エッセイを読んで、涙した。
父、芥川龍之介が亡くなったのは、著書比呂志が7つのときだった。
龍之介が木に登る映像を見た方は多いのではないのであろうか?
(某書店が夏のキャンペーンCMに使っていたこともあった)
おそらくあの木に、比呂志が父と上る話がある。
しばらくして幼い息子たちを残して死んでしまうが、そこには
自愛に満ち溢れた父親、龍之介の姿が暖かく描かれている。
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ハムレット役者 芥川比呂志エッセイ選 (講談社文芸文庫) 文庫 – 2007/1/11
諧謔愛好はハムレットの気質
快活、陽気な悲劇の主人公を演じる私もまたそれをたのしむ
シェイクスピア「ハムレット」のタイトルロールにはじまり俳優として、演出家として新風をまきおこしてきた偉大な演劇人は、名エッセイストでもあった。父・龍之介の手ほどきで演劇に目ざめたこと、母の思い出、友との交流、そして演劇への熱い思い。「ハムレット」の台詞にならう『決められた以外のせりふ』などから、その端正で洗錬された文章世界を厳選する。
芥川比呂志
芥川という姓は、多くはないが、とりわけ珍しい姓ではなさそうである。(中略)小学生の時、「アクタガワってのは、ゴミカワとも読めるな」と、つまらぬ発見をしたのは、級長の宮沢喜一で、それ以来、私にけんかを売ろうとする奴は、私のことを「ゴミカワ」と呼ぶだけで目的を達するようになった。気がとがめたと見えて、級長は、彼の発見した呼び名に見切りをつけ、その代りに「アク」という略称を用いるようになった。こっちも「ミヤ」と呼んでやった。あいこである。――<「本文」より>
快活、陽気な悲劇の主人公を演じる私もまたそれをたのしむ
シェイクスピア「ハムレット」のタイトルロールにはじまり俳優として、演出家として新風をまきおこしてきた偉大な演劇人は、名エッセイストでもあった。父・龍之介の手ほどきで演劇に目ざめたこと、母の思い出、友との交流、そして演劇への熱い思い。「ハムレット」の台詞にならう『決められた以外のせりふ』などから、その端正で洗錬された文章世界を厳選する。
芥川比呂志
芥川という姓は、多くはないが、とりわけ珍しい姓ではなさそうである。(中略)小学生の時、「アクタガワってのは、ゴミカワとも読めるな」と、つまらぬ発見をしたのは、級長の宮沢喜一で、それ以来、私にけんかを売ろうとする奴は、私のことを「ゴミカワ」と呼ぶだけで目的を達するようになった。気がとがめたと見えて、級長は、彼の発見した呼び名に見切りをつけ、その代りに「アク」という略称を用いるようになった。こっちも「ミヤ」と呼んでやった。あいこである。――<「本文」より>
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2007/1/11
- ISBN-104061984640
- ISBN-13978-4061984646
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2007/1/11)
- 発売日 : 2007/1/11
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 288ページ
- ISBN-10 : 4061984640
- ISBN-13 : 978-4061984646
- Amazon 売れ筋ランキング: - 544,232位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 839位講談社文芸文庫
- - 50,816位ビジネス・経済 (本)
- - 102,739位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2007年9月25日に日本でレビュー済み
TBSラジオで毎晩12時少し前に流れる「ラジオブックス」という番組。
講談社の提供で、同社刊行の様々な本を朗読するのだが、
少し前に採り上げられたのが本書。これが、たいへん面白かった。
芥川比呂志(1920〜81)という人が芥川龍之介の長男で俳優、
ということはもちろん知っていたけれども、
この番組で聞くまで、こんなに上手なエッセイストとは不明にして知らず。
父芥川のエピソードはもとより、太宰、三島との交歓、戦中戦後の新劇事情等々、
内容はまさに興味津々、文体は華あり香りあり見せ場(読ませ場?)ありで、
飽きることがない。
丸谷才一編とあるが、文章の選択、並べ方も大変好ましい。お見事。
講談社の提供で、同社刊行の様々な本を朗読するのだが、
少し前に採り上げられたのが本書。これが、たいへん面白かった。
芥川比呂志(1920〜81)という人が芥川龍之介の長男で俳優、
ということはもちろん知っていたけれども、
この番組で聞くまで、こんなに上手なエッセイストとは不明にして知らず。
父芥川のエピソードはもとより、太宰、三島との交歓、戦中戦後の新劇事情等々、
内容はまさに興味津々、文体は華あり香りあり見せ場(読ませ場?)ありで、
飽きることがない。
丸谷才一編とあるが、文章の選択、並べ方も大変好ましい。お見事。