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愛と幻想のファシズム(下) 単行本 – 1987/8/19
村上 龍
(著)
混乱の日本に誘発するパニックとクーデター。アメリカの金融資本と全面対決する“狩猟社”
1987年、この危険な小説はすでに現実だ!
恐慌後、ソビエトのIMF加入など、世界には奇妙な動きが相次いだ。それらは巨大金融企業集団「ザ・セブン」の暗躍を示すものだった。「ザ・セブン」はゾビエトと秘密協定を結び、危険なイスラエルを排除、日本を完全属国とするプランを実行に移していく。政治結社「狩猟社」は、「ザ・セブン」と対決すべく、自衛隊による擬装クーデターを起こし、ゼネスト後誕生した革新政権を倒して、イスラエル過激派と手を組み核の製造にも着手、さらに海底ケーブル切断による情報封鎖で、新たなパニックを誘発する。カリスマ鈴原冬二ひきいる「狩猟社」は日本を支配し、米ソ共同管理を崩すことができるのか?
1987年、この危険な小説はすでに現実だ!
恐慌後、ソビエトのIMF加入など、世界には奇妙な動きが相次いだ。それらは巨大金融企業集団「ザ・セブン」の暗躍を示すものだった。「ザ・セブン」はゾビエトと秘密協定を結び、危険なイスラエルを排除、日本を完全属国とするプランを実行に移していく。政治結社「狩猟社」は、「ザ・セブン」と対決すべく、自衛隊による擬装クーデターを起こし、ゼネスト後誕生した革新政権を倒して、イスラエル過激派と手を組み核の製造にも着手、さらに海底ケーブル切断による情報封鎖で、新たなパニックを誘発する。カリスマ鈴原冬二ひきいる「狩猟社」は日本を支配し、米ソ共同管理を崩すことができるのか?
- 本の長さ446ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1987/8/19
- ISBN-104062014327
- ISBN-13978-4062014328
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (1987/8/19)
- 発売日 : 1987/8/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 446ページ
- ISBN-10 : 4062014327
- ISBN-13 : 978-4062014328
- Amazon 売れ筋ランキング: - 508,358位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 123,588位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1952年長崎県生まれ。
七六年『限りなく透明に近いブルー』で第七五回芥川賞受賞。『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、『半島を出よ』では野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。『トパーズ』『KYOKO』で映画監督も務めた。最新作は『新 13歳のハローワーク』『13歳の進路』。日本の金融・政治経済の問題を考える メールマガジン『JMM』を主宰し、経済トーク番組『カンブリア宮殿』(テレビ東京)のホストも務める。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年5月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
20年位前に読んだ本。コロナで改めて購入して読み返しました。村上春樹が水彩画ならば、村上龍は絵の具を重ねた油絵。
2016年9月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
初めて読んだのは二十歳そこそこだった。すごい小説だと思うと同時に、長過ぎる/出てくるのは平気で人殺しする奴ばかり/難しい用語や概念が多すぎ、そんな感じでついていけなかったのが正直なところだった。『コインロッカー・ベイビーズ』の方が全然面白い、と。
しかし四半世紀を経て、こちらも政治や経済を多少は理解できるようになった上で読み直してみたところ、あまりに面白すぎて寝る間も惜しんで一気に読んでしまった。もちろん、設定が古くなっている部分は多いが、二大強大国連携による経済支配(米ソを米中に置き換えれば、、)や格差社会の進行、弱肉強食も容認する自己責任論、一般人の感情的で偏った右(左)翼化などなど、、、あまりに多くで21世紀社会を予言していることに驚かされる(雑誌連載の準備期間を加味すれば構想は80年代初頭!)。また、狩猟社は残酷で傲慢な人間ばかりだが、人間が生き抜く上で必要な資質を強く備えていることも否定はできない。
当時は今ひとつしっくりこなかったこの下巻における結末も、今ではスンナリ腑に落ちる。エンディングでの日本の状況とは裏腹に、トウジとゼロの対称的補完性(+フルーツという触媒)の崩壊という一種の悲劇(*)が呈示されていると思う。それは、おそらく絶対父性社会的なトウジの認めない“強い”ということの別の側面—おそらく母性社会的な愛に絡んでいるとも推測でき、なかなか深い余韻を残すのだ。
とにかく非常にスリリングな攻撃的ファンタジーであると同時に極めて優れた教養小説だ。
*悲劇—それはエルクに同化できたのはトウジでなくゼロだったからなのか、あるいはトウジが理念ゆえにゼロの肩を抱くことができなかったからなのか、、もし国民→狩猟社→トウジの食物連鎖的ピラミッド(父性的社会)に裏からゼロが加われば円環構造(母性的社会)に変換されて代謝が保たれるのだろうか。しかし、それが叶わなかったので、トウジはエルクを見失ったまま指導者になるのだろうか。
しかし四半世紀を経て、こちらも政治や経済を多少は理解できるようになった上で読み直してみたところ、あまりに面白すぎて寝る間も惜しんで一気に読んでしまった。もちろん、設定が古くなっている部分は多いが、二大強大国連携による経済支配(米ソを米中に置き換えれば、、)や格差社会の進行、弱肉強食も容認する自己責任論、一般人の感情的で偏った右(左)翼化などなど、、、あまりに多くで21世紀社会を予言していることに驚かされる(雑誌連載の準備期間を加味すれば構想は80年代初頭!)。また、狩猟社は残酷で傲慢な人間ばかりだが、人間が生き抜く上で必要な資質を強く備えていることも否定はできない。
