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ぼんくら 単行本 – 2000/4/20

4.0 5つ星のうち4.0 24個の評価

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その長屋から、一人二人と人が消えていく!店子を襲った殺し屋、差配人の出奔、謎の新興宗教騒ぎ。江戸下町の長屋で連続する事件の裏の陰謀に同心・井筒平四郎が挑む。満を持して放つ、直木賞受賞第一作!

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商品の説明

メディア掲載レビューほか

江戸・深川の長屋を舞台に同心の井筒平四郎が、大商人の湊屋総右衛門の17年に及ぶ遠大な計画を暴いていく。それまで何事もなかった平和な長屋に、ある夜、寝たきりの父親を持つ兄妹の家に殺し屋が押し入り兄を殺害するという事件が起こる。

この事件を皮切りに、次々と長屋の店子たちに不幸が襲いかかり、順番に長屋を離れていく。長屋の大家である湊屋が店子をこっそりと追い出そうとしているという企みに井筒が気づき、仲間の岡っ引きらの手を借りて真相を究明する。

ビジネスマンに大人気の宮部みゆき氏の新作。江戸時代の長屋の支配構造や、風俗、警察権のあり方などが細部まで検証されている。

500ページを超える大作だが、軽快な言い回しと巧みな舞台展開により一気に読み進むことができる。最後はおおかたの読者の期待を裏切って…。構成の妙も感じさせる作品だ。


(日経ビジネス2000/6/5号 Copyright©日経BP社.All rights reserved.)
--
日経ビジネス

内容(「MARC」データベースより)

店子を襲った殺し屋、差配人の出奔、謎の新興宗教騒ぎ。江戸下町の長屋から、ひとりずつ人が消えていく。連続する事件の裏の陰謀に、同心・井筒平四郎と超美形少年・弓之助が挑む。長編時代ミステリー。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2000/4/20)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2000/4/20
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 516ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4062100886
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4062100885
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 24個の評価

著者について

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宮部 みゆき
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1960年生まれ。東京都出身。東京都立墨田川高校卒業。

法律事務所等に勤務の後、87年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞してデビュー。

1992年 「龍は眠る」で第45回日本推理作家協会賞長編部門、 同年「本所深川ふしぎ草紙」で第13回吉川英治文学新人賞。1993年 「火車」で第6回山本周五郎賞。1997年 「蒲生邸事件」で第18回日本SF大賞。1999年 「理由」で第120回直木賞。2001年 「模倣犯」で毎日出版文化賞特別賞、第5回司馬遼太郎賞 、 第52回芸術選奨文部科学大臣賞文学部門をそれぞれ受賞。2007年 「名もなき毒」で第41回吉川英治文学賞受賞。2008年 英訳版『BRAVE STORY』でThe Batchelder Award 受賞。2022年 第70回菊池寛賞受賞。

カスタマーレビュー

星5つ中4つ
5つのうち4つ
24グローバルレーティング

この商品をレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2021年1月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ぼんくら、日暮らし、おまえさん。
このシリーズは大好きです。
宮部さんの江戸物のなかでも、人情があふれて、妖怪も出て、
登場人物のキャラ設定が面白くていいです。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年5月18日に日本でレビュー済み
 幾つかの読みきり短編小説の寄せ集めかと思いきや、それぞれが関連を持ち連続しています。

 最初の数話を読むだけでは、「何だ!?」みたいな感想だと思います。肩透かしかな、と落胆するなかれ! 最後から2話目の「長い影」がまとめです。500頁中、350頁はこの話なので、これを読まないといけません。

