映画「Duck Soup」という原タイトルを
「我輩はカモである」と翻訳したのは誰かを知りたくて購入しました。
本書『映画をめぐる冒険』の刊行は、昭和60年(1985年)。
今や、約40年も経って、すっかり黄ばんだ古本になっていました。
さっそく15頁の映画「我輩はカモである」(1933年)の評論を読みました。
村上春樹さんの担当です。
「この映画の見せ場はなんといっても鏡の場で、このグルーチョとハーポの演技は何度見ても鬼気迫るものがある。僕も『羊をめぐる冒険』という小説の中にこれからヒントを得て鏡の場面を入れた」(15頁)
村上さんにも影響を与えた名画「我輩はカモである」!
『羊をめぐる冒険』の刊行は、1982年。
1933年の古い映画の場面が、1982年の新しい小説の場面のヒントになったとは!
「あらゆる権威をこきおろすマルクス兄弟が戦争を徹底的におちょくりたおした意欲作である」(15頁)とは、村上さんの評価。これにも脱帽しました。
戦争の善悪に対して、賛成・反対だけでなく、おちょくりたおすという手もあるなんて!
マルクス兄弟にも妙に感心いたしました。
脚注に、「Duck Soup」という原タイトルが表示されていました。
映画の邦題の「我輩はカモである」は、
いったい誰の翻訳(意訳? ダジャレ?)だったのでしょう?
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
映画をめぐる冒険 単行本 – 1985/12/1
- 本の長さ252ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1985/12/1
- ISBN-104061913719
- ISBN-13978-4061913714
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1985/12/1)
- 発売日 : 1985/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 252ページ
- ISBN-10 : 4061913719
- ISBN-13 : 978-4061913714
- Amazon 売れ筋ランキング: - 352,508位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 8,559位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
1949(昭和24)年、京都府生れ。早稲田大学文学部卒業。
1979年、『風の歌を聴け』でデビュー、群像新人文学賞受賞。主著に『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞受賞)、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『ノルウェイの森』、『アンダーグラウンド』、『スプートニクの恋人』、『神の子どもたちはみな踊る』、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』など。『レイモンド・カーヴァー全集』、『心臓を貫かれて』、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、『ロング・グッドバイ』など訳書も多数。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2024年6月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2012年11月25日に日本でレビュー済み
この本の出版は昭和60年です。
村上春樹さんが『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を書いた頃に当たりますでしょうか。
264本の映画が川本三郎さんと村上春樹さんによって選ばれ、コメントが付されています。
最初は対談かと思っていたのですが、そうではなく、お二人が選んだモノが合わさって紹介されています。
村上春樹さんと糸井重里さんの共著『夢で会いましょう』にスタイルとしては似ています。
この本の中では、ビデオが家庭に普及して、映画館で映画を見るよりも家の居間で見ることにシフトが進んでいた頃の映画好きのお二人の戸惑いのようなものが書き残されています。
おそらく映画のお好きだった方は、お二人と同じようにどなたも気持ちの置き所を探したことでしょうし、それは今も続いているかもしれません(映画館で見ることに理由を探している自分に気が付きます)。
お二人に共通するのは、顔が似ているだけではなく、1960年代後半から70年代のアメリカン・ニューシネマをこよなく愛されていることがあげられます。
そういうお二人の紹介する、1926年、フリッツ・ラングの『メトロポリス』から1984年『グレイストーク/ターザンの伝説』までのお勧め映画の中で自分自身見落としている作品が結構見つかりました。
今はビデオ(DVD)で簡単に見ることができるのは、やっぱり良い事だと思います。
村上春樹さんが『遥か暗闇を離れて』というまえがきで、映画ファンの気持ちを代弁してくれています。
このエッセイには、映画館にコツコツ通っていた古風な映画ファンとしては救われるような気持がしました。
映画館は、単に映画だけを見ていた場所ではなさそうですね。
村上春樹さんが『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を書いた頃に当たりますでしょうか。
264本の映画が川本三郎さんと村上春樹さんによって選ばれ、コメントが付されています。
最初は対談かと思っていたのですが、そうではなく、お二人が選んだモノが合わさって紹介されています。
村上春樹さんと糸井重里さんの共著『夢で会いましょう』にスタイルとしては似ています。
この本の中では、ビデオが家庭に普及して、映画館で映画を見るよりも家の居間で見ることにシフトが進んでいた頃の映画好きのお二人の戸惑いのようなものが書き残されています。
おそらく映画のお好きだった方は、お二人と同じようにどなたも気持ちの置き所を探したことでしょうし、それは今も続いているかもしれません(映画館で見ることに理由を探している自分に気が付きます)。
お二人に共通するのは、顔が似ているだけではなく、1960年代後半から70年代のアメリカン・ニューシネマをこよなく愛されていることがあげられます。
そういうお二人の紹介する、1926年、フリッツ・ラングの『メトロポリス』から1984年『グレイストーク/ターザンの伝説』までのお勧め映画の中で自分自身見落としている作品が結構見つかりました。
今はビデオ(DVD)で簡単に見ることができるのは、やっぱり良い事だと思います。
村上春樹さんが『遥か暗闇を離れて』というまえがきで、映画ファンの気持ちを代弁してくれています。
このエッセイには、映画館にコツコツ通っていた古風な映画ファンとしては救われるような気持がしました。
映画館は、単に映画だけを見ていた場所ではなさそうですね。
2007年5月12日に日本でレビュー済み
村上春樹と川本三郎が 交互に自分の好きな映画を評した本。この頃の村上は 糸井重里と「夢で会いましょう」を出したり 村上龍と「WALK DONT RUN」を出すなど コラボで本を出すことが しばしばあったわけである。
村上は元々 映画の脚本家を目指した時期があったという。従い 相当の映画フリークであることは想像に難くない。川本も映画評論家としては 一家を成している。そんな二人が作った本書はどうか?
