このエッセイの一番の価値は、現代我々が扱う環境問題やフェミニズムの胚芽が書かれていることではなかろうか。元々それらは分かりやすい社会運動を失った「意識の高い」「団塊の世代(米)」が始めたことだ。
村上春樹が自身の小説で持ち出す音楽的小道具やこのエッセイにも登場する「ツインピークス」「羊たちの沈黙」などもそうだが、団塊ジュニアである自分にはシェアするものが多いと感じる。一方、仕事柄(国外ではあるが)Z世代と接することが多いのだが、ジョンレノンもビートルズも知る者がいないことに気づく。自分の父親世代とは連続性のある文化圏にいたのだろうが、現代はTikTok などが旧来の文化に取って代わり、そうはなっていないのだろう。
ジョンコルトレーンについて知っていても何かいいわけではないし、Z世代からすれば雑音のような音楽に金を払っていた人たちに映るのではないだろうかと思うことがある。80ー90年代というのは日米とも中間層が厚く、日本の田舎でもピアノ教室が雨後の筍のように乱立したが、押しなべて経済的に豊かだった時代なのだろう。
団塊ジュニアの一人として、筆者のように文化を愉しめることは一つのメリットなのでそれは継続するが、全現象を文学的フィルターで観察することはしたくないのと、文学の普遍性を自身のそれともしたくないのである。(自分には貴族のように映る)団塊の世代の一員と分かり合うチャンネルは少なくていい。このエッセイを読んで思ったことでした。
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やがて哀しき外国語 単行本 – 1994/2/18
村上 春樹
(著)
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村上春樹の魅力の世界
プリンストン通信久々の長篇エッセイ アメリカより愛をこめて
僕はもうとてもとても「男の子」と呼ばれるような年齢ではないけれど、それでも「男の子」という言葉には、いまだに不思議に心引かれるものがある。……(中略)……「お前にとって〈男の子〉のイメージとは具体的にどういうものであるか」という風に質問していただけるなら、僕の回答は簡潔かつ明瞭なものになる。箇条書きにすると、(1)運動靴を履いて(2)月に1度(美容室でなく)床屋に行って(3)いちいち言い訳をしない。これが僕にとっての〈男の子〉のイメージである。簡単でしょう。──(本文より)
プリンストン通信久々の長篇エッセイ アメリカより愛をこめて
僕はもうとてもとても「男の子」と呼ばれるような年齢ではないけれど、それでも「男の子」という言葉には、いまだに不思議に心引かれるものがある。……(中略)……「お前にとって〈男の子〉のイメージとは具体的にどういうものであるか」という風に質問していただけるなら、僕の回答は簡潔かつ明瞭なものになる。箇条書きにすると、(1)運動靴を履いて(2)月に1度(美容室でなく)床屋に行って(3)いちいち言い訳をしない。これが僕にとっての〈男の子〉のイメージである。簡単でしょう。──(本文より)
- 本の長さ284ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1994/2/18
- 寸法14 x 2.2 x 19.5 cm
- ISBN-104062068001
- ISBN-13978-4062068000
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
プリンストン大学に長期滞在している村上春樹。日本を離れることによって、日本という国について、あるいは日本語についてずいぶん真剣に正面から向かい合って考えるようになったという彼の魅力的なプリンストン通信。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1994/2/18)
- 発売日 : 1994/2/18
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 284ページ
- ISBN-10 : 4062068001
- ISBN-13 : 978-4062068000
- 寸法 : 14 x 2.2 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 49,812位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 966位近現代日本のエッセー・随筆
- - 6,924位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1949(昭和24)年、京都府生れ。早稲田大学文学部卒業。
1979年、『風の歌を聴け』でデビュー、群像新人文学賞受賞。主著に『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞受賞)、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『ノルウェイの森』、『アンダーグラウンド』、『スプートニクの恋人』、『神の子どもたちはみな踊る』、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』など。『レイモンド・カーヴァー全集』、『心臓を貫かれて』、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、『ロング・グッドバイ』など訳書も多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年7月11日に日本でレビュー済み
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このひとはエッセイの方が面白い
2024年5月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
村上春樹を初めから全部きちんと読んでみよう、いつから変な感じになったのか確認したいから、ということでスタートしたが、今のところはエッセイ類は大変読み応えがある、小説は羊のおじさんのようなよくわからない人物がでてきてよくわからないこともある、という感じ。すくなくともこの本は素晴らしいと思う。
2022年7月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
同じように、海外生活について書かれたエッセイ「遠い太鼓」が、ギリシャ、ローマに暮らして起こったことについて書かれていたのに対して、こちらはアメリカ滞在中に考えたこと。起こったことのおかしさ、奇想天外さに比べると、考えたことはどうしてもまともであり、理屈っぽい。というわけで、もう一つな評価です。
