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柿二つ (講談社文芸文庫) 文庫 – 2007/8/11

3.0 5つ星のうち3.0 2個の評価

子規の日常、死を所有する内奥の苦悩を活写正岡子規と親しい交友関係にあった著者が晩年の子規の死に到るまでを写実的に描いて、写生文の白眉と評された長篇小説。タイトルの「柿二つ」は子規の句による。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2007/8/11)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2007/8/11
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 304ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4061984861
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4061984868
  • カスタマーレビュー:
    3.0 5つ星のうち3.0 2個の評価

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高浜 虚子
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上位レビュー、対象国: 日本

2013年4月3日に日本でレビュー済み
俳諧の興趣をご存知の方なら、病臥の子規などは知悉している。私の如き浅学の徒が、本書の内容を説くのは僭越であろう。また小説として、本書の文学的価値は決して高くない。

本書を読む縁因があるとすればただ二つ。虚子にとって子規とは何者であったか。虚子はなにゆえ子規の死を写生小説に封印したか。恬淡な筆致の遠近から感ぜられる虚子の揺らぎ、子規が身罷った直後の悪文が、ひとつの解答かも知れぬ。

三千の俳句を閲し柿二つ
この句は、子規の慨嘆であるとともに、その死後も子規という巨人を量れなかった虚子の悲哀でもあるとすれば、本書はやはり捨て置けない。
2007年1月28日に日本でレビュー済み
虚子の目から見た子規の回想録を小説風にまとめている。

淡々と朴訥に描く子規を中心とした俳人達の人間模様は人間臭く時にえげつないほどで、

写生風に描いてはいるもののかなり重い。

読みようによっては虚子の自己弁護かとも思えるが、

それでもぎりぎり写生風と言えるのでしょう。

子規の心だけでなく病苦までも一身に受けていた虚子を思えば、

早世した子規が虚子を85歳まで生かしたのかとも思えるほど子規の怨念は凄まじいモノがありました。

子規や虚子を知るには欠かせない一冊ではあり、

一気に読める本ではありますが子規の病状が進むにつれかなり苦痛を伴いました。
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