熱血単細胞な消防士の成長と、外国人不法就労問題を根太く描いた社会派ミステリーです(^-^*)/
同じく社会派ミステリーシリーズとして名作な『警官は~』シリーズを書いている著者らしく、
現実的な社会問題の扱い方や描き方は見事ですし、
消防にまつわる様々な問題の描き方も、知識として得られる様々な事柄も見事で、学びつつ楽しく読めました!
ただ、『警官は~』シリーズとは異なる、体言止めを多用した文体や、
元不良の主人公の親友も不良でクールなリアリスト等の設定が、池袋ウエストゲートパークの影響を感じ、
親友の犯罪論(俺たちは限度を超えないように適度に悪さをしてたからまだマシ)は、『暴行未遂カツアゲの被害者からしたら、充分地獄に感じる犯罪であって、マシだなんて絶対に言えない』と感じて胸糞悪く、池袋ウエストゲートパークの粗悪な模倣性を少し感じたのが唯一残念でした。
でも、そこ以外は正義を問う内容も様々考えさせられる重厚な面白さで、シリーズの次作以降も楽しみです!
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鎮火報 (講談社ノベルス) 新書 – 2005/9/6
日明 恩
(著)
- 本の長さ304ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2005/9/6
- ISBN-104061824473
- ISBN-13978-4061824478
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2005/9/6)
- 発売日 : 2005/9/6
- 言語 : 日本語
- 新書 : 304ページ
- ISBN-10 : 4061824473
- ISBN-13 : 978-4061824478
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2020年5月21日に日本でレビュー済み
2021年8月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
消防の話と、サスペンス。本当は、もう一つの話の核心に迫りたかった。でも、とっても面白くて寝不足です。
2013年1月2日に日本でレビュー済み
『ロード&ゴー』の後に読んだのだけど、比べても遜色ない作品だったと思う。
読み終わった後に「この小説のテーマって何だろう?」と考え時に頭に思い浮かんだのが、「死生観」である。
もちろん『ロード&ゴー』で感じた仕事に対する姿勢や考え方も感じることができた。
それに加えて、「一人の人間はどう生きどう死ぬのか」ということを、雄大、祐二、仁藤、小坂たちの言動を聞いた時に考えさせられた。
一人の人間が究極の状態まで追い詰められた時、何をするか分からない。
自分を追い詰めてもいけないし、他人をそんな状況に追い込んでもいけない。
それがこの作品から思い出させられたことである。
一回でも「死のう」と思ったことがある人には読んでもらいたい。
きっと悩みを解決するヒントを与えてくれると思う。
読み終わった後に「この小説のテーマって何だろう?」と考え時に頭に思い浮かんだのが、「死生観」である。
もちろん『ロード&ゴー』で感じた仕事に対する姿勢や考え方も感じることができた。
それに加えて、「一人の人間はどう生きどう死ぬのか」ということを、雄大、祐二、仁藤、小坂たちの言動を聞いた時に考えさせられた。
一人の人間が究極の状態まで追い詰められた時、何をするか分からない。
自分を追い詰めてもいけないし、他人をそんな状況に追い込んでもいけない。
それがこの作品から思い出させられたことである。
一回でも「死のう」と思ったことがある人には読んでもらいたい。
きっと悩みを解決するヒントを与えてくれると思う。
2006年8月6日に日本でレビュー済み
やる気のない消防士・大山雄大。
「たけひろ」と読むが、みな「ゆうだい」と呼ぶ。
赤羽台消防出張所に勤務する20歳。
早く現場を離れて、9時5時の日勤に変わりたいと願っている。
管轄区内で、古いアパートで出火。
放水すると爆発し、火はさらに燃え広がる――
という不可解な火事が起こります。
現場は不法滞在の外国人摘発の直後。
警察と入国管理官が揃っていました。
やる気がないのに、どんどん現場にはまり込んでいく様子を
雄大の一人称で、コミカルに描きます。
入管係官小坂の行動の矛盾や、火事現場での消防と警察の縄張り争いなど
表面的なモチーフだけではなく、日本のなかの外国人それぞれの立場や感情、
消防士の仕事まで、細かく描きながらも、物語から逸れていかない。
すごい筆力!
