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夫婦善哉 (講談社文芸文庫) 文庫 – 1999/5/10

織田作之助 (著), 種村季弘 (解説)

4.0 23個の評価

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しっかり者の新地の芸者蝶子は若旦那柳吉と駆落して所帯を持ち、甲斐性なしの夫を支えて奮闘する──大阪の庶民の人情を自在な語り口で描いて新進作家の地位を確立した「夫婦善哉」のほか、「放浪」「勧善懲悪」「六白金星」「アド・バルーン」、評論「可能性の文学」。作家生活僅か7年、裏町人生のニュアンスに富んだ諸相を書き続けて急逝した織田作之助の代表作6篇を収録。

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本の長さ

294ページ
言語

日本語
出版社

講談社
発売日

1999/5/10
寸法

10.8 x 1 x 14.8 cm
ISBN-10

4061976621
ISBN-13

978-4061976627
すべての詳細を表示

登録情報

出版社 ‏ : ‎ 講談社 (1999/5/10)
発売日 ‏ : ‎ 1999/5/10
言語 ‏ : ‎ 日本語
文庫 ‏ : ‎ 294ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4061976621
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4061976627
寸法 ‏ : ‎ 10.8 x 1 x 14.8 cm

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織田作之助

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ベストオブ織田作之助

2020年7月27日に日本でレビュー済み

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「西の太宰」こと大阪の作家、織田作之助の名短編集。
ベスト盤とも言えるほど名作揃いで、これ一冊でもなかなかの満足感。

欲を言えば『続夫婦善哉』も収録して欲しかったですが、それでもオススメできます。初めての方にも是非。

2007年8月26日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

戦争前後の大阪が舞台の短編集です。
好きなんでしょうね大阪の町が
織田作之助さんは

ここに出てくる人たちの生き方が
いま私が住んでいるところの人たちと重なっていて
商売っ気たっぷりで無計画そしてタフ
面白く読み進めることができました。

普段使わない言葉がいっぱい出てくるところも気に入ってます。
妾･里子･押し掛け女房
夜店･奉公先･色町
こういう言葉を実際に使ってみたいですね。

4人のお客様がこれが役に立ったと考えています

役に立った

黒川記代美

読んでおいてよかったです。

2013年10月14日に日本でレビュー済み

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時代の違いを感じながらも、男女が寄り添って生きる楽しさがありました。
こんな二人になりたくないと思いながらもどこかほほえましくもありました。

1人のお客様がこれが役に立ったと考えています

役に立った

ナベ

又吉先生ご推薦

2019年2月7日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

騙されたと思って、、、購入。
しかし、古さを感じない素晴らしい作品です。

2014年1月1日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

人情喜劇みたいなタイトルですが、同じ作者の「可能性の文学」と読み合せると、なんとなく奥深い内容のように感じられるので不思議。関西弁が心地よいです。

2015年10月23日に日本でレビュー済み

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　芥川賞の「火花」同様。文体そのものが混乱している。
これが文学かと。
　　あるいは私自身、日本に対する感覚が麻痺しているのか。

2014年3月10日に日本でレビュー済み

　わずか３３年半の生涯のうち、わずか７年の作家生活で、１５０篇になりなんとする作品を遺した織田作之助。
　その作品群からむりやりベストの５０篇を選び、断腸の思いでベストテンに絞りこんで、さらに泣く泣く「猿飛佐助」や「天衣無縫」、「郷愁」や「蛍」を落とした結果、残るべくして残ったのが本書所載の６篇でしょう。
　異論はありません。選りすぐりのベスト・オブ・ベストです。

　織田作之助といえば「夫婦善哉」。
　その題名から＜べたべたと甘ったるい、まったりもっさりした＜人情喜劇＞を予断して、読まず嫌い（私がそうでした）であるならば、先入観は全くの誤解だとお知らせせねばなりません。織田の作風はその対極です。
　店名地名や物価などの具象を繰り出しながら、狂騒と哀感、ルサンチマンとユーモアをない交ぜに織りこみ、余計な心理や情景の描写をそぎ落として、長い年月にわたる俗事に満ちたストーリーを圧倒的なスピード感で物語る。
　独特な個性です。好悪は分かれるでしょう。
　けれど、嗜好に嵌れば中毒性の魅力をもつ作風だと思います。＜文章の味わい＞という言い方がありますけれど、むしろぐいぐいと流しこむ＜喉ごし＞を堪能する文章なのです。

「夫婦善哉」は初期作品ですけれども、織田文芸が上記の特色を持って初の完成を見た作品とのこと。やはり代表作でしょう。たとえばクライマックスの愁嘆場へかます絶妙のボケ。鳥肌が立つほどシビれます。
　織田作品では、比類ないしっとりとした哀愁と温もりを醸し出す「木の都」も名篇です。

　でも、白眉は戦後発表の残る４篇でしょう。
　第二次世界大戦終戦。織田は表現の自由を得ると同時に混乱の中で退嬰する世相と向きあいました。沸き上がる創作欲で火照る病み疲れた躰に、当時違法でなかったヒロポンを射ちまくりながら「命がけで」作品を世に続々と送り出します。
　ところが身を削って生んだそれら小説を「小説の神様」が「きたならしい」と切り捨てる。
　中指を立てて（織田は確実にそのポーズを知らないけれど、そんな心根で）織田は挑みがかるように昂然と執筆を続けました。その渦中で客死します。
　突然でした。あまりに早すぎました。
　それゆえ戦後発表のこれら４作は織田作之助の＜到達点＞と言えるかもしれません。しかし、長くは生きられないと予感しながら、まさか自分が発表の翌年にすぐ鬼籍入りするとは思ってもみなかったはずです。ならばこれらの作品は、永遠の高みを目指して作家たる生を最高速度で駆けのぼる＜通過点＞に都度遺されたものと考えることがふさわしく思われます。

　生き急いだからこそ書き得た作品群かもしれません。
　でも空想してしまうことが多々あるのです。
　織田作之助が平成の世まで存えていたなら。
（平成元年に７６歳ですからありえないことではないのです）

　どんなものをわれわれに示してくれただろうか。
　移ろいつづける世相や姿を変えていく＜貧乏＞をどう捉えただろうか。
　ベトナム戦争や川端のノーベル賞、三島の自決に何を思っただろうか。
　第三の新人や石原慎太郎、安部公房や宮本輝やＷ村上をどう評価しただろうか。
　プレスリーやビートルズを耳にしてどう感じただろうか。

　日本にジーンズが初めて輸入されたのは、織田が亡くなってから１０年くらい後だそうです。
　それを見事に履きこなして「けけっ」と哄笑する作家の姿を想像ながら、永遠に答えがもたらされない問いをくり返す。
　それは悲しくもあり、また楽しくもあります。

11人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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メガネ猿

夫婦善哉その他３篇を読んで

2013年10月31日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

　テレビドラマと小説とは別物だと思うが、思ったとうり、文章から受ける感覚は独特なものがあり、感銘を受けるとともに面白くもあった。圧縮された猥雑な文体は読者を疲れさせるより逆に魅了するところが有り、その個性は親しみさえ感じさせる。この小説を貫く真実はまさに作者、織田作之助の実体験からくる人生観そのものであり読者の興味をそそるところである。この小説を読んだ限りでは喜劇性は感じられなかったが、それよりも人生の切なさや哀感さえ感じさせた。旦那の痴呆に対する妻、蝶子の愛には呆れるほどに強いものがあり女の意地を感じさせる。あの時代を生き抜いた群像に敬意を表するものである。そのほかに２篇を読んだが、それだけで十分、織田文学を堪能させられた。

5人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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