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世相・競馬 (講談社文芸文庫 おJ 2) 文庫 – 2004/3/11
織田 作之助
(著)
終戦直後の大阪の混沌たる姿に、自らの心情を重ねた代表作「世相」、横紙破りの棋風で異彩を放つ大阪方棋士・坂田三吉の人間に迫る「聴雨」、嫉妬から競馬におぼれる律儀で小心な男を描いた「競馬」、敬愛する武田麟太郎を追悼した「四月馬鹿」等、小説8篇に、大阪人の気質を追究した評論「大阪論」を併録。自由な精神で大阪の街と人を活写した織田作之助の代表作集。
- 本の長さ283ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2004/3/11
- 寸法10.8 x 1 x 14.8 cm
- ISBN-104061983636
- ISBN-13978-4061983632
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2004/3/11)
- 発売日 : 2004/3/11
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 283ページ
- ISBN-10 : 4061983636
- ISBN-13 : 978-4061983632
- 寸法 : 10.8 x 1 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 486,538位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大阪弁によるセリフのためか、非常に間口の広い、とっつきやすい作品集。でも内容はしっかり「文学」。読後に不思議な余韻が残ります。
2009年12月8日に日本でレビュー済み
「夫婦善哉」で有名な、流行作家「織田作之助」後期の代表作
「競馬」
真面目な中学教師だった男が、「一」のつく名前の女性に恋をして、勘当されながらも結婚するが、妻が乳癌におかされ、更に子宮に転移して去ってしまう。
妻に先立たれ、絶望している男に、妻と昔交流のあったらしい男から謎の手紙が届く。
競馬場で待っていると。
嫉妬心から競馬場へ行ってみると・・・・
といった内容で、軽快に物語は進んでいきます。
痛みに悩む妻に注射をする描写など、読んでるこちらにも痛みが伝わってきそう。
確かに、勘当され最初の妻に先立たれ、本人も吐血し33歳であっさりこの世を去ってしまう無頼派作家オダサク。
同時代の太宰にも大きな影響を及ぼしたと思う。
織田作の「夫婦善哉」が太宰の「ヴィヨンの妻」で、
「競馬」が「パンドラの匣」にあたるでしょうか?
でも、この「競馬」という作品には、太宰の中期の作品の明るい作風の感じも感じられます。
とっても大好きな作品です。
太宰も死後、思〜いコメントを残しています。
「競馬」
真面目な中学教師だった男が、「一」のつく名前の女性に恋をして、勘当されながらも結婚するが、妻が乳癌におかされ、更に子宮に転移して去ってしまう。
妻に先立たれ、絶望している男に、妻と昔交流のあったらしい男から謎の手紙が届く。
競馬場で待っていると。
嫉妬心から競馬場へ行ってみると・・・・
といった内容で、軽快に物語は進んでいきます。
痛みに悩む妻に注射をする描写など、読んでるこちらにも痛みが伝わってきそう。
確かに、勘当され最初の妻に先立たれ、本人も吐血し33歳であっさりこの世を去ってしまう無頼派作家オダサク。
同時代の太宰にも大きな影響を及ぼしたと思う。
織田作の「夫婦善哉」が太宰の「ヴィヨンの妻」で、
「競馬」が「パンドラの匣」にあたるでしょうか?
でも、この「競馬」という作品には、太宰の中期の作品の明るい作風の感じも感じられます。
とっても大好きな作品です。
太宰も死後、思〜いコメントを残しています。
2009年2月2日に日本でレビュー済み
織田作之助の作品を読むのは、これが初めてでした。
映画「秋深き」の原作と言うことで読み始めました。
九作品が収められたこの短編集の巻頭を飾るのは、芥川賞の候補作になった「俗臭」です。ここには、成金生活のあくどい裏面が描かれています。
映画の原作になるのは、「秋深き」と「競馬」です。
「秋深き」は、療養に行った温泉宿の隣室の夫婦の姿を描いた作品です。
「競馬」は、やっと一緒になった妻の看病に追われる中で届いた妻への手紙に嫉妬する夫の姿が書かれています。
その他には、「聴雨」「道」「蛍」「世相」「四月馬鹿」「大阪論」が所収されています。
全体的には頽廃的な臭いが強くしますが、それだけでなく郷愁的な雰囲気もあり、描かれている登場人物は非常に人間くさいものがあります。
このあたりは、作者の「デカダンス」」感にあるように思われます。
作者は言います。「デカダンスというと、頽廃のことだと、ひとは思っているらしいが、・・・デカダンスというのは、あらゆる未熟な思想からの自由という意味だ。」
頽廃的なものの中にある純粋な何かを掴み取ろうとした、そんな作品のような気がします。
映画「秋深き」の原作と言うことで読み始めました。
九作品が収められたこの短編集の巻頭を飾るのは、芥川賞の候補作になった「俗臭」です。ここには、成金生活のあくどい裏面が描かれています。
映画の原作になるのは、「秋深き」と「競馬」です。
「秋深き」は、療養に行った温泉宿の隣室の夫婦の姿を描いた作品です。
「競馬」は、やっと一緒になった妻の看病に追われる中で届いた妻への手紙に嫉妬する夫の姿が書かれています。
その他には、「聴雨」「道」「蛍」「世相」「四月馬鹿」「大阪論」が所収されています。
全体的には頽廃的な臭いが強くしますが、それだけでなく郷愁的な雰囲気もあり、描かれている登場人物は非常に人間くさいものがあります。
このあたりは、作者の「デカダンス」」感にあるように思われます。
作者は言います。「デカダンスというと、頽廃のことだと、ひとは思っているらしいが、・・・デカダンスというのは、あらゆる未熟な思想からの自由という意味だ。」
頽廃的なものの中にある純粋な何かを掴み取ろうとした、そんな作品のような気がします。