 他の宮部作品のようなドキドキ感、スピード感はありませんが、すんなりと読めること、そこはかとない江戸の人情が漂ってくることなど、この小説の良い部分はたくさんあります。ただ、だからと言って星4つは誉め過ぎかと。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年5月28日に日本でレビュー済み
短編集かと思いきや、実は非常に長く絡まった話。
井筒平四郎がのらりくらりとしながらも、鉄瓶長屋の一連の事件のからくりに迫り、ビシッと決める。愛すべきキャラクターがたくさんでます。
2009年10月27日に日本でレビュー済み
長屋からひとりずつ人が消えていく。店子を襲った殺し屋、差配人の出奔、謎の新興宗教騒ぎ。江戸下町の長屋で連続する事件の裏の陰謀に、同心・井筒平四郎と超美形少年・弓之助が挑む。奉行所きっての怠けもの同心・井筒平四郎。超美形少年の弓之助。神出鬼没の隠密同心・黒豆。回向院の茂七の手下・政五郎。驚異の人間テレコ・おでこ。若き差配人・佐吉など個性豊かな登場人物が勢ぞろいです。個性豊かな登場人物と人物描写の巧みさ、時代考証の確かさ、そして推理小説のような展開。飽きさせません。まさに宮部みゆきの時代小説の傑作です。
名もなき毒 (カッパ・ノベルス)
宮部みゆきの魅力 (museo)
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年1月13日に日本でレビュー済み
宮部みゆきの時代小説の中で一番好きな作品。
ぐいぐいひきこまれるストーリーもさることながら、
登場人物の誰もが魅力満点です。
どっぷり「ぼんくら」ワールドに浸って、江戸の町にタイムトリップできます。
ほんとに大好き!
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年3月14日に日本でレビュー済み
 登場人物の魅力が溢れんばかりの作品。複雑なことが好きでない、適当に生きているが、人間味溢れる平次郎に、勝気でしっかり物で、他人をほっておけない煮物屋のお徳さん。義理がたく、何でも一生懸命な差配人の佐吉。春を売る仕事をしてちゃきちゃき物だが、根はとてもいい人なおくめさん。頭が良くてなんとなく生意気な烏の官九郎。平次郎のお付で、「うへえ」が口癖の小平次。親に捨てられて、少し頭が鈍いが、佐吉のもとで一生懸命生活している長助。みんなとっても魅力的で大好きになりました。
 でも特にお気に入りなのが、会話を文に書くように暗記できる、おでこのひろ〜い子どものおでこ!それと、おでことは対象的に誰もが振り返るほどの文句の付けようのない美形のこどもの弓之助!この二人が出てくるたびに、心がポカポカします。おでこは、教科書を丸暗記するように話を覚えるので、その話の記憶を頭の中から引き出すときに、白目になったり、途中で話を遮られると、また始めから巻き戻してはなさなくちゃいけないところとか、すごく可愛いです。返事が「あい」って所も可愛い。弓之助は子どもなのに頭がとっても良くて大人と対等に話ができるのに、おねしょ癖が直らずえんえん泣いたり、話の途中で足を痺らせてころ〜んと転げたり、たまに見せる子どもの部分がとっても可愛いです!
 
 湊屋総右衛門がどういう人物で何を考えて長屋から店子を追い出したいのか、結末が気になり、下巻は結構一気に読み終えました。鉄瓶長屋から店子を追い出そうとした黒幕の湊屋は結局何のお咎めも受けず、なんだかまだ真相ははっきりしないような感じでした。総右衛門が全く反省していないところは腹が立ちました。でも平次郎がいつもの調子で、このお話をまとめてくれた感じで、後読感が悪いとかは全然感じなかったです。佐吉さん、どうか幸せになって〜!私はこの作品大好きです。読んでいない人は是非読んでみて欲しいです。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年1月31日に日本でレビュー済み
500ページをこえる時代小説でしたが、先が気になり一気に読みました。
宮部みゆきの人物描写の巧みさと時代考証の確かさ、そして推理小説仕立ての展開が飽きさせませんでした。おっとりとした同心・井筒平四郎の存在が作品全体に漂うゆったり感を醸し出していますし、長屋を取り仕切っている煮売屋のお徳が狂言回し的な存在で、最初から最後まで大切な役割を果たしました。後半に登場する12歳の平四郎の甥っ子・弓之助の天才ぶりや政五郎親分のところにいる奇才おでこの超人的能力もまた小説に深みをもたらしました。烏の官九郎が伝書鳩かわりに活躍するなど小説の醍醐味を味わいました。

深川北町の鉄瓶長屋の描写も映像を見るように鮮やかに描写してあります。藤堂和泉守屋敷の裏ですから、江戸の古地図と照らせ合わせば場所がはっきりと見えてくるでしょう。
また江戸時代の町人の自治組織の町年寄、名主の下にいる差配人の存在がこの小説のキーになっています。連帯責任制ゆえ、店子の問題に口をだすわけですが、前の差配人久兵衛、新しい差配人佐吉の存在も最後まで重要でした。
大商人の湊屋総右衛門が一方のキーパーソンですが、伝聞描写やエピソードだけでなかなか実際に登場しないのも、にくい演出でした。

本作は小説現代で18回掲載されたあと、加筆訂正されていますので、連作の形をとった長編小説という珍しい形式なのも理解できます。最終章の「幽霊」のみ書き下ろしです。確かに多くの出来事をまとめるのにふさわしい登場人物でしたし、鉄瓶長屋の謂われがでてきて、なるほどそうしめるか、という展開は作者のストーリー・テラーとしての巧さを感じました。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2010年6月20日に日本でレビュー済み
魅力はコミカルに描かれた登場人物にある。温かい人情味のある時代劇が短編的に綴られる前半部分は非常に面白い。

しかし頁をめくるほどに、人情時代劇から長編ミステリーへと期待が移ってしまう。しかし何か驚きの展開や結末があるわけでもなく、ミステリーというほどミステリーではない。

面白く読めるのだが、いまいち読後の満足感が得られなかったのは、この残念な中途半端さのせいだったのだろうか。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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