やはり消防士だった雄大の父親の死や
父親が助けた子供が消防士になり、仕事に命を賭ける姿など
雄大にまつわる人生の問題にも切り込んでいきます。
それを泣かせる消防チームメンバー、イケテル母親、
市井の哲学者である親友の裕二、優雅な引きこもり中年・守など、
登場人物が多彩。
夏に火事の話はちょっと暑苦しかったけれど、オモシロさで帳消し。
「たけひろ」と読むが、みな「ゆうだい」と呼ぶ。
赤羽台消防出張所に勤務する20歳。
早く現場を離れて、9時5時の日勤に変わりたいと願っている。
管轄区内で、古いアパートで出火。
放水すると爆発し、火はさらに燃え広がる――
という不可解な火事が起こります。
現場は不法滞在の外国人摘発の直後。
警察と入国管理官が揃っていました。
やる気がないのに、どんどん現場にはまり込んでいく様子を
雄大の一人称で、コミカルに描きます。
入管係官小坂の行動の矛盾や、火事現場での消防と警察の縄張り争いなど
表面的なモチーフだけではなく、日本のなかの外国人それぞれの立場や感情、
消防士の仕事まで、細かく描きながらも、物語から逸れていかない。
すごい筆力!
やはり消防士だった雄大の父親の死や
父親が助けた子供が消防士になり、仕事に命を賭ける姿など
雄大にまつわる人生の問題にも切り込んでいきます。
それを泣かせる消防チームメンバー、イケテル母親、
市井の哲学者である親友の裕二、優雅な引きこもり中年・守など、
登場人物が多彩。
夏に火事の話はちょっと暑苦しかったけれど、オモシロさで帳消し。
2013年5月12日に日本でレビュー済み
身近だが、実はよく知らない「消防」の仕事について、興味深く知ることができる読み物
その意味では、とても良くできた物語である
しかし、ワタシはあまり好きな小説ではなかった
まず、主人公の独白というのか内省というべきなのか、とにかく体現止めの文章が読みにくい
まぁ、論文ではないので倒置しようが体現止めだろうが構わないのだが、文章の末尾の多くが名刺や形容詞で終わることが多く、読み進めるのが嫌になった
次に、主人公が元不良という設定で、若かりし頃のイタズラ場面や格闘シーンの描写があるのだが、これがまたリアリティを感じられない
聞いた話をさも自分が経験してきたかのように話す、いわゆる「デビュー」って感じがする
「作家が文章を書く場合には、必ず自分で同じことを体験しろ」なんてことを言うつもりは毛頭無いが、借りてきた言葉を理解・咀嚼できずに、そのまま載せているような居心地の悪さがある
ホントは詳しく知らないけれど、せっかく集めた資料や話だし、エンターテイメントに徹するためのも、出し惜しみせず全部盛っちゃえ!!
作者はそんな心境じゃなかったか?
映画製作と同じで、勿体なく思ってもいくつかの場面(エピソード)を切り捨てていけば、まとまりの良い名作になったと思う
その意味では、とても良くできた物語である
しかし、ワタシはあまり好きな小説ではなかった
まず、主人公の独白というのか内省というべきなのか、とにかく体現止めの文章が読みにくい
まぁ、論文ではないので倒置しようが体現止めだろうが構わないのだが、文章の末尾の多くが名刺や形容詞で終わることが多く、読み進めるのが嫌になった
次に、主人公が元不良という設定で、若かりし頃のイタズラ場面や格闘シーンの描写があるのだが、これがまたリアリティを感じられない
聞いた話をさも自分が経験してきたかのように話す、いわゆる「デビュー」って感じがする
「作家が文章を書く場合には、必ず自分で同じことを体験しろ」なんてことを言うつもりは毛頭無いが、借りてきた言葉を理解・咀嚼できずに、そのまま載せているような居心地の悪さがある
ホントは詳しく知らないけれど、せっかく集めた資料や話だし、エンターテイメントに徹するためのも、出し惜しみせず全部盛っちゃえ!!
作者はそんな心境じゃなかったか?
映画製作と同じで、勿体なく思ってもいくつかの場面(エピソード)を切り捨てていけば、まとまりの良い名作になったと思う