『闇の太守』シリーズ2作目。なのですが……
あれ? 前巻とは繋がってない? 幻阿弥と馬酔木は出てこないの? 贄塔九郎の旅立ちをお膳立てした明智十兵衛(光秀)のキャラクターもまるで別人でして、鉄砲の名人という設定が共通する程度で、本書では妖人是界の手先となって暗躍する悪役といった役まわりであります。
舞台は朝倉義景の代の越前一乗谷。妖人是界の朝倉家滅亡の呪いを回避するため、男でもなく女でもなく育てられた美貌の剣士疾風を実質的な主人公に据え、彼女を挟んだ形で、朝倉家転覆を画策する是界一味とその暗躍に対抗する贄塔九郎以下の御贄衆の攻防が展開することに。贄塔九郎が登場するのは最後の二十ページ程度でして、どうも敵味方の陣営の紹介だけで一冊終わってしまったというのが正直な感想。
山田正紀先生のあとがきにいわく「あれはいわば枝編であり、むしろこちらのほうが本編と呼んでいい作品です」。
ということは本書(2巻)以降が正史で、1巻は外伝といいましょうか、贄塔九郎のキャラクターを使った二次創作のようなもの? 喩えていえばアニメの『デビルマン』の後で永井豪先生の漫画版が始まったみたいな?(分かりづらいよ) 本書の贄塔九郎はどうやら諸国をまわって八体の魔物を退治し、晴れて「闇の太守」となった姿といった単純な関係ではなかったのね…。
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闇の太守 御贄衆の巻 (講談社文庫 や 8-9) 文庫 – 1993/8/1
山田 正紀
(著)
- 本の長さ291ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1993/8/1
- ISBN-104061855190
- ISBN-13978-4061855199
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1993/8/1)
- 発売日 : 1993/8/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 291ページ
- ISBN-10 : 4061855190
- ISBN-13 : 978-4061855199
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上位レビュー、対象国: 日本
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2009年2月1日に日本でレビュー済み
佐々木小次郎の燕返し誕生には、
忍法<夢幻泡影>破りがあったという、
山田風太郎へのオマージュにもなってます。
もちろん不死身の忍者出ますぜ!
1巻の主人公の贄塔九郎はラストの30Pにしか出て来ないがw
今回の主人公は女剣士疾風ですな。
女らしくでも男らしくでもなく、
お前らしく生きろ!
とジェンダーを超越した教育を受けた美少女剣士。
彼女の愛情表現は惚れた男に真剣で斬りかかることである!
荒山徹 の矩香おねえさまに匹敵する女剣士を
山田正紀 が書いていたとは、
ほんとに山田正紀 は何でも書きますな。
忍法<夢幻泡影>破りがあったという、
山田風太郎へのオマージュにもなってます。
もちろん不死身の忍者出ますぜ!
1巻の主人公の贄塔九郎はラストの30Pにしか出て来ないがw
今回の主人公は女剣士疾風ですな。
女らしくでも男らしくでもなく、
お前らしく生きろ!
とジェンダーを超越した教育を受けた美少女剣士。
彼女の愛情表現は惚れた男に真剣で斬りかかることである!
荒山徹 の矩香おねえさまに匹敵する女剣士を
山田正紀 が書いていたとは、
ほんとに山田正紀 は何でも書きますな。
2007年1月13日に日本でレビュー済み
時は群雄が割拠した戦国時代。朝倉義景とその一族が治める越前国に恐るべき災厄が降りかかる。是界(ぜかい)と名乗る妖怪めいた人物が跳梁、御門十兵衛(後の明智光秀)なる怪しい男が暗躍する。心ある朝倉家の重臣は、富田流の創始者の剣豪 富田勢源らと力を合わせ立ち向かうが、暗雲が晴れる様子もない。怪しい者たちによる扇動で、いよいよ家中の対立が激しくなり、朝倉家の存亡が危ぶまれるときに現れたのは、闇の太守なる偉丈夫 贄塔九郎と、その一党の御贄衆(おにえしゅう)なる異形の者たちだった。
剣術、忍術、幻術が飛び交う、伝奇時代小説です。
主人公はシリーズ一作目『闇の太守』と同じ名前ですが、設定が変わっていて直接の続編ではありません。一作目で己の使命や宿星を探していた贄塔九郎の、闇の太守として目覚めた後の姿とも読めないこともないですが、全然別の物語として読んだほうがよいでしょう。
が、ご安心を。贄塔九郎はじめ、朝倉家当主の義景の娘で呪われた運命に果敢に立ち向かっていく疾風姫や、盲目ながら無双の剣士の富田勢源とその弟子の小次郎、そして、書名にもなっている、人間離れした能力を持ち奇怪な技を使う御贄衆の面々が繰り広げる戦闘に先の読めない展開と、前作が好きだったという人もきっと納得できる内容、次作への期待感だけなら前作以上です。
まだまだ序盤の新シリーズ一作目、この先、贄塔九郎と御贄衆から目が離せません。
剣術、忍術、幻術が飛び交う、伝奇時代小説です。
主人公はシリーズ一作目『闇の太守』と同じ名前ですが、設定が変わっていて直接の続編ではありません。一作目で己の使命や宿星を探していた贄塔九郎の、闇の太守として目覚めた後の姿とも読めないこともないですが、全然別の物語として読んだほうがよいでしょう。
が、ご安心を。贄塔九郎はじめ、朝倉家当主の義景の娘で呪われた運命に果敢に立ち向かっていく疾風姫や、盲目ながら無双の剣士の富田勢源とその弟子の小次郎、そして、書名にもなっている、人間離れした能力を持ち奇怪な技を使う御贄衆の面々が繰り広げる戦闘に先の読めない展開と、前作が好きだったという人もきっと納得できる内容、次作への期待感だけなら前作以上です。
まだまだ序盤の新シリーズ一作目、この先、贄塔九郎と御贄衆から目が離せません。
2008年12月9日に日本でレビュー済み
戦国時代を舞台にした山田作品は初めて読んだが、何とも美しい。能や狂言の世界に通じる怖さもあって、改めていろいろなものを書く作家だなーと感心する。花の咲き誇る山野を背景に、御贄衆の戦いを描くとは。幸いもう何冊か続編が出ているようなので、ぜひ読みたい。