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QED 六歌仙の暗号 (講談社ノベルス) 新書 – 1999/5/10
高田 崇史
(著)
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購入オプションとあわせ買い
魔術(うた)を忘れた我々に隠されていた真実が、容赦のない論理で暴かれる──有栖川有栖
「明邦大学・七福神の呪い」──大学関係者を怯えさせる連続怪死事件は、歴史の闇に隠されていた「呪い」を暴こうとする報いか!?ご存じ、桑原崇が膨大な知識を駆使し、誰も辿り着けなかった「七福神」と「六歌仙」の謎を解き明かす。そして浮かび上がった事件の真相とは?前作『百人一首の呪』に続く驚異のミステリ!
「やまと歌は、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける。世の中にある人、ことわざ繁きものなれば、心に思ふことを、見るもの聞くものにつけて、言ひ出せるなり。花に鳴く鶯、水に住む蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌を詠まざりける。」
【QED】
quod erat demonstrandum
証明終わり
「明邦大学・七福神の呪い」──大学関係者を怯えさせる連続怪死事件は、歴史の闇に隠されていた「呪い」を暴こうとする報いか!?ご存じ、桑原崇が膨大な知識を駆使し、誰も辿り着けなかった「七福神」と「六歌仙」の謎を解き明かす。そして浮かび上がった事件の真相とは?前作『百人一首の呪』に続く驚異のミステリ!
「やまと歌は、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける。世の中にある人、ことわざ繁きものなれば、心に思ふことを、見るもの聞くものにつけて、言ひ出せるなり。花に鳴く鶯、水に住む蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌を詠まざりける。」
【QED】
quod erat demonstrandum
証明終わり
- 本の長さ382ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1999/5/10
- ISBN-10406182063X
- ISBN-13978-4061820630
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
「明邦大学・七福神の呪い」-大学関係者を怯えさせる連続怪死事件は、歴史の闇に隠されていた呪いを暴こうとすることへの報いか? 桑原崇が膨大な知識を駆使して事件の真相に迫る「QED」シリーズ第2弾。
著者について
昭和33年東京都生まれ。明治薬科大学卒。
著書に『QED百人一首の呪』がある。
著書に『QED百人一首の呪』がある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1999/5/10)
- 発売日 : 1999/5/10
- 言語 : 日本語
- 新書 : 382ページ
- ISBN-10 : 406182063X
- ISBN-13 : 978-4061820630
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,444,595位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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昭和33年東京都生まれ。明治薬科大学卒。『QED 百人一首の呪』(講談社ノベルス)で、第9回メフィスト賞を受賞しデビュー(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『鬼神伝』(ISBN-10:4061827359)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2020年3月31日に日本でレビュー済み
「七福神」と「六歌仙」の謎を解き明かす第2弾ということですが、滅茶苦茶な順番で読んでいるのにも関わらず、あまりそこは順番どおりでなくて全然気にはなりません。というのも、歴史の蘊蓄?妄想?が面白いし読みやすいのでスラスラ読んでしまうのですが、登場人物たちの関係性に関しては、正直あまり興味が持てませんし、またセットで必ず起こる殺人事件は…もう、個人的には犯人が分かった時点で本を閉じてしまおうか、というほどのものなので、そんな無理に毎回死ななくても大丈夫なのになあ…と思ってしまいます。
でも普段あまり深く考えることもなかった七福神について考える機会となったことに関しては、素直に面白かったです。
でも普段あまり深く考えることもなかった七福神について考える機会となったことに関しては、素直に面白かったです。
2014年9月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こういう作品を子供の頃に読みたかった。きっと日本史や古典に対する興味が遥かに沸いたと思う。具体的には、日本史ならば平安時代を学ぶ前、古文ならば伊勢物語を学ぶ前。つまり、その分野を学ぶ前の少年少女たちにこそ、本作品を読んでもらいたいと思った。もちろん、こういう分野に興味のない大人たちにもお勧めしたい。きっと興味が沸くだろう。
沸いた興味から得られるものは、なにも関連する分野の学習モチベーションが期待できるということばかりではない。私が特に重視している点は、関連する観光地のより深い堪能が期待できるという点である。つまり本作品は、期末試験や入学試験で良い点を取ろうという話にとどまらず、将来的に京都などを観光する際にきっと役立つ素晴らしき観光ガイドとなりうる、という点が見逃せない、と言いたいのだ。
さて、本作品で語られている内容は、必ずしもコンセンサスが得られた一般的な歴史観で貫かれているわけではない※。それは当たり前のことである。作中でも登場人物の口を通して作者も同様なことを述べられている通り、主題となる話は、もとより共通の見解が得られるようなスケールの話ではなく、細部においてはこういう解釈もある、これについてはこういう記述もある、といった、知識の都合よい組み立ててで構成されるのは致し方ないし、そもそも、そうでないと作品自体が成り立たない。だが・・・だが、しかしである。本作品を読んでしまうと、全体が描き出す圧倒的な説得力を前にして、それ以外の解釈が果たしてありえるのだろうか?これ以外に考えられないのではないか?などと、狂信してしまいそうな自分が居るのを隠せない。高田崇史マジックである。
(※ちなみに一般的な歴史観で貫かれていないとする例を挙げると、たとえば、作中では「薬子の変(810年)」が日本史上最初の服毒自殺と解釈されているが、「伊予親王の変(807年)」の服毒自殺がこれに先行すると通常は理解されていると思う。もっとも、このような細かな解釈の違いは作品世界を尊重すれば目を潰ることのできる範囲であり、と、いうより、フィクションとして楽しむ場合は更に積極的に「その毒も例の毒なのか?」などと物語の背景世界を妄想することで、よりディープな楽しみが得られると思う。)
本作品の作者である高田崇史氏や、本職の歴史学者には及ばずながらも、人は誰だって自説を構築し、歴史を楽しむことができることを、私は私なりに知っているつもりだ。たぶん、この手の本や話が好きな方ならば、そんなことは判りきっていることだとおもう。いや、むしろ、歴史の楽しさとは、まさにそこにあるのだと、少なくとも私はそう考える。そんな私も素人ながらも自分なりに調べものを深めてゆけば、時として自説を絡めて壮大な歴史ロマンを感じることも無いわけでは無い。しかし、そういう貴重な瞬間というのは、多大な労力の上に成り立っているのが当たり前である。通常、そういう感動は得ようにも得がたく、おそらく万人が得られる種類の体験ではないようにも予感する・・・ただし、この本の読者を除いた場合の話であるが。・・・そう、一言で言ってしまおう。この本の最大の特徴を言えば、それは何か!?それはズバリ、「お手軽に歴史ロマンが味わえる本」である!!
さて、全体的なレビューは以上の通り、あとはいくつかの断片的なレビューを書き連ねたい。まず、伏線の張り方。本作品はこれが過不足なく、また、さりげない設定や描写も必要十分であり、全体のページ数から予想する以上に内容は濃く圧縮されていると感想する。おそらく作者の原案には、更に多く、物語に深みを与えるネタが用意されていたに違いない。それらを含め、無駄な情景描写を贅沢にそぎ落とし、最小限のルートで舞台を巡る潔さは、本作品の良さでもあり、また惜しさでもある。願わくば「過不足なく」ではなく「もうすこし余裕をもって」たとえばページ数2割増しで構わないから、更に五感に訴えかける表現や刺激的な舞台が欲しいと思うのは贅沢な要望だろうか。
つぎにキャラクター。いずれも魅力的である。特に主人公タタルの博識さと聡明さは、本作品の登場人物の最大の魅力である。もっとも、いくらタタルの記憶力が秀でているからと言って、引用文の一言一句までそらんずるあたりには、少々不自然さを感じたが。
