霧舎巧さんの本は今回が初めてでしたが、これはなかなか凄いです。
まず、本書を開いて最初に目に飛び込むのは空欄になっている登場人物欄。「自分で埋めてください」とのこと。
「なるほど、これがトリックと関係してるのだな。面白いじゃないか……」と推論を立てつつ読み進めていくことになります。
雪に閉ざされた山荘。そこに偶然(?)集まったどこか怪しげな人々。過去の事件との因果関係。
そして、所々にエラリー・クイーンの作品の引用があったり、読者への挑戦があったり、まさにこれぞ新本格ミステリといった雰囲気。
肝心の殺人はなかなか起きないのですが、それでもグダグダになるどころか世界観に引き込まれていきます。
それにしても中盤でこれほど仰天したのはこの作品が初めてかも知れません。
あまり下手なことを書くとネタバレになってしまうので詳しくは書けないのが残念です(笑)
ある程度古き良きミステリを読んだ方にこそお勧めの一冊です。
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名探偵はもういない (講談社ノベルス) 新書 – 2006/4/7
霧舎 巧
(著)
「読者への挑戦状」つきの本格推理意欲作!
- 本の長さ329ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2006/4/7
- ISBN-104061824813
- ISBN-13978-4061824812
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商品の説明
出版社からのコメント
「読者への挑戦状」つきの本格推理意欲作!
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2006/4/7)
- 発売日 : 2006/4/7
- 言語 : 日本語
- 新書 : 329ページ
- ISBN-10 : 4061824813
- ISBN-13 : 978-4061824812
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,125,645位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年4月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
思っていたとおりの内容でした。探偵小説が好きな人にはお薦めします。
2022年2月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
(クリスティ+クイーン+新本格)÷?
…であると思いました。恋愛の場面がぎこちないので、そこがスムーズだったら、読者の桁数が違ったかも知れませんね。きちんと構築された謎と謎解きがあり、私は好きです。
…であると思いました。恋愛の場面がぎこちないので、そこがスムーズだったら、読者の桁数が違ったかも知れませんね。きちんと構築された謎と謎解きがあり、私は好きです。
2009年4月6日に日本でレビュー済み
2002年に原書房から出た単行本の文庫化。加筆修正がなされている。
長編ミステリ。
面白いけれど、ぎこちない。そんな印象の本であった。ずっと昔からプロットを考えていて、やっと作品化することに成功したというのだが、確かに「若さ」と「未成熟」を感じる部分と、熟練したミステリ作家としての「まとめ方のうまさ」とが混じり合っているようだ。
前者はすなわち、名探偵への憧れということである。名探偵になりたい。そんな気持ちが滲み出ている。
しかし、それをミステリ作家としての習性から、どんでん返しとか意外性に落としこんでしまったところが、不協和の原因となっているのではないか。
なんだか煮え切らない作品であった。
長編ミステリ。
面白いけれど、ぎこちない。そんな印象の本であった。ずっと昔からプロットを考えていて、やっと作品化することに成功したというのだが、確かに「若さ」と「未成熟」を感じる部分と、熟練したミステリ作家としての「まとめ方のうまさ」とが混じり合っているようだ。
前者はすなわち、名探偵への憧れということである。名探偵になりたい。そんな気持ちが滲み出ている。
しかし、それをミステリ作家としての習性から、どんでん返しとか意外性に落としこんでしまったところが、不協和の原因となっているのではないか。
なんだか煮え切らない作品であった。
2007年1月2日に日本でレビュー済み
メフィスト賞受賞直後の作品だが、作者の幼児性・幼稚性が前面に出てしまった作品。
雪と地震によって閉ざされた山荘というウンザリする舞台設定。その山荘に集まった顔ぶれの驚くべき偶然性を平然と書く無神経さ。登場人物の一人の特異な性格のみに依存したトリック。尻軽女のロマンスで話に花を添えようとする少女趣味。そして、エラリー・クィーンの名前と体裁を騙るという信じ難い傲岸不遜ぶり。
最低の作品である。作者が作家として成長する日は来るのであろうか ?
雪と地震によって閉ざされた山荘というウンザリする舞台設定。その山荘に集まった顔ぶれの驚くべき偶然性を平然と書く無神経さ。登場人物の一人の特異な性格のみに依存したトリック。尻軽女のロマンスで話に花を添えようとする少女趣味。そして、エラリー・クィーンの名前と体裁を騙るという信じ難い傲岸不遜ぶり。
最低の作品である。作者が作家として成長する日は来るのであろうか ?
