中2のはじめに転校してきたとき、ともだちになろうとしてくれた子が貸してくれた本だった
自分から「読みたい」とおもったものではないから、ページのぶ厚さにしょうじきおののいた(苦笑)
多くみつもっても1週間しか借りられない、必死で読んだが、
イジメものはにがてなので、さいしょのころはなかなかページがすすまなかった…(更に苦笑)
そのうち、著者の編み出す世界に溺めとられ、
「静けさ」と「メルヘン」、「サスペンス」と「葛藤」、遂には「ラヴストーリィ」へと、吸いこまれていった
少女が夢みる完璧な男性、祐也さん
少女にとってみぢかな男性、史郎さん
ともだちはたんじゅんに「祐也さん」派だったけれど、話の軸になる史郎さんが、わたしのこころにふかく残った
そして10年ちかくまえ、中古書店でみかけ、なつかしくなりつい購入し、むちゅうになり読み耽った
著者のほかの本も読みたいとおもったけれど、当時絶版。中古屋を駆けめぐった
映画もレンタルで観た
斉藤由貴と、榎木孝明の組み合わせだったようにおもうけれど、映画では話のよさがまるで出ていなかった
ただ斉藤由貴が榎木孝明に思慕をいだき、挑発するだけ…
本編とまるでちがっていた
女性心理とこころの成長を緻密にえがいた本作は、映画でもドラマでもなく、本作でしか楽しめないのだ
思春期に読めて、ほんとうによかったとおもう
故に復刊をこころよりうれしくおもっている
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雪の断章 (講談社文庫 さ 24-1) 文庫 – 1983/12/1
佐々木 丸美
(著)
- 本の長さ422ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1983/12/1
- ISBN-104061831364
- ISBN-13978-4061831360
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (1983/12/1)
- 発売日 : 1983/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 422ページ
- ISBN-10 : 4061831364
- ISBN-13 : 978-4061831360
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,358,322位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2022年3月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
佐々木丸美さん(1949~2005)のデビュー作(1975刊)。
物語の舞台は北海道札幌。主人公の孤児・飛鳥は、児童書・マルシャーク作の『森は生きている』の孤児の少女に自分を重ねます。雪のシーンが頻出し、作品の背景を飾ります。雪は冷たくもきれいな印象を残します。
6歳の飛鳥は孤児院から本岡家に引き取られ、そこで屈辱的な日々を送ります。ある日とうとう逃げ出し、救いの手が伸ばされ解放されるも、執拗にも本岡家の人たちと再会するものだから、彼女は暗い過去の記憶を手離せません。繊細で孤独で頑なな心は良くも悪くも内向していきます。救いの手とは社会人になったばかりの青年・祐也。彼もまた進路や親との関係性等に葛藤していました。素敵な王子様です。
ある毒殺事件が起きると、彼女の心の根雪は固まり、さらに孤立します。彼女なりの解釈・対応は、筋が一本通っていますが・・・。やがてたくさんの時間をかけて、ポジティブな人たち、そうでない人たちとの関わりを経て彼女の根雪はとけていきます。
推理小説として軽い気持ちで読み始めましたが、読み進めるうちに間違いに気づきました。心の底に杭を打たれたように衝撃を受け揺さぶられました。いつか大通り公園を歩いたら、本書の出会いのシーン、再会シーンを思い浮かべると思います。ぜひ。
物語の舞台は北海道札幌。主人公の孤児・飛鳥は、児童書・マルシャーク作の『森は生きている』の孤児の少女に自分を重ねます。雪のシーンが頻出し、作品の背景を飾ります。雪は冷たくもきれいな印象を残します。
6歳の飛鳥は孤児院から本岡家に引き取られ、そこで屈辱的な日々を送ります。ある日とうとう逃げ出し、救いの手が伸ばされ解放されるも、執拗にも本岡家の人たちと再会するものだから、彼女は暗い過去の記憶を手離せません。繊細で孤独で頑なな心は良くも悪くも内向していきます。救いの手とは社会人になったばかりの青年・祐也。彼もまた進路や親との関係性等に葛藤していました。素敵な王子様です。
ある毒殺事件が起きると、彼女の心の根雪は固まり、さらに孤立します。彼女なりの解釈・対応は、筋が一本通っていますが・・・。やがてたくさんの時間をかけて、ポジティブな人たち、そうでない人たちとの関わりを経て彼女の根雪はとけていきます。
推理小説として軽い気持ちで読み始めましたが、読み進めるうちに間違いに気づきました。心の底に杭を打たれたように衝撃を受け揺さぶられました。いつか大通り公園を歩いたら、本書の出会いのシーン、再会シーンを思い浮かべると思います。ぜひ。
2023年7月12日に日本でレビュー済み
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特に可もなく、不可もないです。
2018年10月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小説家はデビュー作がすべての作品の中で一番傑作である、という話を聞いたことがあるが、まさにそれ。内容は推理小説の形を借りた事細かく書かれた主人公の小学校から大学生までの成長記録である。また、道民や札幌に住んでいる人なら、あるあるわかるという場面も。あくまでも物語ではあるが、現実でしかも今の時代なら本岡家は幼児虐待で、祐也は誘拐罪で即逮捕されて飛鳥の周りの人間はいなくなるだろう。そうすれば史郎も飛鳥と関係が薄いままで自死することもなかったかな。個人的にはこれほど何度も読み返しのめり込み熟読した小説はない。同作家の他書も一通り読んだけど設定についていけなかったり変にアダルトな内容があったりそれほどおもしろいと思えずハマらなかった。そこはかとなく出てくる左翼思想も当時なら当たり前の風潮なのだろう。
2015年4月18日に日本でレビュー済み
我が家のハナミズキが咲き出したので、今日の散策はハナミズキを辿ることにしました。日米の友情という歴史的背景を持つハナミズキの白やピンクの花(正しくは総苞)が、あちこちの街路や庭で咲いていることに、思ったより多く植えられているわね、と女房も新たな発見を喜んでいます。因みに、本日の歩数は14,187でした。
閑話休題、佐々木丸美の作品を初めて手にしました。『雪の断章』(佐々木丸美著、創元推理文庫)は、著者も評者も読者も推理小説として扱っていますが、私は異なる印象を持ちました。これは、主人公・倉折飛鳥のビルドゥングスロマン(成長小説)であり、恋愛小説だと思うのです。
飛鳥は、あすなろ学園という札幌の孤児院で育ち、6歳の時に本間家という裕福な家にもらわれていきますが、お手伝い同然にこき使われた上に、奈津子という同い年の娘や家族から事ある毎に徹底的に苛め抜かれます。その仕打ちに耐えかねて、7歳になった厳冬のある日、とうとう本間家を飛び出すのですが、この時、札幌の大通り公園で、滝杷祐也という青年と運命的な出会いをします。
「不幸はナイフのようなものだという。刃をもてば手が切れるけれど逆手に持てば利用出来る、と。6歳の私にまだその智恵はなかった。指を切り、心を切り、その幼い鮮血は点々と雪を染めていった」。
「たくさんの人、たくさんの出来事に戸惑いながら私は大きくなった。本間家を忘れることは出来なかったけれど、築きあげられてゆく現在の幸福で、あれほど強烈だった記憶がしだいにうすれた。そしてまた、時々、あすなろ学園を思い出した。何の痛痒もない平凡な生活、しかし、あそこが私の故郷であり出生と生い立ちを物語る家であることにちがいはない。決して卑下すまい」。
「中学生になると顔も身体も少しずつ変った。色が白いだけではなく唇の赤味が濃くなったようだし、目の黒さがひきたってきた。ショートカットの髪のせいか、きつい顔立ちになった。それと反対に胸はふくらみ、足も手もしなやかにのびて、身体の線は優しくなった」。
「人はやはり勇気だけでは道を歩めない。勇気を育てる愛と、愛をつつむ灯がなくてはならない」。
