イスラマバードからカリマバードまで山旅も含めての旅のあとに読みました。
30年も前の紀行文なのですが、変わらない文化や人が息づいていました。
楽しくよみました。
19才の息子さんにとってはどんな旅だったのでしょうか?
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ひとたびはポプラに臥す(6) 単行本(ソフトカバー) – 2000/3/31
宮本 輝
(著)
宮本輝がシルクロードを往く長篇紀行完結篇20年来の念願の地シルクロードで、作家は何を見て何を感じ何を考えたか?熱砂の大地に宮本文学の新たな出発を刻む金字塔的長編紀行エッセイついに完結!
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2000/3/31
- ISBN-104062100606
- ISBN-13978-4062100601
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
鳩摩羅什の足跡を追うシルクロード6700キロの旅は、終着の地ガンダーラへと辿りついた…。熱砂の大地に作家・宮本輝の原点を刻み、新たな出発を告げる「人生の紀行」、ついに完結。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2000/3/31)
- 発売日 : 2000/3/31
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 256ページ
- ISBN-10 : 4062100606
- ISBN-13 : 978-4062100601
- Amazon 売れ筋ランキング: - 994,633位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,183位日本文学(日記・書簡)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1947(昭和22)年、兵庫県神戸市生れ。追手門学院大学文学部卒業。
広告代理店勤務等を経て、1977年「泥の河」で太宰治賞を、翌年「螢川」で芥川賞を受賞。その後、結核のため二年ほどの療養生活を送るが、回復後、旺盛な執筆活動をすすめる。『道頓堀川』『錦繍』『青が散る』『流転の海』『優駿』(吉川英治文学賞)『約束の冬』『にぎやかな天地』『骸骨ビルの庭』等著書多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年3月25日に日本でレビュー済み
題名も普通の紀行文とはちょっと違ったものですが、内容もただの紀行文ではありません。深夜特急が青春の情熱をそのままに旅を続けているものだとすれば、こちらは情熱のかけらもなくそれでも仕方なしに旅を続けている。
若い頃にこの本を読んだとすれば、「なーんだ」で終わってしまうだろうけど、今両方をまた読み返してみると深夜特急の方が「なーんだ」という感じに変わっている自分を発見しました。
このあたりは著者の物語づくりのうまさだと思います。ゆるい紀行文でありながらとても現実感と深夜特急とは逆の意味でわくわく感を得られる、とても不思議な物語です。
まず深夜特急を読んで、少したってから本書を読んでみるといろいろ人生に対する視点なども再確認できて面白いと思います。
若い頃にこの本を読んだとすれば、「なーんだ」で終わってしまうだろうけど、今両方をまた読み返してみると深夜特急の方が「なーんだ」という感じに変わっている自分を発見しました。
このあたりは著者の物語づくりのうまさだと思います。ゆるい紀行文でありながらとても現実感と深夜特急とは逆の意味でわくわく感を得られる、とても不思議な物語です。
まず深夜特急を読んで、少したってから本書を読んでみるといろいろ人生に対する視点なども再確認できて面白いと思います。
2006年6月17日に日本でレビュー済み
シルクロードの旅も終着点に近づき、星降るフンザをぬけ、インダスを渡ってペシャワールへと辿りついた。
飛行機でひとっ飛びしてしまえば、ただの山脈に囲まれた街に過ぎないかもしれない。しかし車でひたすら走るシルクロードは、本を読んでいるだけで長い旅だったと思うくらいだ。砂漠をぬけたガンダーラはまさしく桃源郷のように思えるだろう。まして古来のシルクロードにおいてであれば、なおさらである。
夜空を見上げて感動するだけの余裕もようやく出てきたといったところだろうか。フンザの夜空をみつめて、見えたのは過去ばかりではなかっただろう。筆者の言葉に、これまでにない重みを感じた。
桃源郷でも現実の世界はついてくるもので、イスラム圏のためにアルコール探しに奔走する姿もユーモラスに書かれている。それにマリファナのために放浪する日本人の姿も。
巻末に添えられている「旅のアルバム」は、それまでの挿絵として挿入されている写真とは違って旅行の写真っていう雰囲気が伝わってくる。プロのカメラマンの撮る写真というものにも触れられてよかったと思う。
飛行機でひとっ飛びしてしまえば、ただの山脈に囲まれた街に過ぎないかもしれない。しかし車でひたすら走るシルクロードは、本を読んでいるだけで長い旅だったと思うくらいだ。砂漠をぬけたガンダーラはまさしく桃源郷のように思えるだろう。まして古来のシルクロードにおいてであれば、なおさらである。
