非常に複雑な論理経路が、もののみごとに構築されています。読み終えた時、世界が裏返ったような感覚を感じることができる傑作です。
この作者の新作を読みたいです。いや、せめて文庫にして。
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火蛾 (講談社ノベルス) 新書 – 2000/9/6
古泉 迦十
(著)
中世の中近東。修行者たちの殺人。第17回メフィスト賞。
かつて誰も見たことのない本格世界が展開する。
12世紀の中東。聖者たちの伝記録編纂を志す作家・ファリードは、取材のため、アリーと名乗る男を訪ねる。男が語ったのは、姿を顕(あら)わさぬ導師と4人の修行者たちだけが住まう山の、閉ざされた穹廬(きゅうろ)の中で起きた殺人だった。未だかつて誰も目にしたことのない鮮麗な本格世界を展開する。
かつて誰も見たことのない本格世界が展開する。
12世紀の中東。聖者たちの伝記録編纂を志す作家・ファリードは、取材のため、アリーと名乗る男を訪ねる。男が語ったのは、姿を顕(あら)わさぬ導師と4人の修行者たちだけが住まう山の、閉ざされた穹廬(きゅうろ)の中で起きた殺人だった。未だかつて誰も目にしたことのない鮮麗な本格世界を展開する。
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2000/9/6
- ISBN-104061821490
- ISBN-13978-4061821491
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
12世紀の中東。聖者たちの伝記録編纂を志す作家・ファリードは、取材のためアリーと名乗る男を訪ねる。男が語ったのは、姿を顕わさぬ導師と四人の修行者たちだけが住まう山で起きた殺人だった。
著者について
1975年生まれ。本書で第17回メフィスト賞を受賞しデビュー。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2000/9/6)
- 発売日 : 2000/9/6
- 言語 : 日本語
- 新書 : 208ページ
- ISBN-10 : 4061821490
- ISBN-13 : 978-4061821491
- Amazon 売れ筋ランキング: - 723,889位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年6月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小説のスタイルとしては、枠物語、紋中紋、額縁物語と呼ばれるもので、代表的なものに『千夜一夜物語』がある。つまり、小説内に物語の語り手がいて、その語り手が語る話が小説のメインである。
内容はと言えば、中世の時代の、イスラム教の中でもあまり知られていない流派を題材にしており、主人公が修行の旅に出るというもの。そこで、主人公は殺人事件に遭遇する。小説の設定は、中世時代の中東地域となっているが、やはり、メフィスト賞、新本格推理の新人賞であるので、殺人事件も密室殺人であった。それに、宗教的で、幻想的な味付けがされている。
内容はと言えば、中世の時代の、イスラム教の中でもあまり知られていない流派を題材にしており、主人公が修行の旅に出るというもの。そこで、主人公は殺人事件に遭遇する。小説の設定は、中世時代の中東地域となっているが、やはり、メフィスト賞、新本格推理の新人賞であるので、殺人事件も密室殺人であった。それに、宗教的で、幻想的な味付けがされている。
2004年2月15日に日本でレビュー済み
イスラム世界で起こる殺人という、非常に珍しい題材で書かれたミステリー。
端正で隙のない文章が読んでいて心地よい。美しいとすら言える。
イスラム教の信仰や思想に関する部分を読んでいるだけでもかなり面白いが、この作品はそれにとどまらない。
殺人と、その謎を解いていく過程に、何やら宗教的な「昇華」の感覚があり、読んでいて深い酩酊感を感じさせる。
面白いです。少しでも興味を引かれたなら読むべきです。
端正で隙のない文章が読んでいて心地よい。美しいとすら言える。
イスラム教の信仰や思想に関する部分を読んでいるだけでもかなり面白いが、この作品はそれにとどまらない。
殺人と、その謎を解いていく過程に、何やら宗教的な「昇華」の感覚があり、読んでいて深い酩酊感を感じさせる。
面白いです。少しでも興味を引かれたなら読むべきです。
2008年12月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第17回メフィスト賞(2000年)受賞とのことで、購入しました。
帯には、「2001本格ミステリ・ベスト10」2位、とあります。
イスラム教という、ミステリとしては非常に珍しい題材を扱った作品で、カバーの内容紹介には、「未だかつて誰も目にしたことのない鮮麗な本格世界を展開する」と書かれています。
「本格世界」とは聞き慣れない言葉ですが、おそらく「本格推理の世界」という意味で使われているのでしょう。
このような特殊状況下での殺人を扱ったものとして、山口雅也の「生ける屍の死」や西澤保彦の「七回死んだ男」が思い出されますが、この作品も日本人には馴染みの薄いイスラム教の世界観であればこそ起きた殺人が描かれており、作品独自のルールに従った展開を扱ったミステリとなっています。
この作者の目論見は見事に成功しているといえるでしょう。
イスラム教というとっつきにくい題材も、巧みな文章により頭に入りやすく表現されていますし、タイトルの「火蛾」も実に象徴的で、作品の核心部分を如実に表しています。
イスラム教の世界観と、事件の真相の見事な融和は、深い読後感を残します。
次回作にも期待・・・といいたいところですが、
2000年の本作品受賞後、このレビューを書いている2008年12月まで、
作品は発表されていません。
あるサイトでは、「超一発屋」と評されていました。
じつに惜しいことです。
この作者の、恐らく最初で最後のミステリを是非とも味わってください。
帯には、「2001本格ミステリ・ベスト10」2位、とあります。
イスラム教という、ミステリとしては非常に珍しい題材を扱った作品で、カバーの内容紹介には、「未だかつて誰も目にしたことのない鮮麗な本格世界を展開する」と書かれています。
「本格世界」とは聞き慣れない言葉ですが、おそらく「本格推理の世界」という意味で使われているのでしょう。
このような特殊状況下での殺人を扱ったものとして、山口雅也の「生ける屍の死」や西澤保彦の「七回死んだ男」が思い出されますが、この作品も日本人には馴染みの薄いイスラム教の世界観であればこそ起きた殺人が描かれており、作品独自のルールに従った展開を扱ったミステリとなっています。
この作者の目論見は見事に成功しているといえるでしょう。
イスラム教というとっつきにくい題材も、巧みな文章により頭に入りやすく表現されていますし、タイトルの「火蛾」も実に象徴的で、作品の核心部分を如実に表しています。
イスラム教の世界観と、事件の真相の見事な融和は、深い読後感を残します。
次回作にも期待・・・といいたいところですが、
2000年の本作品受賞後、このレビューを書いている2008年12月まで、
作品は発表されていません。
あるサイトでは、「超一発屋」と評されていました。
じつに惜しいことです。
この作者の、恐らく最初で最後のミステリを是非とも味わってください。
2016年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
すべてがFになる、ハサミ男、土か煙か食い物とすばらしいミステリがあるだけに
いつも気になって面白そうなのを探してしまうのがメフィスト賞ですよね。
だいたいは撃沈しますが・・・・(ですよね?)
