ただただ、こんな濃厚で激しい恋愛をできることが
うらやましいと。
あまり普段恋愛物は読まないが、
非常に読ませる作家だった。
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マラケシュ心中 単行本 – 2002/10/1
中山 可穂
(著)
愛は、極めねばなりません。
極めたら、死なねばなりません。
山本周五郎賞作家がおくる、戦慄と至福の書下ろし傑作長篇。
究極の恋愛小説。
恋がいつか必ず終わるものなら、
わたしたちは恋人同士になるのはやめましょう。
何も契らず、何も約束せず、からだに触れ合わず、それゆえに嫉妬もない、
いかなるときも自由で、平明で、対等な関係のまま、
いつまでも離れずに、この世で最も美しい友になりましょう。――(本文より)
極めたら、死なねばなりません。
山本周五郎賞作家がおくる、戦慄と至福の書下ろし傑作長篇。
究極の恋愛小説。
恋がいつか必ず終わるものなら、
わたしたちは恋人同士になるのはやめましょう。
何も契らず、何も約束せず、からだに触れ合わず、それゆえに嫉妬もない、
いかなるときも自由で、平明で、対等な関係のまま、
いつまでも離れずに、この世で最も美しい友になりましょう。――(本文より)
- 本の長さ370ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2002/10/1
- ISBN-104062104393
- ISBN-13978-4062104395
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
愛は極めねばなりません。極めたら死なねばなりません…。愛の絶対的探求を描く書下ろし長篇。女性と女性の性愛の深み、歌人の中に吹く淫蕩の嵐を北アフリカの砂漠の嵐に呑みこませて綴る恋愛小説。
著者について
■中山可穂(なかやまかほ)
1960年生まれ。早稲田大学教育学部英文科卒。1993年『猫背の王子』で作家デビュー。1995年『天使の骨』で朝日新人文学賞を、2001年『白い薔薇の淵まで』で山本周五郎賞を受賞。『花伽藍』は直木賞候補となる。著書はほかに『感情教育』『サグラダ・ファミリア』『深爪』がある。
1960年生まれ。早稲田大学教育学部英文科卒。1993年『猫背の王子』で作家デビュー。1995年『天使の骨』で朝日新人文学賞を、2001年『白い薔薇の淵まで』で山本周五郎賞を受賞。『花伽藍』は直木賞候補となる。著書はほかに『感情教育』『サグラダ・ファミリア』『深爪』がある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2002/10/1)
- 発売日 : 2002/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 370ページ
- ISBN-10 : 4062104393
- ISBN-13 : 978-4062104395
- Amazon 売れ筋ランキング: - 765,851位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 17,599位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年2月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
マラケシュを含めて、モロッコに旅行したことがあったのでこの本のタイトルが目に止まって買って読みました。
モロッコの描写と作中の恋愛描写が見事に絡み合い、痛みや悲しみが伝わってくる作品でした。
読み応えがありおすすめできる一冊です。
モロッコの描写と作中の恋愛描写が見事に絡み合い、痛みや悲しみが伝わってくる作品でした。
読み応えがありおすすめできる一冊です。
2011年8月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
レビュアーはビアン目線です。ノンケの方だと、そもそも女同士の恋心にどの程度感情移入できるか、そこまでいかなくともゲイの恋というものをどこまで許容出来るか。それによって作品の面白さは全然変わってくるかと思います。
とはいえ、熱く苦しく重い逃避行のような恋。腰をすえて、覚悟してページを開いて入り込んだが最後、戻れない恋から目が離せなくなってゆくでしょう。
おそらく著者が実際旅路の中、肌で感じたであろう熱気や匂いが、活字のインクからにじみ出てくるような後半が特に秀逸です。
少しだけケチをつけてしまうと、結局未解決のまま放リ出してしまった事由が残っていたり、後半の主人公の心情の変化にいささかついていけなかったというのはあります。ですがそれだけスルーしてしまえば、十分な重さで心に迫ってくる一冊です。
それと、この作品の中でモティーフのひとつとして使われている「短歌」ですが。この作品を読み「ああ、短歌って色っぽいかも」と感じました。
とはいえ、熱く苦しく重い逃避行のような恋。腰をすえて、覚悟してページを開いて入り込んだが最後、戻れない恋から目が離せなくなってゆくでしょう。
おそらく著者が実際旅路の中、肌で感じたであろう熱気や匂いが、活字のインクからにじみ出てくるような後半が特に秀逸です。
少しだけケチをつけてしまうと、結局未解決のまま放リ出してしまった事由が残っていたり、後半の主人公の心情の変化にいささかついていけなかったというのはあります。ですがそれだけスルーしてしまえば、十分な重さで心に迫ってくる一冊です。
それと、この作品の中でモティーフのひとつとして使われている「短歌」ですが。この作品を読み「ああ、短歌って色っぽいかも」と感じました。
2007年11月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
美しい友のままでいられれば、あの人との関係は切れずにすんだのだろうか。ヒロインである泉の差し出した道徳律は、私が抱えている後悔を再燃させた。恋がいつか終わるものなら、なんで友に踏みとどまらなかったのか。そんな後悔を持つ人は、泉の提案に頷くだろう。
しかし、私は主人公絢彦の気持ちに寄り添う。好きな人の心だけでは満たされない。体だけではもっと満たされない。心も体も切り離さずに愛したい。しかし、たった一つの出会いの後は、死ぬ瞬間まで私はその人に満たされているのだ。
作者の描く思いつめるような恋愛にシンパシーを感じ、生の喜びと性の歓びに憧れを抱く。負けてしまった恋でも、相手が生きているだけで自分の生を励ましてくれる人がいる幸せを思う。
この終わり方がよかったと思った。ほっと一息、ため息のように息を吐く。しばらく本が読めなくなったほど、緊張感にあふれる恋愛小説だった。三十路に入ってから読む本だ。
心中は凡人には及ばぬ領域。そんな恋は恐ろしくてできやしない。小説で味わうだけで十分だ。私は凡人のまま、寄り添う恋を、生き抜く愛を、祈っていたいものだ。
しかし、私は主人公絢彦の気持ちに寄り添う。好きな人の心だけでは満たされない。体だけではもっと満たされない。心も体も切り離さずに愛したい。しかし、たった一つの出会いの後は、死ぬ瞬間まで私はその人に満たされているのだ。
作者の描く思いつめるような恋愛にシンパシーを感じ、生の喜びと性の歓びに憧れを抱く。負けてしまった恋でも、相手が生きているだけで自分の生を励ましてくれる人がいる幸せを思う。
この終わり方がよかったと思った。ほっと一息、ため息のように息を吐く。しばらく本が読めなくなったほど、緊張感にあふれる恋愛小説だった。三十路に入ってから読む本だ。
心中は凡人には及ばぬ領域。そんな恋は恐ろしくてできやしない。小説で味わうだけで十分だ。私は凡人のまま、寄り添う恋を、生き抜く愛を、祈っていたいものだ。
2005年10月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中山可穂さんの小説は性描写が非常に多いがそれだけが本質ではない。ビアン小説というだけで嫌悪する人も中にはいるかもしれない。だが、彼女が書く作品は純愛なのだ。感動作というチープな表現は使えない。戦慄を覚える愛の作品というべきだと思う。はっきりいってメチャクチャ濃い内容です。ただ合う人と合わない人にハッキリと分かれると思います。読了後になんともいえない疲労感が漂えば中山可穂ワールドに入ったことになるでしょう。『マラケシュ心中』 この”マラケシュ” の意味はあえて触れないでおきます。表題なのでもちろん意味があるけれども読書前にビジョンさせないほうが面白いかと思う。
「恋がいつか終わるものなら、わたしたちは恋人同士になるのはやめましょう。何も契らず、何も約束せず、からだに触れ合わず、それゆえに嫉妬もない、いかなるときも自由で、平明で、対等な関係のまま、いつまでも離れずに、この世で最も美しい友になりましょう。」(本文より)
中山可穂さんの小説は心の中をズカズカと入ってくる印象がある。右にも左にも揺さぶられる。展開は非常にスピーディ。早い展開の中で衝撃的な場面が次々と現れる。読むというよりはページを繰るという感じになってくる。構成という意味ではすこし下手くそな作家かもしれない。だけど筆力がある。強引といっても良い力強さがある。荒れた海を想像して欲しい。
―――高波が次々と襲う。しかし無謀にもその海へ果敢に飛び込んでゆく。溺れ、嘆き、罵倒する。助けを呼ぼうとはしない。自分自身で問題を解決していこうとする。波がおさまるのを待つのではなく。荒波に襲われた状況下でなにができるかを問う。
中山可穂さんの小説のイメージはこんな感じだ。その一方、必ず猫が登場するのは微笑ましい気がするのは僕だけだろうか?
「恋がいつか終わるものなら、わたしたちは恋人同士になるのはやめましょう。何も契らず、何も約束せず、からだに触れ合わず、それゆえに嫉妬もない、いかなるときも自由で、平明で、対等な関係のまま、いつまでも離れずに、この世で最も美しい友になりましょう。」(本文より)
中山可穂さんの小説は心の中をズカズカと入ってくる印象がある。右にも左にも揺さぶられる。展開は非常にスピーディ。早い展開の中で衝撃的な場面が次々と現れる。読むというよりはページを繰るという感じになってくる。構成という意味ではすこし下手くそな作家かもしれない。だけど筆力がある。強引といっても良い力強さがある。荒れた海を想像して欲しい。
―――高波が次々と襲う。しかし無謀にもその海へ果敢に飛び込んでゆく。溺れ、嘆き、罵倒する。助けを呼ぼうとはしない。自分自身で問題を解決していこうとする。波がおさまるのを待つのではなく。荒波に襲われた状況下でなにができるかを問う。
中山可穂さんの小説のイメージはこんな感じだ。その一方、必ず猫が登場するのは微笑ましい気がするのは僕だけだろうか?
2012年12月13日に日本でレビュー済み
女性同士の恋愛ものなので人を選ぶと思いますが、私はどっぷりと夢中にさせられました。
個人的にはあまり馴染みのない短歌の世界も知れて、面白かった。
舞台は日本からフランス、ギリシャ、スペイン、モロッコなどを巡っていくワールドワイドなものになっていますが、
絢彦と泉のお互いを愛するその熱量は莫大で、そのスケールの大きさが妙にマッチしています。
また、まるで実際に旅行をしているような気分になり、英語を喋ることができ旅慣れしてる絢彦に憧れました。
救いのあるラストも高評価の一因です。
個人的にはあまり馴染みのない短歌の世界も知れて、面白かった。
舞台は日本からフランス、ギリシャ、スペイン、モロッコなどを巡っていくワールドワイドなものになっていますが、
絢彦と泉のお互いを愛するその熱量は莫大で、そのスケールの大きさが妙にマッチしています。
また、まるで実際に旅行をしているような気分になり、英語を喋ることができ旅慣れしてる絢彦に憧れました。
救いのあるラストも高評価の一因です。
2011年5月21日に日本でレビュー済み
はじめての中山可穂作品でした。正直読んでいて息が苦しく少しづつ読み進めました。
情熱的で自分の身を蝕むように相手を殺すように想ってしまう絢彦と、激しい恋に惹かれつつも戸惑い自分を閉ざして生きる泉。
対極にいるような二人の女性の濃厚で死へと向かうような恋路。
私も絢彦と同じく女性でありながら女性が好き。
けれどいまだ絢彦のような相手と出会ったことはなく、異性愛が当然という価値観の人間たちに取り囲まれ自分を解放できぬつまらぬ乾燥した日々を送っているのです。
だから泉がうらやましかった。二人で紡いだ繭の中に閉じこめられ互いの息遣いと体温を交換しながら死ぬように生きるその姿は私の望む恋愛の形でした。
それでもこの世のもうひとつの性である「男」が繭を破ろうと介入する。
「男」は「女」が自分たちの与り知らぬ世界を創ることは許せないのでしょうか。
情熱的で自分の身を蝕むように相手を殺すように想ってしまう絢彦と、激しい恋に惹かれつつも戸惑い自分を閉ざして生きる泉。
対極にいるような二人の女性の濃厚で死へと向かうような恋路。
私も絢彦と同じく女性でありながら女性が好き。
けれどいまだ絢彦のような相手と出会ったことはなく、異性愛が当然という価値観の人間たちに取り囲まれ自分を解放できぬつまらぬ乾燥した日々を送っているのです。
だから泉がうらやましかった。二人で紡いだ繭の中に閉じこめられ互いの息遣いと体温を交換しながら死ぬように生きるその姿は私の望む恋愛の形でした。
それでもこの世のもうひとつの性である「男」が繭を破ろうと介入する。
「男」は「女」が自分たちの与り知らぬ世界を創ることは許せないのでしょうか。
2003年10月30日に日本でレビュー済み
ひどい……本当にひどい話である。
読んでいる最中に私は、これは作者が何がしかの怨念を込めて書いたのではあるまいかと思ったほどである。
それだけにラストシーンには救われた。たとえ、広瀬マオ(主人公・絢彦に想いを寄せるアイドル歌手)があまりにも可哀想すぎるという事実があったにしても、である。
軽い気持ちで読むと痛い目にあう。
中山作品の中では最も覚悟を要求される1冊であり、中山可穂入門書としては間違ってもお薦めできない。
ゆえに上級者向けである。
読んでいる最中に私は、これは作者が何がしかの怨念を込めて書いたのではあるまいかと思ったほどである。
それだけにラストシーンには救われた。たとえ、広瀬マオ(主人公・絢彦に想いを寄せるアイドル歌手)があまりにも可哀想すぎるという事実があったにしても、である。
軽い気持ちで読むと痛い目にあう。
中山作品の中では最も覚悟を要求される1冊であり、中山可穂入門書としては間違ってもお薦めできない。
ゆえに上級者向けである。