかった」って話なのか?とか思ったり、
章が変わるごとに、”今までのが小説(作中作)の話で”と、次々煙に巻かれる中で、
結局ウロボロスと同じなのか?と心配したりしました。
中盤では、悉く外れる推理合戦にも、そろそろ飽きたなぁ~って風になっちゃったし。
それでも”過剰な苦痛”を覚えることなく読み進められたのは、
程良く切り替わる章立てが上手かったからでしょうか。
”現実にはこんなのあり得ない!”って真相が語られますが、一応の決着はつけられますし、
(有耶無耶にされるんんじゃないかと気が気じゃなかった)
こりゃ考えすぎと思う様な符合の数々にも、プロットの練り込みが感じられます。
この辺がウロボロスと一線を画す点。
一見”連続殺人”なんだけど、それぞれ犯人が違ってて、ドミノ倒しの様に起こった事件だった
・・・という小説って無いかな~と漠然と考えていたのですが、それがこれだった(この辺がばれ)。
2023年7月2日に日本でレビュー済み
本書を読むなら講談社版ではなく、双葉文庫版を薦める。
本編の後に100ページ以上の付録があり、読後の余韻に浸りながら、より深く鑑賞できるからだ。
付録には
・作者と綾辻行人との対談
・作品論集
・作者の創作ノート
が含まれる。
特に作品ノートは必見!
本編の後に100ページ以上の付録があり、読後の余韻に浸りながら、より深く鑑賞できるからだ。
付録には
・作者と綾辻行人との対談
・作品論集
・作者の創作ノート
が含まれる。
特に作品ノートは必見!
2015年3月12日に日本でレビュー済み
ストーリーは単純。動きも少ない小説だと思う。
事件が起きる→
皆で推理する→
未解決→
実は今までの出来事は全部登場人物が書いた小説でした→
現実世界で本当に事件が起きる→
皆で推理→
未解決→
実は今までの出来事こそが全部小説で最初の事件が現実なのでした→
また事件が→
…………
これがこの物語の全てです。
読んでいてどちらが現実かどうかわからなくなるとか思うけれども、どちらにしても読者側からは所詮どちらも小説でしかなく、
どちらが現実か架空なのかという問題はさほど気にならない。
もっとも、あの事件が架空なのか現実なのか、どっちだったか少々混乱させられるけれども。
しかし読んでいて混乱するのはそのくらいのことでした。
物語自体が繰り返しの連続なので、正直退屈な場面が多く、
だれが犯人なのかとワクワクドキドキしてページをめくるというよりも
さっさとこの退屈な繰り返しの連続から抜け出したいがためにページをめくるという感じでした。
そうして読み終わったときには、どっと疲れが、達成感よりも、やっと解放されたというような重たい疲労感だけが残る小説だった。
事件が起きる→
皆で推理する→
未解決→
実は今までの出来事は全部登場人物が書いた小説でした→
現実世界で本当に事件が起きる→
皆で推理→
未解決→
実は今までの出来事こそが全部小説で最初の事件が現実なのでした→
また事件が→
…………
これがこの物語の全てです。
読んでいてどちらが現実かどうかわからなくなるとか思うけれども、どちらにしても読者側からは所詮どちらも小説でしかなく、
どちらが現実か架空なのかという問題はさほど気にならない。
もっとも、あの事件が架空なのか現実なのか、どっちだったか少々混乱させられるけれども。
しかし読んでいて混乱するのはそのくらいのことでした。
物語自体が繰り返しの連続なので、正直退屈な場面が多く、
だれが犯人なのかとワクワクドキドキしてページをめくるというよりも
さっさとこの退屈な繰り返しの連続から抜け出したいがためにページをめくるという感じでした。
そうして読み終わったときには、どっと疲れが、達成感よりも、やっと解放されたというような重たい疲労感だけが残る小説だった。
2011年3月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は竹本健治の処女作であり、おそらく現在のところ最高傑作であろう。
本格ミステリにチャレンジして、一応ミステリとしての形をなしている。
ミステリ好きによるミステリ好きのための作品といえる。
もちろん「幻影城」連載作品だから、当然であろう。
「黒死館」や「虚無」を彷彿とさせるようなペダントリィが満載だが、それもけして難解なものばかりではない。
難解なのは本書の構成であり、どこに真実が有るのかに、読者はとまどうわけである。
著者の目的はこの読者を迷わせるところにあり、本来ならもっときれいに着地するはずだったのであろう。
それがこのような形になった背景はもちろんあるのだろうが、それも含めて著者の意図を読み解くことが、本書の最大の面白さであろう。
ストーリーの表面上の解決がつく分、ミステリとしてのストーリーの厚みはそれほどない。
しかし、それを補ってあまりある先達へのチャレンジ精神という、若さだけが持ち得る熱気が満ちあふれている。
私の初読は作中人物たちと同年配のときであり、連載をリアルタイムで読んだのち、幻影城刊行のハードカバーを熱病に罹ったような気分で読んだことを覚えている。
講談社文庫版は何度か読み直し、その年代ごとに感じるものがある。
特に現在は、登場する若者達すべてに対して、とても暖かい目で見ることができる分、各人の心理的な動きに対する著者の配慮を楽しむことができた。
さまざまな年代の人に読んでほしい作品であるが、特に作中人物たちと同年配の若者達には、ぜひ一度この迷宮に立ち入ってほしいと思う。
