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彼女の部屋 単行本 – 2003/10/1

3.8 5つ星のうち3.8 12個の評価

女と女、女と男。そこにあなたがいる。
芥川賞作家が描く、6つの透明な物語。

“日常”というバランス、それがくずれるとき。誰かの心の暗がりが、そっと目の前に広がる。

●8年前に死んだ父親が、ある日突然帰ってきた。家族の喜びと幸せを、切なく描いた 「父の帰宅」

●友人宛に送られてくるストーカーの手紙を引き取った・ゆりえ。
その手紙を見に集まった友だちは、手紙に記された住所をたよりに“彼”の家を探す。
●ストーカーの手紙からはじまる物語 「愛の手紙」

●さほど仲のよくない女友だち・北原さんの強引な誘いを断れず、彼女のマンションへと招待された恭子。彼女がそこで見たものは!? 「彼女の部屋」 (表題作)

―――ほか3編を収録。
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商品の説明

内容(「MARC」データベースより)

女と女、女と男。そこにあなたがいる。「日常」というバランスがくずれるとき。誰かの心の暗がりが、そっと目の前に広がる。『文学界』などに掲載された6つの透明な物語を収録した短篇集。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2003/10/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2003/10/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 230ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4062120305
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4062120302
  • カスタマーレビュー:
    3.8 5つ星のうち3.8 12個の評価

著者について

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藤野 千夜
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1962年福岡県生まれ。千葉大学教育学部卒。95年『午後の時間割』で第14回海燕新人文学賞、98年『おしゃべり怪談』で第20回野間文芸新人賞、99年『夏の約束』で第122回芥川賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 中等部超能力戦争 (ISBN-13: 978-4575513608 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

星5つ中3.8つ
5つのうち3.8つ
12グローバルレーティング

この商品をレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2011年11月4日に日本でレビュー済み
表題作の「彼女の部屋」(ラストに収載)を含む、全6編の短編集です。
藤野千夜の作品は現時点(2011年)で書籍化されているものはすべて読みましたが、これの一番のお気に入りです。

初めて読んだときの衝撃は今でも覚えていて、ふだんあまり泣くことがない私は何度か泣いてしまい、「自分
何で泣いてるんだろう、全然泣ける話なんて1つもないはずなのに」と自問した記憶があります。
泣ける要素はもちろん、特定の感情を喚起させないように、仮に書きたいことが思い浮かんでも、すぐにパソコンで
タイプせず、しばらく時間を置き、寝かせ、空気と混ぜ合わせたあとに、文字におこす。そんな気にさせる、独特の
文体です。ただ、「おかしさ」だけは、随所にちりばめられています。そのおかしさも、いろんな感情を含んでいる、
もしくはいろんな感情を差し引いたあとに残る形容しづらい何か、ともいえます。こういったことは説明すると野暮
で、小説という形式だからこそ伝わるものかもしれません。

例えば、最初に収載されている「ハローウィーン」。
主人公が住むマンションの回覧板で知らされた、マンション内ハロウィン(ハローウィーンではない)のお知らせ。
仮装した子どもがマンション内の部屋を訪れて、お菓子をおねだりする。
主人公は未婚、子どもはいない。他の登場人物は、もう子どもは独立し、2人で暮らす福田夫婦。
もし仮に、話を盛り上げるためにイベントを作るなら、ハロウィンの当日の模様を詳しく書くとよいかもしれません。
でも藤野千夜は徹底的に書かない。ハロウィン前、当日、後、のうち、前が大部分を占め、後は少しだけ。
おかしさを含みつつ、こんな終わりでいいの、と一瞬思わせますが、ここで主人公でも福田夫婦でも、心理描写を
入れていくらでも感動の上り下がりを付けて(表面的には)ドラマチックなストーリーにできるのに、それをしない。
だからこそ、幅を利かせるのは絶対的な時間の流れと、その流れの中でそれぞれが経験してきた多様な出来事です。
多様な出来事(これも詳細は徹底的に書かない)の前では、ハロウィンの1日のことはささいで、感情の上り下がり
などはたいした問題ではなくなります。日常は1つのことだけでなく、いつもいろんなやりたいことややりたくない
ことやどうでもいいことが同時進行で進んでいます。

どの作品もそれぞれにすばらしくて、何度も読み返しています。
友人に勧めてみると、賛否両論で、「何もおこらなくてつまらない」「意味がわからない」という感想もありました。
確かに、一見何もおこらない、というか、本当に何もおこらない。3話目「父の帰宅」は死んだはずの父親が「帰ってくる」
ので、かなりドラマチックなことがおこっていますが、展開はほのぼのとしていて、死んだはず、が大事ではなく、日
常のように「帰ってきた」ことに力点が置かれています。また、意味がわからない、というか、意味はそんなにとくに
ない。でもそれって、実生活にもいえることだと思います。人生の大半は何もおこらず、意味はそんなにない、かといって
別にそれがわるいことじゃない。なかなか他人を理解するのは大変だし、理解する気もない場合が多いけど、それでも
社会は一応回っている。これもレビューでつらつら書くと野暮だけれど、藤野千夜の作品を読むといろいろと考えさせ
られて、ついには泣いてしまうのです。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年2月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前から気になっていた作家で、今回初めての購入です。
レビューも高く、解説も高評価でしたが、私にはしっくり来ませんでした。
淡々とし過ぎて、感情移入が出来ない。
解説には、登場人物への抑制のきいた距離感がいい、と書かれていましたが
あまりにもさらりとし過ぎていて、心が動きませんでした。
読む人によって、感じ方は随分違うものですね。
2017年12月22日に日本でレビュー済み
淡々としたストーリーだが、なぜか飽きずにあっという間に読み終えてしまった。
登場人物は特別な人たちではないけれど、個人と個人が交わることで、そこに生じる「差」をユーモアたっぷりに描いていて面白い。

「個人」の性質をもっとも象徴的に表しているその人の「部屋」の様子にクローズアップすることで、ああ変だなとほくそ笑むのと同時に、自分自身もやはり変なところがあるのだろうなと気づかされる、おかしみを味わえる小説。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2004年4月25日に日本でレビュー済み
淡々とした日々のなかの、「なんか違う」事。
そういうことに自然も不自然もなく対処していく流れが描かれているようで面白いと感じた。
表題作は勿論、他のものも、一環していて、日常とその異常さとを
感じる。
視点も然り、設定にも違和感をおぼえることなくスーッと入っていける作品。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2004年2月3日に日本でレビュー済み
「彼女の部屋」で起きる様々な出来事。こんな事あると思えるものや、日常離れしたものまで、さらりと描く著者に惚れてしまいました。
表題作「彼女の部屋」に出てくる北原さんは小学生の頃の友達に似ている。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート