昔新左翼の理論的指導者だった為に、今でもアメリカの入国に苦労するそうですが、
数少ない本物の小説家だ。
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青銅の悲劇 瀕死の王 (講談社ノベルス) 新書 – 2010/7/7
笠井 潔
(著)
矢吹駆シリーズ日本篇!!
圧倒的な論理性! 21世紀本格探偵小説の地平を切り拓く巨編!!
1988年末、東京郊外頼拓市の旧家、鷹見澤家で奇妙な現象が続発。不穏な空気の中、冬至の日に執り行われた会食の席上、当主、鷹見澤信輔が突然倒れる! それは、トリカブトを使った毒殺未遂事件であった……。昭和の最期、一族を襲う悲劇と、それに纏わる深い闇に迫る!!
圧倒的な論理性! 21世紀本格探偵小説の地平を切り拓く巨編!!
1988年末、東京郊外頼拓市の旧家、鷹見澤家で奇妙な現象が続発。不穏な空気の中、冬至の日に執り行われた会食の席上、当主、鷹見澤信輔が突然倒れる! それは、トリカブトを使った毒殺未遂事件であった……。昭和の最期、一族を襲う悲劇と、それに纏わる深い闇に迫る!!
- 本の長さ704ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2010/7/7
- ISBN-104061827251
- ISBN-13978-4061827257
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2010/7/7)
- 発売日 : 2010/7/7
- 言語 : 日本語
- 新書 : 704ページ
- ISBN-10 : 4061827251
- ISBN-13 : 978-4061827257
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,086,285位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年5月5日に日本でレビュー済み
すべてのヒントが出てくるまで本格的な推理はしない。
探偵小説における「名探偵」とは、本来そういうものであります。
では、「これですべてのヒントが出揃った!」と、そう判断するのはいったい誰か。
言うまでもなく、名探偵本人なのであります。
しかし、この小説には、名探偵・矢吹駆は登場しません。
すべてのヒントが出尽くしたのかどうか、誰にもわからないのであります。
だから、推理マニアの登場人物たちは、不毛な推理を延々と楽しんでしまうのでした。
情報の中途半端さに甘んじて。あの、「虚無への供物」を思いださせるかのように。
そこに、かつて「フランス篇」のワトソン役を務めた、ナディア・モガールが登場します。
フランス時代、彼女もまた無責任な推理マニアでした。だけど今じゃすっかり大人。
はたして、矢吹駆に代わって名探偵役を果たすことができるのか・・・?
(不毛な推理に付き合う覚悟だけは決めておいてくださいね。)
探偵小説における「名探偵」とは、本来そういうものであります。
では、「これですべてのヒントが出揃った!」と、そう判断するのはいったい誰か。
言うまでもなく、名探偵本人なのであります。
しかし、この小説には、名探偵・矢吹駆は登場しません。
すべてのヒントが出尽くしたのかどうか、誰にもわからないのであります。
だから、推理マニアの登場人物たちは、不毛な推理を延々と楽しんでしまうのでした。
情報の中途半端さに甘んじて。あの、「虚無への供物」を思いださせるかのように。
そこに、かつて「フランス篇」のワトソン役を務めた、ナディア・モガールが登場します。
フランス時代、彼女もまた無責任な推理マニアでした。だけど今じゃすっかり大人。
はたして、矢吹駆に代わって名探偵役を果たすことができるのか・・・?