最後にトリックにかかわる点では一点だけ。科学者らしからぬ失敗であるxxxが何故「そこ」に?という部分には必然性が感じられなかった。その一点だけを除けば、矛盾を感じるところや無理やりと思うところは、皆無であった。
推理モノをあまり読まない私のレビューがどれだけ役立つかは判らないが、以上をまとめて、本作品は間違いなく私にとって、5つ★の内容である。未読の方には強くお勧めしたい。
沸いた興味から得られるものは、なにも関連する分野の学習モチベーションが期待できるということばかりではない。私が特に重視している点は、関連する観光地のより深い堪能が期待できるという点である。つまり本作品は、期末試験や入学試験で良い点を取ろうという話にとどまらず、将来的に京都などを観光する際にきっと役立つ素晴らしき観光ガイドとなりうる、という点が見逃せない、と言いたいのだ。
さて、本作品で語られている内容は、必ずしもコンセンサスが得られた一般的な歴史観で貫かれているわけではない※。それは当たり前のことである。作中でも登場人物の口を通して作者も同様なことを述べられている通り、主題となる話は、もとより共通の見解が得られるようなスケールの話ではなく、細部においてはこういう解釈もある、これについてはこういう記述もある、といった、知識の都合よい組み立ててで構成されるのは致し方ないし、そもそも、そうでないと作品自体が成り立たない。だが・・・だが、しかしである。本作品を読んでしまうと、全体が描き出す圧倒的な説得力を前にして、それ以外の解釈が果たしてありえるのだろうか?これ以外に考えられないのではないか?などと、狂信してしまいそうな自分が居るのを隠せない。高田崇史マジックである。
(※ちなみに一般的な歴史観で貫かれていないとする例を挙げると、たとえば、作中では「薬子の変(810年)」が日本史上最初の服毒自殺と解釈されているが、「伊予親王の変(807年)」の服毒自殺がこれに先行すると通常は理解されていると思う。もっとも、このような細かな解釈の違いは作品世界を尊重すれば目を潰ることのできる範囲であり、と、いうより、フィクションとして楽しむ場合は更に積極的に「その毒も例の毒なのか?」などと物語の背景世界を妄想することで、よりディープな楽しみが得られると思う。)
本作品の作者である高田崇史氏や、本職の歴史学者には及ばずながらも、人は誰だって自説を構築し、歴史を楽しむことができることを、私は私なりに知っているつもりだ。たぶん、この手の本や話が好きな方ならば、そんなことは判りきっていることだとおもう。いや、むしろ、歴史の楽しさとは、まさにそこにあるのだと、少なくとも私はそう考える。そんな私も素人ながらも自分なりに調べものを深めてゆけば、時として自説を絡めて壮大な歴史ロマンを感じることも無いわけでは無い。しかし、そういう貴重な瞬間というのは、多大な労力の上に成り立っているのが当たり前である。通常、そういう感動は得ようにも得がたく、おそらく万人が得られる種類の体験ではないようにも予感する・・・ただし、この本の読者を除いた場合の話であるが。・・・そう、一言で言ってしまおう。この本の最大の特徴を言えば、それは何か!?それはズバリ、「お手軽に歴史ロマンが味わえる本」である!!
さて、全体的なレビューは以上の通り、あとはいくつかの断片的なレビューを書き連ねたい。まず、伏線の張り方。本作品はこれが過不足なく、また、さりげない設定や描写も必要十分であり、全体のページ数から予想する以上に内容は濃く圧縮されていると感想する。おそらく作者の原案には、更に多く、物語に深みを与えるネタが用意されていたに違いない。それらを含め、無駄な情景描写を贅沢にそぎ落とし、最小限のルートで舞台を巡る潔さは、本作品の良さでもあり、また惜しさでもある。願わくば「過不足なく」ではなく「もうすこし余裕をもって」たとえばページ数2割増しで構わないから、更に五感に訴えかける表現や刺激的な舞台が欲しいと思うのは贅沢な要望だろうか。
つぎにキャラクター。いずれも魅力的である。特に主人公タタルの博識さと聡明さは、本作品の登場人物の最大の魅力である。もっとも、いくらタタルの記憶力が秀でているからと言って、引用文の一言一句までそらんずるあたりには、少々不自然さを感じたが。
最後にトリックにかかわる点では一点だけ。科学者らしからぬ失敗であるxxxが何故「そこ」に?という部分には必然性が感じられなかった。その一点だけを除けば、矛盾を感じるところや無理やりと思うところは、皆無であった。
