推理小説ではなく、探偵小説が好きな方は必読ですよ！
洒落た怪盗と頭脳明晰な探偵の対決がお好きな方は、本当に読まないともったいないです。
活躍する怪盗は、アルセーヌ・ルパンのように誇り高く、鮮やかな手際とスマートな気障ったらしさを兼ね備え、エレガントで艶やかに美しい真紅の薔薇のごとき淑女怪盗『麝香姫』。
対する探偵は、大きなトンボ眼鏡とふんわり笑顔、よれった羽織袴姿が憎めない旧制の第一高等学校教師で、切れ者だけどそれが全然表に出ない蒲公英のごとき天然青年『間宮諷四郎』。
何処かに郷愁を感じつつ、サラサラ読めて、さわやかな読後感が嬉しい…『夜店のラムネ』のようなお話です。
付け加えると、波津彬子さんの挿絵の『麝香姫』が大変美しいのも、読んでて楽しかった理由の一つです。
追記
2008年1月18日付けで文庫版が出版されました。
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