(不毛な推理に付き合う覚悟だけは決めておいてくださいね。)
2008年11月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ぶっちゃけ感想を一言でいえば期待外れな一作。まぁ余所でもレビューを読まれる人はいるでしょうから書いてしまいますが、今作は矢吹駆が登場しません。別シリーズの登場人物(というか笠井氏の分身)である宗像とシリーズのヒロインであるナディア・モガールを中心として謎の解明がされていきます。
ストーリーも盛り上がりに欠け、実に地味な展開。旧家における毒殺未遂事件を中核として、ひたすら面倒な検討が延々と続きます。
笠井氏がやろうとしたことは分かるんです。かつて法月綸太郎氏が論じ、氷川透氏が総括した「初期クイーン論」に対する笠井氏なりの解答もしくは立ち位置を表明しようというわけなのだと理解しているわけですが、これが小説として読んでいて楽しいかというと首をかしげざるを得ないわけですね。
事件関係者の証言や、出てくる証拠が二転三転し、読者はどれが事実なのか、さんざん引っ張り回されます。ある意味捜査官と同じ立場に置かれるわけです。捜査官は事件関係者の証言を、「完全な事実」「完全な虚構」「一部事実で一部虚構」「錯誤による事実に反するもの」のすべてを想定して捜査しなければならないわけで、おいしいところを摘み食いしていく名探偵とは、しなければならない作業、想定しなければならない可能性の量が比較になりません。それゆえ、推理小説における警察官はフットワークが悪く、愚鈍で頼りにならない存在として名探偵の引き立て役になるわけですね。
つまり、今回は読者がまさにその立場になってしまうため、読んでいて爽快感がない。ただ登場人物が推論しているのをボーっと見ていることしかできないのです。ゆえに私はエンタテインメントとしての推理小説として、今作に高い評価ができません。もっとも今作はあくまでキャラクターの顔見世であって、次作が日本編の本番という可能性も高いわけですから、まだまだシリーズからは目が離せないんですけどね。
追記
それにしても、20年前が舞台設定とはいえ、登場人物たちが飲酒運転しまくりなのが気になってしかたがありませんでした。
ストーリーも盛り上がりに欠け、実に地味な展開。旧家における毒殺未遂事件を中核として、ひたすら面倒な検討が延々と続きます。
笠井氏がやろうとしたことは分かるんです。かつて法月綸太郎氏が論じ、氷川透氏が総括した「初期クイーン論」に対する笠井氏なりの解答もしくは立ち位置を表明しようというわけなのだと理解しているわけですが、これが小説として読んでいて楽しいかというと首をかしげざるを得ないわけですね。
事件関係者の証言や、出てくる証拠が二転三転し、読者はどれが事実なのか、さんざん引っ張り回されます。ある意味捜査官と同じ立場に置かれるわけです。捜査官は事件関係者の証言を、「完全な事実」「完全な虚構」「一部事実で一部虚構」「錯誤による事実に反するもの」のすべてを想定して捜査しなければならないわけで、おいしいところを摘み食いしていく名探偵とは、しなければならない作業、想定しなければならない可能性の量が比較になりません。それゆえ、推理小説における警察官はフットワークが悪く、愚鈍で頼りにならない存在として名探偵の引き立て役になるわけですね。
つまり、今回は読者がまさにその立場になってしまうため、読んでいて爽快感がない。ただ登場人物が推論しているのをボーっと見ていることしかできないのです。ゆえに私はエンタテインメントとしての推理小説として、今作に高い評価ができません。もっとも今作はあくまでキャラクターの顔見世であって、次作が日本編の本番という可能性も高いわけですから、まだまだシリーズからは目が離せないんですけどね。
追記
それにしても、20年前が舞台設定とはいえ、登場人物たちが飲酒運転しまくりなのが気になってしかたがありませんでした。
2008年8月1日に日本でレビュー済み
ほとんど推理小説を読まない僕に、とある芥川賞作家が、
「重厚な重みと面白さが両方あるすごい本」といって紹介してくれたのが
「哲学者の密室」という作品。
これは「オイディプス症候群」という作品を挟んだ、その続編です。
哲学、テロルについての考察、観念論などいろいろがバックにしかれるのだが、
(哲学者の密室では鋭いハイデガー批判を繰り広げる)
あくまで登場人物に血が通っている小説たちです。
すごいですよ。
「重厚な重みと面白さが両方あるすごい本」といって紹介してくれたのが
「哲学者の密室」という作品。
これは「オイディプス症候群」という作品を挟んだ、その続編です。
哲学、テロルについての考察、観念論などいろいろがバックにしかれるのだが、
(哲学者の密室では鋭いハイデガー批判を繰り広げる)
あくまで登場人物に血が通っている小説たちです。
すごいですよ。
2009年8月2日に日本でレビュー済み
久しぶりに笠井潔の矢吹駆シリーズの新作が出た。
最初に読んだのは多分高校生ぐらいだったはずだから、20年以上前。これほど新作が待ち遠しかったものもない。
以前の作品はパリ、フランスを舞台にしていたが、一転、日本に設定された。しかも人称もナディア・モガールから、作者の分身であろう作家に変更。ということで 大分雰囲気が変わった。
内容も以前と異なり、なんだか本格推理小説という感じで、前作までカケルがやっていた探偵役をナディアがやるようになったのも変わった。
はじめは違和感があったが、だんだんそれにも慣れ、700ページを超える超大作もあっという間に読み終えた。
でもカケルはどこに?