推理モノをあまり読まない私のレビューがどれだけ役立つかは判らないが、以上をまとめて、本作品は間違いなく私にとって、5つ★の内容である。未読の方には強くお勧めしたい。
2012年10月23日に日本でレビュー済み
第一作『百人一首の呪』に続いて読み、ふたたび和歌(と怨霊の世界)について、とほうもなく広い世界を見せられたような興奮を覚えました。表面上の殺人事件の裏に見えてくる、連綿とつながる血の呪い。そして政争に明け暮れる平安時代の、唯一の政策ともオカルトサイエンスともいえる鎮魂、怨霊の神格化、封じ。
これらの真意を探偵役のタタルが、奈々、当事者の妹貴子らとともに、京都を実際にめぐりながら解き明かしてゆきます。
踊りにもなっている有名な六歌仙ですが、どういう基準で選ばれたのかよくわからないこの六人。そして、これまた中国由来、インド由来の神々をとりまぜ、なぜ選ばれたのかわからない七福神。
この二つがみごとに結ばれてしまった解釈には驚きました。今後は、この驚天動地の(真偽は別として)解釈を抜きに、六歌仙や七福神を見ることはできないでしょう。
和歌が単なる花鳥風月の洗練されたルールによる組み合わせではなく、「呪」(しゅ)でもあったこと、そしてまさに言霊として、あたかも生き物ののようにさまざまの機能をもって発語され、集に収録されていたこと。「沓こうぶり」のような言葉遊びのレベルを超えて、すさまじい人間の執念がこめられた世界だったのだというのが著者の解釈で、和歌に対しても見る目が変わりました。
発端となった現実の殺人事件は、こうした梅原猛を思わせる大胆な再構築世界の上に、うっすらとした記号としておかれている感じすらします。
しかし今回は、ラストにも大きなどんでん返しがあり、最後まで怒濤のごとく押し流されて読みました。
また著者もそうですが、タタルや奈々たちが薬学部の出身であることも、単なる犯罪のデータに関わるだけではなく、医史学的な視点があちこちに顔を出す面白さを引きだしていることも、付け加えておきたいです。
これらの真意を探偵役のタタルが、奈々、当事者の妹貴子らとともに、京都を実際にめぐりながら解き明かしてゆきます。
踊りにもなっている有名な六歌仙ですが、どういう基準で選ばれたのかよくわからないこの六人。そして、これまた中国由来、インド由来の神々をとりまぜ、なぜ選ばれたのかわからない七福神。
この二つがみごとに結ばれてしまった解釈には驚きました。今後は、この驚天動地の(真偽は別として)解釈を抜きに、六歌仙や七福神を見ることはできないでしょう。
和歌が単なる花鳥風月の洗練されたルールによる組み合わせではなく、「呪」(しゅ)でもあったこと、そしてまさに言霊として、あたかも生き物ののようにさまざまの機能をもって発語され、集に収録されていたこと。「沓こうぶり」のような言葉遊びのレベルを超えて、すさまじい人間の執念がこめられた世界だったのだというのが著者の解釈で、和歌に対しても見る目が変わりました。
発端となった現実の殺人事件は、こうした梅原猛を思わせる大胆な再構築世界の上に、うっすらとした記号としておかれている感じすらします。
しかし今回は、ラストにも大きなどんでん返しがあり、最後まで怒濤のごとく押し流されて読みました。
また著者もそうですが、タタルや奈々たちが薬学部の出身であることも、単なる犯罪のデータに関わるだけではなく、医史学的な視点があちこちに顔を出す面白さを引きだしていることも、付け加えておきたいです。
2007年7月15日に日本でレビュー済み
博覧強記の薬剤師タタルが活躍するQEDシリーズ第二弾。
このシリーズは、歴史の謎を解きながら同時に現代に起こった事件も解決する、
というのが特徴であるが、今作の題材は七福神と六歌仙、それに古今和歌集である。
第一作の『百人一首の呪』よりも、歴史の謎解き部分と現代のミステリー的な面白さのリンクの仕方は上手くなっていると感じるが、やはりそれでも少々とってつけた感
は否めない。
思うにこのシリーズは、作者が考える歴史の謎解きを、ミステリーという形式で表現しているもので、ミステリー小説としての面白さには重点が置かれていないではないか(作者自身にとっても)。
だから、歴史の謎解きの面白さとミステリー小説の面白さが同時に味わえる、というのは
期待しない方がいい。
ただ、そうやって一旦ミステリー小説としての面白さを括弧に入れてみると、
「歴史謎解き本」としては面白さが際立つのではないかと思う(個人的にこのシリーズは、『漫画 日本の歴史』等が超豪華になったもの、と考えている)。
主人公の解説も丁寧で(他の作家の作品と比べるのはいけないかもしれないが、「親切な京極堂」といった感じ)、例えば今作の題材である七福神や六歌仙についても、読んだ後にはある程度の知識が入っているという嬉しい副次的効果がある。
