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コインロッカー・ベイビーズ(上) (講談社文庫) 文庫 – 1984/1/9

3.4 5つ星のうち3.4 63個の評価

コインロッカーを胎内としてこの世に生まれ出たキクとハシ。罪の子ふたりの心に渦まく愛と憎悪。廃墟と化した東京の上空に、華やかなステージに、そして南海の暗い海底に強烈な破壊のエネルギーがほとばしる。巨大な鰐を飼う美少女アネモネの願いは?鮮烈なイメージで織りなす近未来小説の大きな序章。

商品の説明

著者について

 

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (1984/1/9)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1984/1/9
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 258ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4061831585
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4061831582
  • カスタマーレビュー:
    3.4 5つ星のうち3.4 63個の評価

著者について

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村上 龍
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1952年長崎県生まれ。

七六年『限りなく透明に近いブルー』で第七五回芥川賞受賞。『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、『半島を出よ』では野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。『トパーズ』『KYOKO』で映画監督も務めた。最新作は『新 13歳のハローワーク』『13歳の進路』。日本の金融・政治経済の問題を考える メールマガジン『JMM』を主宰し、経済トーク番組『カンブリア宮殿』(テレビ東京)のホストも務める。

カスタマーレビュー

星5つ中3.4つ
5つのうち3.4つ
63グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2019年4月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
当然ながら使用感たっぷりでしたが、この値段で楽しめました。重いテーマでしたが、あっという間に読み終わりました。ありがとうございました。
2011年5月12日に日本でレビュー済み
読んだことがない。

それは、認めたい。
ただ、個人的に楽しめたかどうかに関して言えば、あまり楽しめなかった部類の作品かもしれない。

なんでか?
あえて意味づけするとすれば、まず、ひとつひとつの描写にあまり意味を感じなかった。
とにかく、ノン・ストップでグルグルと情景が変わり続け、ついていくのにやっとだった。
それぞれのシーンを想像しながら読むのが、僕にはしんどかった。

それと、まともな人間が一人も出てこない、というのもなんだが辛かった。

僕的にこの小説を一言で言うならずばり、「病んでいる小説」というところだろうか。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年9月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
二人の主人公が、悲惨な過去から変な性格になって意味不明な行動に走るのですが、目的が無いのでなんかやらかしても、「変なの」って感想しか抱けません。どうせおかしな事しでかすんでしょ?って感じでドキドキ感が得られませんでした。刺激的な内容なんでしょうが、昨日見た奇妙な夢について他人から得意気に話されてるような感覚を味わいました。知人によると精神的に、かつ芸術的に訴えるものがある深い作品とのことですが、私にとっては単純に面白くない話です。人工ボケの不思議ちゃんを相手にしてるようなめんどくささと冷めた気分になり、途中で読むのを止めました。人によってはこういう小説が好きなんでしょうが。
16人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2024年3月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
写真が上下巻だったのと、何故か購入時には、上と下の表示がなかったので、上下と勘違いして買ってしまいました。
2007年8月24日に日本でレビュー済み
この小説が出版されたのが1984年。
そして、現在2007年になって、数ヶ月前、ある病院だったかで「コウノトリのゆりかご」という、別名赤ちゃんポストが設置された。
僕は村上龍の小説を読んでから、考えるようになったのだが、日本は本当にある一部の人々に「都合の良い」言葉を作るのが得意だと思う。

小説に登場するキクとハシは真夏のコインロッカーに遺棄された。
爆発的な暑さで息を吹き返し、泣き叫び、運よく発見された。
キクとハシは、親に捨てられたのだ。
そして、成長するにつれて親に対する憎悪が目覚めていく。

小説ではなく、コインロッカーにもし本当に自分の赤ちゃんを捨てるというのは、良心の呵責があるだろう。いや、無いのかもしれない。でも、あると信じたい。

これが、「赤ちゃんポスト」となると話が変わってくる。
まず、赤ちゃんは人間という生命体であり、郵便物のような紙や物ではない。
しかし、メディアでの報道と赤ちゃんポストを設置した病院の説明などで、赤ちゃんを手放すという行為に罪の意識が和らいでしまう。

もしも、僕の前に笑いながら「数年前に赤ちゃんポストに赤ん坊を預けちゃった」なんていう女性が現れた、申し訳ない、罵声を浴びせてしまうだろう。

僕個人の話になるが、僕は未熟児で3日間以上、小さな箱みたいな医療機器の中に居たそうだ。
それが、原因なのかわからないが、小学校3年生くらいから、何かを壊したいという破壊衝動が起きるようになった。
それを花火で紛らわせたり、お人形さんごっごみたいなことをやり、和らげていた。
中学、高校と反抗期も無かった。

親族の間で「おとなしい子」というレッテルを貼られた。

でも、どうしてだろう、たまに何かを思いっきりぶっ壊したくなく。
破壊衝動を音楽で紛らわせるようになった。
いろんな音楽を聴くようになった。
この小説に乳児院に預けられて荒れていたキクとハシに「人間の心臓の音」を聴かせるという
描写が登場する。
僕もある時、非常に落ち着く音を見つけた。
ボールペンが紙をなぞる音。
一番僕が求めている音に近かったのは、アニメ 新世紀エヴァンゲリオンのエントリープラグ内の音だ。
エントリープラグというのはコックピットのようなところでLCLという液体で満たされている。LCLは液体だが、その中で呼吸が出来るのだ。
たぶん、母親の胎内を連想して作られたんだと思う。
そのエントリープラグ内では、ブーンブーンと低い音がうなっている。
この音を聞くと、僕は非常に落ち着く。

