爬虫類が好きな少年「アトム」19歳とネットの"チャット"を舞台として「姫」を演じるちょっと肥満気味のネットオタク19歳。「姫」はネット上では絶世の美少女と讃えられたが、ある日「姫」はオフ会を開いて幻滅させ姿を消そうともくろむ計画を立てた。ところがその日の午後2時30分…現れるはずもないとある女子大生が集合場所で殺害されてしまう。アトムは殺された理由を、チャットのログやメールなどを駆使して暴こうとするが…。
インターネットの問題と言えば、自分のようないわゆる"オタク"から見ると倫理・リテラシの問題とか、いかに個人情報漏えいを防ぐかとか、いわゆる技術的な・規則的なところに目が行きがち。しかしこの本は、それらの問題はあくまで「基盤」となっていて、複雑に絡み合っている。しかも精神的心理的要因、果てにはインターネットがはらむ問題そのものへと矛先が向けられる。
でも恐ろしいのはこの本が出されてからはや15年経過したが、ネットが起こす事件よりも、これらの原因になる問題の複雑さの方が現在も既に浮き彫りになっている部分があること。現在の世界自体が、既にこんな状態になっているような感じがして気が気でならない。
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仮面舞踏会: 伊集院大介の帰還 単行本 – 1995/4/1
栗本 薫
(著)
パソコン通信が生みだした幻のアイドル〈姫〉の正体をめぐって通信仲間は大騒ぎを繰り広げていた。まだ誰も見たことのない、その〈姫〉がとうとう姿を現すという。約束の当日、待合わせの場所で1人の女子大生が殺された!彼女は本当に〈姫〉なのか?
- 本の長さ472ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1995/4/1
- ISBN-104062074966
- ISBN-13978-4062074964
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
パソコン通信が生みだした幻のアイドル「姫」の正体をめぐって、通信仲間は大騒ぎを繰り広げていた。まだ誰も見たことのない、「姫」が姿を現すという。虚構の迷宮・パソコン通信の世界で殺人事件発生。名探偵伊集院は…。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1995/4/1)
- 発売日 : 1995/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 472ページ
- ISBN-10 : 4062074966
- ISBN-13 : 978-4062074964
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,745,023位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 41,750位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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別名に中島梓。東京生まれ。
早稲田大学文学部卒。1977年中島梓名義の「文学の輪郭」で群像新人賞評論部門を受賞。
1978年『ぼくらの時代』で江戸川乱歩賞受賞。以後、作家・栗本薫、評論家・中島梓を使い分けて多彩な文筆活動を展開する。
小説作品は、ミステリ、SF、時代小説、耽美小説と多岐にわたる。1979年よりスタートした、ライフワークともいうべき一大長篇ロマン「グイン・サーガ」は、2005年に100巻を達成したが、2009年著者病没により130巻が最終巻となった。著書は『弦の聖域』、『魔界水滸伝』、『真夜中の天使』など、400冊を超える。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年3月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
時々思い出しては、読みたくなる名作。独断と偏見に則って言いきってしまいますが、栗本薫さんという稀有な作家の、最高傑作であると言えます(私は「絃の聖域」よりも、断然こちらのファンなのです)。
いわゆる「インターネット殺人事件」と言って良いと思うのですが、最初に読んだ時の衝撃たるや、言葉では言い尽くせないほどでした。
私はアガサ・クリスティーやヴァン・ダインのファンですが、この作品に限っては、そうした西洋ミステリに負けない社会的メッセージを感じます。是非とも再販されて、多くの方に読んで頂きたいです。
いわゆる「インターネット殺人事件」と言って良いと思うのですが、最初に読んだ時の衝撃たるや、言葉では言い尽くせないほどでした。
私はアガサ・クリスティーやヴァン・ダインのファンですが、この作品に限っては、そうした西洋ミステリに負けない社会的メッセージを感じます。是非とも再販されて、多くの方に読んで頂きたいです。
2010年5月29日に日本でレビュー済み
伊集院大介の助手となる滝沢稔(愛称:アトムくん)の出会いと,パソコン通信関連の殺人事件.
栗本薫が,特定のサービスを模型としていないというのがすごい.
こんなすごい本が出ていたことを知らなかったのは、とても恥ずかしい.
伊集院大介シリーズを読破しようと思ったのは正解だった.
サービスは,命名からはニフティが一番近そうな気がした.
最後の犯人特定の書き方が,ややチャットらしくないところと,
アトムくんがパソコン通信を始めたいきさつと、伊集院大介に教えるところがやや足早な感じがした.
全体を通じて,ネット社会の課題をあぶりだしているところがすごいと思った.
それだけでなく,ネット社会だけでなく、現実社会も仮面なのだということを指摘しているところが一番深い.
栗本薫が,特定のサービスを模型としていないというのがすごい.
こんなすごい本が出ていたことを知らなかったのは、とても恥ずかしい.
伊集院大介シリーズを読破しようと思ったのは正解だった.
サービスは,命名からはニフティが一番近そうな気がした.
最後の犯人特定の書き方が,ややチャットらしくないところと,
アトムくんがパソコン通信を始めたいきさつと、伊集院大介に教えるところがやや足早な感じがした.
全体を通じて,ネット社会の課題をあぶりだしているところがすごいと思った.
それだけでなく,ネット社会だけでなく、現実社会も仮面なのだということを指摘しているところが一番深い.