村上思想の中でも核となる概念が語られる、非常に重要な一冊だ。
進化と、「階級」と、自由について、精神の限界に近いところまで踏み込んで、しかも極めて厳密に、そして妬けるくらい闊達に、書けている。ある人々にとっては、救いとなりうる本だろう。
バリアという概念。ガイドという概念。進化の促進因子としての『逃亡力』というコトバ。村上龍の小説の中でもあまり見慣れない言葉が、きらめきワードとして紙面から跳び出し、あなたのために嵐の舞いを舞う。
生きること、ただ生きること、それに飽きてきたなら、読むべし。
ワレワレは、いま、海に飽きた魚たちが陸地を探したように、新しい棲息地を探し始めた。私見ではそれは次元の彼方にある。想像力を駆使しなければたどり着けないような場所。
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イビサ (講談社文庫 む 3-19) 文庫 – 1995/4/6
村上 龍
(著)
贅沢な旅を約束されてパリにやってきたマチコは、男のもとをとび出して背徳的で淫靡な生活に幻惑されてゆく。コートダジュール、タンジールへと旅するうちに魂の殻を脱ぎさったマチコは、“イビサへ”と囁く老婆にしたがい、新たな旅へと向かうのだった。村上龍が渾身をこめて描く究極の破滅的ストーリー。
- 本の長さ273ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1995/4/6
- ISBN-104061859331
- ISBN-13978-4061859333
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登録情報
- 出版社 : 講談社; 第一刷版 (1995/4/6)
- 発売日 : 1995/4/6
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 273ページ
- ISBN-10 : 4061859331
- ISBN-13 : 978-4061859333
- Amazon 売れ筋ランキング: - 465,258位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1952年長崎県生まれ。
七六年『限りなく透明に近いブルー』で第七五回芥川賞受賞。『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、『半島を出よ』では野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。『トパーズ』『KYOKO』で映画監督も務めた。最新作は『新 13歳のハローワーク』『13歳の進路』。日本の金融・政治経済の問題を考える メールマガジン『JMM』を主宰し、経済トーク番組『カンブリア宮殿』(テレビ東京)のホストも務める。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年4月22日に日本でレビュー済み
贅沢な旅を約束されてパリに訪れた主人公。背徳で堕落した生活に導かれていく破壊的ストーリー。旅をする中で自己の存在意義について問いかけを行い始める。自己を客観視することは非常に困難であり、正当化しようとする事で余計に空虚なものであることに気づいてしまいます。
「自分は何者か?などと問うてはいけない。自分の中に混乱そのものがあるから、ではなく、全く何もないからだ。」
「自分は何者か?などと問うてはいけない。自分の中に混乱そのものがあるから、ではなく、全く何もないからだ。」
2006年11月7日に日本でレビュー済み
破滅的ストーリーとありますが、なぜか悲惨な感じがしないです。
精神病院から見るキウイ畑や天文台、タンジールの崖のくだりがすごく好き。
あの文体がたまらない!ずっとこの世界にいたい!!
と思わせる一冊です。
精神病院から見るキウイ畑や天文台、タンジールの崖のくだりがすごく好き。
あの文体がたまらない!ずっとこの世界にいたい!!
と思わせる一冊です。
2012年7月29日に日本でレビュー済み
ヨーロッパ旅行して危ないことをしたくなっちゃう著作としては有害図書なのかもしれないなという印象を抱かせます。
ストーリーそのものはあの時代のラディケみたいで、際物という以外には特に読むべきところもありません。
ストーリーそのものはあの時代のラディケみたいで、際物という以外には特に読むべきところもありません。
2003年12月29日に日本でレビュー済み
生きる事をこんなにまでマジメに書くなんて、書いた村上龍もしんどかっただろうなぁと思ってしまった。その作業が何やら大変そう。笑
どんな状態であれ、生きていること。
存在確認のために、そのためにわざわざいろんな事をしている私たち。
そこには温度しかない。と村上龍は書いたけど、、、
温度すら、、、無い気がした。
内側も外側も、温度もない無。
その中で夢になって生きる女の物語。
私は好きだった。彼女が。
どんな状態であれ、生きていること。
存在確認のために、そのためにわざわざいろんな事をしている私たち。
そこには温度しかない。と村上龍は書いたけど、、、
温度すら、、、無い気がした。
内側も外側も、温度もない無。
その中で夢になって生きる女の物語。
私は好きだった。彼女が。
2007年10月1日に日本でレビュー済み
地域 民族 宗教 国家などの閉じて固まった共同体ではなく、
未だ定まった形を持っていない共同性の物語。としても読める。
未だ定まった形を持っていない共同性の物語。としても読める。
2011年2月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本のゴングール賞にあたる芥川龍之介賞、略して芥川賞、すなわち、わが朝において、最も権威のある純文学の新人賞である。その賞の銓衡委員のひとりに、この本の著者・村上龍がいる。その他に、石原慎太郎、山田詠美のような人も銓衡委員として名を連ねている。かつての芥川賞受賞者の中には、大江健三郎や中上健次のようなタイプの「文豪」もいる。唖…。…。純文学とは何か…。
私は思うた。「セックス」×「暴力」×「外国人」あたりをフィーチャリングすれば、案外たやすく、誰にでも純文学などというものは書けるのではないだろうか、と。否。それは違う。しかし村上龍のような人が「一流」の作家として認知されている現実が、私を、容易に、そのような思い違いをさせることを、許しているのである。ウラジミール・プロップを信じるなら、彼が看破しているように、小説といったものには数限られた「雛形」があるのであろうが、村上龍の場合、その「雛形」があまりにも少なく、わかりやすく、どうしてそこまで安直な思考回路をもてるのかと、呆れるほどである。やはり行き着くところは「セックス」×「暴力」×「外国人」あたりであるのだな。うん。また村上氏の場合、ときに、そこに「金銭」が加わるのだろうが、それが文学外に飛翔して、つまらぬ経済論に逢着したりもする。あっぱれ。
私はこの小説が嫌いである。あまりにステロタイプで…。
私は思うた。「セックス」×「暴力」×「外国人」あたりをフィーチャリングすれば、案外たやすく、誰にでも純文学などというものは書けるのではないだろうか、と。否。それは違う。しかし村上龍のような人が「一流」の作家として認知されている現実が、私を、容易に、そのような思い違いをさせることを、許しているのである。ウラジミール・プロップを信じるなら、彼が看破しているように、小説といったものには数限られた「雛形」があるのであろうが、村上龍の場合、その「雛形」があまりにも少なく、わかりやすく、どうしてそこまで安直な思考回路をもてるのかと、呆れるほどである。やはり行き着くところは「セックス」×「暴力」×「外国人」あたりであるのだな。うん。また村上氏の場合、ときに、そこに「金銭」が加わるのだろうが、それが文学外に飛翔して、つまらぬ経済論に逢着したりもする。あっぱれ。
私はこの小説が嫌いである。あまりにステロタイプで…。
2008年6月17日に日本でレビュー済み
自身の欠如を自覚し、全く異にするもので補う、それ自体は自覚しないことが既に、革命的な要素を含むことを、本書を読み、学んだ。