発表時、左右・保革双方から猛烈な批判を浴び、話題になった加藤の問題提起に、日本人は今も答えられない。
自国の戦没者(いわゆる靖國の英霊)を哀悼しながら、侵略戦争であるアジア太平洋戦争の被害者にどう贖罪するか。
それは戦後日本人の無思想・主体を構築することだ。
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敗戦後論 単行本 – 1997/8/7
加藤 典洋
(著)
「戦後」の検証から現在を照射する傑作評論戦後の起源に横たわる「ねじれ」がいま日本という人格を分裂させているとし、その克服と主体構築の方途を探る独自の文学的戦後論のしなやかでダイナミックな展開
- 本の長さ340ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1997/8/7
- ISBN-104062086999
- ISBN-13978-4062086998
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
太平洋戦争から半世紀をへて、なお「戦後」と呼ぶことには、たしかに意味があるのではないか。いま生きられる場所の深部で「われわれの戦後」と出会い、真にラディカルな思考の回路を拓く力作評論集。
著者について
1948年、山形に生まれる。東京大学文学部仏文科卒業。国会図書館勤務を経て、現在、明治学院大学国際学部教授、文芸評論家。
著書に『アメリカの影』『ホーロー質』(以上、河出書房新社)、『批評へ』(弓立社)、『君と世界の戦いでは、世界に支援せよ』(筑摩書房)、『ゆるやかな速度』(中央公論社)、『日本風景論』『日本という身体』『この時代の生き方』(以上、講談社)、『村上春樹イエローページ』(編著、荒地出版社)、『加藤典洋の発言』(全3巻、刊行中、海鳥社)、『言語表現法講義』(岩波書店、新潮学芸賞受賞)などがある。
著書に『アメリカの影』『ホーロー質』(以上、河出書房新社)、『批評へ』(弓立社)、『君と世界の戦いでは、世界に支援せよ』(筑摩書房)、『ゆるやかな速度』(中央公論社)、『日本風景論』『日本という身体』『この時代の生き方』(以上、講談社)、『村上春樹イエローページ』(編著、荒地出版社)、『加藤典洋の発言』(全3巻、刊行中、海鳥社)、『言語表現法講義』(岩波書店、新潮学芸賞受賞)などがある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1997/8/7)
- 発売日 : 1997/8/7
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 340ページ
- ISBN-10 : 4062086999
- ISBN-13 : 978-4062086998
- Amazon 売れ筋ランキング: - 181,373位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,892位哲学 (本)
- - 1,965位思想
- - 3,535位近現代日本のエッセー・随筆
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
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2021年9月12日に日本でレビュー済み
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2019年7月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の逝去を知って読む。
「敗戦後論」「戦後後論」「語り口の問題」の3つの論考がセットになっている。著者は「『敗戦後論』が政治篇、『戦後後論』が文学篇、そして『語り口の問題』が、その両者をつなぎ、その他の問題意識と相渉るところで書かれた、蝶番の論(p.337)」と言う。
「敗戦後論」は発表されて20年以上過ぎても新鮮だ。それは、著者の言う、戦後日本の「ねじれ」やそれを隠蔽する日本社会や言論のあり方が20年たっても変わっていないということだろう。「わたし達はいまからでも遅くないから、やはり現行憲法を一度国民投票的手段で『選び直す』必要がある(p.81)」とか、「悪い戦争にかりだされて死んだ死者を、無意味のまま、深く哀悼」し、それが「二千万のアジアの死者の前に立たせる(p.83)」ようなあり方を求めることが必要だという著者の主張は(賛同するかはともかく)今も意味がある。
「戦後後論」は文学に疎いので斜め読み、「語り口の問題」は拾い読みになってしまった(この論考の題材となるアーレント自体が私には超難解だ)。
あと2つ。
私は、太宰治について「青年期にハマる人は多いけれど歳を取ると読んでいて鬱陶しい」というイメージをもっていたのだが、著者が「太宰の文学だけは、戦前と戦後のあいだの水門が開かれても、ぴくりとも水が動かない(p.149)」という形で評価しているのが興味深かった。再読してみようかと思う。あと「『敗者』の位置を動こうとはしなかった(p.97)」「自分の中で『恥ずべき汚点』の自覚の薄れるのをこそ恐れて生きた(p.101)」と著者に評される大岡昇平も読まないといけないなと思う。
広島にある在日原爆犠牲者慰霊碑についての補注(pp.308-309)を読み、それが平和公園に受け入れられなかったという誤認を私も正された。
「敗戦後論」「戦後後論」「語り口の問題」の3つの論考がセットになっている。著者は「『敗戦後論』が政治篇、『戦後後論』が文学篇、そして『語り口の問題』が、その両者をつなぎ、その他の問題意識と相渉るところで書かれた、蝶番の論(p.337)」と言う。
「敗戦後論」は発表されて20年以上過ぎても新鮮だ。それは、著者の言う、戦後日本の「ねじれ」やそれを隠蔽する日本社会や言論のあり方が20年たっても変わっていないということだろう。「わたし達はいまからでも遅くないから、やはり現行憲法を一度国民投票的手段で『選び直す』必要がある(p.81)」とか、「悪い戦争にかりだされて死んだ死者を、無意味のまま、深く哀悼」し、それが「二千万のアジアの死者の前に立たせる(p.83)」ようなあり方を求めることが必要だという著者の主張は(賛同するかはともかく)今も意味がある。
「戦後後論」は文学に疎いので斜め読み、「語り口の問題」は拾い読みになってしまった(この論考の題材となるアーレント自体が私には超難解だ)。
あと2つ。
私は、太宰治について「青年期にハマる人は多いけれど歳を取ると読んでいて鬱陶しい」というイメージをもっていたのだが、著者が「太宰の文学だけは、戦前と戦後のあいだの水門が開かれても、ぴくりとも水が動かない(p.149)」という形で評価しているのが興味深かった。再読してみようかと思う。あと「『敗者』の位置を動こうとはしなかった(p.97)」「自分の中で『恥ずべき汚点』の自覚の薄れるのをこそ恐れて生きた(p.101)」と著者に評される大岡昇平も読まないといけないなと思う。
広島にある在日原爆犠牲者慰霊碑についての補注(pp.308-309)を読み、それが平和公園に受け入れられなかったという誤認を私も正された。
2019年8月31日に日本でレビュー済み
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私たちは本当に我が国の現代史を見つめただろうか。我が国は独立国といえるか。74年間を振り返る機会を得ました。
2018年2月13日に日本でレビュー済み
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この著者の作品には、関心をもってますが、この本は
見落としてました。最近読んだ文芸総合月刊誌の対談で
対談者の評価に出会い、注文しました。
評価納得しました。
未読の方にはおすすめします。
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対談者の評価に出会い、注文しました。
評価納得しました。
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2019年7月15日に日本でレビュー済み
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私は『敗戦後論』を単行本で持っていた。文庫版の内田樹による解説が名文であるという噂を聞いていたので、もう一冊持つことになるが、この度文庫版を買った。そして、「当たり」であった。
とにかく、内田の解説が良い。この解説を読むためだけに、文庫版を買ったがそれだけの値打ちがあった。
ぜひ、多くの人に解説を読んでもらいたい。
優れた書き手は、優れた読み手でもある。
とにかく、内田の解説が良い。この解説を読むためだけに、文庫版を買ったがそれだけの値打ちがあった。
ぜひ、多くの人に解説を読んでもらいたい。
優れた書き手は、優れた読み手でもある。
2019年4月28日に日本でレビュー済み
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大和民族らしい敗戦感情処理なのだろうか。それはそれで良し。新聞の評通りのいい本でした。