この作品を何で知ったかはもう憶えてないが、7年ほど前だったか初めてこの作品を読んだ。
最近、政治関係の本を読みあさっていたら、急になぜか、著者の名前や作品の名前が頭に浮かんできて、再び読みたくなった。
漠然と心に残っていて、強烈なインパクトを受けた印象が当時あり、それが今でも心の片隅に残っていたらしい。
10年経って再び読んでも、食い入るように読んでしまうリアルな内容と筆致の力強さを改めて感じる。
著者の文章は、その時その時の情景が非常に想像しやすく、頭にすんなり入ってくるが、混乱を極めた時代の中国を描いているだけに、むごたらしく悲しい情景描写も決して少なくはない。それでも次を読み進めたくなるのは何故だろう。
ノンフィクション作品としては抜群の作品。日本が満州を統制していた頃の中国~後の中国共産党に至る過程を、一家三代に渡って描いた本作品はトップレベルの出来映えではないかと思う。
(私個人としては、この作品を是非とも映画化してほしかった)
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ワイルド・スワン 下 単行本 – 1993/1/1
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激動中国、祖母・母・娘 親子三代七〇年 現代中国を舞台に、祖母・母・娘の親子三代七〇年にわたる、激動の大河ドラマである。彼女たちの笑いや涙、怒りとともに時が静かに優しくそして力強く流れる。
- 本の長さ389ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1993/1/1
- ISBN-104062062542
- ISBN-13978-4062062541
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商品の説明
著者について
【ユン・チアン】
1952年中華人民共和国四川省宜賓市生まれ。14歳でしばらく紅衛兵を経験したあと、農村に下放されて農民として働き、「はだしの医者」、機械工場の鋳造工、電気工を経て四川大学英文科の学生となり、のちに講師となる。1978年にイギリスへ留学。ヨーク大学から奨学金を得て勉強を続け、1982年に言語学の博士号を取得。中華人民共和国からの留学生でイギリスの大学から博士号を取得したのは張戎(ユン・チアン)が初めて。現在はロンドンに住み、ロンドン大学の東洋アフリカ研究所で教鞭をとっている。
【土屋京子】
翻訳家。1956年愛知県生まれ。東京大学教養学部卒業。英字誌編集者を経て、現在に至る。訳書に『地球を救うかんたんな50の方法』『人生を成功させる7つの秘訣』『ZAPP!』『大接戦』(いずれも講談社)など。
1952年中華人民共和国四川省宜賓市生まれ。14歳でしばらく紅衛兵を経験したあと、農村に下放されて農民として働き、「はだしの医者」、機械工場の鋳造工、電気工を経て四川大学英文科の学生となり、のちに講師となる。1978年にイギリスへ留学。ヨーク大学から奨学金を得て勉強を続け、1982年に言語学の博士号を取得。中華人民共和国からの留学生でイギリスの大学から博士号を取得したのは張戎(ユン・チアン)が初めて。現在はロンドンに住み、ロンドン大学の東洋アフリカ研究所で教鞭をとっている。
【土屋京子】
翻訳家。1956年愛知県生まれ。東京大学教養学部卒業。英字誌編集者を経て、現在に至る。訳書に『地球を救うかんたんな50の方法』『人生を成功させる7つの秘訣』『ZAPP!』『大接戦』(いずれも講談社)など。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1993/1/1)
- 発売日 : 1993/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 389ページ
- ISBN-10 : 4062062542
- ISBN-13 : 978-4062062541
- Amazon 売れ筋ランキング: - 309,621位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,561位英米文学研究
- - 39,320位社会・政治 (本)
- - 59,219位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年11月7日に日本でレビュー済み
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2011年1月15日に日本でレビュー済み
