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紫骸城事件 (講談社ノベルス) 新書 – 2001/6/6
城。それは無為にして空虚なる巨大な骸(むくろ)。世界を蝕んだ魔女の悪意の果てに、その城塞は百万の生命を吸い、千万の呪詛(じゅそ)を喰らって造られた。事件は、荒野の中心に聳えるこの悪夢の巣窟に、魔導を極めんとする者どもが集いしとき起こる。呪いとしても不条理。魔法としても不可解。殺戮としても異常――数奇にして非情なる謎の果てに、したたる血さえも焼け爛(ただ)れる、底無しで出口のない連続大量殺人の惨劇が幕を開ける――
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2001/6/6
- ISBN-104061821849
- ISBN-13978-4061821842
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
無為にして空虚なる巨大な骸、城。事件は、城に魔導を極めんとする者どもが集いしとき起こる。呪いとしても不条理。魔法としても不可解。殺戮としても異常。数奇にして非情なる謎の果てに、連続大量殺人の惨劇が幕を開ける。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2001/6/6)
- 発売日 : 2001/6/6
- 言語 : 日本語
- 新書 : 288ページ
- ISBN-10 : 4061821849
- ISBN-13 : 978-4061821842
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,037,729位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1968年生まれ。98年『ブギーポップは笑わない』で第4回電撃ゲーム小説大賞を受賞しデビュー(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 クリプトマスクの擬死工作 (ISBN-13: 978-4396208721 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年4月25日に日本でレビュー済み
それぞれの章の冒頭に来る、オルセとリ・カーズの独白のような一文に、ぐっと引き込まれます。この二人に焦点を当てながら読み進めるだけでも、充分楽しめますが、本文の方でも、「もし、自分が同じ立場に置かれたら、やはり老人の死体に群がるのだろうか・・」と、考えさせられて、少しぞっとさせてくれます。はい、群がるでしょう。個人的には、初期に犠牲になられた大魔術師様の追悼本として、ちょっと悲しい気分で読ませて頂いています。
2006年12月11日に日本でレビュー済み
このシリーズには「ファンタジーとしてもミステリーとしても
中途半端」という酷評がついて回る。確かにその通りで、
魔法を使うことを前提とした世界で事件が展開したところで
読者による完璧な推理などできやしない。
だがミステリーとは騙しである。
読者をぎょっとさせる仕掛け、という意味では『紫骸城』は
ひとつのミステリーなんだろう。
前作に引き続き、本作でも登場人物たちは無駄によく喋り、
その語りが興味深い示唆をふんだんに含んでいる。
(私はこの本を読んで「血筋」という概念を考え直した)
なので物理的におかしな点も見逃したって良いじゃないか、と。
中途半端」という酷評がついて回る。確かにその通りで、
魔法を使うことを前提とした世界で事件が展開したところで
読者による完璧な推理などできやしない。
だがミステリーとは騙しである。
読者をぎょっとさせる仕掛け、という意味では『紫骸城』は
ひとつのミステリーなんだろう。
前作に引き続き、本作でも登場人物たちは無駄によく喋り、
その語りが興味深い示唆をふんだんに含んでいる。
(私はこの本を読んで「血筋」という概念を考え直した)
なので物理的におかしな点も見逃したって良いじゃないか、と。
2001年7月1日に日本でレビュー済み
前作「殺竜事件」の続編ともいえる作品。300年前に魔女によって建てられた「紫骸城」。ここで毎年行われる魔導師の最強を決める大会で、突如発生した殺人事件。次々と犠牲者が増える中、この城は1週間という決められた時間に達するまで、何人たりとも出ることはできない。この事件を解決すべく、立ち上がったのは審判として派遣された、英雄の名をもつ魔導師・フロス・フローレイド。彼は前作でお馴染みの「風の騎士」とともにある事件を解決したことのある「英雄」だった・・・。 息つく暇もない事件の連続、鮮やかに描かれるそれぞれの人物像。上遠野浩平の世界、ここに極まれり!!