また、今作は舞台が京都なので、京都が好きな人なら色んな雑学が楽しめる(例えば、「清水の舞台」が本来何に使われていたか、とか)。
最初からそこまでミステリーとしての面白さを追求しないのだったら、かなり面白く読めるはず。
このシリーズは、歴史の謎を解きながら同時に現代に起こった事件も解決する、
というのが特徴であるが、今作の題材は七福神と六歌仙、それに古今和歌集である。
第一作の『百人一首の呪』よりも、歴史の謎解き部分と現代のミステリー的な面白さのリンクの仕方は上手くなっていると感じるが、やはりそれでも少々とってつけた感
は否めない。
思うにこのシリーズは、作者が考える歴史の謎解きを、ミステリーという形式で表現しているもので、ミステリー小説としての面白さには重点が置かれていないではないか(作者自身にとっても)。
だから、歴史の謎解きの面白さとミステリー小説の面白さが同時に味わえる、というのは
期待しない方がいい。
ただ、そうやって一旦ミステリー小説としての面白さを括弧に入れてみると、
「歴史謎解き本」としては面白さが際立つのではないかと思う(個人的にこのシリーズは、『漫画 日本の歴史』等が超豪華になったもの、と考えている)。
主人公の解説も丁寧で(他の作家の作品と比べるのはいけないかもしれないが、「親切な京極堂」といった感じ)、例えば今作の題材である七福神や六歌仙についても、読んだ後にはある程度の知識が入っているという嬉しい副次的効果がある。
また、今作は舞台が京都なので、京都が好きな人なら色んな雑学が楽しめる(例えば、「清水の舞台」が本来何に使われていたか、とか)。
最初からそこまでミステリーとしての面白さを追求しないのだったら、かなり面白く読めるはず。
2017年3月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
謎解きよりもうんちくが主眼の新感覚ミステリー第二弾。
百人一首に続いて今度は古今集に出てくる六歌仙と七福神が主題。
六歌仙も七福神も、どちらにも興味があったのもありますが、
ミステリーには無理があるのに、ぐいぐい読ませる筆力は健在で、
読み出すと止まらなくなりました。
ただ、(ややネタバレかな?)
七福神は七神が揃うのは室町時代末期だそうなので、
紀貫之は悪くないと思います。
『古今和歌集』の謎を解く』(織田正吉・講談社選書メチエ)は興味深いので
本作を面白いと思った方はぜひこちらもご覧ください。
百人一首に続いて今度は古今集に出てくる六歌仙と七福神が主題。
六歌仙も七福神も、どちらにも興味があったのもありますが、
ミステリーには無理があるのに、ぐいぐい読ませる筆力は健在で、
読み出すと止まらなくなりました。
ただ、(ややネタバレかな?)
七福神は七神が揃うのは室町時代末期だそうなので、
紀貫之は悪くないと思います。
『古今和歌集』の謎を解く』(織田正吉・講談社選書メチエ)は興味深いので
本作を面白いと思った方はぜひこちらもご覧ください。
2006年4月25日に日本でレビュー済み
その後のシリーズ通しても、現代の事件と日本史上のミステリーのバランスは本作がベストではないかと推され、
また続編が心待ちにされる要因ともなった傑作。
目次を一見すれば各章のタイトルが背表紙に見える「六歌仙」や「七福神」等数字を含む熟語もしくは定型句で整然と並べられており、
読み進むうちにこれらがストーリーに絡むものであることから作者の裏打ちされた様式美が見て取れ、
さらに登場人物の名前に設定された細かな伏線等、緻密な一面が明かされる。
読み終わればこうした素晴らしい構成力と確かな企画力から、これが壮大なシリーズに発展することを思わず期待したくなるというもの。
文庫となった今では次作があるのか無いのかドキドキする事はできないけれど、
手に入れやすい値段でその後のシリーズがまとめて買えるのは嬉しい限り。
また続編が心待ちにされる要因ともなった傑作。
目次を一見すれば各章のタイトルが背表紙に見える「六歌仙」や「七福神」等数字を含む熟語もしくは定型句で整然と並べられており、
読み進むうちにこれらがストーリーに絡むものであることから作者の裏打ちされた様式美が見て取れ、
さらに登場人物の名前に設定された細かな伏線等、緻密な一面が明かされる。
読み終わればこうした素晴らしい構成力と確かな企画力から、これが壮大なシリーズに発展することを思わず期待したくなるというもの。
文庫となった今では次作があるのか無いのかドキドキする事はできないけれど、
手に入れやすい値段でその後のシリーズがまとめて買えるのは嬉しい限り。