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文化大革命を10代で迎えた著者を通して、
恐怖の時代を、したたかに生き抜いてきた
大勢の人々のさまざまな事情をともかく受け取りました。
この閉ざされた時代の膨大な情報・内政をすべてを理解できたわけではありませんが
市井の人々の肉声は確かに伝わってきました。
革命の現実に臨機応変に対応できる母に比べ、
父の倫理不毛の国とわかっても最後まで倫理を守って生きぬく姿は、
信じがたいほど一途で胸を打たれました。
著者は父の姿に強く触発されたと思わずにいられません。
本文中
「文化大革命は、毛沢東の個人的権力を強化するための血なまぐさい粛清である。」
「毛沢東の思想は、あるいは人格の延長(中略)。生来争いを好む性格で、
しかも争いを大きくあおる才能にたけていた。
嫉妬や怨根といった人間の醜悪な本性をじつにたくみに把握し、
自分の目的に合わせて利用する術を心得ていた。」云々
冷静な分析と発表した勇気に頭が下がります。
さらに
「人民とのあいだを恐怖と秘密のとばりで隔てている中国の政府」
説教と非難と断言に満ちた中国メディアの大げさな表現」
は、今も理解ができます。
上巻から一息に読みました。
出会えてよかったと心から言える一冊です。
睡蓮の教室 (新潮クレスト・ブックス)
バルザックと小さな中国のお針子
は文化大革命の時代を生き抜いた10代の物語(フィクション)です。
恐怖の時代を、したたかに生き抜いてきた
大勢の人々のさまざまな事情をともかく受け取りました。
この閉ざされた時代の膨大な情報・内政をすべてを理解できたわけではありませんが
市井の人々の肉声は確かに伝わってきました。
革命の現実に臨機応変に対応できる母に比べ、
父の倫理不毛の国とわかっても最後まで倫理を守って生きぬく姿は、
信じがたいほど一途で胸を打たれました。
著者は父の姿に強く触発されたと思わずにいられません。
本文中
「文化大革命は、毛沢東の個人的権力を強化するための血なまぐさい粛清である。」
「毛沢東の思想は、あるいは人格の延長(中略)。生来争いを好む性格で、
しかも争いを大きくあおる才能にたけていた。
嫉妬や怨根といった人間の醜悪な本性をじつにたくみに把握し、
自分の目的に合わせて利用する術を心得ていた。」云々
冷静な分析と発表した勇気に頭が下がります。
さらに
「人民とのあいだを恐怖と秘密のとばりで隔てている中国の政府」
説教と非難と断言に満ちた中国メディアの大げさな表現」
は、今も理解ができます。
上巻から一息に読みました。
出会えてよかったと心から言える一冊です。
睡蓮の教室 (新潮クレスト・ブックス)
バルザックと小さな中国のお針子
は文化大革命の時代を生き抜いた10代の物語(フィクション)です。
2016年5月17日に日本でレビュー済み
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最近お友達に進められて、ワイルド・スワンを読みました。
知らなかった事ばかりが綴られており、驚きの連続でした。
是非、この本は持っていたいな…と思いこちらで購入しましたが、
以前に読んだ形跡も無く、とてもいい買い物ができました。
これから何回も読みたいと思います。
知らなかった事ばかりが綴られており、驚きの連続でした。
是非、この本は持っていたいな…と思いこちらで購入しましたが、
以前に読んだ形跡も無く、とてもいい買い物ができました。
これから何回も読みたいと思います。
2010年2月21日に日本でレビュー済み
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友人の勧めで購読しました。
私たちの知らない中国を見たようで、驚きと衝撃の本でした。
私たちの知らない中国を見たようで、驚きと衝撃の本でした。
2015年10月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
パール・バックの「大地」の後に読みました。「大地」がフィクションのためいきなりドラマティックであるのに比べると、中国人作家によるノンフィクションであり、特に上巻は祖母や母の話が中心だということもあって退屈な感じから始まりました。しかし、下巻からは重苦しい中にも精一杯生きる中国の人々の息を飲む展開です。まだそれほど時代が経っていないとは思えないと思いながら、今でも思想や言論に制限のある中国という国を、その歴史から理解できた観があります。
2012年7月14日に日本でレビュー済み
上巻、下巻ともに、一文も逃さずに精読しました。
3世代の女性の人生を通して、
当時の時代背景や人間心理を交えて語る著者の表現力はすばらしい。
伝わってくるのは、その当時の中国のあまりにも不条理な世界。