2021年1月12日に日本でレビュー済み
事件シリーズ2作目。かつて世界を恐怖へと陥れた魔女が造ったという紫骸城。そこで行われる魔術大会で起きた不可解な殺人事件。それは魔女の呪いなのか、それとも人の手によるものなのか。審判としてやってきたフローレイドはロボットのU2Rとともに事件の謎へ挑む。
今回は魔法がメインテーマ。前回ではそこまで深く触れられなかった魔法。その原理から応用までいろんな表情が描かれ、物語の鍵にもなっている。今回もファンタジーとしての読み味とミステリー要素を兼ね備えた作品。特に犯人が仕掛けたトリックは盲点だったので驚かされた。読み直してみると丁寧に伏線も張られていて、ファンタジーとミステリーのギリギリを狙っている感じが楽しい。舞台となっている紫骸城というロケーションも不気味なクローズドサークルになっていて、綾辻先生の館シリーズみたいで面白かった。
前作と同様、単なる謎解きではなく戦地調停士という立場から導かれる結末が用意されているのもポイント。前作で話に出てきたミラル・キラルが異様な存在感を放っている。後半で語られた血統の話がとても印象に残った。
「優れた血統などという発想は、生物存在の根本を考えるとき、本質的に矛盾した考え方ですよ。生物は自分とは異なる異性と交配することで、違う生物を産み出す可能性を繰り返していく存在なんです。自分とは違う存在になるからこそ、親は子供というものをつくる意味がある。親と同じとか、受け継いでいるとか、それは結局、ただ本来ならば変わっていくはずのものをただ停滞させているだけという、世界の“流れ”という視点から見ればそれはただの“落ちこぼれ”なんですよ。」
こういう哲学的な内容が零れ落ちてくるところが上遠野作品の好きなところでもある。
「最善というのは、所詮それだけで、その後というものがない─だが次善を良くしようという意志は、その決断以外のことにも広がっていく」
この言葉も好き。最善を選ばなければと思いがちなんだけど、そう思うほどにプレッシャーと最善以外はミスという意識にとらわれるんだよね。次善から広げる方が余地が生まれていいのかもなと感じた。
今回は魔法がメインテーマ。前回ではそこまで深く触れられなかった魔法。その原理から応用までいろんな表情が描かれ、物語の鍵にもなっている。今回もファンタジーとしての読み味とミステリー要素を兼ね備えた作品。特に犯人が仕掛けたトリックは盲点だったので驚かされた。読み直してみると丁寧に伏線も張られていて、ファンタジーとミステリーのギリギリを狙っている感じが楽しい。舞台となっている紫骸城というロケーションも不気味なクローズドサークルになっていて、綾辻先生の館シリーズみたいで面白かった。
前作と同様、単なる謎解きではなく戦地調停士という立場から導かれる結末が用意されているのもポイント。前作で話に出てきたミラル・キラルが異様な存在感を放っている。後半で語られた血統の話がとても印象に残った。
「優れた血統などという発想は、生物存在の根本を考えるとき、本質的に矛盾した考え方ですよ。生物は自分とは異なる異性と交配することで、違う生物を産み出す可能性を繰り返していく存在なんです。自分とは違う存在になるからこそ、親は子供というものをつくる意味がある。親と同じとか、受け継いでいるとか、それは結局、ただ本来ならば変わっていくはずのものをただ停滞させているだけという、世界の“流れ”という視点から見ればそれはただの“落ちこぼれ”なんですよ。」
こういう哲学的な内容が零れ落ちてくるところが上遠野作品の好きなところでもある。
「最善というのは、所詮それだけで、その後というものがない─だが次善を良くしようという意志は、その決断以外のことにも広がっていく」
この言葉も好き。最善を選ばなければと思いがちなんだけど、そう思うほどにプレッシャーと最善以外はミスという意識にとらわれるんだよね。次善から広げる方が余地が生まれていいのかもなと感じた。
2003年7月6日に日本でレビュー済み
紫骸城を舞台とする大量殺人。
キャラクター負け。キャラクターは個人的に好感が持てますけど、ストーリーが脆すぎます。ちょっと緩い。厭きます。
ミステリーと呼べるのか怪しい。トリックがファンタジーに依存し過ぎていて拍子抜け。
金子さんのイラストは良いですけど。
キャラクター負け。キャラクターは個人的に好感が持てますけど、ストーリーが脆すぎます。ちょっと緩い。厭きます。
ミステリーと呼べるのか怪しい。トリックがファンタジーに依存し過ぎていて拍子抜け。
金子さんのイラストは良いですけど。
2007年1月3日に日本でレビュー済み
ファンタジ−やマニア的に見たら面白いと思います。
個人的な意見では、小説よりアニメでみたいですね。
ただ、魔法的なアプロ−チ表現が多く、自分にはちょっと違和感がありました。
どうでも良い普通の事柄も変に小難しい方向へ持っててしまうので、
悪い意味で話の展開が解からなくなります。
全体のスト−リ−にかなり無理が有りますが
キャラクタ−の台詞や文章は、様式美や表現力があり綺麗でした。
キャラクタ−や特定の設定を重視の人は凄く楽しめると思います。
個人的な意見では、小説よりアニメでみたいですね。
ただ、魔法的なアプロ−チ表現が多く、自分にはちょっと違和感がありました。
どうでも良い普通の事柄も変に小難しい方向へ持っててしまうので、
悪い意味で話の展開が解からなくなります。
全体のスト−リ−にかなり無理が有りますが
キャラクタ−の台詞や文章は、様式美や表現力があり綺麗でした。
キャラクタ−や特定の設定を重視の人は凄く楽しめると思います。