テンポは良いのですが、段落が個性的な上に、
ものすごくみっちりと、重く深いものが詰まった文体。
何度も何度も読んでしまいました。
他の作品も是非、読みたいです。
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熊の場所 単行本 – 2002/10/1
舞城 王太郎
(著)
舞城王太郎第1短編集
何が飛び出すか誰にもわからない最強の純文学!
圧倒的文圧で疾走する表題作『熊の場所』を含む全3編を収録。
僕がまー君の猫殺しに気がついたのは僕とまー君が2人とも11の時、つまり同じ保育所に通っていた僕たちが一緒に西暁小学校に上がり、同じ教室で勉強し始めて5年目の頃だった。――(本文より)
何が飛び出すか誰にもわからない最強の純文学!
圧倒的文圧で疾走する表題作『熊の場所』を含む全3編を収録。
僕がまー君の猫殺しに気がついたのは僕とまー君が2人とも11の時、つまり同じ保育所に通っていた僕たちが一緒に西暁小学校に上がり、同じ教室で勉強し始めて5年目の頃だった。――(本文より)
- 本の長さ205ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2002/10/1
- ISBN-104062113953
- ISBN-13978-4062113953
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
僕がまー君の猫殺しに気がついたのは、僕とまー君が二人とも十一の時、一緒に西暁小学校に上がり、同じ教室で勉強し始めて五年目の頃だった-。第15回三島由紀夫賞候補作の表題作ほか、2篇を収録した短篇集。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2002/10/1)
- 発売日 : 2002/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 205ページ
- ISBN-10 : 4062113953
- ISBN-13 : 978-4062113953
- Amazon 売れ筋ランキング: - 316,931位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 7,752位日本文学
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年9月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
久しぶりに舞城王太郎作品が読みたくなり購入。
相変わらず文章がうまく、サラサラと読めます。舞城度は低めなのではじめての人も読みやすいのかもしれません。暴力的な世界の不条理が熱をもってでも淡々と流れていきます。
相変わらず文章がうまく、サラサラと読めます。舞城度は低めなのではじめての人も読みやすいのかもしれません。暴力的な世界の不条理が熱をもってでも淡々と流れていきます。
2008年1月3日に日本でレビュー済み
最近,ぼくが一番嵌っている作家が,この舞城王太郎.デビュー作にしてメフィスト賞受賞作の『煙か土か食い物』を読んで,一発で嵌った.
舞城は元々はミステリー作家であるが,元々ミステリーのトリックは面白くなかった.突拍子もないトリックも論理も碩学もない.しかし,落とし方が巧いのである.まさにミステリーのもうひとつの醍醐味を味わえる作家である.
そして,なりより,流れるようなスピード感溢れる文体が素晴らしい.改行もほとんどせず一見読みにくいように思えるが,読み始めると一気に頭の中を舞城の文章が流れていく.この筆力はすさまじい.天性のものか.
本作品集『熊の場所』は舞城がミステリーから純文学へと枠を広げるきっかけとなった作品.特に2作目『バット男』が素晴らしい.こんなに琴線を掻き鳴らされたのは,ホーガンの『星を継ぐ者』以来のことかもしれない.
『バット男』は,社会的弱者に肉体的な危害を加えることでしか精神を保てない弱い人間と,どうしようなもいほどの馬鹿なカップルの救いようのない物語だが,舞城の表現している愛情と他者への攻撃性には,ぼくは共感を覚えてしまうのだ.この物語の登場人物は馬鹿だけれど,みんな馬鹿にならないように『バット』男に目を背けているだけに過ぎないのではないのだろうか.
他の2編,表題作の『熊の場所』は思春期の少年の持つ暗い感情と秘密という危うさを見事に表現していたし,『ピコーン!』のフェラチオ100万回で不良少年を矯正という馬鹿馬鹿しいなネタも結構好きだったり.
どの作品も適当な長さですぐに読める.まず,この一冊から舞城を読んでみて欲しい.
舞城は元々はミステリー作家であるが,元々ミステリーのトリックは面白くなかった.突拍子もないトリックも論理も碩学もない.しかし,落とし方が巧いのである.まさにミステリーのもうひとつの醍醐味を味わえる作家である.
そして,なりより,流れるようなスピード感溢れる文体が素晴らしい.改行もほとんどせず一見読みにくいように思えるが,読み始めると一気に頭の中を舞城の文章が流れていく.この筆力はすさまじい.天性のものか.
本作品集『熊の場所』は舞城がミステリーから純文学へと枠を広げるきっかけとなった作品.特に2作目『バット男』が素晴らしい.こんなに琴線を掻き鳴らされたのは,ホーガンの『星を継ぐ者』以来のことかもしれない.
『バット男』は,社会的弱者に肉体的な危害を加えることでしか精神を保てない弱い人間と,どうしようなもいほどの馬鹿なカップルの救いようのない物語だが,舞城の表現している愛情と他者への攻撃性には,ぼくは共感を覚えてしまうのだ.この物語の登場人物は馬鹿だけれど,みんな馬鹿にならないように『バット』男に目を背けているだけに過ぎないのではないのだろうか.
