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風雪の檻 (講談社文庫 ふ 2-4 獄医立花登手控え 2) 文庫 – 1983/11/1
藤沢 周平
(著)
登と同じ鴨井道場の三羽烏のひとり新谷弥助の身に、いったい何が起こったのか。道場に行くと言って家を出るが、実は深川の地回りの男たちと飲み回っているという。弥助の行方を追う登の前に立ちはだかる悪。その背後に見えかくれする弥助の影──。獄医立花登が人情味豊かに事件を解く好評シリーズ第2弾。
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1983/11/1
- ISBN-104061831305
- ISBN-13978-4061831308
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (1983/11/1)
- 発売日 : 1983/11/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 272ページ
- ISBN-10 : 4061831305
- ISBN-13 : 978-4061831308
- Amazon 売れ筋ランキング: - 2,036,810位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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昭和2(1927)年、鶴岡市に生れる。山形師範学校卒業。48年「暗殺の年輪」で第六十九回直木賞を受賞。平成9(1997)年1月逝去(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『乳のごとき故郷 (ISBN-13: 978-4163726502 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年12月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中々面白いが、未だ「幻の女」を読んでいる途中なので、総評は避けさせて下さい。大変、興味深く読んでいます。電車の中とか、飛行機の中とかの退屈しのぎに読んでいるので、捗りません。
2017年5月14日に日本でレビュー済み
5編収録。
面白い!藤沢作品の中でも群を抜いて爽やかな青春小説
なんじゃないか。
しかも設定がいい。牢医という立場、剣術ではなく柔術の
達人。登が悪人を投げ飛ばすシーンは実に爽快である。
そんな登も家に帰れば、叔母に逆らえずこき使われるのも
また楽しい。
牢に入っている罪人どもを相手にしながらも、登の真っ直ぐで
素直な性質は変わらない。だから、たまに騙される。
今回は、柔術仲間の新谷が道を踏み外しそうになったり、
ちえとの関係が変わったりと、牢医の仕事ばかりではない。
しかしそんな忙しい毎日を描いていても、さすがと思えるのは
背景の季節が緩やかに変わっていくところだ。しかも描写が
美しい。この辺りはやはり藤沢作品である。
面白い!藤沢作品の中でも群を抜いて爽やかな青春小説
なんじゃないか。
しかも設定がいい。牢医という立場、剣術ではなく柔術の
達人。登が悪人を投げ飛ばすシーンは実に爽快である。
そんな登も家に帰れば、叔母に逆らえずこき使われるのも
また楽しい。
牢に入っている罪人どもを相手にしながらも、登の真っ直ぐで
素直な性質は変わらない。だから、たまに騙される。
今回は、柔術仲間の新谷が道を踏み外しそうになったり、
ちえとの関係が変わったりと、牢医の仕事ばかりではない。
しかしそんな忙しい毎日を描いていても、さすがと思えるのは
背景の季節が緩やかに変わっていくところだ。しかも描写が
美しい。この辺りはやはり藤沢作品である。
2007年12月14日に日本でレビュー済み
「獄医立花登シリーズ」第二作。本シリーズに接した際、作者のアイデアには感心したものだ。小伝馬町の若き監獄医を主人公にするという発想がまず素晴らしい。その立場から、囚人達の悲哀に満ちた人間模様に触れ易いし、それが作者の鋭い観察眼によって人間ドラマになる。更に、場合によっては事件に関る可能性も高い。実際、囚人に頼まれ、しばしば事件に関る。その際、身を助けるのは冴えた頭脳と柔術。人情物と推理物が無理なく合体しているのだ。