最初に読んだのは多分高校生ぐらいだったはずだから、20年以上前。これほど新作が待ち遠しかったものもない。
以前の作品はパリ、フランスを舞台にしていたが、一転、日本に設定された。しかも人称もナディア・モガールから、作者の分身であろう作家に変更。ということで 大分雰囲気が変わった。
内容も以前と異なり、なんだか本格推理小説という感じで、前作までカケルがやっていた探偵役をナディアがやるようになったのも変わった。
はじめは違和感があったが、だんだんそれにも慣れ、700ページを超える超大作もあっという間に読み終えた。
でもカケルはどこに?
2009年8月26日に日本でレビュー済み
本書の帯には、日本篇の第一作と記されている。しかし、印象としては、第一章というほうが適当なように見える。
語り手は、作者を想わせる小説家宗像。関東地方の鈷室山に出自を持ち、深い繋がりを持つ鷹見澤と北澤の二家。鷹見澤家は、古来一族の祀る鈷室神社の代々の神主を務め、北澤家は、現在日本有数の財閥を支配している。そこに一族の、かつての前衛画家にして現役の警察キャリア官僚、警察署長の蜜野、大学の教員となるナディア・モガール、画家にして北澤家の娘雨香と息子響が絡む。小説家宗像の作家となった経緯も語られる。雨香の双子の風視の周囲から立ち昇ってくる矢吹駆の影。その他登場人物には事欠かず、その人間像は未だ語られざる側面が多い。
昭和が終わる、天皇が死ぬ、ということも、これだけ? の感がある。「鈷室」という名辞も、天啓教も、まさかこれだけが出番だということはないと思うが。ありとあらゆることに、これはどうなるの? という思いが湧く。
事件がらみの部分では、時刻表トリックと同じで、とてもいちいちの事実を追う気にはならなかった。前提の設定で、推論はいくらでも成り立つということは自明であるし、前提の繰り込みの制限がなければ確定的な結果が得られないということも当然のことと思う。この小説中の推論の部分の量は、類書中最大に近いに違いない。『虚無への供物』を思い出した。とはいえ、推理を楽しめなかったわけではない。論理代数のような部分ではない、いくつかの発想の点では、面白かった。
シリーズものとして考えると、主人公が登場しない点に関して、? と感じるが、総てが導入部と考えると、日本篇の大きさに大いに期待して、まあ、いいか、と思ってしまった。
語り手は、作者を想わせる小説家宗像。関東地方の鈷室山に出自を持ち、深い繋がりを持つ鷹見澤と北澤の二家。鷹見澤家は、古来一族の祀る鈷室神社の代々の神主を務め、北澤家は、現在日本有数の財閥を支配している。そこに一族の、かつての前衛画家にして現役の警察キャリア官僚、警察署長の蜜野、大学の教員となるナディア・モガール、画家にして北澤家の娘雨香と息子響が絡む。小説家宗像の作家となった経緯も語られる。雨香の双子の風視の周囲から立ち昇ってくる矢吹駆の影。その他登場人物には事欠かず、その人間像は未だ語られざる側面が多い。
昭和が終わる、天皇が死ぬ、ということも、これだけ? の感がある。「鈷室」という名辞も、天啓教も、まさかこれだけが出番だということはないと思うが。ありとあらゆることに、これはどうなるの? という思いが湧く。
事件がらみの部分では、時刻表トリックと同じで、とてもいちいちの事実を追う気にはならなかった。前提の設定で、推論はいくらでも成り立つということは自明であるし、前提の繰り込みの制限がなければ確定的な結果が得られないということも当然のことと思う。この小説中の推論の部分の量は、類書中最大に近いに違いない。『虚無への供物』を思い出した。とはいえ、推理を楽しめなかったわけではない。論理代数のような部分ではない、いくつかの発想の点では、面白かった。
シリーズものとして考えると、主人公が登場しない点に関して、? と感じるが、総てが導入部と考えると、日本篇の大きさに大いに期待して、まあ、いいか、と思ってしまった。
2008年11月19日に日本でレビュー済み
退屈極まりない小説でした。
作者が自分自身の為に書いた自慰的小説という感じです、著者の笠井氏に失望しました。
哲学者の密室を星五つとするなら、この作品は星一つにも値しないと思います。矢吹駆シリーズ中、最低の作品であることは間違いないでしょう。
作者が自分自身の為に書いた自慰的小説という感じです、著者の笠井氏に失望しました。
哲学者の密室を星五つとするなら、この作品は星一つにも値しないと思います。矢吹駆シリーズ中、最低の作品であることは間違いないでしょう。
2008年8月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『バイバイ、エンジェル』から始まる矢吹駆シリーズ、日本篇の第一弾。
駆シリーズといえば本質直感による推理と思想対決がウリだ。
だがそれもフランス編のみで、日本編ではそうでもないらしい。
約770ページにわたる巨編だが、事件はいたってシンプル。
誰が毒薬を入れたか、それにひたすらこだわっている。
帯に「論理小説の臨界!」とあるが、ロジック好きの方には向いているが、
そうでない読者には、長さの割りには楽しめないかもしれない。
とはいえ、主人公が作者自身をモデルにした宗像なので、
作中で自身の作への指摘などがあり、そういった面では楽しめるし、
駆の過去なども見えてくるのは面白い。
が、ロジック重視の内容は、個人的には淡々としすぎていて辛い。
エンターテイメントとしては、魅力が薄い。
これだけの巨編でメインの事件が2つというのは、どうかと。
今後の日本篇も、ロジックに重点を置いて展開していくのだろうか。
細かいことだが、アリバイ表の漢字で使われているゴシック体は、
ひらがなの明朝とマッチしておらず、非常に見づらい。
駆シリーズといえば本質直感による推理と思想対決がウリだ。
だがそれもフランス編のみで、日本編ではそうでもないらしい。
約770ページにわたる巨編だが、事件はいたってシンプル。
誰が毒薬を入れたか、それにひたすらこだわっている。
帯に「論理小説の臨界!」とあるが、ロジック好きの方には向いているが、
そうでない読者には、長さの割りには楽しめないかもしれない。
とはいえ、主人公が作者自身をモデルにした宗像なので、
作中で自身の作への指摘などがあり、そういった面では楽しめるし、
駆の過去なども見えてくるのは面白い。
が、ロジック重視の内容は、個人的には淡々としすぎていて辛い。
エンターテイメントとしては、魅力が薄い。
これだけの巨編でメインの事件が2つというのは、どうかと。
今後の日本篇も、ロジックに重点を置いて展開していくのだろうか。
細かいことだが、アリバイ表の漢字で使われているゴシック体は、
ひらがなの明朝とマッチしておらず、非常に見づらい。