どんでんがえしトリックを期待して買ったのですが、読後はその手法より話の重さで泣けました。
嫌な話でしたが、かなり話に入り込んでしまい、最後は清々しさのある終わり方でしたが、読後もしばらくは重さが消えませんでした。
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盤上の敵 単行本 – 1999/9/1
北村 薫
(著)
善と悪の戦いを描いた長編ミステリー問題作。
善と悪の戦い、強い者と弱い者、食う側と食われる側。そして、男性と女性。日本推理作家協会賞受賞作家が、世の中の二極対立を精緻な筆致で描いた長編ミステリー。
これからやるのがチェスだとすれば、まず駒組みを完成させなければならない。借り物は、すんだ。つまり、陣型は整った、というところか。だが、準備完了というわけではない。その前に、最も重要な大駒の配置をする必要がある。それが無理なら、この勝負は最初から投げ出すしかないのだ。――<本文より>
善と悪の戦い、強い者と弱い者、食う側と食われる側。そして、男性と女性。日本推理作家協会賞受賞作家が、世の中の二極対立を精緻な筆致で描いた長編ミステリー。
これからやるのがチェスだとすれば、まず駒組みを完成させなければならない。借り物は、すんだ。つまり、陣型は整った、というところか。だが、準備完了というわけではない。その前に、最も重要な大駒の配置をする必要がある。それが無理なら、この勝負は最初から投げ出すしかないのだ。――<本文より>
- 本の長さ301ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1999/9/1
- ISBN-104062098768
- ISBN-13978-4062098762
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
これからやるのがチェスだとすれば、まず駒組みを完成させなければならない。その前に、最も重要な大駒の配置をする必要がある。それが無理なら、この勝負は最初から投げ出すしかない…。チェスをメタファーとしたミステリー。
著者について
1949年12月、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。’89年“覆面作家”として『空飛ぶ馬』でデビュー。’91年『夜の蝉』で第44回日本推理作家協会賞を受賞。主な作品に、『秋の花』『六の宮の姫君』『朝霧』『スキップ』『ターン』『冬のオペラ』『覆面作家は二人いる』などがある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1999/9/1)
- 発売日 : 1999/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 301ページ
- ISBN-10 : 4062098768
- ISBN-13 : 978-4062098762
- Amazon 売れ筋ランキング: - 503,131位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 136,077位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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北村 薫
1949(昭和24)年、埼玉県生れ。早稲田大学ではミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、’89(平成元)年「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。’91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。作品に『ニッポン硬貨の謎』(2006年本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(’09年直木賞受賞)など:本データは『1950年のバックトス (ISBN-13:978-4101373324 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年3月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
よく言われる「嫌ミス」に属する作品かもしれない。この作品、かねがね評価が高いのは知っていたが、わたしは今回が初読。
うーん、わたし個人の読後感はちょっと微妙かな。冒頭の殺人に至るまでのシーンが無駄に長い気がする。犯人がただ猟銃を奪うためだけの犯行なのに。
あと主人公の妻をめぐる過去の悲劇もいまいち説得力がない。悪役三季の異常なキャラもややインパクトに欠けるような……。
チェスに見立てた構成は、エラリ―・クイーンへのオマージュなのかもしれないが、活かしきれてない気がする。
と、批判ばかりしたが、読み始めれば一気に読ませる力を持った作品であるのは確か。
