2002年に出た単行本の文庫化。
幼少期から発行当時までの半生がざっくばらんな口調で語られている。
似たような本を何冊も出しているが、まあ、この本も同じような内容だ。学生時代と兵隊時代がメインになっている。ユーモアと教訓が入り交じったような書きぶりで、さらりと楽しく読むことができた。
水木さんの自伝のなかでは、かなり薄味な一冊と思う。
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生まれたときから妖怪だった 単行本 – 2002/6/1
水木 しげる
(著)
私は「ニンゲン以外の妖怪」だ。
この大宇宙、妖怪人生が最高!!
人知を超えた大宇宙から見れば、ニンゲンの決めたルールや価値観など、とても絶対とは言いがたい。だとしたら、ニンゲンがつくったひとつまみの砂だけを頼りに生きたくないなァ、というのが私の子どもの頃からの姿勢だった。
学校や軍隊や社会の規制といったルールにだけ縛られるより、もっと自由でのびのびした大宇宙のルールで生きていこうと姿勢である。それをいまでも続けている私のことを、他人は、「妖怪」と呼んでいる。――「はじめに」より抜粋
この大宇宙、妖怪人生が最高!!
人知を超えた大宇宙から見れば、ニンゲンの決めたルールや価値観など、とても絶対とは言いがたい。だとしたら、ニンゲンがつくったひとつまみの砂だけを頼りに生きたくないなァ、というのが私の子どもの頃からの姿勢だった。
学校や軍隊や社会の規制といったルールにだけ縛られるより、もっと自由でのびのびした大宇宙のルールで生きていこうと姿勢である。それをいまでも続けている私のことを、他人は、「妖怪」と呼んでいる。――「はじめに」より抜粋
- 本の長さ238ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2002/6/1
- ISBN-104062113554
- ISBN-13978-4062113557
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
人は老いたら妖怪に従った方がいい。ソツのない生き方はもう美徳ではない。もっと人間らしく、時にはバカと言われようと、自分の本音に従って行動した方が、運も幸福の女神も微笑んでくれる。水木流妖怪的人生を綴る。
著者について
■水木しげる(みずきしげる)
1922年、鳥取県境港市に生まれる。子どもの頃から人一倍好奇心が強く、この世のすべての不思議に関心を抱く。戦時中、ラバウルで何度も生命の危機に陥るが、幸運にも妖怪に助けられ、奇跡の生還を遂げる。戦後、苦しい紙芝居作りや貸本マンガ家時代を乗り越え、1965年、『テレビくん』で第6回講談社児童漫画賞を受賞。以後『ゲゲゲの鬼太郎』『悪魔くん』『河童の三平』など、空前の大ヒットをとばし、一躍、少年漫画誌の人気作家となる。1989年、『昭和史』で第13回講談社漫画賞、1991年、NHK放映の「のんのんばあとオレ」で平成3年度文化庁芸術作品賞、1996年、第25回日本漫画家協会賞文部大臣賞の各賞を受賞。日本民俗学会会員、民族芸術学会評議委員。1991年、紫綬褒章を受章。主な著書に『妖怪画談』(岩波書店)、『ボクの一生はゲゲゲの楽園だ』全6巻(講談社・コミックス)、『図説 日本妖怪大全』(講談社+α文庫)などがある。
1922年、鳥取県境港市に生まれる。子どもの頃から人一倍好奇心が強く、この世のすべての不思議に関心を抱く。戦時中、ラバウルで何度も生命の危機に陥るが、幸運にも妖怪に助けられ、奇跡の生還を遂げる。戦後、苦しい紙芝居作りや貸本マンガ家時代を乗り越え、1965年、『テレビくん』で第6回講談社児童漫画賞を受賞。以後『ゲゲゲの鬼太郎』『悪魔くん』『河童の三平』など、空前の大ヒットをとばし、一躍、少年漫画誌の人気作家となる。1989年、『昭和史』で第13回講談社漫画賞、1991年、NHK放映の「のんのんばあとオレ」で平成3年度文化庁芸術作品賞、1996年、第25回日本漫画家協会賞文部大臣賞の各賞を受賞。日本民俗学会会員、民族芸術学会評議委員。1991年、紫綬褒章を受章。主な著書に『妖怪画談』(岩波書店)、『ボクの一生はゲゲゲの楽園だ』全6巻(講談社・コミックス)、『図説 日本妖怪大全』(講談社+α文庫)などがある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2002/6/1)
- 発売日 : 2002/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 238ページ
- ISBN-10 : 4062113554
- ISBN-13 : 978-4062113557
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,322,072位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 35,987位エッセー・随筆 (本)
- - 457,012位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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1922年、鳥取県生まれ。漫画「ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」など著書多数。1991年、紫綬褒章受章。妖怪と精霊を求めて全世界を旅する。1996年 に郷里の境港市に「水木しげるロード」を設立し、「世界妖怪協会」の会長に就任、「世界妖怪会議」を開催する。2003年、旭日小綬章受章(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『姑娘』(ISBN-10:406276735X)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年1月17日に日本でレビュー済み
水木しげる氏の自伝的エピソードによる
人生訓といった内容です
もっと自由に生きてよいといった内容です
しかし、水木氏ですら生活・家庭の為
仕事をしていた側面もあるように感じた
まして、凡人の私は
こつこつ働くのが一番だと、改めて思いました
でも、少し気が楽になった感じがします
また、正直にいうと人生訓よりも、
水木氏の波乱万丈のエピソードの方が興味深かった
特に印象深かったのは
パーティーで手塚治虫氏と会った時
雑誌「COM」への原稿依頼を受け
「いいです」と返答したエピソードです
水木氏は了解のつもりで返答したが
手塚氏は拒否されたと思った模様
しかし、水木氏は訂正せずにいたとのことです
大様というか大物である
人生訓といった内容です
もっと自由に生きてよいといった内容です
しかし、水木氏ですら生活・家庭の為
仕事をしていた側面もあるように感じた
まして、凡人の私は
こつこつ働くのが一番だと、改めて思いました
でも、少し気が楽になった感じがします
また、正直にいうと人生訓よりも、
水木氏の波乱万丈のエピソードの方が興味深かった
特に印象深かったのは
パーティーで手塚治虫氏と会った時
雑誌「COM」への原稿依頼を受け
「いいです」と返答したエピソードです
水木氏は了解のつもりで返答したが
手塚氏は拒否されたと思った模様
しかし、水木氏は訂正せずにいたとのことです
大様というか大物である
2010年7月23日に日本でレビュー済み
以前NHKスペシャルで「鬼太郎が見た玉砕 〜水木しげるの戦争〜 」が放映されたのをみて、水木しげるという人物に興味を持ち。
妖怪と歩く―ドキュメント・水木しげる (新潮文庫)
を読んだりはしたのですが、そのままになっていました。最近、朝の連続小説で「ゲゲゲの女房」が放映されているのをみて、水木しげるの自伝的なものを読んでみようと思い立ち、この本を手にとってみました。
読んでみて、意外だったのは、非常に文章が明快で、面白く、人をひきつけてぐいぐいと最後まで読みきらせる魅力があることです。
正直、水木しげるという人は、変わった人で、漫画なんかを読んでも、独特の世界観なので、別世界で暮らしている人物なのかと思い込んでいました。
この本を読むと、この人は世の中の常識をすべて理解したうえで、その常識にとらわれない、ある種達観した心の持ち主なんだなと思いました。
エピソード自体おもしろく、非常にユーモラスな語り口で、気がついたら一時間ちょっとで最後まで読みきっていました。
非常に面白いです。お勧めします。
読んでみて、意外だったのは、非常に文章が明快で、面白く、人をひきつけてぐいぐいと最後まで読みきらせる魅力があることです。
正直、水木しげるという人は、変わった人で、漫画なんかを読んでも、独特の世界観なので、別世界で暮らしている人物なのかと思い込んでいました。
この本を読むと、この人は世の中の常識をすべて理解したうえで、その常識にとらわれない、ある種達観した心の持ち主なんだなと思いました。
エピソード自体おもしろく、非常にユーモラスな語り口で、気がついたら一時間ちょっとで最後まで読みきっていました。
非常に面白いです。お勧めします。
2005年1月30日に日本でレビュー済み