当時は今ひとつしっくりこなかったこの下巻における結末も、今ではスンナリ腑に落ちる。エンディングでの日本の状況とは裏腹に、トウジとゼロの対称的補完性(+フルーツという触媒)の崩壊という一種の悲劇(*)が呈示されていると思う。それは、おそらく絶対父性社会的なトウジの認めない“強い”ということの別の側面—おそらく母性社会的な愛に絡んでいるとも推測でき、なかなか深い余韻を残すのだ。
とにかく非常にスリリングな攻撃的ファンタジーであると同時に極めて優れた教養小説だ。
*悲劇—それはエルクに同化できたのはトウジでなくゼロだったからなのか、あるいはトウジが理念ゆえにゼロの肩を抱くことができなかったからなのか、、もし国民→狩猟社→トウジの食物連鎖的ピラミッド(父性的社会)に裏からゼロが加われば円環構造(母性的社会)に変換されて代謝が保たれるのだろうか。しかし、それが叶わなかったので、トウジはエルクを見失ったまま指導者になるのだろうか。
2017年6月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
国際企業によるグローバル化が進む今の日本を思うとこの本に描かれた事が現実だった方が日本にとって良かったんじゃ無いかと思う。今の日本に足りないのは国際企業に真っ向から立ち向かう様な国内発の権力だろう。物語は唐突に終わるがこの後このもう1つの日本はどうなって行くのかを続編で読みたい。
2016年11月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
随分昔に読んだものを再読しました。
若かりしころ読んだときとはまた違った味わいがあり、
今読んでこそ村上龍氏の偉大さがよりわかります。
若い人にこそ是非読んでもらいたい名作です。
若かりしころ読んだときとはまた違った味わいがあり、
今読んでこそ村上龍氏の偉大さがよりわかります。
若い人にこそ是非読んでもらいたい名作です。
2022年6月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
下巻はスピード感があまりなく、少しだれた。着々と狩猟社が支障なく大きくなっていくだけだなと感じてしまった。しかし、見どころもあり、主人公の演説は良かったです。
2024年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作者はほとんど経済を理解していない状態で書いていたと思う。なろう系俺TUEEEというジャンルは読んだことなかったが、こういう作品を指すのではないか。
2017年3月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
主人公のとうじの生き方に憧れます。ほんと魅力的です。村上先生のファンになりました。
2011年8月29日に日本でレビュー済み
重厚。
伊坂幸太郎「魔王」のレビューで本作を知り、初めて読んだ。
圧巻だった。
村上春樹、伊坂といったベストセラーが今ひとつ心に響かず、自分に問題があるのかと落胆していた。が、村上龍に出会い「自分はこちら側の人間だ!」と感じた。救われた思いである。
暴力的にヒューマニズムを否定する主人公達が、弱者を「淘汰されるべきもの」として切り捨て、独裁へと突き進む物語。
主人公の忌み嫌う「システム」、その象徴として「農耕」が名指しされる。
農耕により食糧の大量かつ安定供給が可能になった結果、ホモサピエンスの大繁栄がもたらされた。これは生ぬるい「弱者をも内包し得る社会」でもある。
農業に限らず、現状維持的な企業、団体、民主主義国家というシステム。これに無自覚・思考停止状態で「安住」する大多数の「弱者」。これらに対する「狩人」の嫌悪感。
そして立ちはだかる、さらに巨大な「狩人」。
思うに「弱者」を「大衆」という言葉に言い換えると、分かりやすいのではないか。
未熟児だったこともあり「弱者」側の視線で生きてきた私は、「自分は淘汰されるべき存在なのではないか」ということを考えていた。小学生の頃の話だ。
そんな自分が40歳を過ぎた今、はっきり言えるのは、
「弱者こそ危機感を持ち、思慮深くなければならない。それでこそ生きる価値がある」
ということ。
逆説的ではあるが、危機意識を持った本当の「弱者」は、意外に強い。
一方で、自らの弱さが見えていない盲目的な「大衆」は、集団で溺死させられたネズミのようになり得る。
本作で筆者は、そんなことを言いたかったのではないか?
二十余年の時を経た今も、全く色あせない渾身の一作。ぜひ、若い人にも読んでもらいたい。
伊坂幸太郎「魔王」のレビューで本作を知り、初めて読んだ。
圧巻だった。
村上春樹、伊坂といったベストセラーが今ひとつ心に響かず、自分に問題があるのかと落胆していた。が、村上龍に出会い「自分はこちら側の人間だ!」と感じた。救われた思いである。
暴力的にヒューマニズムを否定する主人公達が、弱者を「淘汰されるべきもの」として切り捨て、独裁へと突き進む物語。
主人公の忌み嫌う「システム」、その象徴として「農耕」が名指しされる。
農耕により食糧の大量かつ安定供給が可能になった結果、ホモサピエンスの大繁栄がもたらされた。これは生ぬるい「弱者をも内包し得る社会」でもある。
農業に限らず、現状維持的な企業、団体、民主主義国家というシステム。これに無自覚・思考停止状態で「安住」する大多数の「弱者」。これらに対する「狩人」の嫌悪感。
そして立ちはだかる、さらに巨大な「狩人」。
思うに「弱者」を「大衆」という言葉に言い換えると、分かりやすいのではないか。
未熟児だったこともあり「弱者」側の視線で生きてきた私は、「自分は淘汰されるべき存在なのではないか」ということを考えていた。小学生の頃の話だ。
そんな自分が40歳を過ぎた今、はっきり言えるのは、
「弱者こそ危機感を持ち、思慮深くなければならない。それでこそ生きる価値がある」
ということ。
逆説的ではあるが、危機意識を持った本当の「弱者」は、意外に強い。
一方で、自らの弱さが見えていない盲目的な「大衆」は、集団で溺死させられたネズミのようになり得る。
本作で筆者は、そんなことを言いたかったのではないか?
二十余年の時を経た今も、全く色あせない渾身の一作。ぜひ、若い人にも読んでもらいたい。