2022年10月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大変に高名な経済学の教授であらせられる神取先生のお名前がこの本の中に出てくるということで、昔、単行本でも持っていたのですが、久しぶりに文庫本を手に入れて読んでみました。確かに載ってらっしゃいますね。久しぶりに再読しましたが、村上春樹大先生のお話は古びないですね。大変楽しい時間を過ごさせていただきました。ただなんとなく日本経済が非常に勢いが良く自分の国に強い誉れを感じていた時代の雰囲気を思い出し、現在の不甲斐なく、カルトに絡め取られたような現状にため息が出る思いであります。やがて悲しきわが祖国というところでしょうか。この本の装丁の軽やかさにあの頃の日本の飛び立つような勢いが重なりました。
2019年11月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自分が日本から居なくなっても自分の家族や友達や会社は普段通りに動いておりそのことを確認するという意味で留学は小さな臨死体験と言えるかもと思うなど。またマイノリティであることの経験をもてるのも留学の経験の重要な一つなのでできればマジョリティでいられるアジアよりも欧米への留学がより望ましいといえる。
2022年5月6日に日本でレビュー済み
頼んである本がGW中なので配達されないから本棚から昔読んだ村上春樹さんの『やがて哀しき外国語』を取り出して再読することにしました。
村上春樹さんのエッセイは、以前にも『螢・納屋を焼く』と『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』を再読して面白かった記憶です。
本書は、村上春樹さんが、1991年に、ニュージャージー州プリンストン大学の客員研究員として招聘され渡米した時に体験したり、考えさせられたことなどを書いたエッセイです。
村上春樹さんは、プリンストンに2年半滞在し、その後マサチューセッツ州のケンブリッジ(ボストン近接している)に2年滞在してから帰国しています。
プリストン大学村では、飲むビールがバドワイザー、ミケラブ、ミラー、シュリッツなどを飲んでいると怪訝な顔をされてしまいます。
無難にやりすごすならハイネッケンなんだそうです。
村上さんが地元のローカル新聞「トレントン・タイムズ」を読んでいるから変人と思われたようです。
NYタイムズの日曜版だけは取っていたからなんとかコレクトされたようですが。
この大学村で、レーガンがファンで、スティーブン・キングは全部読んでいて、客が来るとケニー・ロジャースのレコードをかけるというような先生がいたら、たぶんまわりの人間からあまり相手にされず大学社会内交際からはみ出し、大学で生き残っていけないだろうとも書いていました。(P44)
「大学村スノビズムの興亡」という章で読んだことですが、学生も教師たちもあたりまえに階級意識が身についていてムカつくというより笑えてしまったのです。
「バークレーからの帰り道」という章で村上さんが西海岸からニューアーク空港に戻ってきたとき酷い天気なのでレンタカーを借りるのをやめてリムジンを利用しました。(タクシーだと料金をボラれることがあるから)
その時リムジンの黒人の運転手とジャズについて会話する内容を興味深く読んでしまいました。
前章の「誰がジャズを殺したか」と重ねて読むとジャズそのものの行く末を語るように思えてしまいました。
評者も80年代だったと記憶していますが、来日したソニー・ロリンズのコンサート(名古屋公演)を聴きに行き、途中で席を立って会場から出てきてしまいました。(インド音楽とのフュージョンのような演奏に我慢できなくなったから)
本書を30年という時差を考えながら読むと頑なにまで変わらないアメリカと、トランプのような大統領が出現したアメリカという国を改めて考えさせられてしまったのです。
もちろん30年後の日本の変容(ジャパン・アズ・ナンバー・?)ぶりも捉えながらですが。
読んだ本なのにほとんど初めて読むような新しい発見もあり楽しく読み終えました。
村上春樹さんのエッセイは、以前にも『螢・納屋を焼く』と『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』を再読して面白かった記憶です。
本書は、村上春樹さんが、1991年に、ニュージャージー州プリンストン大学の客員研究員として招聘され渡米した時に体験したり、考えさせられたことなどを書いたエッセイです。
村上春樹さんは、プリンストンに2年半滞在し、その後マサチューセッツ州のケンブリッジ(ボストン近接している)に2年滞在してから帰国しています。
プリストン大学村では、飲むビールがバドワイザー、ミケラブ、ミラー、シュリッツなどを飲んでいると怪訝な顔をされてしまいます。
無難にやりすごすならハイネッケンなんだそうです。
村上さんが地元のローカル新聞「トレントン・タイムズ」を読んでいるから変人と思われたようです。
NYタイムズの日曜版だけは取っていたからなんとかコレクトされたようですが。
この大学村で、レーガンがファンで、スティーブン・キングは全部読んでいて、客が来るとケニー・ロジャースのレコードをかけるというような先生がいたら、たぶんまわりの人間からあまり相手にされず大学社会内交際からはみ出し、大学で生き残っていけないだろうとも書いていました。(P44)
「大学村スノビズムの興亡」という章で読んだことですが、学生も教師たちもあたりまえに階級意識が身についていてムカつくというより笑えてしまったのです。
「バークレーからの帰り道」という章で村上さんが西海岸からニューアーク空港に戻ってきたとき酷い天気なのでレンタカーを借りるのをやめてリムジンを利用しました。(タクシーだと料金をボラれることがあるから)
その時リムジンの黒人の運転手とジャズについて会話する内容を興味深く読んでしまいました。
前章の「誰がジャズを殺したか」と重ねて読むとジャズそのものの行く末を語るように思えてしまいました。
評者も80年代だったと記憶していますが、来日したソニー・ロリンズのコンサート(名古屋公演)を聴きに行き、途中で席を立って会場から出てきてしまいました。(インド音楽とのフュージョンのような演奏に我慢できなくなったから)
本書を30年という時差を考えながら読むと頑なにまで変わらないアメリカと、トランプのような大統領が出現したアメリカという国を改めて考えさせられてしまったのです。
もちろん30年後の日本の変容(ジャパン・アズ・ナンバー・?)ぶりも捉えながらですが。
読んだ本なのにほとんど初めて読むような新しい発見もあり楽しく読み終えました。
2016年5月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み直したら、著者の住んでみたアメリカのうらやましいなあ、と思うところと、アメリカから見た日本の、ここんとこがちょっと窮屈なんだよなあ、と思うポイントに対する憧れや共感があまり変わってなかった。
変化してないわけじゃないと思われるけれども、本質が変わっていないということなのか、私が成長してないだけなのか?
変化してないわけじゃないと思われるけれども、本質が変わっていないということなのか、私が成長してないだけなのか?