猫丸先輩といえば、唐沢なをき画伯という記号化が定着したようである。伴い、猫丸先輩のキャラクターが心持ち意地悪になった感があるのは、双方のファンとしては嬉しい限り(w。そう、今までが「うふふ」とか「あはは」いう笑い方なら、本作品集は「けけけ」という感じ。
例によって猫丸が繰り広げるのは「推理」ではなく「推測」なのだが、本収録作品はリドルストーリーの色合いが濃いものが多い。
「毒入りチョコレート事件」を髣髴とさせる、多重構造の「水の外にあるもの」、倉知版「海がめのスープ」である「肉か魚か食い物」が、作者の新境地を感じさせる傑作だが、書き下ろしの「夜の猫丸」が特に、いい塩梅に意地悪で怖い「リドルもの」の白眉である。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
猫丸先輩の空論 (講談社ノベルス) 新書 – 2005/9/6
倉知 淳
(著)
年齢・職業ともに不詳の童顔探偵猫丸先輩が、日常を本格推理する!
イラストレーターの家のベランダに毎朝決まって置かれるペットボトル、交通事故現場に集結させられた無線タクシー、密室状態のテントの中で割れ、散乱していた7個のスイカ……などなど不可解で理不尽な謎がすらりと解かれる推理の極み6編。
イラストレーターの家のベランダに毎朝決まって置かれるペットボトル、交通事故現場に集結させられた無線タクシー、密室状態のテントの中で割れ、散乱していた7個のスイカ……などなど不可解で理不尽な謎がすらりと解かれる推理の極み6編。
- 本の長さ296ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2005/9/6
- ISBN-104061824465
- ISBN-13978-4061824461
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2005/9/6)
- 発売日 : 2005/9/6
- 言語 : 日本語
- 新書 : 296ページ
- ISBN-10 : 4061824465
- ISBN-13 : 978-4061824461
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,209,956位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2005年9月25日に日本でレビュー済み
2013年10月8日に日本でレビュー済み
前作に引き続き殺人などは起こらず、日常の謎を猫丸先輩が推理する内容で、
前作同様ある程度は楽しめる
ただ猫や大食い、書き下ろしの話など日常の謎としてレベルの低い作品も多いので
ミステリとしてはあまり期待しない方がいいだろう
前作同様ある程度は楽しめる
ただ猫や大食い、書き下ろしの話など日常の謎としてレベルの低い作品も多いので
ミステリとしてはあまり期待しない方がいいだろう
2018年8月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
倉知さんの文章はテンポもよく、とても読みやすいだけど、本作は少し内容があっさりしすぎている。
無理に引っ張っている感じが否めない。
でも、人が死なない日常の謎を書く作家は少ない。好感が持てる。
無理に引っ張っている感じが否めない。
でも、人が死なない日常の謎を書く作家は少ない。好感が持てる。
2006年9月2日に日本でレビュー済み
正直、告白します!
表紙のパッケージにある猫丸先輩があまりにカワイクて買っちゃいました!!!
でもね、中身も秀逸♪
一般的に、本格推理小説というと、
「密室の中で人がバッタバッタと殺されていく」
というような「悲惨系」なお話が多いとおもうのですが、
本作は、めっちゃホノボノ♪
しかも、あんましヒトもしなないしね。
んで、猫丸先輩がイイアジだしてます。。まじで。
カワイイかとおもいきや、こやつ一筋縄ではいかぬ、なかなかな「猫野郎」でござります♪
推理小説は大好き、でも、あんまヒトが死ぬのはいやだという方(!?)
には超絶オススメです。
あたまの体操になりますぞよ♪
表紙のパッケージにある猫丸先輩があまりにカワイクて買っちゃいました!!!
でもね、中身も秀逸♪
一般的に、本格推理小説というと、
「密室の中で人がバッタバッタと殺されていく」
というような「悲惨系」なお話が多いとおもうのですが、
本作は、めっちゃホノボノ♪
しかも、あんましヒトもしなないしね。
んで、猫丸先輩がイイアジだしてます。。まじで。
カワイイかとおもいきや、こやつ一筋縄ではいかぬ、なかなかな「猫野郎」でござります♪
推理小説は大好き、でも、あんまヒトが死ぬのはいやだという方(!?)
には超絶オススメです。
あたまの体操になりますぞよ♪
2008年9月22日に日本でレビュー済み
05年09月のノベルスからの文庫化で,6編の短編集になります.
いわゆる『日常の謎』を,主人公がいろいろと解決していくのですが,
『空論』のタイトルのとおり,それが正しいのかはハッキリとしません.
犯人なども捕まりませんし,結末もあえて曖昧にしている印象を受けます.
とはいえ,真実どうこうではなく,その『空論』を楽しむという感じで,
主人公の人を食ったようなしゃべりや,そのどこか憎めない立ち振る舞い,
そしてそれにふりまわされる人たちの様子が,おかしく楽しませてくれます.
また,表紙をはじめ,主人公のイラストが作中で語られる風貌にピッタリで,
ほかにも,各編のタイトルが他作のパロディになっているのも少しニヤリです.
ただ,『日常の謎』という割には,その謎や状況がやや『非日常的』にも思え,
『空論』とはいうものの,結論にも無茶なところがあるのには引っかかりました.
