よい意味でワンパターンな作品です.
連作短編集なのですが,どれもお決まりの流れになっていて,
派手なやり取りなどもないため,安心して読むことができます.
また,コミックが原作のせいか雰囲気もマンガ的のようで,
名探偵に目ざめる主人公の豹変ぶりや,会話などはまさにそれ.
特別にコミカルなわけでありませんが,イメージがわきやすいです.
事件は茶道や音楽など,ややなじみの薄い世界が舞台になっているものの,
会話を中心に解決がされていくため,むずかしいという印象はありません.
お決まりのパターンに,まさにマンガのような設定や登場人物.
短編ならではの読みやすさもあわせて,お気軽な1冊かと思います.
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
麿の酩酊事件簿 花に舞 (講談社ノベルス タS- 10) 新書 – 2003/7/1
高田 崇史
(著)
高田崇史、衝撃の新シリーズ、スタート!
「ぼくと一緒に、今ここで。あなたの人生を変えてみませんか?」
文麿の酩酊推理は、悩める美女を救えるか!?
勧修寺(かしゅうじ)家“婚姻家訓”
「見合い厳禁。手助け無用。独力発掘。自力本願――」
勧修寺家の跡取り息子、文麿、31歳、独身。家訓に適う素敵な女性をさがすも、いつも最後のところで空回り。
酔えば酔うほど名推理を発揮し、悩める美女を救う文麿だが、果たして彼の願いは叶うのか……!?
「ぼくと一緒に、今ここで。あなたの人生を変えてみませんか?」
文麿の酩酊推理は、悩める美女を救えるか!?
勧修寺(かしゅうじ)家“婚姻家訓”
「見合い厳禁。手助け無用。独力発掘。自力本願――」
勧修寺家の跡取り息子、文麿、31歳、独身。家訓に適う素敵な女性をさがすも、いつも最後のところで空回り。
酔えば酔うほど名推理を発揮し、悩める美女を救う文麿だが、果たして彼の願いは叶うのか……!?
- 本の長さ218ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2003/7/1
- ISBN-104061823280
- ISBN-13978-4061823280
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
勧修寺家の跡取り息子、文麿。家訓に適う素敵な女性をさがすも、いつも最後のところで空回り。酔えば酔うほど名推理を発揮し、悩める美女を救う文麿だが、果たして彼の願いは叶うのか…? コミックのノベライズ。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2003/7/1)
- 発売日 : 2003/7/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 218ページ
- ISBN-10 : 4061823280
- ISBN-13 : 978-4061823280
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,287,899位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
昭和33年東京都生まれ。明治薬科大学卒。『QED 百人一首の呪』(講談社ノベルス)で、第9回メフィスト賞を受賞しデビュー(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『鬼神伝』(ISBN-10:4061827359)が刊行された当時に掲載されていたものです)
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2012年10月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
花嫁を捜そうとする名家の子息、のんびりした文麿が、祖母の家訓どおり、一芸に秀でた女性を自力で見つけて落とそうとするのが各話の趣向です。ピアノの世界、茶道の世界、バーテンダーの世界、ビリヤードの世界、それぞれプロになろうとする魅力的な女性に出会いますが、彼女が殺人事件に巻き込まれたり、過去の事件を背負っていたりします。お酒を飲みながら彼女と話をしているうちに、突然別の人格があらわれ、明快に謎を解いてしまう、というフォーミュラパターンでの連作です。
ところで巻末に、この本は講談社刊の「『麿の酩酊事件簿』を、原作者・高田紫蘭の許可を得て、高田崇史が大幅に加筆したもの」とあります。このコミックは作画が望月玲子、もしかして原作者、高田紫蘭とは高田崇史本人ではないかと思いました(あるいは近い存在?)。そうなら、自分で漫画のために原作を書いたものの、コミックという絵では表現できず、小説でしか表現できない「ミステリ」ならではの面を生かすべく、再度、小説にしたのだと思います。
それを検証しようと、コミックも取り寄せて読んでみました。
なるほど、コミックでは描きにくい部分があります。叙述ミステリ的な部分です。文章であるからこそ、読者をミスリードできるのに、絵で見せたら成立しない謎。
著者が改めて小説化(絵から落とすノベライズではなく、同じアイデアを小説として、より精緻に書き直した)意味がよくわかり、その点でいろいろ面白く、考えさせられました。
謎自体ですが、どれもその芸道の蘊蓄に踏み込んだ解決がなされる点は、さすがQEDの高田崇史です。
ピアノの謎ときはちょっと疑問(声楽家ならアリでしょうが)、と思いましたが、茶道、ビリヤードなどは納得のゆくもので、その世界をのぞく楽しみも味わえます。
あの重厚な作風の高田崇史が、普通の経緯でミステリシリーズとして書きおろしたのでしたら、少しイージーかなというところですが、漫画を経たという成立事情を踏まえて読むと、ミステリへの著者のこだわりがはっきり見え、興味深いです。
小説では書けない漫画ならではのオリジナル性をもったミステリ、というものが成立しうるのか? ミステリ小説とはつまるところ「叙述」なのではないか、などミステリについての思索を誘います。
なおコミックのキャラクターたちの雰囲気と、この小説のそれは微妙に違い、麿の存在感はコミックのほうに、女性たちのそれは小説のほうにあったと思います。そんなことも含めて面白い体験をさせてもらいました。
ところで巻末に、この本は講談社刊の「『麿の酩酊事件簿』を、原作者・高田紫蘭の許可を得て、高田崇史が大幅に加筆したもの」とあります。このコミックは作画が望月玲子、もしかして原作者、高田紫蘭とは高田崇史本人ではないかと思いました(あるいは近い存在?)。そうなら、自分で漫画のために原作を書いたものの、コミックという絵では表現できず、小説でしか表現できない「ミステリ」ならではの面を生かすべく、再度、小説にしたのだと思います。
それを検証しようと、コミックも取り寄せて読んでみました。
なるほど、コミックでは描きにくい部分があります。叙述ミステリ的な部分です。文章であるからこそ、読者をミスリードできるのに、絵で見せたら成立しない謎。
著者が改めて小説化(絵から落とすノベライズではなく、同じアイデアを小説として、より精緻に書き直した)意味がよくわかり、その点でいろいろ面白く、考えさせられました。
謎自体ですが、どれもその芸道の蘊蓄に踏み込んだ解決がなされる点は、さすがQEDの高田崇史です。
ピアノの謎ときはちょっと疑問(声楽家ならアリでしょうが)、と思いましたが、茶道、ビリヤードなどは納得のゆくもので、その世界をのぞく楽しみも味わえます。
あの重厚な作風の高田崇史が、普通の経緯でミステリシリーズとして書きおろしたのでしたら、少しイージーかなというところですが、漫画を経たという成立事情を踏まえて読むと、ミステリへの著者のこだわりがはっきり見え、興味深いです。
小説では書けない漫画ならではのオリジナル性をもったミステリ、というものが成立しうるのか? ミステリ小説とはつまるところ「叙述」なのではないか、などミステリについての思索を誘います。
なおコミックのキャラクターたちの雰囲気と、この小説のそれは微妙に違い、麿の存在感はコミックのほうに、女性たちのそれは小説のほうにあったと思います。そんなことも含めて面白い体験をさせてもらいました。