2014年9月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「雪の山荘」ものの、ちょっと異色ミステリである。旅行中の主人公たちは雪崩により道が寸断されたため、たまたま近くのペンションに宿を求めるのだが、そこには一癖も二癖もありそうな面々が宿泊しており、そして惨劇が、、、という話。2010年から積読になっていたのをようやく読了。
目次を見ると、終盤に「読者への挑戦状」がある。
これは、雪密室系の手ごわい本格推理小説か、と思って読み始めたのだが、そういうものではなかった。要するに外部から孤立した状況、科学捜査が使えない、という意味の雪の山荘ものであった。その状態の中、非常に特異な人間関係が少しずつ描写されていき、緊張が高まってきたところで事件は起きる。。。
・・・なのですが、まぁどうなんでしょうかこの作品。
この著者、文章がだいぶ情緒的に流れていてまず読みづらい。地の文なのか、登場人物の自問なのか、不明瞭な個所がたくさんあって、これがトリックの伏線かと思いきや、そういうわけでもなかった。
冒頭に、登場人物一覧を掲示できない、などとわざわざ書いてあるのでそこらへんだいぶ期待したが、わざわざいうほどのものでもなかった模様。
最後の最後に明らかになる取り違えは、しかしトリックとはあまり関係がない(某登場人物の情緒的には深い意味があるが)。
それから、ノックスの十戒にはないが、登場人物が合理的判断に基づいて行動しない推理小説は困るなぁ、というのが最終的な印象だ。
いや、現実の事件にはこういう状況はありうるかもしれませんけどね。
目次を見ると、終盤に「読者への挑戦状」がある。
これは、雪密室系の手ごわい本格推理小説か、と思って読み始めたのだが、そういうものではなかった。要するに外部から孤立した状況、科学捜査が使えない、という意味の雪の山荘ものであった。その状態の中、非常に特異な人間関係が少しずつ描写されていき、緊張が高まってきたところで事件は起きる。。。
・・・なのですが、まぁどうなんでしょうかこの作品。
この著者、文章がだいぶ情緒的に流れていてまず読みづらい。地の文なのか、登場人物の自問なのか、不明瞭な個所がたくさんあって、これがトリックの伏線かと思いきや、そういうわけでもなかった。
冒頭に、登場人物一覧を掲示できない、などとわざわざ書いてあるのでそこらへんだいぶ期待したが、わざわざいうほどのものでもなかった模様。
最後の最後に明らかになる取り違えは、しかしトリックとはあまり関係がない(某登場人物の情緒的には深い意味があるが)。
それから、ノックスの十戒にはないが、登場人物が合理的判断に基づいて行動しない推理小説は困るなぁ、というのが最終的な印象だ。
いや、現実の事件にはこういう状況はありうるかもしれませんけどね。
2006年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
章立てといい、挑戦状といい、筆者らしい遊び心と丁寧さに満ちた良質なミステリ。
丁寧さにこだわったためと思われる盛り上がりの無さが、エンターテイメントとしては弱いですが、一歩間違うと、バカミスに流れそうなところをぎりぎりで踏みとどまっている感じが個人的には大好きです。
でも、相変わらず、ロマンス場面はなんだか恥ずかしがって書いてるでしょう?というニュアンスが出るのは筆者の特徴か?
最近すっかりご無沙汰の開かずの扉外伝として読むのも面白い。
丁寧さにこだわったためと思われる盛り上がりの無さが、エンターテイメントとしては弱いですが、一歩間違うと、バカミスに流れそうなところをぎりぎりで踏みとどまっている感じが個人的には大好きです。
でも、相変わらず、ロマンス場面はなんだか恥ずかしがって書いてるでしょう?というニュアンスが出るのは筆者の特徴か?
最近すっかりご無沙汰の開かずの扉外伝として読むのも面白い。
2006年5月13日に日本でレビュー済み
雪崩で道を閉ざされた山荘。
一癖も二癖もある探偵の登場。
そしてアクの強い登場人物。
この要素だけでも、読んでいてとても楽しい。
「読者への挑戦状」つきで、更にお楽しみが・・・。
物語の中盤から、探偵の犯人当ての推理にやや疑問を感じてしまう。理屈は分かるけど、あまりすっきりしない。
そして読み進むうちに、作者の都合の良いようなトリック設定に無理矢理に納得させられるようで、面白味に欠けてしまった。
もう一声、馬鹿でかいサプライズが欲しかった。
一癖も二癖もある探偵の登場。
そしてアクの強い登場人物。
この要素だけでも、読んでいてとても楽しい。
「読者への挑戦状」つきで、更にお楽しみが・・・。
物語の中盤から、探偵の犯人当ての推理にやや疑問を感じてしまう。理屈は分かるけど、あまりすっきりしない。
そして読み進むうちに、作者の都合の良いようなトリック設定に無理矢理に納得させられるようで、面白味に欠けてしまった。
もう一声、馬鹿でかいサプライズが欲しかった。