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毒草師 QED Another Story (講談社ノベルス) 新書 – 2008/4/8

4.0 5つ星のうち4.0 56個の評価

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『伊勢物語』と「一つ目の鬼」。旧家連続失踪事件の真相は!?
「QED」のあの御名形史紋(みなかたしもん)が事件を斬る!

「一つ目の鬼を見た」と言い残して、名家・鬼田山(きたやま)家の人々は施錠された離れから次々と失踪した。さらに長男・柊也が毒殺されて捜査は混乱する。そこへ古今東西の薬と毒に精通する<毒草師>と名乗る御名形が現れ、『伊勢物語』になぞらえて一族の忌まわしき秘密と真相を暴く。QEDシリーズの曲者、御名形史紋の推理が冴える!

※本作品は、2007年に単行本として幻冬舎より刊行されました。講談社ノベルス化にあたり、一部改筆いたしました。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2008/4/8)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/4/8
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 264ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4061825909
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4061825901
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 56個の評価

著者について

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高田 崇史
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昭和33年東京都生まれ。明治薬科大学卒。『QED 百人一首の呪』(講談社ノベルス)で、第9回メフィスト賞を受賞しデビュー(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『鬼神伝』(ISBN-10:4061827359)が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

星5つ中4つ
5つのうち4つ
56グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2007年6月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「Q.E.Dシリーズ」に出てくるサブキャラクター“御名形史紋”が密室殺人の謎解きをします。

だからといって、本作は決して「Q.E.Dシリーズ」を読んでいなければ理解できない話ではありません。

きちんと独立した一遍の物語になっています。

が、伊勢物語のネタを仕込み、それを現代の殺人事件に絡める、といった手法は全く同じであり、

尚かつ現代の殺人事件の謎解きを、御名形史紋がその博覧強記ぶりを発揮して

まるで全て知っていたかのようにあっさりと解決してしまうといった設定も同じ。

ついでに言うと、現代の殺人事件がミステリーとしての出来映えという点でイマイチなのも・・・。

違うのは、桑原タタルが歴史上の怨霊や妖怪達の代弁者となってモノ語るのに対して、

御名形史紋は、作品中本人が言うとおり歴史にはそれほど興味はなくて(それでも凄いが)、

歴史に出てくる毒、あるいは歴史の含む毒、また、毒草そのものに関する知識を語る点でしょうか。

独立した作品ですが、言わば“姉妹作”のようなものですね。

しかし、「Q.E.Dシリーズ」の読者からすると、御名形史紋のキャラクターが本作では立ちまくっていて、

いまいち分かりづらいあちらの主人公の桑原タタルとのキャラの違いが本作を読むことで見分けが付くかも。

かなりエキセントリックな、愛すべき毒草師。個人的には豊川悦治さんあたりを脳内で充ててます。

「キャラクターを設定してしまってからストーリーが書かれている」ような印象ですが、

作者が御名形史紋を突き放すことに成功しており、また今後の見通しも分からないことから

“これは、こういうキャラクターの出てくる一回こっきりのお話ですよ”というような、

ある意味で潔さみたいなものも感じられます。

今や巨大になってしまった「Q.E.Dシリーズ」読者のための一服の清涼剤、

あるいは高田崇史ワールドの入り口としての読み切りものとして。
30人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年11月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
QEDシリーズのとちゅうで、熊野出身の「毒」に詳しい毒草師として登場した青年、御名形史紋。イギリスの血を引き、白い能面のような顔、いかにも理系で無愛想な感情のクールさという、魅力的なキャラクターですが、今度は絡むワトソン的キャラクターも男性で、医療関係の出版社の編集者、西田くんという天然でおっとりしたタイプです。御名形が無表情ながらくそみそに彼につっこみ、彼が首をひねる、というツッコミとボケの対照も、QEDの桑原と小松崎や奈々よりきわだっていて、キャラクターが立っている面白さもあります。

 旧家にまつわる一つ目の山羊や一つ目の子どもの伝説、密室の離れから失踪する人物、というのが今回の現代ミステリです。こちらのおどろおどろしさと、御名形が西田くんにレクチャーする伊勢物語の裏歴史、一見無関係な両ラインが読者を引っ張ってゆきます。ことにこのシリーズは叙法にもくふうがあり、その二つのラインを交互に、また視点人物も、消毒液の匂い漂う御名形と、ほっと肩の力の抜ける西田くん、と緩急のリズムのつけかたで読ませます。

一気呵成に最後まで読みましたが、人物失踪の謎は、QEDの某作と少し似ており、また旧家の禁断の人物関係も多少既視感はあります。
また一つ目の謎(今回はたたらに収束しなかった!)解きは、毒草師、御名形の面目躍如で、読者のほとんどが知らないレベルの深秘としてなされ、天下り的であることは否めません。しかしながら正倉院の奥にこのような事情があったとは、ということ含めて、あいかわらず歴史の闇、政争の混沌を鋭く剔抉してくれる面白さはこの著者ならではです。

このシリーズは語り手もいつのまにどっぷりと事件の渦中の人になってしまうこと含めて、ミステリ、歴史、薬学の三つの部分をQEDシリーズよりも、有機的に絡ませることに成功していると思います。しかも西田くんが御名形とかなり近いレベルでの推理能力を発揮する、という設定も面白かった。「明察神のごとき」ただひとりの探偵ではない点も読みどころかと。

このシリーズも、著者の発展進化形として、引き続き楽しみたいと思います。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年8月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まあまあ、です。人物のかき分けにもっと精通していただきたい!
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2019年8月5日に日本でレビュー済み
うんちくがとても面白かった
こう言っちゃなんだが、主のストーリーはむしろどうでも良かった
御名形って人の、この面倒見の良さはどこから来るんだろ
特殊なファッションセンスと話法を使うが、とても「善意」に満ちた人?
楽しく読みました
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年1月5日に日本でレビュー済み
こちらにまだレビューがないなんてびっくりです。
ホントかよ、と思わせるラストですが、史紋さんの怪しさに比べると、まあ良いかと(笑)。
キャラ立ちしているというか、なんというか。
なんかフラフラ出てくるクリスマスローズが気になってしょうがなかったんですけれども、あれって関係あるんですかね。
はい、自分で調べなきゃ怒られます。
個人的には好きですが、消化不良のところが少々残って星4つです。
2008年8月23日に日本でレビュー済み
「QED神器封殺」に神山禮子の幼なじみとして登場した「毒草師」と称する御名形史紋が、主人公として登場!それだけでも興味を喚起する。期待は裏切られなかった。
密室事件の推理が日本の古典と絡められて展開されるパターンはQEDを継承している。
伊勢物語の時代にまで遡る家系の鬼田山家に起こった3度に及ぶ密室からの失踪事件。その都度「一つ目の鬼」を見たという証言が伴う。鬼田山家の複雑な人間関係というこれまたクローズドな世界での物語。「一つ目」の連想が、伊勢物語・ギリシャ神話につながり、一つの流れを生み興味深い。
医療業界向け出版社の編集者・西田真規が、悪戦苦闘の推理を展開する形でストーリーの回し手となり、御名形を引き込んでゆく。クールな御名形の颯爽とした登場で鮮やかに事件が解明される。
事件に並行し進行する伊勢物語に隠された意味の解明も、古典の読み方におもしろさを加えている。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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