結論的に言うと 非常に薄味の本だ。まず映画を選ぶ基準として「ビデオで見れる米国
映画」に絞った点に原因があると思う。本書が出た1985年の段階で ビデオで見れる作品には 限界もあったろうし なおかつ米国に絞ったという事だ。どうしても 選ばれた映画が薄味なのだと思う。
そんなためか 本書も絶版になっている。人気作家村上春樹の著作が絶版になっているということの意味を考えるべきだ。やはり 村上 若しくは 川本が 本書を結局棄ててしまったということなのだと思う。そうして それはいささか惜しいことも確かだ。
村上は元々 映画の脚本家を目指した時期があったという。従い 相当の映画フリークであることは想像に難くない。川本も映画評論家としては 一家を成している。そんな二人が作った本書はどうか?
結論的に言うと 非常に薄味の本だ。まず映画を選ぶ基準として「ビデオで見れる米国
映画」に絞った点に原因があると思う。本書が出た1985年の段階で ビデオで見れる作品には 限界もあったろうし なおかつ米国に絞ったという事だ。どうしても 選ばれた映画が薄味なのだと思う。
そんなためか 本書も絶版になっている。人気作家村上春樹の著作が絶版になっているということの意味を考えるべきだ。やはり 村上 若しくは 川本が 本書を結局棄ててしまったということなのだと思う。そうして それはいささか惜しいことも確かだ。
2012年3月5日に日本でレビュー済み
村上春樹と川本三郎による264本の映画に対する的を得た寸評もさることながら、村上春樹が書いたまえがき「遥か暗闇を離れて」がグッとくる本です。
映画を観る行為が映画館に通う祝祭的儀式であった時代から、ビデオ・ソフトを家の近所で買ったり借りて家で好きなだけ観ることができる時代へ、即ち、歴史上繰り返されてきたパターン:「テクノロジーのもたらす便宜性」が「旧来の様式の非便宜性を凌駕する」とともに「儀式性」も奪ってゆく時代が映画にも到来したことについて、去りゆく古き時代を感慨を込めて振り返りつつ、映画をイージーに自宅で消費する時代に進んで身を呈する覚悟が窺われて、短いながらも80年代半ばという映画を巡る冒険が様変わりしてゆく瞬間の貴重な証言だと思う。
そのまえがきで「本書も増補改訂されてゆくだろう」と述べているのに、増補改訂されないばかりか、初版のまま絶版になってしまったとは、残念。
本書はザラザラの紙を使っているので、普通に蔵書している私の手元の現物でも相当変色している。もし古書として本書を求めるなら、その点は留意を。
映画を観る行為が映画館に通う祝祭的儀式であった時代から、ビデオ・ソフトを家の近所で買ったり借りて家で好きなだけ観ることができる時代へ、即ち、歴史上繰り返されてきたパターン:「テクノロジーのもたらす便宜性」が「旧来の様式の非便宜性を凌駕する」とともに「儀式性」も奪ってゆく時代が映画にも到来したことについて、去りゆく古き時代を感慨を込めて振り返りつつ、映画をイージーに自宅で消費する時代に進んで身を呈する覚悟が窺われて、短いながらも80年代半ばという映画を巡る冒険が様変わりしてゆく瞬間の貴重な証言だと思う。
そのまえがきで「本書も増補改訂されてゆくだろう」と述べているのに、増補改訂されないばかりか、初版のまま絶版になってしまったとは、残念。
本書はザラザラの紙を使っているので、普通に蔵書している私の手元の現物でも相当変色している。もし古書として本書を求めるなら、その点は留意を。
2011年1月18日に日本でレビュー済み
「赤衛軍事件」って知らないかな?1971年朝霞自衛隊機地で自衛官が夜間歩哨中に何者かに刺殺された当時はセンセーショナルな事件。確か8月の夏休みで現場に「赤衛軍」のヘルメットがこれみよがしに残されていたことから警察は「新左翼」の犯行では?私も新聞で事件を知ったが情報の「革マル派」も「赤衛軍」というセクト?グループは初耳で大胆なことをするもんだと疑問を持った。まず「革マル派」が知らないセクトなど日本にないわけで。どうもなにかおかしいな。そしたら年末近く日大生の菊井という奴が公安に逮捕された。日大革マル派も全然知らない男。問題なのはこの菊井を当時「朝日ジャーナル」編集部(朝日新聞正社員)の川本三郎が自宅に匿いあまつさえ重要証拠物件の強奪した自衛官の腕章を焼却するという前代未聞の凶悪殺人テロの容疑者を隠匿、証拠隠滅の中国、ロシア、アメリカなら裁判抜きに公開銃殺の超国賊的?犯罪を平然と行い逮捕された。警視庁公安部は川本を黒幕ではないか?と疑い連日締め上げたが東大法学部卒のジャーナリスト?に左翼運動歴や前科はなくぺらぺらと自白したので「死刑」は免れた。起訴され実刑は免れたが朝日は懲戒免職。川本はお馬鹿さん。菊井は公安のスパイであった。ダブルお馬鹿さんである。立派な前科者で以後売文でおまんまを食うが事件のことは黙して国民には語らない。警察には泣きながら自白したのに。教訓。人を見たらスパイと思え!!下手に付き合うと最悪「死刑」よくて「前科者」だ。佐高信よく聞け。お前も宮崎や佐藤とつるんでいると川本の二の舞だ。お前もなんか怪しいが。