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終戦のローレライ 下 単行本 – 2002/12/10
- 本の長さ597ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2002/12/10
- ISBN-104062115298
- ISBN-13978-4062115292
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商品の説明
商品説明
第2次大戦末期、主人公の海軍新兵・折笠征人は、未だ知らされぬ任務のため親友の清永と広島の呉軍港に降り立つ。そこでは、1隻の潜水艦が彼らを待っていた。その潜水艦こそは、戦争の形態を根本から変えてしまうという秘密兵器「ローレライ」を搭載していたドイツ軍のUボートだった。しかし、日本に到着する前、アメリカ軍の執拗な追撃のために「ローレライ」はやむなく日本近海に投棄されてしまっていた。折笠たちに与えられた極秘任務とは、それを回収することにあった。それを阻止せんとするアメリカ軍とのあいだで苛烈な戦闘が繰り広げられる。そして、その秘密兵器を日本の終戦工作に使おうとする陰謀が、密かに進行していた。
著者は、彼らの生死をかけた生き様や心理描写を通して、国家や民族について、また、日本人とは何なのか、そしてあの戦争は何だったのかを、前作同様読者に問いかけ続ける。重いテーマを背負い込んでいる作品だが、読み手があまり負担に感じないのは、物語がエンターテイメント性を失わないからであろう。
ここで描かれているのは過去の時代である。しかし問われていることは、いま日本という国に生きているわれわれ自身が直面している問題である。そういう意味で、この小説は「現代小説」といえるだろう。2003年度吉川英治文学新人賞受賞。(文月 達)
内容(「MARC」データベースより)
著者について
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2002/12/10)
- 発売日 : 2002/12/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 597ページ
- ISBN-10 : 4062115298
- ISBN-13 : 978-4062115292
- Amazon 売れ筋ランキング: - 294,857位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 7,190位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
1968年、東京都墨田区生まれ。
98年「Twelve Y.O.」で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。99年『亡国のイージス』では第2回大藪春彦賞、第18回日本冒険小説協会大賞、第53回日本推 理作家協会賞を受賞。2002年『終戦のローレライ』では第24回吉川英治文学新人賞、第21回日本冒険小説協会大賞を受賞。05年には原作が3本映画化 された(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『機動戦士ガンダムUC(4) パラオ攻略戦 (ISBN-13: 978-4044748081 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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テーマ、登場人物の設定、ストーリーの展開。
『終戦のローレライ』も、そうした福井作品に共通のパターンが踏襲された物語だが、
それでもワンパターンとしらけさせられる事が無いばかりか、深く感動させられてしまった。
福井晴敏の作品はハズす事なく傑作ぞろいだが、中でもこの作品は名作と呼べるだろう。
読者は『椰子の実』の歌を聴くたびに、この物語を思い起こすに違いない。
第二次大戦末期の太平洋を舞台に繰り広げられる感動巨編。
ではないのすが・・。
自分的にはSF的な設定や戦闘描写よりも乗員達の描写に心を奪われました。
読み前にある程度の福井節は予想はしていたんだけど・・・やっぱ泣けますね。。うーん職人を感じますね。。
あと読んだ方によって作品最終章の部分はさうがにいらんだろう!!って言う方もいらしゃいますが。
自分は結構あそこはグッってきました。
色々あった折笠もまぁ人並な人生をすごしたんだなぁって。
そんだけのコトなんですけど・・・(まぁ他にもありますが)
非常に感動はするし、泣けるんだけど。。何故でしょう心に残りません。読後も何か考えさせる。。そんなあと一味が欲しかったです。
迷わず手に取りました。
重厚なテーマに加え饒舌な文章、専門用語も多い為、読み辛い
のは確かで、読了するにはそれなりの時間が掛かります。
ですが、やはり素晴らしい作品と言わざるを得ません。
熱い筆致で描かれる、人間ドラマと戦闘シーンに心震えます。
冷めた視点で紡がれる、祖国を憂う思想に心痛みます。
戦闘の結末に涙を止めるのは難しく、何を勝ち取る為の戦争か
何に命を賭けるのか。縋るものを探してもがき苦しむ登場人物
達の命の重さ(いや、軽さなのかもしれませんが)を、
考えずにはいられません。
殺伐とした戦争の中、幾度となく歌われる「椰子の実」の歌が、
琴線に触れます。
強い個を持った伊507乗組員達の心の傷、毒素を洗い流して
いく素晴らしい小道具となっています。
正直に言えば、ローレライという非現実的な代物には最初不安
を覚えましたが、有無を言わせぬ精緻な描写がリアリティーを
与えています。
かなりの大作ゆえ、手を出し難い向きもあろうかと思いますが、
読めばそれだけの見返りはあると思いますので、お勧めします。
できれば次作は、別のジャンルで新境地を見せて欲しいと願う
のは欲張りすぎでしょうか。期待を込めての星4つです。
しかし、それでもなお、彼等がそうだったように、どれほど現在が絶望的で腐敗していても、変わらず腐りきった未来が待ち受けているかもしれずとも、変わる変えることが出来る未来を信じて出来る限りのことをする。我々に求められているのは、そういった「未来を信じる力」なのかもしれない。