主人公もしくはその妻に感情移入できれば、エピローグは絶対泣ける。
うーん、わたし個人の読後感はちょっと微妙かな。冒頭の殺人に至るまでのシーンが無駄に長い気がする。犯人がただ猟銃を奪うためだけの犯行なのに。
あと主人公の妻をめぐる過去の悲劇もいまいち説得力がない。悪役三季の異常なキャラもややインパクトに欠けるような……。
チェスに見立てた構成は、エラリ―・クイーンへのオマージュなのかもしれないが、活かしきれてない気がする。
と、批判ばかりしたが、読み始めれば一気に読ませる力を持った作品であるのは確か。
主人公もしくはその妻に感情移入できれば、エピローグは絶対泣ける。
2018年9月20日に日本でレビュー済み
評価☆3を付けている方は、4〜5の方を意識して、と、思われる。
実際は、1〜2が多数ではないかと言う印象。
とにかく、奥さんのパートが、長い。
疲れるので、すっ飛ばして、あとで、ペラペラ読み飛ばしました。
だらけ感が、嫌な方は評価が低い作品。
実際は、1〜2が多数ではないかと言う印象。
とにかく、奥さんのパートが、長い。
疲れるので、すっ飛ばして、あとで、ペラペラ読み飛ばしました。
だらけ感が、嫌な方は評価が低い作品。
2019年4月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
どこがミステリーで、どこに驚愕のどんでん返しがあるのだろか?「我が家に猟銃を持った殺人犯が立てこもり、妻を人質にされた。果たして、警察を出し抜きに、妻を救い出せるのか?」と、読欲をそそるような見出しが飾られてあります。
ところが、妻を人質にされ、殺人犯が立てこもるその前に、重大な出来事が有ったではないか。その事に全く触れず、ひた隠して話しを進めています。最後の方に、その出来事を晒して、「なんと、以外なんだろう。その後の展開はどうなるんだろう。」と、読者はけして思わないです。何故、最初に、そんな重大な出来事を表に出さないのか、理解できません。姑息な手段を取ったとしか思えません。実力あるミステリー作家であれば、初っ端からその出来事も晒して、その上に、妻の人質立てこもり事件が発生した。と物語が始まるのではないでしょうか。そこから、面白く以外な展開を創っていくので、素晴らしい作品が出来上がるのではないでしょうか。
また、妻の少女時代からの生い立ち、回顧シーンにおいても同様です。何故、最初に、妻の事を云っているものだと、明かさないのだろうか。最後の方まで、「誰の回顧録の事」か分かりませんでした。読んでいる最中も、「誰の話し?」と、もやもやしたすっきりしない、嫌な感じが常にありました。何故、あらゆる事象を隠さなければいけないのか。これが、装丁に書かれてあった北村マジックと云うことなのでしょうか。不思議でしょうがありません。
よって、全く魅力のない、つまらない話しになってしまっています。もうこの作家の本は、二度と読まないつもりでいます。
ところが、妻を人質にされ、殺人犯が立てこもるその前に、重大な出来事が有ったではないか。その事に全く触れず、ひた隠して話しを進めています。最後の方に、その出来事を晒して、「なんと、以外なんだろう。その後の展開はどうなるんだろう。」と、読者はけして思わないです。何故、最初に、そんな重大な出来事を表に出さないのか、理解できません。姑息な手段を取ったとしか思えません。実力あるミステリー作家であれば、初っ端からその出来事も晒して、その上に、妻の人質立てこもり事件が発生した。と物語が始まるのではないでしょうか。そこから、面白く以外な展開を創っていくので、素晴らしい作品が出来上がるのではないでしょうか。
また、妻の少女時代からの生い立ち、回顧シーンにおいても同様です。何故、最初に、妻の事を云っているものだと、明かさないのだろうか。最後の方まで、「誰の回顧録の事」か分かりませんでした。読んでいる最中も、「誰の話し?」と、もやもやしたすっきりしない、嫌な感じが常にありました。何故、あらゆる事象を隠さなければいけないのか。これが、装丁に書かれてあった北村マジックと云うことなのでしょうか。不思議でしょうがありません。
よって、全く魅力のない、つまらない話しになってしまっています。もうこの作家の本は、二度と読まないつもりでいます。
2015年11月30日に日本でレビュー済み
本格推理小説は、そのミステリ要素が増すほど登場人物が無機質な「駒」になりがちと感じる。
そのため、自分はアガサクリスティのような作品を愛する一方で、日本の最近の推理小説は敬遠しがちだ。
そんな私が絶賛したいのが本作である。
流石北村氏というべきか、盤上の登場人物はミステリ的な構成のための「駒」ではなく、血の通った存在になっている。
そして、その人間的な内面にこそ、本作の謎を解く最大の鍵が隠されている。
チェス盤を前に、プレイヤーは何を考えているのか。
そこを推理しながら、駒たちの息使いを感じ取ってほしい。
本格的なミステリ要素と、純小説としての要素との見事な融合。
そのため、自分はアガサクリスティのような作品を愛する一方で、日本の最近の推理小説は敬遠しがちだ。
そんな私が絶賛したいのが本作である。
流石北村氏というべきか、盤上の登場人物はミステリ的な構成のための「駒」ではなく、血の通った存在になっている。