夜空を見上げて感動するだけの余裕もようやく出てきたといったところだろうか。フンザの夜空をみつめて、見えたのは過去ばかりではなかっただろう。筆者の言葉に、これまでにない重みを感じた。
桃源郷でも現実の世界はついてくるもので、イスラム圏のためにアルコール探しに奔走する姿もユーモラスに書かれている。それにマリファナのために放浪する日本人の姿も。
巻末に添えられている「旅のアルバム」は、それまでの挿絵として挿入されている写真とは違って旅行の写真っていう雰囲気が伝わってくる。プロのカメラマンの撮る写真というものにも触れられてよかったと思う。
2000年12月14日に日本でレビュー済み
この本を知って一気に6巻まで読んだ。結局鳩摩羅十のことは作者が期待するほどはわからなかったが、壮大な旅をしたものだ。それにしても中国という国の広大さよ。現地ガイドと新潟の新聞記者と作者の息子とのかかわりがときにはおかしく、時にはアブナく、喧嘩別れしそうになったこともある。タクラマカンからカシュガル・・クンジェラブ峠・・フンザのあたりは圧巻で息を呑んでページをめくった。わたしは個人的にもその方面に行きたいと思っているので、食い入るように読んだ。この旅の取材で彼は「草原の椅子」を書いた。人によってはこあたりの旅は人生をも変えてしまうことがあるだろう。もう一度ゆっくり読みたいすばらしい本だ。
2006年8月27日に日本でレビュー済み
著者が、仏教経典の翻訳者であった鳩摩羅什という人物がかつて旅した足跡をそのまま辿った旅行記。
著者は関西人らしく、会話のはしばしにユーモアがちりばめられていて、面白く読める。また、旅の途上で宮本輝が何を考え、何を見たかがストレートに伝わってきて、興味深い。
ただ、1ヶ所、気になる部分があった。著者は、自分が作り出す物語に自分の解釈や説明や理由付けを行ってはならないと書いている。しかし、自分の解釈がない小説など、毒にも薬にもならない。そんな小説に心が動かされるはずはない。小説とは、人生や社会、事件などへの意見、批判、または問題提起となるべきだと私は考える。何らかのメッセージがこめられていない小説など、存在価値がないと思うのである。宮本輝がなぜそんなことをいったのかは分からないが、私の小説観とは意見が異なるようである。
波乱に満ちた旅の最後に、著者はずっと持ち続けていた感情を自覚する。「虚しさ」である。この言葉がすべてを物語っているように思われる。古代の王、ソロモンは言った。「空の空、すべては空」。何を成し遂げようとも、どんなに富があろうとも、結局はすべてが虚しいとこの王は言ったのである。著者が期せずして同じ結論にたどりついたのも、ソロモンの言葉の正しさを表しているのではないだろうか。
著者は関西人らしく、会話のはしばしにユーモアがちりばめられていて、面白く読める。また、旅の途上で宮本輝が何を考え、何を見たかがストレートに伝わってきて、興味深い。
ただ、1ヶ所、気になる部分があった。著者は、自分が作り出す物語に自分の解釈や説明や理由付けを行ってはならないと書いている。しかし、自分の解釈がない小説など、毒にも薬にもならない。そんな小説に心が動かされるはずはない。小説とは、人生や社会、事件などへの意見、批判、または問題提起となるべきだと私は考える。何らかのメッセージがこめられていない小説など、存在価値がないと思うのである。宮本輝がなぜそんなことをいったのかは分からないが、私の小説観とは意見が異なるようである。
波乱に満ちた旅の最後に、著者はずっと持ち続けていた感情を自覚する。「虚しさ」である。この言葉がすべてを物語っているように思われる。古代の王、ソロモンは言った。「空の空、すべては空」。何を成し遂げようとも、どんなに富があろうとも、結局はすべてが虚しいとこの王は言ったのである。著者が期せずして同じ結論にたどりついたのも、ソロモンの言葉の正しさを表しているのではないだろうか。
2002年5月30日に日本でレビュー済み
4月中旬日本に出張したとき、6冊を揃って買い求め、一気に読んだ。当初の、鳩摩羅什の軌跡を辿るという期待は、現代中国の辺境地区の現実に出会い見事に打ち砕かれる。
が、6700kmの旅のなかでの、人々との出会いや、広大な砂漠に身をおいて、著者が思う自らの半生の回顧、著者の豊富な読書暦からの引用とコメント、鳩摩羅什への思いなど、幅広く人生を考察する機会を読者に与えてくれる書である。
著者の少年時代、作家への道を歩み始めたころの回想も、その苦しさ、せつなさは、彼の他の書で目にしていた記憶もあるが、改めて実感し、読者にとってのそれなりの指針となることと思う。
惜しむらくは、スポンサーのついた旅であったため、紀行のスタイルを崩せなかったのだと思うが、メンバーやガイドとのやりとりで、地元文化の話題になるところは容認できるが、やや冗長の感が否めない。「ドナウ」風のフィクションにしたてた時には面白いとは思うが。
が、6700kmの旅のなかでの、人々との出会いや、広大な砂漠に身をおいて、著者が思う自らの半生の回顧、著者の豊富な読書暦からの引用とコメント、鳩摩羅什への思いなど、幅広く人生を考察する機会を読者に与えてくれる書である。
著者の少年時代、作家への道を歩み始めたころの回想も、その苦しさ、せつなさは、彼の他の書で目にしていた記憶もあるが、改めて実感し、読者にとってのそれなりの指針となることと思う。
惜しむらくは、スポンサーのついた旅であったため、紀行のスタイルを崩せなかったのだと思うが、メンバーやガイドとのやりとりで、地元文化の話題になるところは容認できるが、やや冗長の感が否めない。「ドナウ」風のフィクションにしたてた時には面白いとは思うが。