著者の父親も母親も、間違いなく能力があり、愛のある人間だっただろう。
そんな人間が、限界を超えるぐらいの努力をしても、悲惨な目にあってしまう。
努力家で、能力があり、人間愛があり、
正義感がある人間がいわれないことで潰される。
そして、努力をせず、攻撃的で、良心がなく、
怒りや嫉妬などネガティブな感情が強い人間がのしあがる世界。
飢餓、拷問、病気、強姦のオンパレード。
人間の命があまりにも軽視されている。
地獄に落ちるとは、当事の中国で生まれるということではないかと思うぐらい。
そして、その中国の悲劇に毛沢東が深くかかわっている。
一説によると毛沢東の影響で、4千万人以上もの人間が死亡したという。
国が平和になると、自らぶち壊し混乱に陥れる毛沢東に強い怒りを感じた。
これは、国民のことを考えたわけでなく、自らの刺激を求めた結果だろう。
人命を軽視し、拷問や虐殺をみるのを好んだというエピソードからもサイコパスとしか思えない。
レビューからそれてしまったが、ぜひ多くの人に見てほしい本なのは間違いない。
本作にも書かれていたが、こういうドロドロした世界があることを知らないと、
ある種の悲劇にも浅い見方しかできず、きづくことができなかったりする。
当時の諸外国も、情報は少ないとはいえ、あまりにも中国の悲劇にきづいていなかった。
尖閣諸島や領有問題への強引なやり方などをみていると、
有能な人間が大量に死に追いやられたこの時代が、現代の中国にも大きな影響を与えているとさえ思ってしまう。
3世代の女性の人生を通して、
当時の時代背景や人間心理を交えて語る著者の表現力はすばらしい。
伝わってくるのは、その当時の中国のあまりにも不条理な世界。
著者の父親も母親も、間違いなく能力があり、愛のある人間だっただろう。
そんな人間が、限界を超えるぐらいの努力をしても、悲惨な目にあってしまう。
努力家で、能力があり、人間愛があり、
正義感がある人間がいわれないことで潰される。
そして、努力をせず、攻撃的で、良心がなく、
怒りや嫉妬などネガティブな感情が強い人間がのしあがる世界。
飢餓、拷問、病気、強姦のオンパレード。
人間の命があまりにも軽視されている。
地獄に落ちるとは、当事の中国で生まれるということではないかと思うぐらい。
そして、その中国の悲劇に毛沢東が深くかかわっている。
一説によると毛沢東の影響で、4千万人以上もの人間が死亡したという。
国が平和になると、自らぶち壊し混乱に陥れる毛沢東に強い怒りを感じた。
これは、国民のことを考えたわけでなく、自らの刺激を求めた結果だろう。
人命を軽視し、拷問や虐殺をみるのを好んだというエピソードからもサイコパスとしか思えない。
レビューからそれてしまったが、ぜひ多くの人に見てほしい本なのは間違いない。
本作にも書かれていたが、こういうドロドロした世界があることを知らないと、
ある種の悲劇にも浅い見方しかできず、きづくことができなかったりする。
当時の諸外国も、情報は少ないとはいえ、あまりにも中国の悲劇にきづいていなかった。
尖閣諸島や領有問題への強引なやり方などをみていると、
有能な人間が大量に死に追いやられたこの時代が、現代の中国にも大きな影響を与えているとさえ思ってしまう。
2010年1月20日に日本でレビュー済み
知識階級の両親のもとに生まれ、不自由ない生活から、一転奈落の底へ。
事実であるだけに、恐ろしい逆シンデレラストーリー。
恵まれている、とされる人がいる。何にだろう。
家柄に?両親に?容姿に?仕事に?収入に?
どれも一過性の幸運でしかないのに。
祖母、母、著者と、三代に亘って描き出される中国。
激しい潮流の中で、個人はあまりにも無力だ。
最期まで公平であろうとする父の、拷問により生まれた狂気には、涙を禁じえない。
国外へ脱出できただけ、著者は恵まれているという人もあろう。
だがそこには当然、家族との別離がある。それくらいは想像できる。
そして自由に発言できる国で、著者はこの作品をものしたのだ。
それを読めることが、出版禁止などの措置を取られない国に生まれたことが、恵まれていると思う。
これも一過性かもしれないが。
ネットに溢れるアジア蔑視の表現を見る度に、なんとも言えない心持ちになる。
漢字を伝えてくれた事だけでも、私にとって中国は特別な国だ。
本が読めるのは、中国のお陰だと思っている。
文字は尊いと思っているので、決して足蹴にしない。
アジアを蔑み、欧米を礼賛する日本人は、未だ「名誉白人」のつもりなのだろうか。
一人の女性が、長い歴史を持つ国に生まれ、懸命に生き抜いた。
いつまでも心に残る半生の記録だ。どうか幸せになってほしい。
事実であるだけに、恐ろしい逆シンデレラストーリー。
恵まれている、とされる人がいる。何にだろう。
家柄に?両親に?容姿に?仕事に?収入に?
