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金沢・酒宴 (講談社文芸文庫) 文庫 – 1990/11/5

4.7 5つ星のうち4.7 22個の評価

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金沢の町の路次にさりげなく家を構えて、心赴くまま名酒に酔い、九谷焼を見、程よい会話の興趣に、精神自由自在となる“至福の時間”の体験を深まりゆく独特の文体で描出した名篇『金沢』。灘の利き酒の名人に誘われて出た酒宴の人々の姿が、40石、70石入り大酒タンクに変わる自由奔放なる想像力溢れる傑作『酒宴』を併録。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (1990/11/5)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1990/11/5
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 250ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4061961055
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4061961050
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.5 x 0.9 x 15.1 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.7 5つ星のうち4.7 22個の評価

著者について

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吉田 健一
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上位レビュー、対象国: 日本

2021年11月20日に日本でレビュー済み
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神保町のランチョンで編集者と打合、ケケケと笑う英国帰りの作家。
内田百閒の御馳走帖、池波の銀座日記とともにベッド横にあると好適な食の読み物。
大昔、大河内さん編集の食食食(あさめし、ひるめし、ばんめし)にもあったと思う。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年9月19日に日本でレビュー済み
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ラジオ番組で紹介されて探しました。
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2015年11月19日に日本でレビュー済み
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ひとの気持ちの、というか私のなかで不思議に思っていたりした、微妙な気持ちの流れについて他の人はどう感じたりしているのかが分かったりして興味深く読みました。まるで自分のことを言い当てられているみたいなところもあって面白い。分析するとこういう文章になるのかぁ。他の人も同じ感想かしら。文章が書ける人はいいですね。これからもじっくり読んでみたい。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2010年5月29日に日本でレビュー済み
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私は短編集「怪奇な話」を読んで作者に興味を持った。文学に対する大らかな姿勢、英語における関係代名詞を繋げた様な捻った文体を使用しながらも明快な論旨を持つ文章を背景に、ユーモアと諧謔味に溢れた奇譚を仕立て上げる手腕に感心した。本書では、短めの長編「金沢」、短編「酒宴」の2つの代表的作品を収めている。

「金沢」は、内山と言う男が金沢の別宅で体験する"仙境的な饗宴"を、冒頭でも述べた独特の文体で綴ったもの。場所は金沢である必要はなく、主人公は内山である必要はないと言った事情が巻頭で捻った文体で説明される辺りがまず可笑しく、小説にリアリズムを求める姿勢を嘲笑うが如くである。ある物がその物でなければならない事由を説明・追求する意図はサラサラなく、時空や認識を超越した物語を指向している様である。だが例えば、「今の束の間に比べれば永遠というようなことは意味を持たない」と言う一文は気が利いてはいるが、地の文で述べられると違和感を覚える。全体として一幅の水墨画の印象を漂わせる意匠なのだから。読者は作者が導く桃源郷的世界に身を任せて置けば良いと言う体裁だが、名作の誉れ高い作品にしては興趣が薄い様に映った。表面的な風雅の裏にある作者の理知的思弁が前面に出過ぎていて、本手法で長編を支えるには少々キツイ感がある。

「酒宴」は、"飲兵衛"を主人公にして、通常の文体で書かれたエッセイ風のホラ話。酒好きが気儘に綴った他愛もない内容で、可もなし不可もなし。

「怪奇な話」によって得られた期待感が強過ぎたせいもあって不満足な内容。長編を書く構想力やエッセイを綴る能力において不充分なものを感じた。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2023年4月1日に日本でレビュー済み
金沢に行きたくなるというよりは、もっと味わいたくなる。そんな本です。どこでもよいと言いながら金沢でなくてはならないということがよくわかります。
酒宴もまさにお酒の海に漂いたくなるような、ほろ酔いの心地よさが全編に漂う良い作品でした。お酒を飲みながらどうぞ。
2006年9月8日に日本でレビュー済み
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美食家として人気が出たのは、みんなが親しむきっかけとして悪くはないが、その後ぜひ「小説」にたどりついてほしい。

翻訳者としても多くの業績があり、随筆家としても一流には違いないが、小説作品をどれか一つでも──とりわけ本書収載の作品を読むと、根底から評価がくつがえる。

他の誰も書くことのできない、独自のスタイルをきわめた小説です。

センテンスが長いのは、翻訳を手がけてきた所為もあるかもしれないが、この文体でなければ、この「時間感覚」を書き切ることは難しいのかもしれない。何作か読んで馴染んでくると、一種の中毒症状をきたしますね。自分で書くときに、つい真似をしてしまう。

あなたも、ぜひ、真似た文体で何事か綴ってみてください。

これは、一種の「快感」です。
25人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2019年9月12日に日本でレビュー済み
よかれ悪しかれ、日本から大尽が消えてその名残を思い出す良書。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2019年5月10日に日本でレビュー済み
この本は不思議な本で、短編で読み終わったのに、何回読んでも読み終わった感じがしない。論理も何もなくしれっと吹っ飛んでいくので、そこで一緒に遊ぶしかない本で、常に夢か記憶の中をふらふらとさまよい歩いているような感じで、訳が分からず酩酊しながら連れ回されてるような感じで、何度読んでもやめられずにまた読む本。隅の隅がお好きな方は抜けられなくなります。お薦め。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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