無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
日本の政治: 田中角栄・角栄以後 単行本 – 2002/10/1
天才政治家の功罪とは何か。「角栄の子」たちの失政の本質とは?
26年の歳月を傾けた著者渾身の戦後政治論1000枚!
田中角栄本人から、中曽根康弘、竹下登、小沢一郎、ブレーン官僚……そして佐藤昭子、早坂茂三まで。
キーパーソンへの徹底取材と膨大な資料をもとに綴った「角栄と日本」総括の決定版!!
- 本の長さ497ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2002/10/1
- ISBN-104062113678
- ISBN-13978-4062113670
この著者の人気タイトル
商品の説明
メディア掲載レビューほか
テレビ番組「サンデープロジェクト」や「朝まで生テレビ!」で丁々発止の議論を仕掛ける田原総一朗氏が、政治問題をはじめとして多数のノンフィクション作品を世に問うてきたことは案外知られていない。
テレビでの田原氏に対しては強引な司会者との批判も多く、誤解もされやすい。だが、本書を読むと、単純に見えるあの仕切り方は、実は限られた時間で政治家や当事者から本音を引き出す手段であると分かる。
ロッキード事件を冒頭に配し、田中角栄政治の再検証を目指した。ひたすら関係者に会い取材を積み重ねるという地道な努力の成果である。そこには、著者を批判する論者がよく指摘する“問題の単純化”とは正反対の手法、すなわち多様な情報とそれに基づく仮説が示されている。
1976年の暑い夏の盛り、私は田中前首相逮捕の一報をラジオで聞き、心が躍ったのを覚えている。ついに巨悪は捕まったと。その後、ロッキード裁判の行方を「田中は有罪」という角度から疑いもなく見てきた私にとって、「裁判は強引な検察のストーリーに乗ったもので、田中は無罪」という著者の仮説は、にわかに信じ難かった。
ところが、次第に論旨に説得されつつある自分に気がついた。著者の取材は非常に広範にわたっている。取り調べに当たった検察官や田中側の弁護士などの話や裁判記録を基にした緻密な論議には、当初抱いた違和感を払拭させるに十分な勢いがあるのだ。例えば、現金の授受がホテルオークラの駐車場で行われたとの検察側の主張に、実はその日、東京は大雪に見舞われており、検察側の主張はいかにも不自然と著者は言うのである。
米ロッキード側から丸紅を経由して5億円が贈られたことは事実としても、ずさんな検察側の立証を安易に支持したメディアや世論の影響を受けて行われた裁判に対して、疑問を投げかけた意義は大きい。
本書の第2部以下は、田中的政治の再検証であり、その呪縛から解き放たれなければならないと主張する。政治家田中の誕生から首相の座にまで上り詰めていく過程を、そしてその後の逮捕、闘病と、失意の田中を描く。93年に田中が死去してもなお、彼が築いたカネと人事による田中政治は現在の小泉純一郎首相の登場まで続いてきたと指摘する。著者は田中個人には同情的だが、その金権主体の政治手法は賞味期限切れというのだ。
とすれば、抵抗勢力側が現在展開中の政策論争に名を借りた小泉批判は深刻である。果たして、日本の国民は田中的政治手法に戻ろうとしているのか。重大な関心を持たざるを得ない。
(慶応義塾大学教授 草野 厚)
(日経ビジネス 2003/02/03 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
内容(「MARC」データベースより)
著者について
1934年、滋賀県彦根市生まれ。早稲田大学文学部卒業。岩波映画製作所、テレビ東京を経て、77年フリーに。現在は政治・経済・メディア等、時代の最先端の問題をとらえ、活字と放送の両メディアにわたり精力的な評論活動を続けている。
『日本の官僚』『メディア・ウォーズ』『頭のない鯨~政治劇の真実』『巨大な落日~大蔵官僚 敗走の850日』『日本の戦争』『日本のカラクリ21』ほか著書多数。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2002/10/1)
- 発売日 : 2002/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 497ページ
- ISBN-10 : 4062113678
- ISBN-13 : 978-4062113670
- Amazon 売れ筋ランキング: - 913,884位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 796位政治史・比較政治
- - 5,819位政治入門
- - 84,458位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
新聞ちらちら読んでても、なんかよくわからん、という人向けの入門書です。
日本にこれだけ夢と力のある政治家が居たんだと、はじめて知ったもんで汗。
ただ若者である自分にとっては、ロッキード事件の判決がどうであるかは
たいして興味がなかったので、無罪の立証である一章は途中から読み飛ばしました。
本書では、田中角栄が頭角を現すまでの時代から小沢一郎議員が暗躍した頃までは詳細に、かつ深層追求の信念を持って記述されていますが、筆者もあとがきで記述しているとおり、小泉政権に至るまでの最近の部分はさっと流しています。
筆者はロッキード裁判で田中角栄は無罪だったとの証明を試み、金銭授受の部分の矛盾を論破しています。しかし、公然と金銭授受を認めた者がいるため、贈収賄があったこと自体は否定していません。また、二審から証言をひっくり返す戦略を立てることの是非についての議論に乏しく、二転三転する弁護側の供述に信憑性の欠如が問われることを前提に、果たして授受の状況が異なることを主張すれば無罪を勝ち取れたのか、という点で説得力に欠ける気がしました。さらに、法律問題の部分は取材した人の見解を載せているだけで、首相としての職務権限、嘱託尋問の証拠不採用の部分、「毒樹の果実理論」等、ポイントとなる点について筆者はどのように考えているのか分かりませんでした。そのため、「田中角栄は「無罪」であるべきだった」と結論づける前に、更に突っ込んだ議論の展開が必要ではないかと感じられました。
ともあれ、田中角栄の無罪を証明する部分については、説得力があると評している方もおりますし、上記の私の批判的な考え方や、論点を詳細に検証している立花隆氏の著書を踏まえつつ読んでみるのも面白いのではないでしょうか。