そして、その人間的な内面にこそ、本作の謎を解く最大の鍵が隠されている。
チェス盤を前に、プレイヤーは何を考えているのか。
そこを推理しながら、駒たちの息使いを感じ取ってほしい。
本格的なミステリ要素と、純小説としての要素との見事な融合。
2018年5月23日に日本でレビュー済み
90年代後半の年間ミステリー・ベストテンにランクイン。登場人物を、チェスのクイーンやキングに例えるのはなかなか洒落ている。けれど、内容はいじめを含む重い部分もあったりして、全編カラッとしているわけではない。
ストーリー自体はとてもおもしろかった。中盤で意外な事実が明かされ、最後もまずまず。「奥さん」が誰なのか、というのがキーワードだ。
但し、ストーリーテラーとしての作家・北村薫はどうなのか。これだけの素材なのだから、もう少しサスペンス風味をきかせて、ハラハラドキドキ心臓バクバクの描写をしても良かったのではないかとも思う。
300頁あるものの、文章が平易かつ行間がスカスカなので1日で読める。どうでもいいような心理描写も思いっ切りすっ飛ばす。そうすれば半日で読了。
ストーリー自体はとてもおもしろかった。中盤で意外な事実が明かされ、最後もまずまず。「奥さん」が誰なのか、というのがキーワードだ。
但し、ストーリーテラーとしての作家・北村薫はどうなのか。これだけの素材なのだから、もう少しサスペンス風味をきかせて、ハラハラドキドキ心臓バクバクの描写をしても良かったのではないかとも思う。
300頁あるものの、文章が平易かつ行間がスカスカなので1日で読める。どうでもいいような心理描写も思いっ切りすっ飛ばす。そうすれば半日で読了。
2011年6月18日に日本でレビュー済み
本作を読む前に、その評判を聞いてしまっていた。
だから、しばらく読むのを躊躇していた。
読まないままにしようかとも思った。
しかし、読んで良かったと思う。
著者の長編では、ベストの作品だと思う。
本作の仕掛けは、まさにミステリである。
実は、著者がこれだけのミステリ心を持っているとは、失礼ながら認識していなかった。
意外性のための、あざといほどの仕掛け、ミスディレクションともいえる。
でも、それがミステリの遊び心というものなのだ。
映画「アフタースクール」を見たとき、本作の仕掛けを思い出した。
そう、あの映画も、ミステリの遊び心に満ちた作品だった。
著者の異色作とも言われているが、著者の本質は実はここにあるんじゃないかと思う。
そして、著者がこのミステリ心を持っている限り、本作のような傑作長編を、またいつか書いてくれると期待している。
直木賞もいいが、連城氏のように、またミステリに戻ってきてほしい。
レベルの高いミステリがかける作家だと思っている。
だから、しばらく読むのを躊躇していた。
読まないままにしようかとも思った。
しかし、読んで良かったと思う。
著者の長編では、ベストの作品だと思う。
本作の仕掛けは、まさにミステリである。
実は、著者がこれだけのミステリ心を持っているとは、失礼ながら認識していなかった。
意外性のための、あざといほどの仕掛け、ミスディレクションともいえる。
でも、それがミステリの遊び心というものなのだ。
映画「アフタースクール」を見たとき、本作の仕掛けを思い出した。
そう、あの映画も、ミステリの遊び心に満ちた作品だった。
著者の異色作とも言われているが、著者の本質は実はここにあるんじゃないかと思う。
そして、著者がこのミステリ心を持っている限り、本作のような傑作長編を、またいつか書いてくれると期待している。
直木賞もいいが、連城氏のように、またミステリに戻ってきてほしい。
レベルの高いミステリがかける作家だと思っている。
2012年8月22日に日本でレビュー済み
全編に渡るご都合主義っぷりに耐えられるかが評価の分かれ目になる作品
特に影の薄い立てこもり犯の協力っぷりは謎だ
もし自分が犯人の立場なら、主人公など脱出した後適当に殺していたと思う
また冒頭思わせっぷりに銃を撃たせたりしたのに、特に意味がなかったのも残念
奥さんの回想も長い。しかも事件に絡むのはちょっとだけと恐ろしいほどの水増し
そしていくらなんでも警察が間抜けすぎる
こういった人の目の集まる事件の場合、もっと気合を入れそうなものだが・・・・
もう少し車を追い回したり、もう一つの事件に絡んだり執念を見せて欲しかった
チェスで例えるなら主人公だけ盤の上にクイーン三個ぐらい置ける超ハンデ戦で楽勝みたいな感じで
読み終えてもあまりすっきりしなかった
特に影の薄い立てこもり犯の協力っぷりは謎だ
もし自分が犯人の立場なら、主人公など脱出した後適当に殺していたと思う
また冒頭思わせっぷりに銃を撃たせたりしたのに、特に意味がなかったのも残念
奥さんの回想も長い。しかも事件に絡むのはちょっとだけと恐ろしいほどの水増し
そしていくらなんでも警察が間抜けすぎる
こういった人の目の集まる事件の場合、もっと気合を入れそうなものだが・・・・
もう少し車を追い回したり、もう一つの事件に絡んだり執念を見せて欲しかった
チェスで例えるなら主人公だけ盤の上にクイーン三個ぐらい置ける超ハンデ戦で楽勝みたいな感じで
読み終えてもあまりすっきりしなかった