今回の作品は、比較的まともそうで興味深い内容でしたので期待して旅行にもって行きました。
文章もきれいで読みやすかったです。好きな語り口調でした。
でもオチというか、ミステリとしては正直普通でした。おしかったです。
いつも気になって面白そうなのを探してしまうのがメフィスト賞ですよね。
だいたいは撃沈しますが・・・・(ですよね?)
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文章もきれいで読みやすかったです。好きな語り口調でした。
でもオチというか、ミステリとしては正直普通でした。おしかったです。
2012年11月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
12世紀の中東を舞台にした、登場人物はほぼ修験者のみというミステリ。第17回メフィスト賞受賞作。若い修験者はある導きによって「山」を登り、そこで新たなる修行のために天幕を張るのだが・・・、と、そこからがミステリ譚になるというつくり。
イスラムの修行を行うものたちが主たる登場人物であることから、イスラム教に関する各種のキーワードが多量にちりばめられており、これの理解に最初はかなり難渋する。とっかかりはなかなかハードだが、新しい概念の類が大量に出てくるのは冒頭のみなので、あとはそれなりにするする読み進められるようになるのは助かる。
さて本作が扱う「謎」は基本的に密室殺人なのだが、その解はどこかでみたことがある気もするが、なかなか画期的。登場人物たちがことさらにその解について理屈をこねくり回さないのも抑え目の演出ということか。もっとも、逆にあまりにさらっとしすぎていて、そこが主題だったとは思えないという気もする。実際、本作の中盤から終章にかけてひたすらこれでもかと展開されるめくるめく幻想的な表現を読むと、密室トリックなどよりもこちらを書きたかったのではないか。
個人的にはやや消化不良な読後感。表現が高度すぎてついていけなかったかもしれないが、まぁ虫太郎などよりはだいぶましではある。
イスラムの修行を行うものたちが主たる登場人物であることから、イスラム教に関する各種のキーワードが多量にちりばめられており、これの理解に最初はかなり難渋する。とっかかりはなかなかハードだが、新しい概念の類が大量に出てくるのは冒頭のみなので、あとはそれなりにするする読み進められるようになるのは助かる。
さて本作が扱う「謎」は基本的に密室殺人なのだが、その解はどこかでみたことがある気もするが、なかなか画期的。登場人物たちがことさらにその解について理屈をこねくり回さないのも抑え目の演出ということか。もっとも、逆にあまりにさらっとしすぎていて、そこが主題だったとは思えないという気もする。実際、本作の中盤から終章にかけてひたすらこれでもかと展開されるめくるめく幻想的な表現を読むと、密室トリックなどよりもこちらを書きたかったのではないか。
個人的にはやや消化不良な読後感。表現が高度すぎてついていけなかったかもしれないが、まぁ虫太郎などよりはだいぶましではある。
2018年5月23日に日本でレビュー済み
とても珍しい、イスラム教を題材としたミステリー。半分は勉強のためと思って読み始めたのですが、62/202頁で挫折しました。
文章は読みやすいので、スイスイ頁が繰れるものの、内容が教義のオンパレードなので途中で飽きて来ました。
ご免なさい。でもこういうオリジナリティのある作品はいいと思います。
文章は読みやすいので、スイスイ頁が繰れるものの、内容が教義のオンパレードなので途中で飽きて来ました。
ご免なさい。でもこういうオリジナリティのある作品はいいと思います。
2005年8月19日に日本でレビュー済み
イスラムの世界をテーマにした幻想的な雰囲気が漂う作品。作者は当時確か25くらいで、その歳でこれを書いたのは驚愕。
メフィストファンの中でもめちゃくちゃ評価が高い作品で、ぜひ一読をお勧め。これ一作でなぜか消えたことが最大のミステリかも。
ただ、ちょっと読みにくいので注意が必要
メフィストファンの中でもめちゃくちゃ評価が高い作品で、ぜひ一読をお勧め。これ一作でなぜか消えたことが最大のミステリかも。
ただ、ちょっと読みにくいので注意が必要