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犬婿入り 単行本 – 1993/2/1
- 本の長さ153ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1993/2/1
- ISBN-104062063077
- ISBN-13978-4062063074
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (1993/2/1)
- 発売日 : 1993/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 153ページ
- ISBN-10 : 4062063077
- ISBN-13 : 978-4062063074
- Amazon 売れ筋ランキング: - 454,403位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 10,734位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
【著者紹介】
多和田葉子(たわだ・ようこ)
小説家、詩人。1960年3月23日東京都中野区生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ハンブルク大学大学院修士課程修了。文学博士(チューリッヒ大学)。
1982年よりドイツに在住し、日本語とドイツ語で作品を手がける。1991年『かかとを失くして』で群像新人文学賞、1993年『犬婿入り』で芥川賞を受賞。2000年『ヒナギクのお茶の場合』で泉鏡花文学賞、2002年『球形時間』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、2003年『容疑者の夜行列車』で伊藤整文学賞、谷崎潤一郎賞、2005年にゲーテ・メダル、2009年に早稲田大学坪内逍遙大賞、2011年『尼僧とキューピッドの弓』で紫式部文学賞、『雪の練習生』で野間文芸賞、2013年『雲をつかむ話』で読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞など受賞多数。2016年にドイツのクライスト賞を日本人で初めて受賞。2018年『献灯使』で全米図書賞翻訳文学部門受賞。
著書に『ゴットハルト鉄道』『飛魂』『エクソフォニー 母語の外へ出る旅』『旅をする裸の眼』『ボルドーの義兄』『百年の散歩』『地球にちりばめられて』などがある。
ヨーロッパ、アメリカ、アジアでこれまで700回以上の朗読会を開いている。アメリカではスタンフォード大学、コーネル大学、マサチューセッツ工科大学など1999年以降多数の大学に招かれ、数日から数ヶ月滞在。著作は日本語でもドイツ語でも20冊以上出版されており、フランス語訳、英訳の他にも、イタリア語、中国語、ポーランド語、韓国語、ロシア語、オランダ語、スェーデン語、ノルウェー語などの翻訳が出ている。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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〇「ペルソナ」になると、タイトルからも、内容からも、作品に込めたであろう寓意は読み取りやすい。しかしその分だけ新鮮さに欠ける。いつかどこかで読んだことがありそうな気がしてくる。こうなると、小説は難しい。
物語の展開がなんとも凡人の想像を超えてました。
『ペルソナ』は、ドイツで暮らす様々な国出身の人びとの話。インターナショナルな内容だが、明るさや華やかさは無く、偏見と誤解に満ちた不安な世の中を感じさせる。
『犬婿入り』は、民話のような不思議な内容。読点で連結された長い文で書かれており、そのスタイルが気になって、内容が頭に入ってこない。
こういう、文字どおり、宙吊り状態に読者を放置することに愉しみを見出している作家は、してやったりと、きっとほくそ笑んでいることでしょう。
「膣に、つるんと滑り込んできた、何か植物的なしなやかさと無頓着さを兼ね備えたモノに、はっとして、あわてて逃れようとして、からだをくねらせると、男は、みつこのからだをひっくりかえして、両方の腿を、大きな手のひらで、難無く掴んで、高く持ち上げ、空中に浮いたようになった肛門を、ペロンペロンと、舐め始めた。その舌の表面積の広さや、ゆたかにしたたり落ちる唾液の量、そして激しい息づかい、どれを取っても、文字通り<人並み>ではなく、しかも、みつこの腿を掴んだその大きな手は、この猛暑の中、少しも汗ばんでこないし、震えもせず、随分長いことそうしていたが、そのうちやっとみつこを抱き起こしてその顔を覗き込んだ黒目の中は静かで、額にも鼻にも汗の粒ひとつ見えず、髪の毛はとかしたてのようにきちんとしているので、みつこが思わず手を伸ばしてその髪の毛に触れてみると、タワシの毛のように堅く、その下の膚は牛皮のように強くなめらかで、みつこは魅せられたようにその頭を撫で回していたところ、男は何も言わずしばらく真面目な顔をしていたが、突然、下半身に何もつけていないみつこをそこに残して台所へ駆け込み、もやしを炒め始めた」。
突然、一人暮らしの家にやって来て、こういう振る舞いに及ぶ若い男と共同生活を始めてしまう、39歳の北村みつこという女性に会ってみたいと思う私も、かなり変な人なのでしょうね。