本書は企画本です。「迷走を続ける現代のなかで目標を失いつつある人々へ、人生の言葉を贈る」という編集者の企画から誕生した本だからです。筆者の人生から、生き方の「ソツ」を学ぼうというのが主眼です。したがって話は筆者がこれまでに歩んだ人生が中心となっています。
私がドキっとしたのは、べつの編集者との会話のなかでの筆者の発言です。「ああ、そう。なればいいですよ、ホームレスに。怠け心を抑えることもないでしょう。なんにもせんのが楽しいなら、それでホームレスになったら本望じゃないですか」。編集者が自分が怠け者なので好きなようにしていたら、ホームレスになってしまうのではないかと不安をうち明けたときの、筆者の言葉です。筆者の生まれもった天衣無縫なふるまいと、死線を生きのびた者だけがもちうる冷徹なリアリズム。人生への筆者の対照的な姿勢は、私の心をひきつけてやみません(一般には前者だけが注目されているようですが)。
ほかにも「どうですか、あんたもボケませんか」「愛? そんなもんは知らん」「お父ちゃんは、マイブームが異常に長い」「あれ? 私は、なんのハナシをしていたのかなァ」等々の、名言が収録されています。
ところで本書を読んでいて気になったのは、本書の少なからぬ部分が既存のエッセイと重複していることです。たとえば本文中の「マイペース」の精華美術学院、「しょっちゅうクビ」の職工募集のくだりは『ほんまにオレはアホやろか』と、文章の流れまで一致しています。もちろん筆者が過去のエッセイを下敷きにして、あらためて文章にしたのなら納得します。しかし本書の文章は筆者ほんらいの名文にはほど遠いもので、元のエッセイを筆者以外の人物が書き直したかのような、ぎこちない文章になっているのです。
もちろん真相は不明です。ですが私が心配するのは、本書を先によんだ読者がその下敷きとなっている過去のエッセイを読んだとき、原本のほうが二番煎じに映りはしないかということです。本書をよんで興味をいだかれた方は、『アホやよろか』『ねぼけ人生』などの他の自伝エッセイ集をぜひ手にとっていただければと思います。
最後に、標題の「生まれたときから『妖怪』だった」は扇情的な標題ですが、筆者が世の中の常識からみると規格外(=妖怪)の人生をおくってきたという意味で使用されています。
私がドキっとしたのは、べつの編集者との会話のなかでの筆者の発言です。「ああ、そう。なればいいですよ、ホームレスに。怠け心を抑えることもないでしょう。なんにもせんのが楽しいなら、それでホームレスになったら本望じゃないですか」。編集者が自分が怠け者なので好きなようにしていたら、ホームレスになってしまうのではないかと不安をうち明けたときの、筆者の言葉です。筆者の生まれもった天衣無縫なふるまいと、死線を生きのびた者だけがもちうる冷徹なリアリズム。人生への筆者の対照的な姿勢は、私の心をひきつけてやみません(一般には前者だけが注目されているようですが)。
ほかにも「どうですか、あんたもボケませんか」「愛? そんなもんは知らん」「お父ちゃんは、マイブームが異常に長い」「あれ? 私は、なんのハナシをしていたのかなァ」等々の、名言が収録されています。
ところで本書を読んでいて気になったのは、本書の少なからぬ部分が既存のエッセイと重複していることです。たとえば本文中の「マイペース」の精華美術学院、「しょっちゅうクビ」の職工募集のくだりは『ほんまにオレはアホやろか』と、文章の流れまで一致しています。もちろん筆者が過去のエッセイを下敷きにして、あらためて文章にしたのなら納得します。しかし本書の文章は筆者ほんらいの名文にはほど遠いもので、元のエッセイを筆者以外の人物が書き直したかのような、ぎこちない文章になっているのです。
もちろん真相は不明です。ですが私が心配するのは、本書を先によんだ読者がその下敷きとなっている過去のエッセイを読んだとき、原本のほうが二番煎じに映りはしないかということです。本書をよんで興味をいだかれた方は、『アホやよろか』『ねぼけ人生』などの他の自伝エッセイ集をぜひ手にとっていただければと思います。
最後に、標題の「生まれたときから『妖怪』だった」は扇情的な標題ですが、筆者が世の中の常識からみると規格外(=妖怪)の人生をおくってきたという意味で使用されています。
2002年7月30日に日本でレビュー済み
「ゲゲゲの鬼太郎」で有名な水木しげる氏の自伝的一冊。本人自身で「わたしは人間以外の妖怪だ!」と叫ぶだけあって、その波乱万丈の人生はまさに奇妙キテレツ、決して他人が真似などできるものでない。さすがにオン歳80を越えた人であるだけに、ちょっとした言葉が妙に味わい深く、きっとそれが読む人を魅了するに違いない。しかし、それにしても「ゲゲゲの鬼太郎」の「ゲゲゲ」が、水木氏少年期の渾名だったとは驚きだ。文字も大きくて、筆致も平易であるから、老若男女を問わず、ひろく薦めたいものである。