ただし、著者の意図した真実は、作中人物と同じように霧の中を彷徨っているのである。
本格ミステリにチャレンジして、一応ミステリとしての形をなしている。
ミステリ好きによるミステリ好きのための作品といえる。
もちろん「幻影城」連載作品だから、当然であろう。
「黒死館」や「虚無」を彷彿とさせるようなペダントリィが満載だが、それもけして難解なものばかりではない。
難解なのは本書の構成であり、どこに真実が有るのかに、読者はとまどうわけである。
著者の目的はこの読者を迷わせるところにあり、本来ならもっときれいに着地するはずだったのであろう。
それがこのような形になった背景はもちろんあるのだろうが、それも含めて著者の意図を読み解くことが、本書の最大の面白さであろう。
ストーリーの表面上の解決がつく分、ミステリとしてのストーリーの厚みはそれほどない。
しかし、それを補ってあまりある先達へのチャレンジ精神という、若さだけが持ち得る熱気が満ちあふれている。
私の初読は作中人物たちと同年配のときであり、連載をリアルタイムで読んだのち、幻影城刊行のハードカバーを熱病に罹ったような気分で読んだことを覚えている。
講談社文庫版は何度か読み直し、その年代ごとに感じるものがある。
特に現在は、登場する若者達すべてに対して、とても暖かい目で見ることができる分、各人の心理的な動きに対する著者の配慮を楽しむことができた。
さまざまな年代の人に読んでほしい作品であるが、特に作中人物たちと同年配の若者達には、ぜひ一度この迷宮に立ち入ってほしいと思う。
ただし、著者の意図した真実は、作中人物と同じように霧の中を彷徨っているのである。
2012年5月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大雑把に内容を書くと
・事件が起きた
・登場人物たちが推理した
・誰が(犯人)、何で(動機)、どうやって(トリック)やったかが解る
(大雑把過ぎですね)
そして読んだあとにふと思う。「何が起きたんだ?」と。
ごく稀に犯人や動機、トリックを説明しないまま終わる作品はあるが、どんな事件が起きたかが解らない推理小説はないと思う。(「虚無への供物」でも少なくとも事件の内容はわかりました)
読み直すほど、どんな事件が起きたのか解らなくなる。
これは読まないと説明できない感覚。
・事件が起きた
・登場人物たちが推理した
・誰が(犯人)、何で(動機)、どうやって(トリック)やったかが解る
(大雑把過ぎですね)
そして読んだあとにふと思う。「何が起きたんだ?」と。
ごく稀に犯人や動機、トリックを説明しないまま終わる作品はあるが、どんな事件が起きたかが解らない推理小説はないと思う。(「虚無への供物」でも少なくとも事件の内容はわかりました)
読み直すほど、どんな事件が起きたのか解らなくなる。
これは読まないと説明できない感覚。
2016年1月12日に日本でレビュー済み
小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』、夢野久作の『ドグラ・マグラ』、中井英夫の『虚無への供物』に連なる国産本格ミステリーの問題作ということで、かなり前から本棚に置き、いつかはと思いつつ、年明けにようやく手に取り、つっかえながらやっと通読できた。本編だけで文庫646頁。複雑な構成をもった不思議な風味の長編小説といったところか。
登場するのは、ミステリー好きの若者12人。物語は序章と終章を除けば、全部で5章あり、それぞれが一種の入れ子構造になっていて、ミステリーの中に作中ミステリーが入り込み、合わせ鏡のような向こう側に別の作中ミステリーが侵入してくる、といった仕掛け。12人のうち4人が死んだ、という展開のようだったが、死んだはずの人物が次の章では死んでおらずに仲間たちと推理の知恵比べをしたりしていて、話の流れを追うのも大変だった。
もっとも、密室、アリバイ、暗号、犯罪動機の解明など、推理小説の大抵の要素が混在しており、部分々々は面白く読めはした。しかし、むかし赤鉛筆で線を引きながら推理小説を読み進み、エラリー・クイーン等の諸作のおしまい近くによく出てくる「読者への挑戦」に応戦して探偵役のなぞ解きの前に犯人などを割り出す(まれに当たった)という楽しみ方はできないまま。『黒死館』も『ドグラ・マグラ』もむかし読み始めて中途でギブアップした覚えがあり(『供物』は面白く読んだ)、今回も通読はできたものの、何やかやで☆は三つどまり。
登場するのは、ミステリー好きの若者12人。物語は序章と終章を除けば、全部で5章あり、それぞれが一種の入れ子構造になっていて、ミステリーの中に作中ミステリーが入り込み、合わせ鏡のような向こう側に別の作中ミステリーが侵入してくる、といった仕掛け。12人のうち4人が死んだ、という展開のようだったが、死んだはずの人物が次の章では死んでおらずに仲間たちと推理の知恵比べをしたりしていて、話の流れを追うのも大変だった。
もっとも、密室、アリバイ、暗号、犯罪動機の解明など、推理小説の大抵の要素が混在しており、部分々々は面白く読めはした。しかし、むかし赤鉛筆で線を引きながら推理小説を読み進み、エラリー・クイーン等の諸作のおしまい近くによく出てくる「読者への挑戦」に応戦して探偵役のなぞ解きの前に犯人などを割り出す(まれに当たった)という楽しみ方はできないまま。『黒死館』も『ドグラ・マグラ』もむかし読み始めて中途でギブアップした覚えがあり(『供物』は面白く読んだ)、今回も通読はできたものの、何やかやで☆は三つどまり。