「奈津子さんの姉が、つまり本間聖子さんが同じアパートに越して来た時に私は初めて知ったのだ、私と本間家との宿命を」。
「聖子さんは死んでいた。一一○番に通報され、ただちに捜査が開始された」。
「尊敬と畏怖にいつの間にか恋がしのび込み知らずに暮してきた日を辿りながらそばに腰をおろしていたい。気がついてくれなくてもいい、祐也さんが在るだけで充分幸せだったのだから。誰に奪われようと焦がした思慕は私だけのものだし、楽しかった昔も私だけのものだ。一方的な記憶が深く燃えている、そんな幽かなつなぎ合わせを、もう一度確認して心にしまい込む時間がほしい。そうする前に私の夢をこわすのは許して下さい」。
懸命に生きる飛鳥の幸せを祈らずにいられません。
閑話休題、佐々木丸美の作品を初めて手にしました。『雪の断章』(佐々木丸美著、創元推理文庫)は、著者も評者も読者も推理小説として扱っていますが、私は異なる印象を持ちました。これは、主人公・倉折飛鳥のビルドゥングスロマン(成長小説)であり、恋愛小説だと思うのです。
飛鳥は、あすなろ学園という札幌の孤児院で育ち、6歳の時に本間家という裕福な家にもらわれていきますが、お手伝い同然にこき使われた上に、奈津子という同い年の娘や家族から事ある毎に徹底的に苛め抜かれます。その仕打ちに耐えかねて、7歳になった厳冬のある日、とうとう本間家を飛び出すのですが、この時、札幌の大通り公園で、滝杷祐也という青年と運命的な出会いをします。
「不幸はナイフのようなものだという。刃をもてば手が切れるけれど逆手に持てば利用出来る、と。6歳の私にまだその智恵はなかった。指を切り、心を切り、その幼い鮮血は点々と雪を染めていった」。
「たくさんの人、たくさんの出来事に戸惑いながら私は大きくなった。本間家を忘れることは出来なかったけれど、築きあげられてゆく現在の幸福で、あれほど強烈だった記憶がしだいにうすれた。そしてまた、時々、あすなろ学園を思い出した。何の痛痒もない平凡な生活、しかし、あそこが私の故郷であり出生と生い立ちを物語る家であることにちがいはない。決して卑下すまい」。
「中学生になると顔も身体も少しずつ変った。色が白いだけではなく唇の赤味が濃くなったようだし、目の黒さがひきたってきた。ショートカットの髪のせいか、きつい顔立ちになった。それと反対に胸はふくらみ、足も手もしなやかにのびて、身体の線は優しくなった」。
「人はやはり勇気だけでは道を歩めない。勇気を育てる愛と、愛をつつむ灯がなくてはならない」。
「奈津子さんの姉が、つまり本間聖子さんが同じアパートに越して来た時に私は初めて知ったのだ、私と本間家との宿命を」。
「聖子さんは死んでいた。一一○番に通報され、ただちに捜査が開始された」。
「尊敬と畏怖にいつの間にか恋がしのび込み知らずに暮してきた日を辿りながらそばに腰をおろしていたい。気がついてくれなくてもいい、祐也さんが在るだけで充分幸せだったのだから。誰に奪われようと焦がした思慕は私だけのものだし、楽しかった昔も私だけのものだ。一方的な記憶が深く燃えている、そんな幽かなつなぎ合わせを、もう一度確認して心にしまい込む時間がほしい。そうする前に私の夢をこわすのは許して下さい」。
懸命に生きる飛鳥の幸せを祈らずにいられません。
2015年5月14日に日本でレビュー済み
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送金したのに
送ってこなかった最悪
その後の対応は良かったけど
残念です
送ってこなかった最悪
その後の対応は良かったけど
残念です
2021年8月4日に日本でレビュー済み
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かなり前の小説のようですが、一気読みしました
2016年9月9日に日本でレビュー済み
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友達に勧められて初めてまるみさんの本を読んだのですが、まるみさんは繊細な心情描写がとても丁寧で、痛いぐらいに伝わってくる本を書かれる方なんだなと知りました。古いお話だと思うので、こんなことがあるの?と思う部分も時代のせいだと良いですが、、情景を思い浮かべると気持ちが乱れ、落ち着かなくなるお話でした。次の作品も読んでみたいような、辛くなるような、、複雑な気持ちです。