小説家志望の大学生が小学4年生の少女に拉致監禁される一週間の物語です。
初めはずいぶん不自然に感じる。そう感じて当たり前。
それが、この物語の基調なのだから、それで正解。
細かな伏線がきれいに回収されていく有様はいつも通りの西尾作品です。
地の文がくどいのはいつものことだし、慣れるとそれが癖になるのもいつも通り。
でも、少し違うのは本作では会話がほとんどないということ。
西尾作品の特徴は登場人物が饒舌に言葉をぶつけ合う、テニスのラリーのような緊迫感。
それが、物置に監禁された主人公のモノローグと、少女の固執する「挨拶」という極端な不均衡で崩される。
終盤の、たぶん、36章まで頑張らないと本作の面白さにはたどり着けない。
不均衡が実はそれ自体がテーマだったことがわかれば、見覚えのある描写に気付く。
特に、戦場ヶ原ひたぎや羽川翼そして八九寺真宵の面影があちらこちらに現れる。
鑢七花が、飛騨容赦姫が、黒髪めだかが現れる。
私が知らないキャラクターたちも現れているのだろう。
主人公と「U」はすべての作品の基本形として描かれた、これは、西尾維新の10年目のカーテンコールなのだ。
10年の区切りをつけた、と言い換えても良い。
11年目のスタートを切るにあたっての名刺がわりなのだ。
本作品の最後のセリフは、「初めまして」なのだから。
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少女不十分 (講談社ノベルス ニJ- 28) 単行本(ソフトカバー) – 2011/9/7
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少女はあくまで、ひとりの少女に過ぎなかった……、妖怪じみているとか、怪物じみているとか、そんな風には思えなかった。
- 本の長さ232ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2011/9/7
- 寸法10.8 x 1.5 x 17.5 cm
- ISBN-104061828002
- ISBN-13978-4061828001
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2011/9/7)
- 発売日 : 2011/9/7
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 232ページ
- ISBN-10 : 4061828002
- ISBN-13 : 978-4061828001
- 寸法 : 10.8 x 1.5 x 17.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 510,069位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1981年生まれ。2002年、『クビキリサイクル』にて第23回メフィスト賞を受賞してデビューする(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 零崎人識の人間関係 零崎双識との関係 (ISBN-13: 978-4061826816 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年5月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み切った、読破した。
西尾マニアの方に薦められて読んだけれども、面白かった。
登場人物の名前にも言葉遊びが仕掛けられてるんですね……。
西尾マニアの方に薦められて読んだけれども、面白かった。
登場人物の名前にも言葉遊びが仕掛けられてるんですね……。
2016年9月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
そもそも西尾維新はあまり好きではないので、皆さんが言っている文のくどさは「まあ、この人はこんな感じだろう」と特に気にすることなく読めることができました。
内容的には…
Uと青年の不思議な関係性に徐々に興味がそそられて気付いてみると心地良い惰性で読み進めていました。
しかし常になにかこう「ゾワゾワ」する胸騒ぎを感じます。それがなにかわからないし、同時に気付きたくない。そういう感情に囚われていました。
とてつもなく変わったアプローチではありますが、日常が変わってしまう、そして終わってしまうという切なさをよく表していました。
あなたに少し元気が無い時とか、ツラくて投げ出したいことがあるときに、よかったら読んでみてください。
うん、いい作品でした。
内容的には…
Uと青年の不思議な関係性に徐々に興味がそそられて気付いてみると心地良い惰性で読み進めていました。
しかし常になにかこう「ゾワゾワ」する胸騒ぎを感じます。それがなにかわからないし、同時に気付きたくない。そういう感情に囚われていました。
とてつもなく変わったアプローチではありますが、日常が変わってしまう、そして終わってしまうという切なさをよく表していました。
あなたに少し元気が無い時とか、ツラくて投げ出したいことがあるときに、よかったら読んでみてください。
うん、いい作品でした。