また、立花の人が良くて清廉だが押しの弱い人物設定と虐げられた家庭(?)環境が笑いを誘い、上述の事件性と絶妙なバランスを取っている。ハンサムで女性にモテる容姿を持った獄医名探偵でありながら、居候の身故、家では肩身の狭い思いをしている。本当に巧い設定を考えたものだ。本作では、素行不審の柔術仲間の身の上の心配と押し付け(ではないかもしれない)許婚の話が中心だが、ここでも事件性・人情話・身内の笑い話で巧みに話が構成されている。シリーズの中では、獄中で立花が女囚と交情を交わすシーンもあるのだが、恐らく江戸時代の獄医に女医はいなかったであろう事を考えると、あり得た話かもしれず、作者の想像力の豊かさに改めて感心する。
作者のアイデアの巧みさと人間観察の鋭さと温かさが光る、傑作時代小説。
また、立花の人が良くて清廉だが押しの弱い人物設定と虐げられた家庭(?)環境が笑いを誘い、上述の事件性と絶妙なバランスを取っている。ハンサムで女性にモテる容姿を持った獄医名探偵でありながら、居候の身故、家では肩身の狭い思いをしている。本当に巧い設定を考えたものだ。本作では、素行不審の柔術仲間の身の上の心配と押し付け(ではないかもしれない)許婚の話が中心だが、ここでも事件性・人情話・身内の笑い話で巧みに話が構成されている。シリーズの中では、獄中で立花が女囚と交情を交わすシーンもあるのだが、恐らく江戸時代の獄医に女医はいなかったであろう事を考えると、あり得た話かもしれず、作者の想像力の豊かさに改めて感心する。
作者のアイデアの巧みさと人間観察の鋭さと温かさが光る、傑作時代小説。
2015年2月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
肩のこらない藤沢ワールド。ほのぼのとした情感と哀感が良い作品。
2009年10月23日に日本でレビュー済み
登の友人でもあり柔術仲間でもある新谷弥助が姿を消した。行方を追う登だが、弥助には容易に
会うことができなかった。だが登は、思いがけない場所で弥助と対峙することになる。悪事を
はたらく者たちの背後に、弥助はいた!獄医立花登手控えシリーズ2。
今回は、姿を消した弥助の消息と絡み合わせる形で物語が進んでいった。前作同様、さまざまな
人間ドラマが繰り広げられる。作者の、人の悲哀の描写には、読んでいてぐいぐい惹きつけられた。
この本の中には5編の短編が収録されているが、一番印象に残ったのは「処刑の日」だ。限られた
時間の中、真の下手人を追う登たちの緊迫した状況の描写がすばらしかった。また、登と、叔父、
叔母、ちえとの関係の微妙な変化も楽しい。特に、登とちえの関係がこれからどうなっていくのか
がとても気になる。
時代劇が苦手という人でも、読みやすいので楽しめる作品だと思う。読後の余韻も心地よかった。
会うことができなかった。だが登は、思いがけない場所で弥助と対峙することになる。悪事を
はたらく者たちの背後に、弥助はいた!獄医立花登手控えシリーズ2。
今回は、姿を消した弥助の消息と絡み合わせる形で物語が進んでいった。前作同様、さまざまな
人間ドラマが繰り広げられる。作者の、人の悲哀の描写には、読んでいてぐいぐい惹きつけられた。
この本の中には5編の短編が収録されているが、一番印象に残ったのは「処刑の日」だ。限られた
時間の中、真の下手人を追う登たちの緊迫した状況の描写がすばらしかった。また、登と、叔父、
叔母、ちえとの関係の微妙な変化も楽しい。特に、登とちえの関係がこれからどうなっていくのか
がとても気になる。
時代劇が苦手という人でも、読みやすいので楽しめる作品だと思う。読後の余韻も心地よかった。
2007年6月30日に日本でレビュー済み
『獄医立花登手控え』の巻の弐。巻の壱より一つ一つの話が若干長くなっている感じがする。登君は最早獄中医というよりも、柔使いの達人として活躍が増えて医者なのを忘れそうだ。
どの巻でも最後にその巻の最も重大な展開を最後の話に持ってきている。巻の弐では最後の『処刑の日』がそれにあたる。その活躍の素晴らしさに思わず『登君頑張れ』と思ってしまうのは僕だけではあるまい。
藤沢周平はステキだ。
どの巻でも最後にその巻の最も重大な展開を最後の話に持ってきている。巻の弐では最後の『処刑の日』がそれにあたる。その活躍の素晴らしさに思わず『登君頑張れ』と思ってしまうのは僕だけではあるまい。
藤沢周平はステキだ。