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ミステリーズ 完全版 (講談社ノベルス ヤL- 1) 新書 – 1997/9/1
山口 雅也
(著)
狂気と逸脱をテーマに奏でられる短編集。単行本未収録作品・追加収録。
- 本の長さ336ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1997/9/1
- ISBN-10406181981X
- ISBN-13978-4061819818
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
「密室症候群」から「不在のお茶会」まで10作品を、2枚組のCDに見立てて構成、狂気と逸脱をテーマに奏でられる完璧な短編集。94年刊に「《世界劇場》の鼓動」を追加収録した完全版。
著者について
1954年横須賀市生まれ。早稲田大学法学部卒業。ミステリーをはじめ、映画、音楽などの評論活動を行う。1989年「生ける屍の死」で衝撃のデビューを飾ると同時に、ミステリー界に独自の地位を築く。後続の若手作家にも絶大な影響を与えている。「日本殺人事件」で第48回日本推理作家協会賞も受賞。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1997/9/1)
- 発売日 : 1997/9/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 336ページ
- ISBN-10 : 406181981X
- ISBN-13 : 978-4061819818
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,002,794位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年9月12日に日本でレビュー済み
単行本(1994年)→講談社ノベルス(1994年)→本書。
単行本版に比べると「<世界劇場>の鼓動」が新たに加えられている(ノベルス版から)。
10本を集めた短編集。1995年の『このミス』国内第一位に輝いたことでも知られる。
前半はキレのある短篇、中頃はミステリという枠組みへのパロディ、後半はミステリという存在への考察となっている。といっても、1、2篇を除いては普通の読者にも楽しめるものだし、ミステリ・ファンにはマニア心をくすぐられる物語となっている。
アイデアの秀逸さが光っている。楽しくて軽い文体で書かれている点も嬉しい。
単行本版に比べると「<世界劇場>の鼓動」が新たに加えられている(ノベルス版から)。
10本を集めた短編集。1995年の『このミス』国内第一位に輝いたことでも知られる。
前半はキレのある短篇、中頃はミステリという枠組みへのパロディ、後半はミステリという存在への考察となっている。といっても、1、2篇を除いては普通の読者にも楽しめるものだし、ミステリ・ファンにはマニア心をくすぐられる物語となっている。
アイデアの秀逸さが光っている。楽しくて軽い文体で書かれている点も嬉しい。
2011年11月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作家とタイトルを見て勝手に本格推理小説かと思い購入しましたが、内容はちょっと違いました。ミステリーには間違いないのですが、いわゆる謎解きモノのではなく、一風変わった趣向の短編集でした。それぞれ趣向を凝らせてありそれなりに楽しめましたが衒学的な部分もあり、特に後半においては意外と読みにくいという印象でした。
2007年1月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作者がミステリの新しい可能性を探るため挑んだ実験的短編集。作者が旧来のミステリに満足できず、新たな世界に挑んだ意欲は買えるが、さほどの斬新さを感じさせるアイデアはないし、マニア向けの細かい趣向を除くと読者を楽しませるという娯楽小説の原点の意識に欠けると思う。
「密室症候群」は作中作の中に作中作があり、かつ"心の密室"を扱うという凝った趣向で、本作では一番の出来。「禍なるかな、いま笑う死者よ」は笑い顔の死人の謎を扱うものだが、物語にして綴る程のアイデアではない。この程度のレベルの作品が多過ぎる。「解決ドミノ倒し」は舞台劇を意識した殺人ドラマで、ドンデン返しの無限地獄で笑わせるが、最後のオチがありきたりでガッカリさせる。「不在のお茶会」はクィーンの「キ印そろいのお茶の会」の題名のもじりで、「<私>とは何か」を追求しているようで、実は「ミステリにおける<読者>の役割」を論じたもの。そして、これが本作全体のテーマになっている。「あなたが目撃者です」も本当は<読者>を登場人物にしたかったのであろう。小説なので、ああいう書き方しか出来なかったが。「解決ドミノ倒し」も犯人は<読者(聴衆)>だと言っているのだ。全体構成に対する作者の再三の注釈は煩い。
文学(芸術)作品のように、"私の作品は分かる人だけ分かれば良い"という態度で娯楽小説を書いて貰っては困る。新しいミステリ像の構築と言う目的が先走ってしまい、読者に対するミステリ的驚きを与えるという点で不満が残る作品。
「密室症候群」は作中作の中に作中作があり、かつ"心の密室"を扱うという凝った趣向で、本作では一番の出来。「禍なるかな、いま笑う死者よ」は笑い顔の死人の謎を扱うものだが、物語にして綴る程のアイデアではない。この程度のレベルの作品が多過ぎる。「解決ドミノ倒し」は舞台劇を意識した殺人ドラマで、ドンデン返しの無限地獄で笑わせるが、最後のオチがありきたりでガッカリさせる。「不在のお茶会」はクィーンの「キ印そろいのお茶の会」の題名のもじりで、「<私>とは何か」を追求しているようで、実は「ミステリにおける<読者>の役割」を論じたもの。そして、これが本作全体のテーマになっている。「あなたが目撃者です」も本当は<読者>を登場人物にしたかったのであろう。小説なので、ああいう書き方しか出来なかったが。「解決ドミノ倒し」も犯人は<読者(聴衆)>だと言っているのだ。全体構成に対する作者の再三の注釈は煩い。
文学(芸術)作品のように、"私の作品は分かる人だけ分かれば良い"という態度で娯楽小説を書いて貰っては困る。新しいミステリ像の構築と言う目的が先走ってしまい、読者に対するミステリ的驚きを与えるという点で不満が残る作品。
2003年8月25日に日本でレビュー済み
です。因みに短編集が受賞したのは初との事。
玄人好み、なのでしょうか。何だかそういう評価も聞きますが、決してそんな事はないですよ、と僕は思います。マニア向け作品、などという事もありません。相当凝った作品ではありますが、楽しいです。
テーマは「狂気と逸脱」。でも内にこもる類ではなく、寧ろ躁状態のグルーヴを感じます。「ミステリ」の可能性をここでも山口氏は追及、若しくは探求しているのでしょう。吃驚するオチ満載ですよ。それでいて一貫したテーマは常に流れています。見事な短編集ですよ、これは。
可能性として残された、考え得る「ミステリ」の作法の集合。だから『ミステリーズ』。
玄人好み、なのでしょうか。何だかそういう評価も聞きますが、決してそんな事はないですよ、と僕は思います。マニア向け作品、などという事もありません。相当凝った作品ではありますが、楽しいです。
テーマは「狂気と逸脱」。でも内にこもる類ではなく、寧ろ躁状態のグルーヴを感じます。「ミステリ」の可能性をここでも山口氏は追及、若しくは探求しているのでしょう。吃驚するオチ満載ですよ。それでいて一貫したテーマは常に流れています。見事な短編集ですよ、これは。
可能性として残された、考え得る「ミステリ」の作法の集合。だから『ミステリーズ』。