どれも一過性の幸運でしかないのに。
祖母、母、著者と、三代に亘って描き出される中国。
激しい潮流の中で、個人はあまりにも無力だ。
最期まで公平であろうとする父の、拷問により生まれた狂気には、涙を禁じえない。
国外へ脱出できただけ、著者は恵まれているという人もあろう。
だがそこには当然、家族との別離がある。それくらいは想像できる。
そして自由に発言できる国で、著者はこの作品をものしたのだ。
それを読めることが、出版禁止などの措置を取られない国に生まれたことが、恵まれていると思う。
これも一過性かもしれないが。
ネットに溢れるアジア蔑視の表現を見る度に、なんとも言えない心持ちになる。
漢字を伝えてくれた事だけでも、私にとって中国は特別な国だ。
本が読めるのは、中国のお陰だと思っている。
文字は尊いと思っているので、決して足蹴にしない。
アジアを蔑み、欧米を礼賛する日本人は、未だ「名誉白人」のつもりなのだろうか。
一人の女性が、長い歴史を持つ国に生まれ、懸命に生き抜いた。
いつまでも心に残る半生の記録だ。どうか幸せになってほしい。
2007年9月3日に日本でレビュー済み
下巻は文化大革命から、毛沢東が消えるまで、著者自身の経験を主軸に書かれている。
学生時代に習った「共産主義」「人民公社」「文化大革命」であるが、この本を読むまで実際の共産主義社会での暮らしというものはただの非効率な机上の空論の犠牲になった社会という程度にしか捉えていなかった。かつては多くの人々を熱狂させ、勇気付けた共産主義が、私的な怨念を晴らす道具として利用され、個人を破滅に追い込む格好の思想にもなり得るのだというのが、本書を通じていくつもの実例として物語に出てくる。共産主義に限らす、イデオロギーと言うものの弱点がよくわかる。
知識人が追放され、教育機関が機能しなくなり、子が親を密告するような時代でさえ、礼節をわきまえた行動と家族愛によって健康な自我を保つことができるのだということも教えてくれる。
このようなことがつい最近までお隣で起こっていたとは。人間の理性や倫理観はかくも簡単に国家によって統制できるものなのか。上巻にも劣らず、驚愕の事実が次々と明るみになる。このような時代を生き延びてもなお、その傷跡を残したまま現代社会に大国として勢力を拡大している中国のこれからを思うと、心中穏やかではない。
共産主義ではなくとも、イデオロギーを利用することによって社会や国を弾圧するという構図は現代でも見られる。人間という動物はなかなか進歩しないのだと実感する。
学生時代に習った「共産主義」「人民公社」「文化大革命」であるが、この本を読むまで実際の共産主義社会での暮らしというものはただの非効率な机上の空論の犠牲になった社会という程度にしか捉えていなかった。かつては多くの人々を熱狂させ、勇気付けた共産主義が、私的な怨念を晴らす道具として利用され、個人を破滅に追い込む格好の思想にもなり得るのだというのが、本書を通じていくつもの実例として物語に出てくる。共産主義に限らす、イデオロギーと言うものの弱点がよくわかる。
知識人が追放され、教育機関が機能しなくなり、子が親を密告するような時代でさえ、礼節をわきまえた行動と家族愛によって健康な自我を保つことができるのだということも教えてくれる。
このようなことがつい最近までお隣で起こっていたとは。人間の理性や倫理観はかくも簡単に国家によって統制できるものなのか。上巻にも劣らず、驚愕の事実が次々と明るみになる。このような時代を生き延びてもなお、その傷跡を残したまま現代社会に大国として勢力を拡大している中国のこれからを思うと、心中穏やかではない。
共産主義ではなくとも、イデオロギーを利用することによって社会や国を弾圧するという構図は現代でも見られる。人間という動物はなかなか進歩しないのだと実感する。