手元に届いてから、読み始めるまでに何故か時が経ち、読み終えたのは4年後でした。本書の途中で、お酒の肴やお腹を満たすおいしそうなレシピに出会い、満足してしばらく読まずにいました。自分は特に日本酒好きなので、本書で紹介されている肴を作って、お酒好きな夫と味わいたいと思います。
内容を全ては記憶していませんが、向田さんがアマゾンの自然を読み取ると、果てなく受け継がれていく人間生活に結び付くんだと、向田さんの世界に引き込まれました。さらっと書かれている文章は、押しつけがましくなく、奥が深くて、自然と読者を引き寄せる魔力のようなものを感じます。
本書後半に向田さん自身が、あることがきっかけで、自分の人間性を悟り、理解し尽した描写と出会えます。一人の女性としての生き方に関する記述は、平成時代も終わろうとしている今読んでも、頷けます。この後半部分を読んだとき、自分は新婚のときです。自分も、独身としてこの先も過ごしていくと思っていました。直近の数か月で、予期せぬことが起こり、超がつくほどのスピード婚でした(年齢的に若くはありません)。
この本は独身時代から、新婚時代にかけて読んだ、心に残る一冊です。約10年先の40代半ばに再びこの本を読んだら、今気付けていない新たな発見ができそうです。そのときまで、行方不明にならずに、本書を大事にそばに置いておきたいものです。
表紙のイラストから、「猫の微笑」というタイトルだと思い込んでいました…。
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夜中の薔薇 (講談社文庫) 文庫 – 1984/1/9
向田 邦子
(著)
気にいった手袋が見つからなくて、風邪をひくまでやせ我慢を通した22の冬以来、“いまだに何かを探している”……(「手袋をさがす」)。爽やかな自己主張を貫いた半生を率直に語り、平凡な人々の人生を優しい眼差しで掬いあげる名エッセイの数々。(講談社文庫)
- 本の長さ260ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1984/1/9
- ISBN-104061831828
- ISBN-13978-4061831827
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (1984/1/9)
- 発売日 : 1984/1/9
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 260ページ
- ISBN-10 : 4061831828
- ISBN-13 : 978-4061831827
- Amazon 売れ筋ランキング: - 44,004位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 716位講談社文庫
- - 954位近現代日本のエッセー・随筆
- - 1,962位評論・文学研究 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1929-1981)1929(昭和4)年、東京生れ。実践女子専門学校(現実践女子大学)卒。
人気TV番組「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」など数多くの脚本を執筆する。1980年『思い出トランプ』に収録の「花の名前」他2作で直木賞受賞。著書に『父の詫び状』『男どき女どき』など。1981年8月22日、台湾旅行中、飛行機事故で死去。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年7月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2020年7月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作家の顔でなく、一人の女性として普通の生活を あたたかい思い出として書いていく。時として、音や匂いが作者の感性と共に文字に彩られていく。それも、鉛筆画の素描のように!そんな、作者の作品が好きだ。
2014年6月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
向田邦子という女性の生き方の原点が「手袋を探す」に込められている。
好きな手袋が見つからないなら、しない方を選ぶ。
とても勇気がいるし、尊いと思う。
おっちょこちょいで、愛らしい普段の顔と、キャリヤと向き合う働く顔。
どれも欠けてはいけない向田邦子の一片である。
旅行記では、食べたい衝動にかられ、行ったような気分になれる。
鋭い観察眼とやさしい眼差しに引き込まれてしまう。
著者の死後、出版されたエッセイ集であることも切なく胸を打つのです。