2012年10月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まったりと言うか、ねっとりと言うのか、なのに、どんどん読み進めてしまう。
読み終わってみれば、ふむ、「西尾 維新」流石と言った感想です。
ライトノベルですが、その枠に収めるのが勿体無い、大人がちゃんと読める内容だと思います。
西尾 維新の魅力は
人の闇、社会の矛盾、そ〜言ったところを容赦なく照らし出し、そして白黒付けない、そんな所なのですが、この「少女不十分」もまったくもって、そんな感じです。
やり切れない、人の愚かさ、醜さ、取り返しの付かない・・・
主人公、小説家が若き日に出会った少女との人外を越えた関係の1週間・・・なにが起きたのか・・・少女とは・・・
楽しめる本です。お勧めします。
読み終わってみれば、ふむ、「西尾 維新」流石と言った感想です。
ライトノベルですが、その枠に収めるのが勿体無い、大人がちゃんと読める内容だと思います。
西尾 維新の魅力は
人の闇、社会の矛盾、そ〜言ったところを容赦なく照らし出し、そして白黒付けない、そんな所なのですが、この「少女不十分」もまったくもって、そんな感じです。
やり切れない、人の愚かさ、醜さ、取り返しの付かない・・・
主人公、小説家が若き日に出会った少女との人外を越えた関係の1週間・・・なにが起きたのか・・・少女とは・・・
楽しめる本です。お勧めします。
2023年11月17日に日本でレビュー済み
前半はまるで、芥川龍之介が江戸川乱歩風の小説を書いたような印象を受けました(語り口は西尾さんですが)。不可思議な、なんでそうなるのと言いたくなるような展開で無責任に終わるのではと心配して読み進めると最後三分の一で収束します。後味悪く終わるのかと思ったら見事に簡潔なハッピーエンド。エンターテイメント性とメッセージ性を持つ名作だと思いました。
2016年12月11日に日本でレビュー済み
ドストエフスキーも長い序文があるしくどい【カットしたいくらいに】
でもそれを超えればデスノートレベルの心理戦がある【罪と罰】
【というかデスノートの元ネタ】
・トルストイもくどい
・夏目漱石の草枕やそれからも
ストーリーなんか無いようなものだし、何も起きないようなもの
・三島由紀夫もまわりくどい、
くどいを通り越して自我との高度な心理戦が始まる
・長距離ランナーの孤独
も
ソルジェニーツィンの流刑地の話
も何も起きないようなもの
・カフカも不条理でくどい
・ケルアックの路上も何も起きないようなもの
・バロウズの裸のランチやソフトマシーンなんかストーリーは完全に無い様なもの
でもそれが文学
ストーリーが進めばいいってもんじゃない
ストーリーが進むものを読みたければ
マルケスの百年の孤独を読めばいい。
ストーリーしかないから
【ただ、本が何十冊も書けるくらいのストーリーのてんこ盛り】
つまり何が言いたかったのかと言うと
この少女不十分は
文学。
異端者に捧げられた
文学好きの為の泣ける文学
西尾維新にとっての
・異端者の悲しみ【谷崎潤一郎作】
かもしれないと思った
でもそれを超えればデスノートレベルの心理戦がある【罪と罰】
【というかデスノートの元ネタ】
・トルストイもくどい
・夏目漱石の草枕やそれからも
ストーリーなんか無いようなものだし、何も起きないようなもの
・三島由紀夫もまわりくどい、
くどいを通り越して自我との高度な心理戦が始まる
・長距離ランナーの孤独
も
ソルジェニーツィンの流刑地の話
も何も起きないようなもの
・カフカも不条理でくどい
・ケルアックの路上も何も起きないようなもの
・バロウズの裸のランチやソフトマシーンなんかストーリーは完全に無い様なもの
でもそれが文学
ストーリーが進めばいいってもんじゃない
ストーリーが進むものを読みたければ
マルケスの百年の孤独を読めばいい。
ストーリーしかないから
【ただ、本が何十冊も書けるくらいのストーリーのてんこ盛り】
つまり何が言いたかったのかと言うと
この少女不十分は
文学。
異端者に捧げられた
文学好きの為の泣ける文学
西尾維新にとっての
・異端者の悲しみ【谷崎潤一郎作】
かもしれないと思った
2023年2月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内容はおもしろいはずなのに
文章がくどくて途中で読むのをやめてしまった
文章がくどくて途中で読むのをやめてしまった
2011年11月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この作品をお勧めできるかと言われると難しいものがある。おそらくこれは読者のために書かれた小説ではない。著者が自身のために書いた小説だ。
過去の作品について「100%趣味で書かれた小説」というようなことを西尾維新は言っているけれど、これを読むとそんな話はたわごとだったことがよくわかる。読者をいかに楽しませるかそれを常に念頭に置いて書かれてきたのが西尾維新のこれまでの小説だ。しかし、西尾維新はこの作品でエンターテインメントを放棄したのだと思う。
読者を楽しませるというと聞こえがいいが、それは読者に阿ることでもある。プロット、展開、描写。そういうあらゆるものを駆使して読者に媚びるているとも言える。それはおそらく書き手にとっては時に堕落に感じる時もあるのではないだろうか?
面白いプロットを立てない。意外性やスピード感を持たせない。会話も楽しくしない。読者が何を喜ぶかを知っている西尾だからこそ、そういうものを全部禁じ手にして封じた。
阿良々木暦にはあんなに感情移入出来るのにこの少女不十分の主人公には全く感情移入できない。それは小説にとって物凄く不利な状況だ。そしてこれまでの作品を見る限り明らかに感情移入を計算ずくでコントロールしてきたはずである。なのに今度の主人公には全く魅力を感じない。何故か? それはわざとやっているとしか考えられない。
西尾維新がエンターテインメントを放り出して掴み取ろうとしたのはリアルであることではないか? 結果として浮き彫りになったのは彼のよそいきでないパーソナリティだと推測している。
ボクはこの小説を読んでロバート・デ・ニーロの監督作品『グッドシェパード』を思い出した。そのカラカラに乾いたドライさと、観客に媚びないリアリティはとても似ているとボクは思う。
小説家西尾維新について深く知りたいのであれば、極めて貴重な小説だが、エンターテインメントとしては大変退屈だ。一点だけ言いたい。最後の最後に用意されたオチは小説として成立させるためのギリギリの保険だったのかもしれないが、そんな言い訳をする位なら……と思えてならない。
過去の作品について「100%趣味で書かれた小説」というようなことを西尾維新は言っているけれど、これを読むとそんな話はたわごとだったことがよくわかる。読者をいかに楽しませるかそれを常に念頭に置いて書かれてきたのが西尾維新のこれまでの小説だ。しかし、西尾維新はこの作品でエンターテインメントを放棄したのだと思う。
読者を楽しませるというと聞こえがいいが、それは読者に阿ることでもある。プロット、展開、描写。そういうあらゆるものを駆使して読者に媚びるているとも言える。それはおそらく書き手にとっては時に堕落に感じる時もあるのではないだろうか?
面白いプロットを立てない。意外性やスピード感を持たせない。会話も楽しくしない。読者が何を喜ぶかを知っている西尾だからこそ、そういうものを全部禁じ手にして封じた。
阿良々木暦にはあんなに感情移入出来るのにこの少女不十分の主人公には全く感情移入できない。それは小説にとって物凄く不利な状況だ。そしてこれまでの作品を見る限り明らかに感情移入を計算ずくでコントロールしてきたはずである。なのに今度の主人公には全く魅力を感じない。何故か? それはわざとやっているとしか考えられない。
西尾維新がエンターテインメントを放り出して掴み取ろうとしたのはリアルであることではないか? 結果として浮き彫りになったのは彼のよそいきでないパーソナリティだと推測している。
ボクはこの小説を読んでロバート・デ・ニーロの監督作品『グッドシェパード』を思い出した。そのカラカラに乾いたドライさと、観客に媚びないリアリティはとても似ているとボクは思う。
小説家西尾維新について深く知りたいのであれば、極めて貴重な小説だが、エンターテインメントとしては大変退屈だ。一点だけ言いたい。最後の最後に用意されたオチは小説として成立させるためのギリギリの保険だったのかもしれないが、そんな言い訳をする位なら……と思えてならない。