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静かな生活 (講談社文芸文庫 おA 11) 文庫 – 1995/9/4
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精神の危機を感じて外国滞在を決意した作家の父に、妻が同行する。残された3人の兄弟妹の日常。脳に障害を持った長男のイーヨーは“ある性的事件”に巻き込まれるが、女子大生の妹の機転でピンチを脱出、心の平穏が甦る。家族の絆とはなんだろうか――。〈妹〉の視点で綴られた「家としての日記」の顛末に、静謐なユーモアが漂う。文学の深い祈り。
- 本の長さ328ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1995/9/4
- 寸法10.8 x 1.2 x 14.8 cm
- ISBN-104061963430
- ISBN-13978-4061963436
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (1995/9/4)
- 発売日 : 1995/9/4
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 328ページ
- ISBN-10 : 4061963430
- ISBN-13 : 978-4061963436
- 寸法 : 10.8 x 1.2 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 135,458位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
1935年愛媛県生まれ。東京大学仏文科卒。大学在学中の58年、「飼育」で芥川賞受賞。以降、現在まで常に現代文学をリードし続け、『万延元年のフット ボール』(谷崎潤一郎賞)、『洪水はわが魂に及び』(野間文芸賞)、『「雨の木」を聴く女たち』(読売文学賞)、『新しい人よ眼ざめよ』(大佛次郎賞)な ど数多くの賞を受賞、94年にノーベル文学賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 「伝える言葉」プラス (ISBN-13: 978-4022616708 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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無垢と希望
マーちゃんの「なにくそ、なにくそ」という
やるせなさ
読後、希望とやるせなさで自分が引き裂かれそうになる。
きっと、最後の「家としての日記」のインパクトがあると思う。
新井くんのイーヨーとの水泳練習は心温まる。
しかし、そんな新井くんは出口なしの大きい悔いのうちにいる。
なんと新井くんは、雨の木を聴く女たちで不可解な事件を引き起こしている。
抑えられない、懊悩を秘めている若者。
初期の大江だったら、新井くんに出口なしの若者に
自殺という解放か抜け出さない絶望を与えていたが。
中期の大江は別の道を模索しようとしている。
懊悩や暴力性を抱えていても、祈りながら悦びを分かち合ってて静かに生きていく。
私たちはイーヨーやキリストのように無垢な存在として犠牲の救済はできない。
逆に自分のピンチがきっかけになって、人々を傷つけてしまうかもしれない。
傷つけ合うことしかできない、本当にどうしようも無い人生だ。
でも、イーヨーやマーちゃんを見ていてると、不思議と活力が湧く。
懊悩を乗り越えられると自分に言い続けるしかないのか??
後、
何よりイーオンへの家族の愛情が感じられてとても居心地がいい。次は何読もうかと思索中である。
家族の絆、ということがテーマになっているらしい。私はこの「絆」という言葉はどうにも気にくわないが、それなりに考えてみた。
イーヨー(大江さんの長男、光さん)の存在が魅力的だ。吠えたてる犬に「ケン君」とあだ名をつけて大人しくさせてしまったり、「ろっこつ」なる見舞いの曲を作ったり。
だが、彼はただユーモラスな面を持つ知的障害の男性というだけではない。
障害があるから、と言って家族に保護されているだけの存在ではないのだ。
彼は二度、いつも自分の世話をしてくれる妹のマーちゃんを危機から守っている。
普段守られる側の彼が思わぬ勇気や行動力を発している二つの場面は、読者を感動させる。
そして僕はこう思った。
障害のあるなしに関わらず、お互いに守りあっている在り方が、本当の絆の表れなんじゃないかと。
次男のオーちゃんをモデルにした『キルプの軍団』は、父である小説家が家に居る上に、主人公が映画製作現場に関係したりするから、メタフィクション(フィクションについてのフィクション)っぽさが少々有った。それに比べると、作家の父不在でイーヨーと妹の生活が中心の本作は「素直な小説」という感じがする。故に『キルプ』よりは良いかな。でも星数は同じ(笑)。
カート・ヴォネガットらしき人物が、ヒロインのどこかおかしな英語をからかって「バウチャー!」と書かれたプラカードを持つ少女の絵を描いたくだりは実に面白かった。スラップスティックにも作家本人が描いたらしきイラストが出てきたし、春樹のデビュー作にもその画風を真似た絵が出てきたので、もう、その絵が脳裏に浮かんできた(笑)。
(追記)レビュータイトルは、NEEというバンドの『不革命前夜』をもじったものですが、NEEのボーカルのくぅ君が急逝しました。夭逝と言ってもいい年齢でした。ご冥福を祈ります。
そのシーンでの本作品の扱われ方がとても印象的で気になったので読んでみることにした。
大江健三郎の作品というと学生の頃に授業で扱われた「死者の驕り」の印象が強烈で、冷たい、無機質、小難しい文章を書く作家というイメージがあった。
本作品はそのイメージが一掃されるほど人間味に溢れた作品だと思う。
大江作品のもつひんやりとした冷静な雰囲気は変わらないけれどどこか温かい。
描かれる家族の環境は少し特殊でもう少し大げさに描かれそうなものだが、どのエピソードも大げさではなくさりげなく淡々と描かれている。
だからきっと、これは特別な話ではなくどこにでもある"静かな生活"の中の一つなのかもしれないなと感じた。
文体?表現力、言い回しが他の作家さんとの違いがありやはり頭の良い方なんだなと感じました。ほのぼのとそして深い日常を書いていて読んでしみじみと胸に来ました。