好きな手袋が見つからないなら、しない方を選ぶ。
とても勇気がいるし、尊いと思う。
おっちょこちょいで、愛らしい普段の顔と、キャリヤと向き合う働く顔。
どれも欠けてはいけない向田邦子の一片である。
旅行記では、食べたい衝動にかられ、行ったような気分になれる。
鋭い観察眼とやさしい眼差しに引き込まれてしまう。
著者の死後、出版されたエッセイ集であることも切なく胸を打つのです。
2016年1月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
数年前に新聞である女性評論家が向田さんのエピソードを語っていた。確か、彼女のお母さんが亡くなり、力を落としていた時、玄関先でけたたましくなる音、ドアを開けるとスープを持った向田さんが一言「これ飲みなさい、」そう言って帰っていった、彼女は感激してスープを飲むと、とてもおいしく、生き返った気持だったという。そのお礼をしようと思った矢先、向田さんは事故で帰らぬ人に、人として、どう生きるべきかを教えてくれたという記事を目に通し、エッセイを読み、「その通りの人だな」と思った。無駄な言葉は言わないけれど、きちんとその人の悲しみに寄り添い、優しくする、その人が立ち直ると風のように消える。まさしく向田美学だと思った。向田美学を学びたい人にはぜひの一冊。
2013年10月10日に日本でレビュー済み
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向田さんは好奇心が強くて、一本芯のとおっている人だなと感じました。
私も少し似ているかも?///
私も少し似ているかも?///
2015年10月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
向田さんらしい短編集 ありぐれた日常生活を見事に抽出、楽しく読ませてもらいました。
2011年6月10日に日本でレビュー済み
欲しいモノは欲しい。
必要でないモノなら、無くて良い。
是が非でも手に入れたいモノなら、
どんな我慢も厭わない。
それが、ワタシ。
こういう生き方でも良いんだなぁと
少し気が楽になった1冊。
「手袋をさがす」という一編の中に、向田さんの生き方が詰まって
いるように思います。
いつまでも愛され続ける向田さん、
こんな風に生きてゆきたい、
心から、そういう想いが募りゆきます。
必要でないモノなら、無くて良い。
是が非でも手に入れたいモノなら、
どんな我慢も厭わない。
それが、ワタシ。
こういう生き方でも良いんだなぁと
少し気が楽になった1冊。
「手袋をさがす」という一編の中に、向田さんの生き方が詰まって
いるように思います。
いつまでも愛され続ける向田さん、
こんな風に生きてゆきたい、
心から、そういう想いが募りゆきます。
2015年7月1日に日本でレビュー済み
他の方のレビューにあったように、確かに粗い、重複がある。けれどそこが彼女の文章の魅力だろう。ネタが豊富な現代ではもはや成り立たないエッセイかもしれないし、脚本とエッセイは違うということを改めて思い知らされる。例えば引用するときなどは、記憶で恐縮だがといって決して元の文献にあたるようなことはしない(これで編集者も納得したのだろうか、一種驚きだ。現在でもミリオン・セラー『海賊とよばれた男』さえも誤植とともに出してしまう講談社文庫だから仕方あるまい)。テンポで見せる脚本では必要な作法ではなかったのかもしれない。本書で自分で告白しているように射手座宮こその粗さと繰り返される海外や英語への憧れ(けれどいつまでたっても修得しない)というのは、親友の射手座を彷彿とさせて独りほくそ笑んでしまった。女のわたしとしてはここに描かれている男性目線での男性への理解(と女性ならではの女性への卑下)はやっぱりしっくりこない。そういった男性のしたたかな「人生設計」へと目線をやる筆者(自らの人生も緻密に設計していたことであろう)も、まさか乗員乗客110名全員が死亡した台湾での飛行機事故で夭折するとは思いもよらなかったのではないだろうか。生き急いだ感は否めない。だからこそ得られたであろう当時昭和56年には珍しかった海外滞在記は、読者の目には鮮やかに写ったに違いない。姉妹にありがちな長女の責任感を理解しない妹・向田和子が「家族を売って」出版した(というとご遺族は憤慨するだろうか、だが事実だしその辺の経緯を知ることも含めて)『向田邦子の恋文』にも自然と手が伸びてしまう作品である。
後日談:『向田邦子の恋文』のレビューを見てやはりそれほど他人の秘め事に興味がないわたしとしては、『向田邦子の手料理』を購入してレビューしてみた:
向田邦子の手料理 (講談社のお料理BOOK)
後日談:『向田邦子の恋文』のレビューを見てやはりそれほど他人の秘め事に興味がないわたしとしては、『向田邦子の手料理』を購入してレビューしてみた:
向田邦子の手料理 (講談社のお料理BOOK)