<六枚のとんかつ>でネガティブに有名な蘇部健さんの作品です。
●●●男というと九回のメフィスト賞、<ハサミ男>が思い浮かばれることかと思いますが全く異質なものです。ただ、後半は袋とじですからハサミは必要です。
内容は主に作中に出てくる木乃伊男の正体は誰なのかを探っていくミステリーです。ところどころイラストがあるのですがその中にヒントがあったりなかったりします。
ただこの作者、解説で黒田研二さんが述べているようになんか少しずれているようにやはり感じました。
<包帯を巻く理由は普通火傷でしょう、性病は無いでしょう!>とか、そんなツッコミを入れながらわりときれいに着地するミステリーです。
悪評高い作者に触れて見たいならぜひ読んでみてください。あとがきは乙一クラスに面白いです。
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木乃伊男: 怪人あらわる! (講談社ノベルス ソB- 4) 新書 – 2002/9/1
蘇部 健一
(著)
包帯の下の素顔を巡る目眩く展開に驚愕! 震撼!!
<講談社ノベルス創刊20周年記念 特別書き下ろし作品>
はるか昔、布部(ぬのべ)家を襲ったミイラ男の伝説。鏡の迷路という密室での兄の不可解な死につづき、ミイラ男の影はいよいよぼくのもとへと忍び寄ってくる。はたして、ミイラ男が顔の包帯を取ったとき、あらわれるのはいったいだれの顔なのか。里中満智子氏の手による、絵で犯人がわかる全く新しいタイプの推理小説。
<講談社ノベルス創刊20周年記念 特別書き下ろし作品>
はるか昔、布部(ぬのべ)家を襲ったミイラ男の伝説。鏡の迷路という密室での兄の不可解な死につづき、ミイラ男の影はいよいよぼくのもとへと忍び寄ってくる。はたして、ミイラ男が顔の包帯を取ったとき、あらわれるのはいったいだれの顔なのか。里中満智子氏の手による、絵で犯人がわかる全く新しいタイプの推理小説。
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2002/9/1
- ISBN-104061822748
- ISBN-13978-4061822740
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
はるか昔、布部家を襲ったミイラ男の伝説。密室の鏡の迷路で兄が死に、ミイラ男の影はいよいよぼくのもとへ…! 果して、ミイラ男の正体は? 里中満智子の絵で犯人がわかる推理小説。本編が封印された「密室本」。
著者について
■蘇部健一(そぶけんいち)
『六枚のとんかつ』で第3回メフィスト賞を受賞。著作は他に『長野・上越新幹線四時間三十分の壁』『動かぬ証拠』(いずれも小社ノベルス)がある。
『六枚のとんかつ』で第3回メフィスト賞を受賞。著作は他に『長野・上越新幹線四時間三十分の壁』『動かぬ証拠』(いずれも小社ノベルス)がある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2002/9/1)
- 発売日 : 2002/9/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 192ページ
- ISBN-10 : 4061822748
- ISBN-13 : 978-4061822740
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,428,156位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年5月31日に日本でレビュー済み
2002年に講談社ノベルスとして出たものの文庫化。
包帯で顔をグルグル巻きにした「木乃伊男」の正体とは誰か? この謎を手を変え品を変え、一冊引っ張っていってくれるのが楽しい。あの人かと思えば別人であり、この人かと思えばまた異なりというように、どんでん返しが繰り返しやってくるのだ。
はじめは馬鹿にして読んでいたのだが、けっこうつくりこまれた作品であり、意外なくらい面白かった(反動?)。
もちろん、文章のまずさとか、いろいろと欠点はあるのだが。
挿絵はちゃんと見た方がいい。
包帯で顔をグルグル巻きにした「木乃伊男」の正体とは誰か? この謎を手を変え品を変え、一冊引っ張っていってくれるのが楽しい。あの人かと思えば別人であり、この人かと思えばまた異なりというように、どんでん返しが繰り返しやってくるのだ。
はじめは馬鹿にして読んでいたのだが、けっこうつくりこまれた作品であり、意外なくらい面白かった(反動?)。
もちろん、文章のまずさとか、いろいろと欠点はあるのだが。
挿絵はちゃんと見た方がいい。
2017年12月28日に日本でレビュー済み
随分昔に『六枚のとんかつ』に始まる一連のバカミステリ「六とんシリーズ」を読みました。それ以外に、ややセンチメンタルな恋愛小説を何冊か読んだ記憶があります。本作品は、ミステリを主軸に据えながら、センチメンタリズムが適度に散りばめられた作品になっています。
舞台設定は、やや時代がかって大仰です。語り手の主人公・布部正男は、21歳の大学生です。布部家には、一代で財を成した曾祖父の代から伝わる、木乃伊男に関する怖ろしい伝説があります。曾祖母に誘惑され、性病をうつされた挙句に解雇された庭師・下田が、溶け出した顔を包帯で覆った木乃伊男の姿で今も生きており、布部家の子孫を根絶やしにすべく、機をうかがって布部家の周辺を徘徊しているというのです。そんな不気味な伝説とは裏腹に、隣に住む加賀美家の姉妹は美しく、しかも主人公は、姉・美玲香とすでに婚約しています。ある朝、療養中の病院で主人公が目覚めると、隣のベッドには木乃伊男が眠っていました。これを発端に、主人公のまわりで、不審な出来事が次々に起こりはじめます。……
著者のやや無骨な文体は、「六とんシリーズ」のようなバカミステリに最も似合っています。江戸川乱歩も顔負けのおどろおどろしい設定や、ラスト近くで散りばめられるセンチメンタリズムは、どうも著者の文体とは、ずれている気がしてなりません。里中満智子のイラストも、本文の雰囲気といまいちそぐわない。イラスト自体は、それなりに凝った使い方がなされています。木乃伊男の正体を描くだけでなく、謎解きのヒントが隠されていたり、最後の1枚には、ちょっとしたどんでん返しさえ隠されています。それだけに、このちぐはぐさには、残念な感じが残ります。
「木乃伊男は誰か」というのが、この作品の主軸です。木乃伊男の正体は、何度となく暴かれ、しかもその都度別人です。なかには、「ほう、そうきたか」と唸らされるような箇所もあり、作者の思考の汗を感じとることができます。この点に絞って言えば、平均的なミステリよりも面白く、読み応えもあるかもしれません。正直なところ、この著者は、いつも本文とは別のところで奇を衒い過ぎるような気がします。「絵で犯人がわかる」などというのは余計です。よく練られているにもかかわらず、何かがずれています。
ベンチに腰掛けた人物の後ろ姿が描かれた最後のイラストの意味には、気が付かない読者も多いかもしれません。右手の癖です。主人公は気が付くのか……。
舞台設定は、やや時代がかって大仰です。語り手の主人公・布部正男は、21歳の大学生です。布部家には、一代で財を成した曾祖父の代から伝わる、木乃伊男に関する怖ろしい伝説があります。曾祖母に誘惑され、性病をうつされた挙句に解雇された庭師・下田が、溶け出した顔を包帯で覆った木乃伊男の姿で今も生きており、布部家の子孫を根絶やしにすべく、機をうかがって布部家の周辺を徘徊しているというのです。そんな不気味な伝説とは裏腹に、隣に住む加賀美家の姉妹は美しく、しかも主人公は、姉・美玲香とすでに婚約しています。ある朝、療養中の病院で主人公が目覚めると、隣のベッドには木乃伊男が眠っていました。これを発端に、主人公のまわりで、不審な出来事が次々に起こりはじめます。……
著者のやや無骨な文体は、「六とんシリーズ」のようなバカミステリに最も似合っています。江戸川乱歩も顔負けのおどろおどろしい設定や、ラスト近くで散りばめられるセンチメンタリズムは、どうも著者の文体とは、ずれている気がしてなりません。里中満智子のイラストも、本文の雰囲気といまいちそぐわない。イラスト自体は、それなりに凝った使い方がなされています。木乃伊男の正体を描くだけでなく、謎解きのヒントが隠されていたり、最後の1枚には、ちょっとしたどんでん返しさえ隠されています。それだけに、このちぐはぐさには、残念な感じが残ります。
「木乃伊男は誰か」というのが、この作品の主軸です。木乃伊男の正体は、何度となく暴かれ、しかもその都度別人です。なかには、「ほう、そうきたか」と唸らされるような箇所もあり、作者の思考の汗を感じとることができます。この点に絞って言えば、平均的なミステリよりも面白く、読み応えもあるかもしれません。正直なところ、この著者は、いつも本文とは別のところで奇を衒い過ぎるような気がします。「絵で犯人がわかる」などというのは余計です。よく練られているにもかかわらず、何かがずれています。
ベンチに腰掛けた人物の後ろ姿が描かれた最後のイラストの意味には、気が付かない読者も多いかもしれません。右手の癖です。主人公は気が付くのか……。
2005年11月30日に日本でレビュー済み
絵で犯人がわかるっていうか、それ、別に犯人の顔がイラストとして書かれているからであって、別に絵に何かトリックが隠されているわけじゃないじゃん。
何だか騙された気分。
密室トリックも大したレベルじゃないし、オチも白けるし、お世辞にも面白いとは言えない本。
何だか騙された気分。
密室トリックも大したレベルじゃないし、オチも白けるし、お世辞にも面白いとは言えない本。
2003年3月27日に日本でレビュー済み
「六枚のとんかつ」で有名(?)な蘇部健一氏の本。
講談社ノベルスの企画本「密室本」の1冊です。
イージーミスの書き手として知られる、蘇部氏ですが、
今回は意外とオーソドックス?
オーソドックスな密室ミステリを書くだけで、
なんとなく「すごいこと」のような気がするから不思議。
里中満智子氏の手による絵で犯人がわかる
全く新しいタイプの推理小説ってのは
氏の「動かぬ証拠」とリンクした内容で面白い試みでした。
講談社ノベルスの企画本「密室本」の1冊です。
イージーミスの書き手として知られる、蘇部氏ですが、
今回は意外とオーソドックス?
オーソドックスな密室ミステリを書くだけで、
なんとなく「すごいこと」のような気がするから不思議。
里中満智子氏の手による絵で犯人がわかる
全く新しいタイプの推理小説ってのは
氏の「動かぬ証拠」とリンクした内容で面白い試みでした。