他の2編,表題作の『熊の場所』は思春期の少年の持つ暗い感情と秘密という危うさを見事に表現していたし,『ピコーン!』のフェラチオ100万回で不良少年を矯正という馬鹿馬鹿しいなネタも結構好きだったり.
どの作品も適当な長さですぐに読める.まず,この一冊から舞城を読んでみて欲しい.
2010年4月23日に日本でレビュー済み
猫殺しの少年と僕はいかにして特別な友情を築いたのか(『熊の場所』)。おんぼろチャリで駅周辺を徘徊する性格破綻者はゴッサムシティのヒーローとは程遠かった(『バット男』)。ナイスバディのわたしが恋人のためにやったこと(『ピコーン』)。氏の世界観炸裂の短篇集です。
「人生はスポーツではない。負けてないことが勝つことにはならない。そしてこれは誰でも判っているだろうが、人生ってのは大きな引き分け試合だ。でもそれぞれの局面において、勝ち負けはちゃんとある。って言うか勝ち負けしかない。でも負けたときしか、勝ち負けの判断はうまくできないのだ」
「人生はスポーツではない。負けてないことが勝つことにはならない。そしてこれは誰でも判っているだろうが、人生ってのは大きな引き分け試合だ。でもそれぞれの局面において、勝ち負けはちゃんとある。って言うか勝ち負けしかない。でも負けたときしか、勝ち負けの判断はうまくできないのだ」
2023年4月24日に日本でレビュー済み
私には熊の場所がたくさんありますね。
熊の場所には行かないとダメですか?
自分が行けない場所がたくさんあっても、自分の居場所があればいいんじゃない?
熊の場所は行かない方がいい場所かもしれない。
でも、熊の場所に行ける人の方がいいのかな?
熊の場所に行ったらもう立ち直れない人もいるんじゃない?
熊の場所には行かないとダメですか?
自分が行けない場所がたくさんあっても、自分の居場所があればいいんじゃない?
熊の場所は行かない方がいい場所かもしれない。
でも、熊の場所に行ける人の方がいいのかな?
熊の場所に行ったらもう立ち直れない人もいるんじゃない?
2010年2月15日に日本でレビュー済み
3作収録の短編集。どの作品もミステリーの形は一応取ってはいるものの、なぜこの世には人の命が奪われるような暴力が存在してしまうのかという究極の謎にタッチを試みており、しかもそんな「世界」の哀しさをきちんと表現しているため、単に人が死んでその謎解きを行うという凡百のミステリーを遥かに超えている。(特に「バット男」は絶品。)
一方で哲学者めいた説教臭さは全くなく、登場人物達の軽目のモノローグと内面の動きで、きちんとこの哀しさが伝わってくるのが凄い。同時代にこんな凄い作家がいて、しかもきちんと売れている(らしい)という事実が僕は本当に嬉しい。誰だ、勝手に「小説は終わった」「今、いかに文学が可能か」とか適当な文句をしたり顔で繰り返してるのは?お陰でこの作家に出会うのが10年遅れちゃったじゃないか。
一方で哲学者めいた説教臭さは全くなく、登場人物達の軽目のモノローグと内面の動きで、きちんとこの哀しさが伝わってくるのが凄い。同時代にこんな凄い作家がいて、しかもきちんと売れている(らしい)という事実が僕は本当に嬉しい。誰だ、勝手に「小説は終わった」「今、いかに文学が可能か」とか適当な文句をしたり顔で繰り返してるのは?お陰でこの作家に出会うのが10年遅れちゃったじゃないか。
2009年3月27日に日本でレビュー済み
3つの短い短編が入っているだけの本。
3つとも全然違う色の作品だと思います。
でもラストでグッとさせてくれるのは、いつもと同じです。
舞城が書く登場人物たちは、どいつもこいつもどうしてこんなに私を泣かせるのか。
こんな短い小説で、こんな純文学今まであった?
すっかり舞城中毒で一体どうしてくれんのよ?
3つとも全然違う色の作品だと思います。
でもラストでグッとさせてくれるのは、いつもと同じです。
舞城が書く登場人物たちは、どいつもこいつもどうしてこんなに私を泣かせるのか。
こんな短い小説で、こんな純文学今まであった?
すっかり舞城中毒で一体どうしてくれんのよ?
2023年2月4日に日本でレビュー済み
この本を手に取ったきっかけは、小川哲氏著の「君のクイズ」です。 同作の肝心の場面で表題作「熊の場所」が語られています。 期待したとおり、表題作を含めた3作全て、一度読むと忘れられない作品です。 個人的には「バット男」の中で語られる、不幸になるように出来上がっている「システム」の存在に賛同しました。 不幸になるようにというのは、正しい表現ではないかもしれませんが、ネガティブ・スパイラルが起こる「過程」と言えるでしょうか。 作者は覆面作家、舞城王太郎さんですが、著者の出身地である福井県が各作品でとても美しく描かれています。