村上龍のこのコインロッカーベイビーズは僕のフラストレーションを緩和させてくれる素晴らしい作品です。
村上龍の小説には、おそらく村上龍自身の哲学というか、何かに対する怒りや疑問がこめられている。
この小説の中で、僕のお気に入りな文節を抜粋したいと思います。

 「立派な映画館で、アメリカに亡命したロシア人バレリーナの恋愛物語を見た。恋を選ぶ
  か、バレエと祖国を選ぶか、白鳥の湖を踊りながら主人公が悩む、バカな奴だとキクは思
  った。自分が最も欲しいものは何かわかっていない奴は、欲しいものを手に入れることが
  絶対にできない、キクはいつもそう考えている。」

 「「空車」ランプを点けて次々と通り過ぎるタクシーの群れ、キクにはわからない。
  どうして止まってくれないのだろうか、手を上げても素通りしてしまう、このキラキラす
  る街のルールは一体何なのだろうか。どうすれば他人とうまく付き合えるのだろうか、金
  でも暴力でもなさそうだ。キクが手を拡げて1台のタクシーを止めガラスを割るぞ、と脅
  しても運転手はニヤニヤ笑って首を振るだけだ。窓から金を見せて三倍払うと怒鳴っても
  ドアを開けてはくれない。キクは体中から力が失くなっていくのがわかった。ゆっくりと
  血を抜かれる気がした。こんな無力感は初めてだった。三十分経った頃やっと1台が止ま
  った。キクはこのキラキラする街のルールを一つ知った。それは待つことだ。騒がず叫ば
  ず暴力を振るわず走らず動き回らず、表情を変えずに、ただ待つのだ。自分のエネルギー
  が空になるまで待つことだ。」

  「キクの中で古い皮膚が剥がれ殻が割れて埋もれていた記憶が少しずつ姿を現した。
   夏の記憶だ。十七年前、コインロッカーの暑さと息苦しさに抗して爆発的に泣き出した
   赤ん坊の自分、その自分を支えていたもの、その時の自分に呼びかけていたものが徐徐
   に姿を現し始めた。どんな声に支えられて蘇生したのか、思い出した。殺せ、破壊せ
   よ、その声はそう言っていた。その声は眼下に広がるコンクリートの街と点になった人
   間と車の喘ぎに重なって響く。壊せ、殺せ、全てを破壊せよ、赤い汁を吐く硬い人形に
   なるつもりか、破壊を続けろ、街を廃墟に戻せ。」

若い人に是非、読んで欲しい小説です。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年12月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
初読みの村上龍作品です。
他には、新聞連載のインザミソスープに些かを辟易した程度です。
いわゆる残虐表現、絶望、憤懣、無軌道、悪質な戯れ、カタストロフ等々をして著者の謳うのは、
畢竟として「純な童心の詩」に聴こえます。本作の評価が最も高いので読んでみましたが、
主人公達の決断は、現代社会の否定としてのその破壊です。ストーリーの流れは、破壊されるべきそれら悉くと、
それを為すべき少年達の軌跡です。作中、因果の連絡が悪く、そうするほどの動機を感じられず、総じて戯画めいてしまいますが、
シーン、シーンの表現が魅力的なので、作品としては十分に楽しめました。只この感覚は、動機、因果、事由などの構造に甘いので、
全体としては、積み木細工のような章立ての世界観になります。しかし、それはそれで愉快です。

コミュニケーションのぎこちなさ、いまいちなクライマックス構成も作家性に豊かで信頼でき、ラストの一文も際立っていますが、
この傾向の作品に尚も活路を求めるのなら、狂気のワンブロウを得た首都の容赦のない殺風景までを描き切る度量を作家には期待します。

幾つかの重要点を偶然に預けつつ、現実を破壊(絶望の実現)に至らしめることとは、
それの救いなどでは当然としてないのならば、単に投げ捨てた(放棄)ということに感じます。
その先に傑作の予感のすることも、また否めませんが、、。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2003年10月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「全力だ!」
村上龍のエネルギー溢れた作品を読むと、そんな気分になる。
途方もなく広がる想像力と、ゴーギャンの絵が更に激しくなったような、
原色の生物の息吹と色と匂いが立ち上り、句読点すらもどかしいように
疾走する文体は洗練という形とは遠い。
無論、それが村上龍の最大の武器である彼の生理であり、
力強い才能のコアだと思う。
10年以上前、初めて「コインロッカーベイビーズ」を読んだとき、
僕は細胞が叫びだすような興奮を感じた。
コインロッカーへの置き去りの子供、崩壊した東京、破滅へと向かう
ストーリー。
現実化すると単なる破滅的なテロリズムだろう。
でも、閉塞から抜け出せない今の日本に少しでも元気を出すためならば、
この飛び切り危険でパワフルな虚構に引き込まれてもいいと思う。
元気を出すためも、鬼才村上龍が若干30歳で描いた本作が多くの
人に読まれることを望みたい。
30人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年4月9日に日本でレビュー済み
村上龍の代表作の一つ。
無差別殺人や若者が麻薬がらみで逮捕される事件が頻発すると、コインロッカー・ベイビーズを思い出す。

コインロッカー・ベイビーズは中学生の頃に図書室で読みトラウマ級の衝撃を受けた。
コインロッカーに産み落とされた主人公達は満たされない大人になった。
生誕にまつわる負のベクトルが心に穴をあけ、それは漠然と破壊の衝動へとつながっていく。
この世界の発する禍々しさを感じながら読んでみたら良いのでは。

二人はある意味、格差社会の申し子のような存在である。
今読み直しても「コインロッカー・ベイビーズ」はやっぱ強烈。
反面教師的に、「要は心の持ちようだ」と実感できる小説かもしれない。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート