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救急精神病棟 単行本 – 2003/10/1
- 本の長さ377ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2003/10/1
- ISBN-104062109255
- ISBN-13978-4062109253
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商品の説明
商品説明
「社会は、それにふさわしい犯罪をもつ」という有名な言葉がある。精神疾患も同様に、その社会の負の側面を浮き彫りにするようなところがある。とりわけ価値観が多様化し、長期不況も追い討ちをかける現代日本では、鬱(うつ)状態や自殺は、もはや身近な話題だとすら言える。「人間社会の不可解さを突きつけてくるテーマに惹かれるのはジャーナリストの性(さが)のようなもので、逆に言えば、精神病や精神病院にまるで関心を示さないジャーナリストは、その資質に疑問が呈されてよい。」と、本書「プロローグ」でいう著者は、その信念に忠実に、誠実な取材姿勢を通じて精神科医療の世界に読者を深くいざなう。
同じテーマの名著として、大熊一夫による『ルポ・精神病棟(旧・新)』が名高い。これは1960年代後半から70年代前半のいわば暗黒の領域だった精神病院に潜入取材した衝撃のルポだ。『新ルポ・精神病棟』で取り上げられている、80年代の新しい動きの中で準備中だった「千葉県精神科救急センター(現・千葉県精神科医療センター)」が、本書の舞台だ。偏見などの逆風に耐えてふんばりつつ、患者にとって最善の道を手探りでさがす医師と看護士らの奮闘が、臨場感ある記述を通して、ずばっと伝わってくる。特に、個性的な医師たちが現状や理想を語る肉声は印象に残る。
医療行政の問題点と、その改善の方向にも果敢に斬り込んでゆく著者は、冷静に見つめた現実を、プライバシーに配慮しながら丁寧に記述してゆく。最後に著者は、精神病院の内と外の「地続き感」を、さらっと語っている。それを読むとき、読者もまた、問題意識を著者と共有し、地続きになり、さらに精神科医療以外のことへも思考を拡げてゆく。つぼの底にかすかに見える希望をのぞきこむのにも似た味のノンフィクションだ。(坂本成子)
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2003/10/1)
- 発売日 : 2003/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 377ページ
- ISBN-10 : 4062109255
- ISBN-13 : 978-4062109253
- Amazon 売れ筋ランキング: - 647,460位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 260位精神医学ノンフィクション
- - 485位救急医学・集中治療 (本)
- - 923位医学
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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千葉県精神科医療センターで密着取材し、救急搬送される患者さんについて、医療者の奮闘の様子も交えながら、淡々と実態を綴っています。精神科のスタッフは逃げ出したくなるような場面にも遭遇しつつも、でも、誰かがケアをしなければ、患者さんが元の生活に戻れないとの想いに動かされています。この想いが、仕事の源泉になっていることもよくわかります。読者が「なぜ?」と思う点についても丁寧に書かれています。
感染症のまん延にあたり、感染者のケアにあたる医療スタッフにも通じるものを感じました。
医療者への暖かいまなざしを社会全体で持てるようになることが、成熟した社会の一条件ではないかとも考えます。
病状などは今も昔も変わらないと思うので、雰囲気は感じられると思います。
ぜひ、読んで、違う偏見を取り除いて下さい!
外傷の救急の場合は、手術などをして命を救うという明確な指針があるが、精神救急の場合はとても難しい。
千葉にあるこの国立センターは、全国で先駆けて精神救急をやっている。そして、平均3か月くらいで患者を回復させ、退院させる。
これは、たぶんとっても早い。独自の方法で長期入院させない方法を実践しているのだ。本書は、その内実に迫っていてとても貴重である。
しかし、統合失調症が治る病気にまでなってきた、というのは知らなかった。印象的には少し不治の病的なイメージだが。
とはいえ、年間3万を超える自殺者。半数以上は大小はあれ、精神的に病んでいる人が多いと思う。
こういった精神科病院に入って、元気を取り戻して、自殺衝動を実践する人も多いのではなかろうか。
そう考えると病院や医師が、一人の患者をその人生を通してみていくのは、無理があるだろう。結局、家族のもとに負担はのしかかる。
風邪も放置すれば、重病になる。いかに、そのひきはじめに気づくか…これがは重要かもしれない。
いまも、統合失調症の人がスーパーで人を刺殺した事件が起こった。
自死か他死、この2択しかない世界に生きなければいけない人の絶望は、計り知れない。
軽く(笑)精神科に掛かっている人も、社会福祉、医療関係者にも一度目を通して欲しい。