高橋克彦『炎立つ』読了。
全5巻なので1カ月以上もかかってしまったが、壮大な奥州藤原氏成立から滅亡までの物語である。
NHK大河ドラマにもなったそうだが、そもそも大河ドラマは50年以上見ていないので、そちらの知識はない。
それにしても、奥州藤原氏の成立を蝦夷の視点から描くという、著者ならではの一貫した立場が貫かれ、それが本書の強靭なアイデンティティとなっていることに、分かってはいても驚嘆する。
阿弖流為を描いた『火炎』、その続編としての『炎立つ』、さらに1月に読んだ織豊時代を描いた『天を衝く』と、奥州ものを読み続けると、いやでも平泉は尋ねてみたくなる。
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炎立つ 四 冥き稲妻 (講談社文庫) 文庫 – 1995/10/4
高橋 克彦
(著)
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仇の子となり奥州藤原氏の栄華を開いた忍ぶ男の戦い。安倍が滅び、出羽の清原一族が治めることとなった奥六郡に藤原経清の妻結有は忘れ形見の清丸とともに留まっていた。清原の嫡子武貞の妻としてである。亡き兄と夫の志を胸に秘め敵方の一族として忍従の戦いを続ける母子の前に源義家が陸奥守として現われる。清原一族の確執が「後3年の役」の嵐を呼び起こす。(講談社文庫)
仇の子となり奥州藤原氏の栄華を開いた忍ぶ男の戦い。
安倍が滅び、出羽の清原一族が治めることとなった奥六郡に藤原経清の妻結有は忘れ形見の清丸とともに留まっていた。清原の嫡子武貞の妻としてである。亡き兄と夫の志を胸に秘め敵方の一族として忍従の戦いを続ける母子の前に源義家が陸奥守として現われる。清原一族の確執が「後3年の役」の嵐を呼び起こす。
仇の子となり奥州藤原氏の栄華を開いた忍ぶ男の戦い。
安倍が滅び、出羽の清原一族が治めることとなった奥六郡に藤原経清の妻結有は忘れ形見の清丸とともに留まっていた。清原の嫡子武貞の妻としてである。亡き兄と夫の志を胸に秘め敵方の一族として忍従の戦いを続ける母子の前に源義家が陸奥守として現われる。清原一族の確執が「後3年の役」の嵐を呼び起こす。
- 本の長さ452ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1995/10/4
- 寸法10.8 x 1.8 x 14.8 cm
- ISBN-104061859277
- ISBN-13978-4061859272
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (1995/10/4)
- 発売日 : 1995/10/4
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 452ページ
- ISBN-10 : 4061859277
- ISBN-13 : 978-4061859272
- 寸法 : 10.8 x 1.8 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 41,436位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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1947年、岩手県に生まれる。早稲田大学商学部卒。
美術館勤務を経て、1983年『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞を受賞。その後、1986年『総門谷』で吉川英治文学新人賞、1987年『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、1992年『緋い記憶』で直木賞を受賞。
著書に『広重殺人事件』『竜の柩』『炎立つ』など多数。また、浮世絵研究家としても知られ『浮世絵鑑賞事典』がある。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年2月11日に日本でレビュー済み
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本の古さは,気にならない程度
内容には、質量ともに満足している。
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2022年8月18日に日本でレビュー済み
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すごく熱く語ってます。久々のヒットだそうです。あっという間に全巻読破!だそうです。
2001年3月26日に日本でレビュー済み