いわゆる『日常の謎』を,主人公がいろいろと解決していくのですが,
『空論』のタイトルのとおり,それが正しいのかはハッキリとしません.
犯人なども捕まりませんし,結末もあえて曖昧にしている印象を受けます.
とはいえ,真実どうこうではなく,その『空論』を楽しむという感じで,
主人公の人を食ったようなしゃべりや,そのどこか憎めない立ち振る舞い,
そしてそれにふりまわされる人たちの様子が,おかしく楽しませてくれます.
また,表紙をはじめ,主人公のイラストが作中で語られる風貌にピッタリで,
ほかにも,各編のタイトルが他作のパロディになっているのも少しニヤリです.
ただ,『日常の謎』という割には,その謎や状況がやや『非日常的』にも思え,
『空論』とはいうものの,結論にも無茶なところがあるのには引っかかりました.
2008年9月20日に日本でレビュー済み
日常の謎系列のミステリ短篇連作集、猫丸先輩シリーズの文庫最新刊です。
しかし、このシリーズのタイトルもミステリなのに、「推論」に続いて「空論」ときましたか。
でも、こういうタイトルだからふざけているように見えて、推理はけっこう本格なんですよ。しかもちょうどいい塩梅で読者も「あ!」と驚かされるのが半分弱、読者が「わかった!」って思うのが半分強のちょうどいい塩梅なんです。
それでいて、この猫丸先輩という、小柄でまんまる目の猫のような30すぎのどこか憎めないキャラクターがすごく強くキャラ立ちしているので、キャラ萌えとして小説を読む向きにも十分に魅力的です。大人なのに子供のようで、好奇心だけで動いている不思議な男。しかも語り口はちょっと落語口調で面白い。この軽い味わいと軽妙さが他の作品にはない味なんでしょうねぇ。
いいシリーズです。今回もたっぷりと楽しませていただきました。先入観で騙されてしまうちょっとラブコメ風の「子猫を救え!」というのが一番のお気に入りとなった作品集でした。
ちなみに、猫丸先輩シリーズは他に「猫丸先輩の推論」「日曜の夜は出たくない」「過ぎゆく風はみどり色」「幻獣遁走曲」などがあります。「日曜の夜は出たくない」だけがちょっと暗めです。
しかし、このシリーズのタイトルもミステリなのに、「推論」に続いて「空論」ときましたか。
でも、こういうタイトルだからふざけているように見えて、推理はけっこう本格なんですよ。しかもちょうどいい塩梅で読者も「あ!」と驚かされるのが半分弱、読者が「わかった!」って思うのが半分強のちょうどいい塩梅なんです。
それでいて、この猫丸先輩という、小柄でまんまる目の猫のような30すぎのどこか憎めないキャラクターがすごく強くキャラ立ちしているので、キャラ萌えとして小説を読む向きにも十分に魅力的です。大人なのに子供のようで、好奇心だけで動いている不思議な男。しかも語り口はちょっと落語口調で面白い。この軽い味わいと軽妙さが他の作品にはない味なんでしょうねぇ。
いいシリーズです。今回もたっぷりと楽しませていただきました。先入観で騙されてしまうちょっとラブコメ風の「子猫を救え!」というのが一番のお気に入りとなった作品集でした。
ちなみに、猫丸先輩シリーズは他に「猫丸先輩の推論」「日曜の夜は出たくない」「過ぎゆく風はみどり色」「幻獣遁走曲」などがあります。「日曜の夜は出たくない」だけがちょっと暗めです。
2005年9月8日に日本でレビュー済み
ベランダに置かれたペットボトル、突然、ステーキ店から出て行ってしまった友人・・・。
正直言って、登場する謎自体はどれもすごいものじゃありません。
シリーズ第1作に比べるとちょっと説得力不足かな、と思う場面もあるのですが、身体は小さいが態度はでかい、猫丸先輩の魅力はさらにレベルアップしています。
ワクワク、ハラハラするような展開はないけれど、ついついページをめくってしまう、そんな不思議な魅力の一冊。
正直言って、登場する謎自体はどれもすごいものじゃありません。
シリーズ第1作に比べるとちょっと説得力不足かな、と思う場面もあるのですが、身体は小さいが態度はでかい、猫丸先輩の魅力はさらにレベルアップしています。
ワクワク、ハラハラするような展開はないけれど、ついついページをめくってしまう、そんな不思議な魅力の一冊。
2007年3月27日に日本でレビュー済み
ちょっと手を抜き始めたのかな、と思わされる一冊だった。全体的に遊びの部分がしなわれているように感じた。まず、以前のような文体模写の要素が薄くなっている。それから、謎を取り巻く状況に奥行きがない。プロットの複雑さというか、ふくらみの部分が物足りないのだ。そして、謎そのものが小粒になっている。
色々な意味で限界に突き当たっているのだろう。ぜひ、壁を乗り越えて頑張って欲しい。
それでも、猫丸ファンにはそこそこ楽しめる内容。
色々な意味で限界に突き当たっているのだろう。ぜひ、壁を乗り越えて頑張って欲しい。
それでも、猫丸ファンにはそこそこ楽しめる内容。