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夕萩心中 単行本 – 1985/3/1
連城 三紀彦
(著)
- 本の長さ243ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1985/3/1
- ISBN-104062019221
- ISBN-13978-4062019224
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (1985/3/1)
- 発売日 : 1985/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 243ページ
- ISBN-10 : 4062019221
- ISBN-13 : 978-4062019224
- Amazon 売れ筋ランキング: - 947,271位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 216,512位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年12月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本語って美しいな、日本人の心って良いなあと、つくづく感じさせられます。それがミステリーなので、そう感じさせたい感がなくて、自然なんです。
2019年8月10日に日本でレビュー済み
雰囲気、情緒、ミステリーのケミストリー。
この味わいは小説ではないと味わえない。
自分は文才が皆無なので上手くレビューできなくてもどかしい。
この味わいは小説ではないと味わえない。
自分は文才が皆無なので上手くレビューできなくてもどかしい。
2013年12月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
連城三紀彦さんの訃報を知り、
過去の作品を読み返しました。
『夕萩心中』は『戻り川心中』のアマゾンレビューで存在を
教えてもらい、文庫を購入しました。
最初の三篇は、『戻り川心中』からの連作で、
絶妙な連城ワールドに引き込まれ、期待通りでした…が…
最後の「陽だまり課事件簿」はいらなかった!
テンションが違いすぎて、戸惑いました。。。
なぜ、併録してしまったのか…
過去の作品を読み返しました。
『夕萩心中』は『戻り川心中』のアマゾンレビューで存在を
教えてもらい、文庫を購入しました。
最初の三篇は、『戻り川心中』からの連作で、
絶妙な連城ワールドに引き込まれ、期待通りでした…が…
最後の「陽だまり課事件簿」はいらなかった!
テンションが違いすぎて、戸惑いました。。。
なぜ、併録してしまったのか…
2013年9月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「戻り川心中」と同じ「花葬シリーズ」の作品群です。やはり前作同様に、ミステリーの要素を含みつつ、明治や大正などという時代設定も相俟って、独得の情緒溢れる叙情的な世界が描かれています。
「花緋文字」は、その人物のあまりにも悪魔的な心情と企らみに、深い戦慄を覚える。
「夕萩心中」、何と情緒ある心中の呼び方でしょうか。
更にこの呼び方は、当時の世を騒がせた、時の大臣妻但馬憲文の妻の但馬夕と、その大臣の書生だった御萩慎之介の名から、それぞれ一字採って付けられた呼び名であり、
しかもこれが後々、この物語の重要な符号としての意味を持ち始めていく訳で「戻り川心中」と同じく、文学性を備えながらもミステリーとしての要素も、きっちりと織り込まれています。哀切で儚い悲恋の中に隠されていた、過去からの強烈な人間の妄執を描いた傑作です。
様々な意味が込められたこの「夕萩心中」という言葉ですが、またその中には、日が翳っていく夕暮れの中、仄白く、ひっそりと儚げに浮かび上がる萩の花の姿に似た、但馬夕という、一人の薄幸な女性自身を彷彿させます。
「花緋文字」は、その人物のあまりにも悪魔的な心情と企らみに、深い戦慄を覚える。
「夕萩心中」、何と情緒ある心中の呼び方でしょうか。
更にこの呼び方は、当時の世を騒がせた、時の大臣妻但馬憲文の妻の但馬夕と、その大臣の書生だった御萩慎之介の名から、それぞれ一字採って付けられた呼び名であり、
しかもこれが後々、この物語の重要な符号としての意味を持ち始めていく訳で「戻り川心中」と同じく、文学性を備えながらもミステリーとしての要素も、きっちりと織り込まれています。哀切で儚い悲恋の中に隠されていた、過去からの強烈な人間の妄執を描いた傑作です。
様々な意味が込められたこの「夕萩心中」という言葉ですが、またその中には、日が翳っていく夕暮れの中、仄白く、ひっそりと儚げに浮かび上がる萩の花の姿に似た、但馬夕という、一人の薄幸な女性自身を彷彿させます。
2007年2月10日に日本でレビュー済み
作者の多彩な芸風が味わえる短編集。特に最初の3編と最後のミニ・シリーズは全く異なる作風のもので、編者の意向に首を傾げざるを得ない。
「花紋文字」は義理の妹を思っての激情的な犯行を描いたと見せて、実は別の意図を持った用意周到な犯罪計画を描くという精緻な作品。伏線の張り方も巧みで秀逸な出来。しかし、本当に主人公の妹のような女性が実在し得るかという点で疑問が残る。タイトル作「夕萩心中」は薄ヶ原で起こった伝説的な心中事件に子供の頃遭遇した主人公が、その真実を探り出しながらも、当時の想いと共に事件を封印するという叙情性溢れた作品。「菊の塵」は明治に時代を採って、武士道の精神がまだ生きていたという背景の下、それに殉じた老夫妻の悲劇を描く。「陽だまり課事件簿」は打って変ってユーモア・ミステリで、3編のシリーズから成る。ユーモアの中に、作者の初期の本格志向の味が隠されていて、これ自身の出来は悪くないのだが、上述の通り他の3編とは乖離があり過ぎて、違和感が残る。
結果として多彩な作風の作品が収められた本作だが、物理的トリックではなく、人間の心の襞に隠された謎によって、見事に読者を騙す作者の手腕が味わえる傑作短編集。
「花紋文字」は義理の妹を思っての激情的な犯行を描いたと見せて、実は別の意図を持った用意周到な犯罪計画を描くという精緻な作品。伏線の張り方も巧みで秀逸な出来。しかし、本当に主人公の妹のような女性が実在し得るかという点で疑問が残る。タイトル作「夕萩心中」は薄ヶ原で起こった伝説的な心中事件に子供の頃遭遇した主人公が、その真実を探り出しながらも、当時の想いと共に事件を封印するという叙情性溢れた作品。「菊の塵」は明治に時代を採って、武士道の精神がまだ生きていたという背景の下、それに殉じた老夫妻の悲劇を描く。「陽だまり課事件簿」は打って変ってユーモア・ミステリで、3編のシリーズから成る。ユーモアの中に、作者の初期の本格志向の味が隠されていて、これ自身の出来は悪くないのだが、上述の通り他の3編とは乖離があり過ぎて、違和感が残る。
結果として多彩な作風の作品が収められた本作だが、物理的トリックではなく、人間の心の襞に隠された謎によって、見事に読者を騙す作者の手腕が味わえる傑作短編集。
2014年2月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戻り川心中に続いて読みました。
戻り川心中は意外性に満ちた結末に打ちのめされましたが、花緋文字も同じようにノックアウトされました。
花街の華やかさと哀しみがうかがえる分、花緋文字の方が好みです。
擬古文風文体を巧みに駆使して描かれた耽美さの裏の非情さ。この作家の非凡性を示すようです。
早くに亡くなられたのが惜しまれてなりません。
戻り川心中は意外性に満ちた結末に打ちのめされましたが、花緋文字も同じようにノックアウトされました。
花街の華やかさと哀しみがうかがえる分、花緋文字の方が好みです。
擬古文風文体を巧みに駆使して描かれた耽美さの裏の非情さ。この作家の非凡性を示すようです。
早くに亡くなられたのが惜しまれてなりません。
2015年2月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
時代背景からしてもそうなんですが、文章が流麗で美しくクラシカルな哀感を漂わせています。それだけにとどまらず、ミステリーとしても魅力的な作品集でした。