この巻の主人公は経清の息子清衛である。まったくのフィクションなら、10~20代の青年期に彼が活躍するように作るのだろうが,清衛の場合はなんと35歳になって初めてその正体を現す。その忍従,経清の妻結有にはさらに当てはまる。人間の執念というものはここまで凄いものかと思う。そしてその運命のなんと哀しいことか。義家もなかなか面白いキャラクターとして登場している。この巻に至って、真の主人公は既に「歴史」と「東北の土地」に移っていっているように思える。本当はもっとゆっくりしたペースで読みたいと思っていた。しかし、小説としての面白さがそれを許さない。最終巻の義経編楽しみである。
2014年9月28日に日本でレビュー済み
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アテルイ、モレと安部家との関係、源義家との心の交流。
そして藤原経清とアテルイの生きざま。
坂上田村麻呂との心情を察しながら時代に翻弄され
戦いを続けざるを得ないアテルイ。
何とも切ない物語です。
そして藤原経清とアテルイの生きざま。
坂上田村麻呂との心情を察しながら時代に翻弄され
戦いを続けざるを得ないアテルイ。
何とも切ない物語です。
2014年3月14日に日本でレビュー済み
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作者の高橋氏があとがきで述べている通り、
藤原清衡という男の素性に関する詳しい情報は、
史料にも乏しいそうです。
それゆえに、重要な部分の多くが想像で補われた
「後三年の役と清衡」巻の当巻ですが、
やはり話に飛躍があって、
「えぇぇ?そんな上手い話ある??」
と思ってしまう点が、散見されました。
例えば、真衡暗殺のシーンなど、
死を前提にあんなに都合よく暗殺役が揃うなんて、
かなり不可解でした。
(「真衡急死は、病没ではなく暗殺だった」
という説自体には、とても納得してます。)
武士道、忠と義が熱く描かれる高橋氏の一連の作品ですが、
自ら死を志願する兵や、主君に忠実過ぎる家臣など、
あまりに死が軽く、また脇役の心理が平坦に描かれすぎている
感が否めません。
また、真衡没までの後三年の役の序盤の展開が、
だいぶ史実とは異なっているようですね…。
それに、結局清衡という人物の凄さというのは、
いまいち見えませんでした。
ただ感情を抑えて、巧みに立ち回っただけという…。
後三年の役でも、主役は史実どおり完全に義家ですし。
少年期の、感情が鮮やかな清衡像の方が、成人してからの
それよりも、意外で面白く、しっくりきていました。
経清や貞任に比べ、どうしても見劣りしてしまいます。
なお、清衡の名前の由来のくだりには、膝を打たされました。
藤原清衡という男の素性に関する詳しい情報は、
史料にも乏しいそうです。
それゆえに、重要な部分の多くが想像で補われた
「後三年の役と清衡」巻の当巻ですが、
やはり話に飛躍があって、
「えぇぇ?そんな上手い話ある??」
と思ってしまう点が、散見されました。
例えば、真衡暗殺のシーンなど、
死を前提にあんなに都合よく暗殺役が揃うなんて、
かなり不可解でした。
(「真衡急死は、病没ではなく暗殺だった」
という説自体には、とても納得してます。)
武士道、忠と義が熱く描かれる高橋氏の一連の作品ですが、
自ら死を志願する兵や、主君に忠実過ぎる家臣など、
あまりに死が軽く、また脇役の心理が平坦に描かれすぎている
感が否めません。
また、真衡没までの後三年の役の序盤の展開が、
だいぶ史実とは異なっているようですね…。
それに、結局清衡という人物の凄さというのは、
いまいち見えませんでした。
ただ感情を抑えて、巧みに立ち回っただけという…。
後三年の役でも、主役は史実どおり完全に義家ですし。
少年期の、感情が鮮やかな清衡像の方が、成人してからの
それよりも、意外で面白く、しっくりきていました。
経清や貞任に比べ、どうしても見劣りしてしまいます。
なお、清衡の名前の由来のくだりには、膝を打たされました。
2014年11月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この巻で前九年~後三年の動乱がようやく終結、といったところです。
終わり方はわりとあっさりしてると思いますが、経緯が丁寧に描かれていて分かりやすく、あっという間に読み終えました。
経清や貞任の様な典型的な悲劇の英雄はもちろん魅力的ですが、少々「お話」っぽくなるんですよね。
鮮やかな活躍はなくても清衡のように地味にじっくり進んでいくタイプの方が、より身近に感じられます。
終わり方はわりとあっさりしてると思いますが、経緯が丁寧に描かれていて分かりやすく、あっという間に読み終えました。
経清や貞任の様な典型的な悲劇の英雄はもちろん魅力的ですが、少々「お話」っぽくなるんですよね。
鮮やかな活躍はなくても清衡のように地味にじっくり進んでいくタイプの方が、より身近に感じられます。