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一個・秋・その他 (講談社文芸文庫) 文庫 – 1991/3/4

3.9 5つ星のうち3.9 13個の評価

野間文芸賞、芸術院賞両賞受賞の短篇集『一個その他』から、世評高い作品集『カレンダーの余白』『青梅雨その他』『雀の卵その他』、そして川端賞受賞の『秋その他』に至る短篇の名手・永井龍男。その晩年の短篇集の中から、「一個」「蜜柑」「杉林そのほか」「冬の日」「青梅雨」「雀の卵」そして名品中の名品「秋」など14篇の短篇の冴えを集成。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (1991/3/4)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1991/3/4
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 316ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4061961217
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4061961210
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.8 x 1.1 x 14.8 cm
  • カスタマーレビュー:
    3.9 5つ星のうち3.9 13個の評価

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永井 竜男
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カスタマーレビュー

星5つ中3.9つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2008年11月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
近現代の日本の文学でもっとも文章がうまい人は?と問われて
永井龍男を思い浮かべるのは決して私だけではないはずだ。

処女作が16歳で認められながらも、文藝春秋の社員を経て、短編の名手としての真髄を発揮したのは40歳を越えてからの事である。

その文章はいわゆる美文というやつではなく、端正でいて艶があり、簡潔にして人生の深遠をえぐる。
電報で上手く表現できるのが究極の文章の達人であるといったようなことを書き残しており、また小説家・随筆家でもあると同時に俳人でもあったといえば、一度も読んだことが無い人も何らかのイメージが出来るのではないだろうか。

内容も本書収録作品だけ見ても(もっとも晩年のこの頃の作品が一番出来がいいのだが)シュールな「一個」、ちょい悪オヤジの大人の恋愛小説「蜜柑」、ミヒャエル・ハネケも真っ青の「青梅雨」、禁忌を破った女の孤独が琴線に触れる「冬の日」、少年時代を回顧した自伝的な「雀の卵」、そして幽玄を極めた「秋」となかなかバラエティに富んでいる点が名文家を実のあるものにしているのである。本書は短編の選択がなかなか上手い。

新聞の切り抜きをもとにした創作も多いが、本人と思しき人物の身辺を描いた作品も多く見られ、その意味では私小説を多く残したといえるが、本人は葛西善蔵のような他人を巻き込んだ破滅型の私小説には否定的で、あくまでも客観的に自分を描こうとしたようだ。
なのでべたべたしたところもどろどろとしたところも存在しない。

自らの思想を雄弁に語ることも無ければ奇を衒った表現も一切無い。
なので人によっては何か物足りない感じを受けるかもしれない。けれどもそれだけにこのまさしく名人芸の文章には、はまると抜け出せない魔力がある。
日本人なら一度は読んでおきたい人である。
23人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年8月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1970年代後半から80年代全般の短編が収められている。高名な割にはなかなか読まない作家のひとりだが、改めて読んでみると若いころには分からない感覚、それは「死」に向かう感覚が随所にあらわれ、しばし立ち止り何度も読み返してしまう。そんな作品が集められている。おそらく、芥川や志賀直哉などの短編作品の王道からは随分と離れたろで彫琢された、一つ一つがゆったりとした時間を刻むささやかな幸せと思いもかけない悲劇が、まるで小津映画のフィルムのように立ち現われる。その陰影の手法は見事なまでだ。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年8月4日に日本でレビュー済み
江藤淳「近代以前」の中で「一個」の一節が引かれており非常に気になり即買いに行った。著者についても予備知識なし。 もっとエキセントリックな本かと思いきや、鎌倉を中心とした季節の移り変わりと共にありふれた日常が淡々と流れていく。とにかく文章が巧い、極上の短編集。久々に鎌倉に行きたくなった。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2002年9月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
地方に出かけてとくに観光するでもなく、「ついでに」著名文学者が住んでいた場所というのを訪れることがある。記念館などが建っていると、そこに根ざした文学者の手紙などが展示され、その文学者と、その場所の強い繋がりを感じることがある。封書の宛名書きすらも作家と地域の繋がりを主張しているように見え、なんとなく、「『文学』とはこのようなものであったか」などと感じる。
永井龍男の作品も、作家と地域 -鎌倉- の「繋がり」を印象付ける作品が多い。それが単なる「身の回り」を描いた私小説というだけでなく、まさにその地域にマッチした文体が感じられる。そしてその文体が描き出す登場人物のカタチも「そう、この人物はまさに鎌倉の人」などと思えてくる。
一時期の(?)私小説排撃ブームの頃から、あまり「地域」や「地域の人」を描く作家はいなくなったように思う(鎌倉、京都などはそれでも題材に選ばれることは多いのだろうが)。永井龍男の短編は、その文体も相俟って「懐かしさ」を強く感じさせる。
中村明氏によれば、永井龍男の文章を読んで、そのあまりの見事さゆえに作家になるのを諦めた人すらいると言う。確かに「文章」を、あるいは「文字」を読ませる作家で、今この時代に読んでみるのも面白い作品羨ましいと思う。
15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート